乙女ゲームの世界へ転生!ヒロインの私は当然王子様に決めた!!で?その王子様は何処???

ラララキヲ

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3>>ヒロインは混乱した

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 廊下を走っていたのを教師に見られていた私は入学式の日から教師に怒られた。

 でも怒られたところで私の頭にはそんな教師の言葉は入って来ない。

 なんで? なんで? なんで???

 私は混乱した。


 だって第二王子であるピグスゼグド・ロイ・スマルス様は今年入学してないんだもの?????

 なんでなの???????


 入学式の新入生代表挨拶をゲームでは第二王子殿下であるピグ様がやっていた。でも今日の入学式で壇上に上がったのは外交官の息子である侯爵令息様だった。彼もゲームの攻略対象キャラの一人だから知ってる。第二王子の側近の一人で冷静沈着キャラだった。

 なのに…………
 ゲームでは存在しない筈の『婚約者』の令嬢にデレデレするその顔にはゲームキャラとして知っていた冷静沈着キャラのイメージは全然無かった……


 何が起こってるの????


 分からないままに学園生活は始まって、ゲーム通りの登場キャラは居るのに第二王子だけが居ない事が分かった。

 私のピグ様…………

 
 私は思い切って事情を知ってそうな人に話を聞いた。
 本来なら攻略対象キャラである外交官の息子の侯爵令息。メガネに黒い髪に緑色の瞳。ゲームでは好感度を上げきった後でしか見られない筈の笑顔を自分の婚約者に向けるアレックス・エドル侯爵令息様……

「え? 第二王子殿下?
 ……君、知らないのかい? 彼の事はこんな場所で話す事じゃないよ。自分の親に聞くといい。貴族の当主なら誰でも知っている事だ。
 それと、こんな風に周りに人気が無い時に私に話しかけないでくれないか? 今回は話題が話題だから仕方がないが、他の令嬢と二人だけで話している姿なんてエマに見られたくないんだ。
 と、あぁ、ほら見られた。彼女に誤解されたらどうするんだよ。
 次からは気をつけてくれよ。

 ……エマ、ごめんよ。突然声を掛けられてね。質問されたんだ……」

 ヒロインを前に顔色を変えないどころか注意をされてしまって……攻略対象者キャラの筈なのにヒロインよりゲームでは居なかった筈の婚約者の令嬢を気にするその姿に、私はこの世界が本当に乙女ゲーム『愛する人を見つけた』の世界なのか、分からなくなってきた……

 私はヒロインじゃないの……?

 アレックスに声を掛けた事に少なからず下心はあった。何故か婚約者持ちになっているけれど、それでも攻略対象者なのだからヒロインの私が話しかけたらときめいたりしてくれるんじゃないかと思ったのに……

 攻略対象者はそんなだし、狙ってるピグ様は居ないし……

 っていうか、第二王子のピグ様に何かあったの???
 
 話題を出すのもはばかられるなんてどう言う事???


 混乱した状態で私はなんとか家に帰って直ぐにお父様の元へ向かった。



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