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8>> お兄様への仕返し
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キンキンと響くお兄様の声を聞きながら、わたくしはふと思いました。
──この声、わたくしの魔力でも止められるのではなくって?──
今のわたくしにはふんわりとではありますが、前世の知識があります。その中には『声が出る仕組み』もあります。口の中にあるそれを、わたくしが唯一扱える水魔法であれば、どうにか出来るのではないかと、わたくしは本当に突然、ふと気付きました。
まだまだ止まりそうにないお兄様からの口撃。
これを聞き続けるのは本当に心にツラくて、でも泣く事も許されなくて、わたくしはただただ頭を下げることしかできません。
でも、ここでお兄様の声が一瞬でも止まれば、お兄様はそちらが気になって、わたくしどころではなくなるのではないでしょうか?
きっとそうです。そうなるに違いありません。
なら試してみる価値はありますわよね。
そう思ってわたくしはお兄様の声を止める為に、
気道を唾液で塞ぐ事にしました。
人間の体の中には何かしらの体液が流れています。口からはまず唾液。それに、気道や食道がカラカラに乾いているなんて事は無いでしょうから、それらをわたくしの水の魔力で操って一箇所に集めて、固定します。
そうしたらきっと……
「の無いお前の兄でいる事がどれだけ俺の負担になったと、おっ、、?! ……っ?!? はっ?!???」
ほら、出来た!
「ッハっ、……!? っっ?!??!?」
ハクハクと口を動かし、慌てて喉を手で押さえたお兄様が驚いた顔をしています。
「っ?! ど、どうされました坊ちゃま!?!」
実はずっと最初からお兄様の後ろに黙って立っていた老執事が、お兄様の異変に気付いて慌ててお兄様の体を支えました。実はこの方、昨日のあの時間にお兄様の外出に付き合っていて家に居なかったのですよね。この歳でお漏らししていたらどんな気持ちになっていたのでしょうか……ちょっと気になります……
と、そんな事よりお兄様です。わたくしも慌てて驚いた顔をしてお兄様に声を掛けました。
「っ、お、お兄様? ど、どうされたのですかっ?!」
「っ……っ、っ!!?!」
ただ目を開いて口をハクハクと動かすお兄様に、わたくしも老執事も慌てる事しかできません。
……あら? 何か間違えたかしら……?
お兄様の反応に、わたくしも驚いてしまっていたのでしょう。
さっさと魔法を解いてしまえばよかったのですが、老執事の慌て様と異変を聞きつけて集まって来た使用人たちに追い払われる様にお兄様から遠ざけられたわたくしは、お兄様が白目を剥いて倒れたのを見てそこでやっと魔法を解くことに気付いたのでした。
「だ、誰か医師を!! 早く呼んでくるんだ!!」
老執事の叫び声が廊下に響きます。
わたくしもお兄様が心配でその場に居たのですが、他の使用人に邪魔だからと追い払われてしまい、仕方なく自室へと戻りました。
自室に戻り、部屋の扉を閉めた後にふとまた記憶が呼び起こされます。
あら?
声を止めるには、『気道を塞ぐ』のではなく『声帯を止める』のではなかったかしら?
曖昧な記憶のせいで間違えたかもしれません…………
テヘッ☆
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キンキンと響くお兄様の声を聞きながら、わたくしはふと思いました。
──この声、わたくしの魔力でも止められるのではなくって?──
今のわたくしにはふんわりとではありますが、前世の知識があります。その中には『声が出る仕組み』もあります。口の中にあるそれを、わたくしが唯一扱える水魔法であれば、どうにか出来るのではないかと、わたくしは本当に突然、ふと気付きました。
まだまだ止まりそうにないお兄様からの口撃。
これを聞き続けるのは本当に心にツラくて、でも泣く事も許されなくて、わたくしはただただ頭を下げることしかできません。
でも、ここでお兄様の声が一瞬でも止まれば、お兄様はそちらが気になって、わたくしどころではなくなるのではないでしょうか?
きっとそうです。そうなるに違いありません。
なら試してみる価値はありますわよね。
そう思ってわたくしはお兄様の声を止める為に、
気道を唾液で塞ぐ事にしました。
人間の体の中には何かしらの体液が流れています。口からはまず唾液。それに、気道や食道がカラカラに乾いているなんて事は無いでしょうから、それらをわたくしの水の魔力で操って一箇所に集めて、固定します。
そうしたらきっと……
「の無いお前の兄でいる事がどれだけ俺の負担になったと、おっ、、?! ……っ?!? はっ?!???」
ほら、出来た!
「ッハっ、……!? っっ?!??!?」
ハクハクと口を動かし、慌てて喉を手で押さえたお兄様が驚いた顔をしています。
「っ?! ど、どうされました坊ちゃま!?!」
実はずっと最初からお兄様の後ろに黙って立っていた老執事が、お兄様の異変に気付いて慌ててお兄様の体を支えました。実はこの方、昨日のあの時間にお兄様の外出に付き合っていて家に居なかったのですよね。この歳でお漏らししていたらどんな気持ちになっていたのでしょうか……ちょっと気になります……
と、そんな事よりお兄様です。わたくしも慌てて驚いた顔をしてお兄様に声を掛けました。
「っ、お、お兄様? ど、どうされたのですかっ?!」
「っ……っ、っ!!?!」
ただ目を開いて口をハクハクと動かすお兄様に、わたくしも老執事も慌てる事しかできません。
……あら? 何か間違えたかしら……?
お兄様の反応に、わたくしも驚いてしまっていたのでしょう。
さっさと魔法を解いてしまえばよかったのですが、老執事の慌て様と異変を聞きつけて集まって来た使用人たちに追い払われる様にお兄様から遠ざけられたわたくしは、お兄様が白目を剥いて倒れたのを見てそこでやっと魔法を解くことに気付いたのでした。
「だ、誰か医師を!! 早く呼んでくるんだ!!」
老執事の叫び声が廊下に響きます。
わたくしもお兄様が心配でその場に居たのですが、他の使用人に邪魔だからと追い払われてしまい、仕方なく自室へと戻りました。
自室に戻り、部屋の扉を閉めた後にふとまた記憶が呼び起こされます。
あら?
声を止めるには、『気道を塞ぐ』のではなく『声帯を止める』のではなかったかしら?
曖昧な記憶のせいで間違えたかもしれません…………
テヘッ☆
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□□■〔 注意 〕
※この話は作者(ラララキヲ)がノリと趣味と妄想で書いた物です。
なので『アナタ(読者)の"好み"や"好き嫌い"や"妄想"や"考察"』等には『一切配慮しておりません』事をご理解下さい。
※少しでも不快に感じた時は『ブラウザバック』して下さい。アナタ向けの作品ではなかったのでしょう。
■えげつないざまぁを求める人が居たので私的なやつを書いてみました。興味のある方はどうぞ😁↓
◇〔R18〕【聖女にはなれません。何故なら既に心が壊れているからです。【強火ざまぁ】】
☆ブクマにしおりにエール、ありがとうございます!
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