水しか操れない無能と言われて虐げられてきた令嬢に転生していたようです。ところで皆さん。人体の殆どが水分から出来ているって知ってました?

ラララキヲ

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 この世界には火・水・風・土・光の五属性の魔法があります。
 火を極めれば岩を溶かし、水を極めれば海をも凍らせ、光を極めれば昼間を暗闇にすることもできます。
 しかしそこまでの事が出来るのは貴族の血を持つ者だけ。平民が使える魔法はとても弱く、手のひらの上で使えれば良い方だそうです。

 ですが、全員が五属性を使えます。
 使えて当然の世界だと思われています。

 それなのに。
 そんな世界で……

 わたくしは『水の魔力だけ』を持って生まれてきました。


 パーシバル侯爵家の二番目の子として産声を上げたわたくしを、抱き上げた医師が魔力の流れからその異変に気付いて、その後の正式な鑑定をもっ
『この子には水属性の魔力しか宿っていません』
と断言されたと聞きます。その時の事は今でも地獄の始まりだったとお父様は言っていました。
 わたくしは“完璧を求める貴族の世界にあるまじき『欠陥品』”として生まれてきたのです。
 
 母はその事が心労となり、産後の体調不良と合わせて体を更に壊して、ほとんど赤子のわたくしを抱く事なく、二年後には亡くなったそうです。
 一歳上のお兄様は母が亡くなったのはわたくしの様な欠陥品が生まれてきたからだとわたくしを嫌い、お父様に『あんなのはさっさと捨ててくれ』と泣いて訴えたそうですが、お父様は『あんな出来損ないでも私とリンナ(母)の正式な血を引く子供に間違いないのだから勿体無い』と、わたくしを育ててくださいました。

 欠陥品でも出来損ないでも、わたくしには父であるガレリオ・パーシバル侯爵当主と元伯爵令嬢である母リンナの血が入っているのです。
 皆はわたくしではなく、わたくしの“血”から生まれる子、わたくしが産むであろう“子供”に期待しているのです。

 『血は問題ないのだから次はまともなものが生まれてくるはずだ』と。

 ですからわたくしはワゼロン侯爵家の嫡男・カッシム様の婚約者となりました。パーシバル侯爵家とワゼロン侯爵家を繋ぐ為の政略結婚です。わたくしが欠陥品だろうとカッシム様の血があればまともな子供が生まれてくるだろうと皆が信じているのです。
 ……信じているというよりも、『まともな子が産まれなければは無かった事にすれば良い』と考えていると言った方が正しいですね……


 わたくしには、わたくしの体の中に『流れている血』と『子宮』にしか価値が無いのです。

 この体に流れる貴族の血にしか…………

 流れる…………

 あら? 流れるって言えば水ですわね?

 水も血も同じような……ような……

 あら? ……………あら……?




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□□■〔 注意 〕
※この話は作者(ラララキヲ)がノリと趣味と妄想で書いた物です。
 なので『アナタ(読者)の"好み"や"好き嫌い"や"妄想"や"考察"』等には『一切配慮しておりません』事をご理解下さい。

※少しでも不快に感じた時は『ブラウザバック』して下さい。アナタ向けの作品ではなかったのでしょう。

■えげつないざまぁを求める人が居たので私的なやつを書いてみました。興味のある方はどうぞ😁↓
◇〔R18〕【聖女にはなれません。何故なら既に心が壊れているからです。【強火ざまぁ】



☆ブクマにしおりにエール、ありがとうございます!

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