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17>> 婚約者への仕返し
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このままではわたくしはこの嫌悪感しか感じない男と結婚しなければなりません。お父様は何が何でもわたくしをこの男の元に嫁がせようとするでしょうし、浮気相手の女ですらわたくしがこの男と結婚することを反対していないのですから、わたくしには殆ど抵抗する術がありません。
ですが一つだけ思いついたのです。
わたくしがこの男と婚姻しないでいい方法を。
要は、この男が侯爵家の跡継ぎから外れればいいのです。
カッシム様のお家、ワゼロン侯爵家にはカッシム様の下に二人の男児が居られます。そして既にそのお二人共に婚約者が決まっています。嫡男のカッシム様に問題が起こっても跡取りには困らない上に、長男が駄目だったから次男に……などという、婚約者を次に回すなんて事も起こりません。既に弟君たちにも婚約者がいるのですから、そこを無かった事にすると別の家との問題が起こりますからね。ワゼロン侯爵家と我がパーシバル侯爵家の政略結婚は両当主ともが願った事ですが、ワゼロン侯爵は弟君たちの婚約者の家と揉めてまでパーシバル家を選ぶ程では無いでしょう。
ですから、カッシム様さえ跡取りから降りて下されば、無能なわたくしが無理矢理カッシム様の正妻になる必要はなくなるのです。カッシム様は侯爵家の次期当主ではなくなるのですから、それこそソフィーナ様と結婚されればいいのですから。
そこでわたくし、前世の知識を呼び起こしました。
わたくしの水魔法でも出来る事で、カッシム様が次期当主にはなれない状態にさせられる事……
お兄様や継母や義妹の様に一瞬の出来事ではなく、長期に渡り影響する事……
そこで思い出したのですわたくし。
前世で『肺に水が溜まる』という言葉があったことを。
もうそのまんま『水』です。
これこそ水魔法の出番ではないでしょうか?
さすがにここで言う“水”が真水の事ではないことはわたくしも分かります。
お兄様の時にやったように、お義母様の時に自分の腕を守る為にやったように……
カッシム様の肺の中に体液を集めて『水が溜まった状態』を作り出せば良いのです。
これがこの世界の回復魔法でどこまで治るのかは不明ですが、湧き水がゆっくりゆっくり溜まる様に……朝露がゆっくりゆっくり大きな水玉になる様に……そんな魔法を掛ければいいのではないでしょうか…………
わたくしは下げた頭を上げる事なくカッシム様とソフィーナ様のラブシーンが終わり、二人が立ち去るのを待ちます。
そしてその間に水の魔力を練って繋げて、カッシム様の体の中に魔法を飛ばしていきました。
砂時計の様な魔法を……
小さな小さな魔力の動きに、きっと誰も気付かないでしょう……
無能なわたくしが、水しか操れないわたくしの魔力が、そんな精密に動くなど誰も知ることはないでしょう……
肺に水が溜まるなど、この世界ではまだ知られていませんものね。
カッシム様のご病気が、長く長く続きますように……
わたくしも頑張りますわ。
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このままではわたくしはこの嫌悪感しか感じない男と結婚しなければなりません。お父様は何が何でもわたくしをこの男の元に嫁がせようとするでしょうし、浮気相手の女ですらわたくしがこの男と結婚することを反対していないのですから、わたくしには殆ど抵抗する術がありません。
ですが一つだけ思いついたのです。
わたくしがこの男と婚姻しないでいい方法を。
要は、この男が侯爵家の跡継ぎから外れればいいのです。
カッシム様のお家、ワゼロン侯爵家にはカッシム様の下に二人の男児が居られます。そして既にそのお二人共に婚約者が決まっています。嫡男のカッシム様に問題が起こっても跡取りには困らない上に、長男が駄目だったから次男に……などという、婚約者を次に回すなんて事も起こりません。既に弟君たちにも婚約者がいるのですから、そこを無かった事にすると別の家との問題が起こりますからね。ワゼロン侯爵家と我がパーシバル侯爵家の政略結婚は両当主ともが願った事ですが、ワゼロン侯爵は弟君たちの婚約者の家と揉めてまでパーシバル家を選ぶ程では無いでしょう。
ですから、カッシム様さえ跡取りから降りて下されば、無能なわたくしが無理矢理カッシム様の正妻になる必要はなくなるのです。カッシム様は侯爵家の次期当主ではなくなるのですから、それこそソフィーナ様と結婚されればいいのですから。
そこでわたくし、前世の知識を呼び起こしました。
わたくしの水魔法でも出来る事で、カッシム様が次期当主にはなれない状態にさせられる事……
お兄様や継母や義妹の様に一瞬の出来事ではなく、長期に渡り影響する事……
そこで思い出したのですわたくし。
前世で『肺に水が溜まる』という言葉があったことを。
もうそのまんま『水』です。
これこそ水魔法の出番ではないでしょうか?
さすがにここで言う“水”が真水の事ではないことはわたくしも分かります。
お兄様の時にやったように、お義母様の時に自分の腕を守る為にやったように……
カッシム様の肺の中に体液を集めて『水が溜まった状態』を作り出せば良いのです。
これがこの世界の回復魔法でどこまで治るのかは不明ですが、湧き水がゆっくりゆっくり溜まる様に……朝露がゆっくりゆっくり大きな水玉になる様に……そんな魔法を掛ければいいのではないでしょうか…………
わたくしは下げた頭を上げる事なくカッシム様とソフィーナ様のラブシーンが終わり、二人が立ち去るのを待ちます。
そしてその間に水の魔力を練って繋げて、カッシム様の体の中に魔法を飛ばしていきました。
砂時計の様な魔法を……
小さな小さな魔力の動きに、きっと誰も気付かないでしょう……
無能なわたくしが、水しか操れないわたくしの魔力が、そんな精密に動くなど誰も知ることはないでしょう……
肺に水が溜まるなど、この世界ではまだ知られていませんものね。
カッシム様のご病気が、長く長く続きますように……
わたくしも頑張りますわ。
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□□■〔 注意 〕
※この話は作者(ラララキヲ)がノリと趣味と妄想で書いた物です。
なので『アナタ(読者)の"好み"や"好き嫌い"や"妄想"や"考察"』等には『一切配慮しておりません』事をご理解下さい。
※少しでも不快に感じた時は『ブラウザバック』して下さい。アナタ向けの作品ではなかったのでしょう。
■えげつないざまぁを求める人が居たので私的なやつを書いてみました。興味のある方はどうぞ😁↓
◇〔R18〕【聖女にはなれません。何故なら既に心が壊れているからです。【強火ざまぁ】】
☆ブクマにしおりにエール、ありがとうございます!
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