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7>>第二王子視点-3
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しかし半年と少しで見つかってしまい、強固な包囲網を張られた末に家出は強制終了させられた。
城に連れ戻された俺を見て、父の国王は目を見開いて静止し、母の王妃は卒倒し、兄は目と口を開いて驚いた顔をしていた。
当然だろう。
俺は家出した後、普通に孤児の様な暮らしをしながら王都を離れ、その足で森に入って木の実や小動物を狩って食べていた。前世で子供の頃からやっていた野外活動グループやキャンプの経験や知識が生きた。
魔法が使えたのも7歳児が一人で生きれた理由だ。水は手から出るし火も起こせる。多少の怪我なら治せるし木の上で寝ても落ちない。
俺は森の中を走り回り飛び回り、危険なモノから逃げ隠れ、倒せそうな魔物や動物は倒して経験を積んだ。
一応お湯を作って体を洗ったりはしたが、生きてるだけで汚れていくのでその内気にならなくなった。
連れ戻された時の俺の姿は街中の孤児よりも汚らしい浮浪児だった事だろう。
半年だ。
城から抜け出してたった半年で王子が溝に住んでる様な浮浪児の様になって帰ってきたのだ。
そりゃぁ驚くよなぁ…………
そんな俺に我に返った父である国王が声を掛けた。
「本当に、ピグスゼグド……なのか……?」
「違います!!」
「違いません!! この目、この整ったお顔! 汚れてしまっていますが間違いなくピグスゼグド第二王子殿下であります!!!」
チッ。
一応否定してみたが俺付きの執事だった男が額に青筋を浮かべながら否定しやがった。俺が家出した事できっと滅茶苦茶怒られたんだろう。目の下に隈を作って俺を睨んでくる顔から察するに、二度と俺を逃さないと思っていそうだ。
「……ピグスゼグド、何があったのだ?
どうして城を出たのだ……
お前が誘拐されたのではなく自ら城を出た事は分かっている……
どうしてだ……何か嫌な事でもあったのか?」
俺がさっき本人じゃないと否定した事に若干呆れた顔をした父が思いの外優しく俺に話しかけた。
父に続き、兄が少しだけ焦った顔で俺に話しかける。
「わ、私の所為か?
私がお前より出来が悪いからお前は」
「え?! 違うよ兄さん!?」
突然の兄の発言に俺は驚いた。
兄さんが俺より出来が悪い?!
そんな事言ったの誰だよ!? ぶっ飛ばすぞ!?!
俺は慌てて口を開いた。
「兄さんは関係ない!!
っていうか家族も城のみんなも誰も何も関係無いよ!
俺が出て行きたかったんだ!!
俺はここには居られない!
俺は城より森で生きたいんだ!!
だって俺は、
冒険者になるんだから!!!!」
喉の限界まで叫んだ俺の言葉に、
場は無音室の様に静まり返り、
数秒後に数名が倒れる音が響いた……
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しかし半年と少しで見つかってしまい、強固な包囲網を張られた末に家出は強制終了させられた。
城に連れ戻された俺を見て、父の国王は目を見開いて静止し、母の王妃は卒倒し、兄は目と口を開いて驚いた顔をしていた。
当然だろう。
俺は家出した後、普通に孤児の様な暮らしをしながら王都を離れ、その足で森に入って木の実や小動物を狩って食べていた。前世で子供の頃からやっていた野外活動グループやキャンプの経験や知識が生きた。
魔法が使えたのも7歳児が一人で生きれた理由だ。水は手から出るし火も起こせる。多少の怪我なら治せるし木の上で寝ても落ちない。
俺は森の中を走り回り飛び回り、危険なモノから逃げ隠れ、倒せそうな魔物や動物は倒して経験を積んだ。
一応お湯を作って体を洗ったりはしたが、生きてるだけで汚れていくのでその内気にならなくなった。
連れ戻された時の俺の姿は街中の孤児よりも汚らしい浮浪児だった事だろう。
半年だ。
城から抜け出してたった半年で王子が溝に住んでる様な浮浪児の様になって帰ってきたのだ。
そりゃぁ驚くよなぁ…………
そんな俺に我に返った父である国王が声を掛けた。
「本当に、ピグスゼグド……なのか……?」
「違います!!」
「違いません!! この目、この整ったお顔! 汚れてしまっていますが間違いなくピグスゼグド第二王子殿下であります!!!」
チッ。
一応否定してみたが俺付きの執事だった男が額に青筋を浮かべながら否定しやがった。俺が家出した事できっと滅茶苦茶怒られたんだろう。目の下に隈を作って俺を睨んでくる顔から察するに、二度と俺を逃さないと思っていそうだ。
「……ピグスゼグド、何があったのだ?
どうして城を出たのだ……
お前が誘拐されたのではなく自ら城を出た事は分かっている……
どうしてだ……何か嫌な事でもあったのか?」
俺がさっき本人じゃないと否定した事に若干呆れた顔をした父が思いの外優しく俺に話しかけた。
父に続き、兄が少しだけ焦った顔で俺に話しかける。
「わ、私の所為か?
私がお前より出来が悪いからお前は」
「え?! 違うよ兄さん!?」
突然の兄の発言に俺は驚いた。
兄さんが俺より出来が悪い?!
そんな事言ったの誰だよ!? ぶっ飛ばすぞ!?!
俺は慌てて口を開いた。
「兄さんは関係ない!!
っていうか家族も城のみんなも誰も何も関係無いよ!
俺が出て行きたかったんだ!!
俺はここには居られない!
俺は城より森で生きたいんだ!!
だって俺は、
冒険者になるんだから!!!!」
喉の限界まで叫んだ俺の言葉に、
場は無音室の様に静まり返り、
数秒後に数名が倒れる音が響いた……
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