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9>>第二王子視点-5
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俺は無事に王族から除籍された。
俺が魔法で暴れたら王城に多大な損害が起きると危惧されたのもすんなり話が進んだ理由だろう。
俺の意志が固過ぎて再教育も出来ない。幽閉も出来ない。もし幽閉出来たとしてもただ飼い殺しにしておくメリットはあまり無い。俺を植物状態にして精子だけ取れる技術でもあれば違っただろうが、そんな技術も魔法も無いので最初から第二王子など居なかったのだと考える事にした様だ。
ありがたい。
俺は子種だけ出来ない処置をされて平民となった。
魔法でチャチャッと処理されたので痛みもなかった。やっぱり魔法は最高だなっと改めて思ったね。
たださすがに大人たちは8歳の子供を身1つで平民へと落とす事に抵抗があったらしく、俺が好んで住み着いていた森の側に小さい家を建ててくれて、そこに世話人の老夫婦を住まわせて俺がちゃんと成人するまで“人並みの”生活をする様に手配してくれた。
手配してくれたというか、最低限の人としての生活をしろ!、と言われたというか…………
森の中で野生児の様に生きるのだけはやめて、風呂に入るのを忘れないで、ちゃんとした(食器を使った)食事をして、ちゃんと服を着てっ!、と母に涙ながらに説得されてしまい、俺は渋々頷かされたのだった……
「俺、必ず世界に名を轟かせる冒険者になるよ!!!」
今度はちゃんと玄関──と言っても使用人用の出入り口だが──から城を出る俺に父は言った。
「国に恥じぬ活躍をして見せろ」
そして兄も俺に誓ってくれた。
「お前が出て行った事を後悔するくらいの国にしてみせるから」
母はただ俺を一度抱きしめて涙の浮かんだ笑顔で言った。
「……元気で……精一杯に生きなさい」
俺は皆に拳を空に突き上げて見せ、笑顔でさよならを言った。
ここから、俺の大冒険は始まるんだ………っ!!!
なんて、
成人するまでの間は町外れでじいちゃんばあちゃんの世話になるんだけどな。
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俺は無事に王族から除籍された。
俺が魔法で暴れたら王城に多大な損害が起きると危惧されたのもすんなり話が進んだ理由だろう。
俺の意志が固過ぎて再教育も出来ない。幽閉も出来ない。もし幽閉出来たとしてもただ飼い殺しにしておくメリットはあまり無い。俺を植物状態にして精子だけ取れる技術でもあれば違っただろうが、そんな技術も魔法も無いので最初から第二王子など居なかったのだと考える事にした様だ。
ありがたい。
俺は子種だけ出来ない処置をされて平民となった。
魔法でチャチャッと処理されたので痛みもなかった。やっぱり魔法は最高だなっと改めて思ったね。
たださすがに大人たちは8歳の子供を身1つで平民へと落とす事に抵抗があったらしく、俺が好んで住み着いていた森の側に小さい家を建ててくれて、そこに世話人の老夫婦を住まわせて俺がちゃんと成人するまで“人並みの”生活をする様に手配してくれた。
手配してくれたというか、最低限の人としての生活をしろ!、と言われたというか…………
森の中で野生児の様に生きるのだけはやめて、風呂に入るのを忘れないで、ちゃんとした(食器を使った)食事をして、ちゃんと服を着てっ!、と母に涙ながらに説得されてしまい、俺は渋々頷かされたのだった……
「俺、必ず世界に名を轟かせる冒険者になるよ!!!」
今度はちゃんと玄関──と言っても使用人用の出入り口だが──から城を出る俺に父は言った。
「国に恥じぬ活躍をして見せろ」
そして兄も俺に誓ってくれた。
「お前が出て行った事を後悔するくらいの国にしてみせるから」
母はただ俺を一度抱きしめて涙の浮かんだ笑顔で言った。
「……元気で……精一杯に生きなさい」
俺は皆に拳を空に突き上げて見せ、笑顔でさよならを言った。
ここから、俺の大冒険は始まるんだ………っ!!!
なんて、
成人するまでの間は町外れでじいちゃんばあちゃんの世話になるんだけどな。
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