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さて、ヒロインは?
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─【あちらの世界】
人の住む世界と隣り合い、決して交わらない世界。
悪魔の住む世界。
人々は存在すらしらない世界でアンジェリカは眠りにつく。
宙に浮くはシャボン玉の様な球体の中で、アンジェリカは胎児のように丸くなって幸せな夢を見る。
この中では彼女の身体は時を止める。ただ『今のまま』、緩やかな呼吸の中で穏やかに寝続ける。お腹が空く事も生理現象に悩まされる事も体が汚れることも無い。
アンジェリカは眠り続け、そしてその欲望を皆に提供し続ける。
彼女の管理を任された、こちらの世界の『欲望吸収維持管理職』員の白い髪の悪魔はちょっと興奮気味に笑う。
「いや~、ただの人間だとこの世界に来て数分で体が腐り出すけど彼女は特殊だね!
1度世界を渡った事がありそうだ!
こんな強い魂珍しいよ!だからこの世界の瘴気にも平気なんだな!それでいて欲望は普通の人間の数倍持ってるんだから最高の逸材だよ~!
何人もの男と仲良くする夢を見て満足するどころかさらに欲望は強くなるばかり、よくこんな女が生まれたね~?
まぁ、この子がいるおかげで悪魔たちの食事も満たされて人間を襲う数も減るから、神はそれが狙いだったのかな?
さすがだね~!欲深い人間は人間社会だと害になるって云うし、こちらにくれたらその欲を有効活用出来るし、どっちも幸せになれるんだから神の采配は大したもんだよ!!」
ガハハ!と笑った欲望吸収維持管理職員の悪魔は彼女から吸い出したばかりの欲望を一匙すくって口に入れて味見する。
「う~ん、旨い!こりゃ腹の足しにもなる!!」
そう言って満足げに笑う。
その後ろにある球体の中で、眠り続けるアンジェリカも幸せそうに笑う。
彼女はこれから永遠に幸せな夢の中で生きるのだ。
彼女の望んだハッピーエンドの世界の中で、彼女を害するものは何一つ存在しない。
「ふへへ、ダメよ~♡わたしの身体は1つなんだからぁ~みんな順番~♡♡」
今後アンジェリカに不幸が訪れる事は無い。
そして、自分の横に並ぶたくさんの球体の存在も、知ることは無いだろう……──
[完]
人の住む世界と隣り合い、決して交わらない世界。
悪魔の住む世界。
人々は存在すらしらない世界でアンジェリカは眠りにつく。
宙に浮くはシャボン玉の様な球体の中で、アンジェリカは胎児のように丸くなって幸せな夢を見る。
この中では彼女の身体は時を止める。ただ『今のまま』、緩やかな呼吸の中で穏やかに寝続ける。お腹が空く事も生理現象に悩まされる事も体が汚れることも無い。
アンジェリカは眠り続け、そしてその欲望を皆に提供し続ける。
彼女の管理を任された、こちらの世界の『欲望吸収維持管理職』員の白い髪の悪魔はちょっと興奮気味に笑う。
「いや~、ただの人間だとこの世界に来て数分で体が腐り出すけど彼女は特殊だね!
1度世界を渡った事がありそうだ!
こんな強い魂珍しいよ!だからこの世界の瘴気にも平気なんだな!それでいて欲望は普通の人間の数倍持ってるんだから最高の逸材だよ~!
何人もの男と仲良くする夢を見て満足するどころかさらに欲望は強くなるばかり、よくこんな女が生まれたね~?
まぁ、この子がいるおかげで悪魔たちの食事も満たされて人間を襲う数も減るから、神はそれが狙いだったのかな?
さすがだね~!欲深い人間は人間社会だと害になるって云うし、こちらにくれたらその欲を有効活用出来るし、どっちも幸せになれるんだから神の采配は大したもんだよ!!」
ガハハ!と笑った欲望吸収維持管理職員の悪魔は彼女から吸い出したばかりの欲望を一匙すくって口に入れて味見する。
「う~ん、旨い!こりゃ腹の足しにもなる!!」
そう言って満足げに笑う。
その後ろにある球体の中で、眠り続けるアンジェリカも幸せそうに笑う。
彼女はこれから永遠に幸せな夢の中で生きるのだ。
彼女の望んだハッピーエンドの世界の中で、彼女を害するものは何一つ存在しない。
「ふへへ、ダメよ~♡わたしの身体は1つなんだからぁ~みんな順番~♡♡」
今後アンジェリカに不幸が訪れる事は無い。
そして、自分の横に並ぶたくさんの球体の存在も、知ることは無いだろう……──
[完]
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