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ずっと静観していたムルダが姿勢を正した。
そして静かに妹に話しかける。
「サバサ。お前は何故アリーチェに厳し過ぎる教育をしたのだ。そして、そんな事をしておきながら、何故アリーチェを次期当主の座から下ろしたのだ」
「わたくしは……」
「今は一旦アリーチェの血のことは置いておこう。
お前が正しくアリーチェが侯爵の子だと認識していたのなら、何故こんなにも露骨にアリーチェとルナリアに差を付けたのだ」
「そ、それは……」
実兄の静かだが怒りの籠もった声にサバサはまた違った震えを体に感じた。
言い淀み、返事をしたがらない母親にルナリアは黙っていられなかった。
「お母様の所為で、わたくしはお姉様との思い出を何一つ作ることができなかったのね。
わたくしはずっとお姉様に嫌われてるんだと思ってた……わたくしに笑いかけてくれないお姉様が嫌だった。いつも暗い顔をしているお姉様が嫌いだった。
……グリド様と一緒にいてもお姉様は嬉しくなさそうだから、それならわたくしがグリド様を貰ってもいいじゃないって思ったの……
でもそうね……
今考えると毎回お姉様とグリド様のお茶会の席にわたくしが居た事が不自然よね……
お母様に貴女も居ていいのよ家族になるのだから貴女もグリドくんと仲良くしなさいって言われて、それが当然なんだと思っていたわ……
あれってなんだったの?
お母様は何故わたくしにあんなことをさせたの?」
ルナリアは不意に浮かんだ疑問を母に投げかけた。考えてみたらおかしすぎる事だったが、今この時までルナリアは自分とグリドの関係に疑問を持たなかった。
「あ、あれは……っ」
サバサはどの疑問にも答えられない。
そんな妻を庇う為にロッチェンは口を開いた。
「サバサだけを責めないでくれ……子供の面倒をサバサに全て一任していた私にも非がある。
アリーチェは物分りの良い大人しく従順な娘だと……、ルナリアは明るくて勉強は苦手だがとても心の優しい子だと……、サバサが言っている事をそのまま受け取り、自分の目では何一つ見ようとはしなかった。
……それがまさかここまでの事になるとは……」
ロッチェンは改めて気付いた問題点に眉間にシワを寄せて項垂れた。そんな夫の姿にサバサは傷付いた顔をした。
「あ、あなた……、そんな……っ」
ちゃんと庇ってはくれない夫にサバサは悲痛な声を出す。
しかしロッチェンはそれに答えてはくれずに、逆に問い質すような視線を向けた。
「……サバサ、答えてくれ。何故なんだ?」
ロッチェンにさえ問われてサバサはただただ戸惑う。
「…………わたくしは……」
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ずっと静観していたムルダが姿勢を正した。
そして静かに妹に話しかける。
「サバサ。お前は何故アリーチェに厳し過ぎる教育をしたのだ。そして、そんな事をしておきながら、何故アリーチェを次期当主の座から下ろしたのだ」
「わたくしは……」
「今は一旦アリーチェの血のことは置いておこう。
お前が正しくアリーチェが侯爵の子だと認識していたのなら、何故こんなにも露骨にアリーチェとルナリアに差を付けたのだ」
「そ、それは……」
実兄の静かだが怒りの籠もった声にサバサはまた違った震えを体に感じた。
言い淀み、返事をしたがらない母親にルナリアは黙っていられなかった。
「お母様の所為で、わたくしはお姉様との思い出を何一つ作ることができなかったのね。
わたくしはずっとお姉様に嫌われてるんだと思ってた……わたくしに笑いかけてくれないお姉様が嫌だった。いつも暗い顔をしているお姉様が嫌いだった。
……グリド様と一緒にいてもお姉様は嬉しくなさそうだから、それならわたくしがグリド様を貰ってもいいじゃないって思ったの……
でもそうね……
今考えると毎回お姉様とグリド様のお茶会の席にわたくしが居た事が不自然よね……
お母様に貴女も居ていいのよ家族になるのだから貴女もグリドくんと仲良くしなさいって言われて、それが当然なんだと思っていたわ……
あれってなんだったの?
お母様は何故わたくしにあんなことをさせたの?」
ルナリアは不意に浮かんだ疑問を母に投げかけた。考えてみたらおかしすぎる事だったが、今この時までルナリアは自分とグリドの関係に疑問を持たなかった。
「あ、あれは……っ」
サバサはどの疑問にも答えられない。
そんな妻を庇う為にロッチェンは口を開いた。
「サバサだけを責めないでくれ……子供の面倒をサバサに全て一任していた私にも非がある。
アリーチェは物分りの良い大人しく従順な娘だと……、ルナリアは明るくて勉強は苦手だがとても心の優しい子だと……、サバサが言っている事をそのまま受け取り、自分の目では何一つ見ようとはしなかった。
……それがまさかここまでの事になるとは……」
ロッチェンは改めて気付いた問題点に眉間にシワを寄せて項垂れた。そんな夫の姿にサバサは傷付いた顔をした。
「あ、あなた……、そんな……っ」
ちゃんと庇ってはくれない夫にサバサは悲痛な声を出す。
しかしロッチェンはそれに答えてはくれずに、逆に問い質すような視線を向けた。
「……サバサ、答えてくれ。何故なんだ?」
ロッチェンにさえ問われてサバサはただただ戸惑う。
「…………わたくしは……」
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■感想やエールやブクマを頂き、本当にありがとうございました😄
■時々『感想とは判断出来ないもの(作品内容に触れていない)(個人の妄想)(他の人が見たら気分を害しそうな言葉使い)』があり、それは『却下』させてもらっております。こちらも反応にも困るのでスミマセン。
□□■〔 注意 〕
※この話は作者(ラララキヲ)がノリと趣味と妄想で書いた物です。
なので『アナタ(読者)の"好み"や"好き嫌い"や"妄想"や"考察"』等には『一切配慮しておりません』事をご理解下さい。
※少しでも不快に感じた時は『ブラウザバック』して下さい。アナタ向けの作品ではなかったのでしょう。
■えげつないざまぁを求める人が居たので私的なやつを書いてみました。興味のある方はどうぞ😁↓
◇〔R18〕【聖女にはなれません。何故なら既に心が壊れているからです。【強火ざまぁ】】
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