水しか操れない無能と言われて虐げられてきた令嬢に転生していたようです。ところで皆さん。人体の殆どが水分から出来ているって知ってました?

ラララキヲ

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11>> 義母への仕返し

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「あぁ! 腹立たしい事ばかり!!」

 バシンッ、とお義母様がわたくしの腕を扇子で叩きます。
 痛みと熱を持った皮膚が、ピッと切れた感触がありました。わたくしは無意識の内に流れ出そうになった血を止め、その他の体液で血管をカバーして、汗腺からの僅かな汗と空気中にある水分を合わせた物をお義母様にはバレない様に傷の上に張りました。目にも見えない水分の膜に何の意味があるのかと自分でも思いましたが意外と保護力があり、お義母様が扇子で叩く痛みを緩和かんわしてくれました。
 しかしこれがどこまで保ってくれるかも分かりません……わたくしはお義母様へ抵抗をこころみる事にしました……

 要は“お義母様の腕が早く疲れれば良い”のです。
 そこでわたくしは前世の時に自分も体験した事のある、『血流が悪くなって腕が痺れた』状態をお義母様の腕に再現しようと思いました。
 あの、寝ている時に腕を圧迫してしまったのか起きた時に腕が痺れている、とか、そういう感じのやつです。
 それならわたくしの水魔法でもできます。だって『』いいのですもの。きっと。

 わたくしは早速魔力を操作してお義母様が扇子を持つ腕の肘から下の辺りの一番太い血管を意識して、その血管の一箇所の血を
 これはとても繊細な魔力操作を必要としますが、使う魔力は本当に微々たるもので、使うわたくしには一切の負担が無いのが嬉しいです。

 腕の血が止まったお義母様は早速ご自分の腕の違和感に気付きました。

「あら? ……何かしら……?」

 ご自分の腕を見て、逆の手で腕を触りながらお義母様が首を傾げます。
 一番太い血管の血が止まっているお義母様の腕には直ぐに変化が訪れました。

「手が冷たいわ……叩き過ぎたのかしら?」

 なんてお義母様が言っている間にも、お義母様の腕の色は徐々に白くなってきました。

「な、に、かしら……
 嫌だわ……腕が…………」

 さすがに焦り始めたお義母様の異変に、部屋の隅で待機していた侍女たちが動き出します。

「奥様、どうされましたか?」
「っ! まぁ、奥様! 腕のお色がっ?!」

「な、何か変なの、痺れて……っ!」

「だ、誰か来てっ!! 奥様がっ!!」

 途端に部屋の中が慌ただしくなりました。

 わたくしは困った顔をしてただその場に立ち尽くします。お義母様の指示がなければこの場から動けないからです。
 わたくしは侍女に押されてどんどんとお義母様から引き離されます。
 遂に顔色まで悪くなったお義母様が不意にギッっとわたくしを睨んで言いました。

「お前っ!? 変な病気でも持ってたんじゃないでしょうね!?!」

「そ、そんな、……っ!」

「さっさと出て行きなさい!!」

「し、失礼します」

 鬼の形相で冷や汗を浮かべて怒鳴るお義母様に言われて、わたくしは慌てて頭を下げてその部屋を出ました。扉付近で騒ぎを聞きつけた執事やメイドなどとすれ違いますが誰もわたくしなど気にしません。

 出来損ないで欠陥品のわたくしが、、誰も想像すらしないからです。

「い、痛いわっ! 何なのよこれはっ!? 誰かどうにかして頂戴!!」

 お義母様の騒ぎ声が後ろから聞こえてきます。お義母様から叩かれたわたくしの腕も赤黒く変色して痛いです。
 お義母様にわたくしの痛みを少しでも体験してもらっても……少しなら、許されますよね……?

 なんて考えて少しだけ時間を置いてから、わたくしはお義母様に掛けていた魔法を解きました。

 あの後、お義母様は腕の痛みに加えて熱も出てしまったらしく、寝込んでしまった様です。ベッドの上であの子が何かやったんだと騒いでいる様ですが……それを信じる人はこの邸にはいません。

 だってわたくし、『無能』なんですものね。言うのでしょう。




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□□■〔 注意 〕
※この話は作者(ラララキヲ)がノリと趣味と妄想で書いた物です。
 なので『アナタ(読者)の"好み"や"好き嫌い"や"妄想"や"考察"』等には『一切配慮しておりません』事をご理解下さい。

※少しでも不快に感じた時は『ブラウザバック』して下さい。アナタ向けの作品ではなかったのでしょう。

■えげつないざまぁを求める人が居たので私的なやつを書いてみました。興味のある方はどうぞ😁↓
◇〔R18〕【聖女にはなれません。何故なら既に心が壊れているからです。【強火ざまぁ】



☆ブクマにしおりにエール、ありがとうございます!

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