52 / 56
四章 魔界を駆け抜けて
二十二 たぶんこれが最後
しおりを挟む
1・
ソヨンさんの作戦を他に知っているのは、僕を救出しに後から過去に来たウィリアムさんだろうか。
思った以上に感情が顔に出やすいロレンスさんとレオネルさんは、知らない可能性がある。
そしてタイミングから言って、本来の任務は過去の魔界から帰還させるのではなく、現代の魔界、トリスタン大魔王のもとからミネットティオルに帰還させるものだろう。
実際、少しばかり険悪なムードになっていた事だし。
この作戦が本当にあるとするならば、僕やソヨンさんの本音はどうであれ、帰還すればこの関係は無くなる。
ウィリアムさんから聞き出した本音の通り、僕はファルダニア様と婚約でもさせられるかもしれない。
ウィリアムさんがこちらに来てすぐには、僕にその本音を伝えなかったのも、今はソヨンさんに興味を集めさせておいて、絶対に一緒に帰らせたいと思わせるように仕向けているからか。
麒麟の護り人というのが、どういうものか。
今ようやく、身に染みて分かってきた。
僕がこうして思い悩み、周囲の雰囲気をどんよりさせている間にも、馬車は大魔王領の西の山地にある麒麟の森に近づいて行った。
ここまで来る間、多くの魔人たちと出会っては、人間を連れていることで奇異の目を向けられた。
それでもシェリクさんに会いに麒麟の森に行くと言うと、誰しも距離を置くか、丁寧な対応をしてくれた。
そんな彼らに、僕らが嘘を言っていると思わないのかと一度質問した。
聞かれた魔人は、嘘でも大魔王の関係者の名前を使うだけ勇気があると取ったのだと返した。
やはり大魔王や時空召喚士は、それだけ恐れられ、かつ影響力があるようだ。
今の僕はそれだけ恐れられたり崇められる価値があるのかと、旅の中で何度も考えた。
そして麒麟の森が近付き、とうとう明日にも到着できる距離までやって来た。
そこには一つの素朴な村があり、晩夏のお祭りが開催されているところだった。
周囲を彩る花々が美しいし、村人たちも楽しそうで、僕も久しぶりに楽しい気分になれた。
たぶん、これが最後のチャンス。
そう感じたので、僕はソヨンさんの手を引いて人混みの中に混ざり込んだ。
村人たちはエルフのソヨンさんにも、良くしてくれた。
麒麟の森の周辺は、そういう名前になる前から時空召喚士たちの領地だった。
人間の守護者の異名がある通り、彼らはずっと弱き者に親切にした。
その心意気が文化となり、この周辺の差別心を消した。
村人たちは、そう教えてくれた。
未来ではこの思想が全土に広がるから、今よりも安全な魔界になって、宇宙港も複数建築されるんだろう。そう思えば、ここは始まりの土地かもしれない。
僕らにとっては最後の地だけれど。
僕とソヨンさんは、この村の音楽で楽しく踊ってみたり、人形劇を見たりした。
幾つかの軽食を買い食いしたし、綺麗な泉で魚が泳いでいるのを一緒に眺めた。
そして誰もいない村はずれの広場でベンチに並んで座り、周囲の自然をノンビリ眺めた。
広場の隅にある東屋が、屋根に穴が開き、風雨にさらされて風化寸前なのが見える。
崩れそうなものの、蔦が全体に絡まっていて内部に日光が差し込み、良い雰囲気でもある。
「……ソヨンさん、行こう」
「えっ?」
僕はソヨンさんの手を引いて、一緒にその東屋の中に入った。
手を離してから、蔦の隅っこをちぎって小さく丸く結んだものを二個作った。
一つを僕の左手薬指に入れ、もう一つをソヨンさんの左手薬指に入れた。
驚くソヨンさんを、大事に抱きしめた。
「今日が最後だ。明日からは、素直になれる時間はもうないだろう。だから今日ばかりは、自分の心以外の余計なことを全部忘れて、素直になってくれないだろうか。任務のことなんか、捨て去ってくれ」
ソヨンさんはビクッとし、身を硬くした。
泣き出したから、抱きしめるのを止めて、ソヨンさんの涙を指で拭ってあげた。
「ノア様……その、私は――」
「僕はそれでも、ソヨンさんが大好きだ。ソヨンさんは?」
「……」
ソヨンさんは答えないまま、顔を赤くして大粒の涙をこぼした。
僕はソヨンさんの頬に手を当てて、今までで一番思いを込めてキスした。
それから手を離し、一歩下がった。
「今日が終わるまでは、僕と一緒にいて欲しい」
ソヨンさんに向けて、右手を差し出した。
ソヨンさんは震えながらも手を上げて、僕の右手を取ってくれた。
深夜になり、僕らは村の宿屋に行った。
僕らをおいかけるのを諦めている面々のいる部屋に入り、取りあえず言った。
「僕ら、今日でもう別れることにしました」
「……そうですか」
意外そうな口調のウィリアムさんを見た。
「でも出来る限り帰るように努力しますし、自由意志で良いなら必ず帰ります。それでいいですよね?」
「……はい」
ウィリアムさんは、少し緊張した。ロレンスさんとレオネルさんは、不思議そうだ。
僕はため息をつき、僕の部屋がどこか聞いてから一人で歩いて行った。
2・
借り物の馬車での、旅の最終日。
僕は御者台に座り、緩やかな山の斜面の道を力強い足取りで進んでいく馬を眺めた。
森の様子は魔界と思えない穏やかさが昨日よりも増し、魔物はおらず小動物たちが幸せそうに活動をしている。
植物も青々として美しく、病気の様子は見られずしっかりと根を張り元気そうだ。
麒麟がいたのは何年前か分からないけれど、彼は信念通りに仕事をこなしていたようだ。
沈みがちな心の中で、僕もそうしたいと思った。
道が緩やかになり、五つほどの家屋がある小さな集落に到着した。
大型の馬車が入れる道があるのがここまでなので、馬車を止めて降りて、集落の人に話しかけに行った。
この集落は、この先にあるシェリクさんの別荘の管理をする人たちだった。
僕らがいつか来るという連絡を受けていたとのことで、別荘まで案内してくれることになった。
馬車は、彼らが返してくれる事になった。
涼しいそよ風の吹く森林の道を歩いて行き、一件の古びた屋敷に到着した。
シェリクさんの別荘というからには、しっかりした建築物で真新しく維持されているんじゃないかと思っていたのに。実際の屋敷はいつ崩れてもおかしくない、すすけて古びた屋敷だった。
管理人さんが玄関扉を開けてくれて、中に入った。
玄関ホールの真正面の奥に、動いていない柱時計が一個ある。
すり切れた玄関マットや色あせたカーテンなどを見て、屋敷の全てが麒麟の彼の遺品なのだと気付いた。とすると、ここを所持するシェリクさんは……。
管理人さんに案内され、一階の広間に向かった。やはり古びた家具や調度品しかないものの、古き良き雰囲気と柔らかな自然の香りがして、ここにいることがとても心地よく思え始めた。
後でシェリクさんが来るとのことで、僕らは取りあえず適当なソファーや椅子に座り、待つことにした。
もう傍にはいてくれず遠くにいるソヨンさんを、一度だけ見た。でもそれからは、視線を送らなかった。
出してもらえたお茶が冷めた頃、予告なく広間の扉が開いた。
セシリア王女が小走りで飛び込んで来て、彼女の名を呼んだルナさんに抱きついていき泣き始めた。
婚約者の筈の陸君のことは、全く気にしていない。
遅れてシェリクさんもやって来て、全員が部屋にいるのを確認すると言った。
「これが最初で最後となる、全員での作戦会議になる。話すべきことは話し、決定すべき事は必ず決定してくれ」
僕は頷いて言った。
「しかし、ここでの話は父に知られませんか?」
「影を全て置いて来たが、どう隠したところで、いくらかは知られることになると覚悟してもらいたい。けれどセスは、こちらが卑怯な真似をしなければ、ある程度の作戦ならば知らぬ振りをするだろう。ただ、フラウのことのみは、絶対に触れさせようとしない。先に彼女の事を話し合おう」
「フラウとは、父の婚約者の名前でしたか?」
「ああ。今年でまだ八歳の人間の少女だ。セシリア王女が来てくれたとはいえ、セスは彼女を手放そうとしない。いくらか話を聞いてみたものの、セシリア王女と結婚しても、フラウを人間の世界に戻すつもりはないようだ」
シェリクさんがそう言うと、セシリア王女が涙を拭きつつ言った。
「フラウは、いつどこの世界からやって来たのですか? 彼女を帰すのに、どこの門を使用すれば良いのですか?」
「君たちと同じ門を通過してきたと思われる。時代も国も、同じだろう」
僕は、その方がやりやすいかと思った。
「とすると、日本人なのでしょう。僕らが連れて帰れば、親御さんを探せると思います。しかしそうするには、父から同意を得なくてはいけません。僕が何とか……決闘を申し込んで勝ちますから、それで助けましょう」
「だが……ノア君。君はセスに勝てないと思う。彼は実質的に、魔界一の魔術師だからね」
シェリクさんが言いにくそうにした。僕も自覚があることだが。
「その、分かってはいます。今の僕では、父に勝てません。経験不足が身に染みています。だけど、それ以外に方法はありますか?」
「うん、まあ……無いこともない」
シェリクさんは、何故か遠い目をした。
「それは何ですか?」
「……私は、先代の大魔王が引退する時に、セスと決闘して勝った。それで、お前が大魔王になれと命令した」
「……おじさん、何故大魔王にならなかったのですか?」
「戦えるが、戦いたくない性分だから」
開き直ったシェリクおじさんの気持ちが、痛いほどよく分かった。
ソヨンさんの作戦を他に知っているのは、僕を救出しに後から過去に来たウィリアムさんだろうか。
思った以上に感情が顔に出やすいロレンスさんとレオネルさんは、知らない可能性がある。
そしてタイミングから言って、本来の任務は過去の魔界から帰還させるのではなく、現代の魔界、トリスタン大魔王のもとからミネットティオルに帰還させるものだろう。
実際、少しばかり険悪なムードになっていた事だし。
この作戦が本当にあるとするならば、僕やソヨンさんの本音はどうであれ、帰還すればこの関係は無くなる。
ウィリアムさんから聞き出した本音の通り、僕はファルダニア様と婚約でもさせられるかもしれない。
ウィリアムさんがこちらに来てすぐには、僕にその本音を伝えなかったのも、今はソヨンさんに興味を集めさせておいて、絶対に一緒に帰らせたいと思わせるように仕向けているからか。
麒麟の護り人というのが、どういうものか。
今ようやく、身に染みて分かってきた。
僕がこうして思い悩み、周囲の雰囲気をどんよりさせている間にも、馬車は大魔王領の西の山地にある麒麟の森に近づいて行った。
ここまで来る間、多くの魔人たちと出会っては、人間を連れていることで奇異の目を向けられた。
それでもシェリクさんに会いに麒麟の森に行くと言うと、誰しも距離を置くか、丁寧な対応をしてくれた。
そんな彼らに、僕らが嘘を言っていると思わないのかと一度質問した。
聞かれた魔人は、嘘でも大魔王の関係者の名前を使うだけ勇気があると取ったのだと返した。
やはり大魔王や時空召喚士は、それだけ恐れられ、かつ影響力があるようだ。
今の僕はそれだけ恐れられたり崇められる価値があるのかと、旅の中で何度も考えた。
そして麒麟の森が近付き、とうとう明日にも到着できる距離までやって来た。
そこには一つの素朴な村があり、晩夏のお祭りが開催されているところだった。
周囲を彩る花々が美しいし、村人たちも楽しそうで、僕も久しぶりに楽しい気分になれた。
たぶん、これが最後のチャンス。
そう感じたので、僕はソヨンさんの手を引いて人混みの中に混ざり込んだ。
村人たちはエルフのソヨンさんにも、良くしてくれた。
麒麟の森の周辺は、そういう名前になる前から時空召喚士たちの領地だった。
人間の守護者の異名がある通り、彼らはずっと弱き者に親切にした。
その心意気が文化となり、この周辺の差別心を消した。
村人たちは、そう教えてくれた。
未来ではこの思想が全土に広がるから、今よりも安全な魔界になって、宇宙港も複数建築されるんだろう。そう思えば、ここは始まりの土地かもしれない。
僕らにとっては最後の地だけれど。
僕とソヨンさんは、この村の音楽で楽しく踊ってみたり、人形劇を見たりした。
幾つかの軽食を買い食いしたし、綺麗な泉で魚が泳いでいるのを一緒に眺めた。
そして誰もいない村はずれの広場でベンチに並んで座り、周囲の自然をノンビリ眺めた。
広場の隅にある東屋が、屋根に穴が開き、風雨にさらされて風化寸前なのが見える。
崩れそうなものの、蔦が全体に絡まっていて内部に日光が差し込み、良い雰囲気でもある。
「……ソヨンさん、行こう」
「えっ?」
僕はソヨンさんの手を引いて、一緒にその東屋の中に入った。
手を離してから、蔦の隅っこをちぎって小さく丸く結んだものを二個作った。
一つを僕の左手薬指に入れ、もう一つをソヨンさんの左手薬指に入れた。
驚くソヨンさんを、大事に抱きしめた。
「今日が最後だ。明日からは、素直になれる時間はもうないだろう。だから今日ばかりは、自分の心以外の余計なことを全部忘れて、素直になってくれないだろうか。任務のことなんか、捨て去ってくれ」
ソヨンさんはビクッとし、身を硬くした。
泣き出したから、抱きしめるのを止めて、ソヨンさんの涙を指で拭ってあげた。
「ノア様……その、私は――」
「僕はそれでも、ソヨンさんが大好きだ。ソヨンさんは?」
「……」
ソヨンさんは答えないまま、顔を赤くして大粒の涙をこぼした。
僕はソヨンさんの頬に手を当てて、今までで一番思いを込めてキスした。
それから手を離し、一歩下がった。
「今日が終わるまでは、僕と一緒にいて欲しい」
ソヨンさんに向けて、右手を差し出した。
ソヨンさんは震えながらも手を上げて、僕の右手を取ってくれた。
深夜になり、僕らは村の宿屋に行った。
僕らをおいかけるのを諦めている面々のいる部屋に入り、取りあえず言った。
「僕ら、今日でもう別れることにしました」
「……そうですか」
意外そうな口調のウィリアムさんを見た。
「でも出来る限り帰るように努力しますし、自由意志で良いなら必ず帰ります。それでいいですよね?」
「……はい」
ウィリアムさんは、少し緊張した。ロレンスさんとレオネルさんは、不思議そうだ。
僕はため息をつき、僕の部屋がどこか聞いてから一人で歩いて行った。
2・
借り物の馬車での、旅の最終日。
僕は御者台に座り、緩やかな山の斜面の道を力強い足取りで進んでいく馬を眺めた。
森の様子は魔界と思えない穏やかさが昨日よりも増し、魔物はおらず小動物たちが幸せそうに活動をしている。
植物も青々として美しく、病気の様子は見られずしっかりと根を張り元気そうだ。
麒麟がいたのは何年前か分からないけれど、彼は信念通りに仕事をこなしていたようだ。
沈みがちな心の中で、僕もそうしたいと思った。
道が緩やかになり、五つほどの家屋がある小さな集落に到着した。
大型の馬車が入れる道があるのがここまでなので、馬車を止めて降りて、集落の人に話しかけに行った。
この集落は、この先にあるシェリクさんの別荘の管理をする人たちだった。
僕らがいつか来るという連絡を受けていたとのことで、別荘まで案内してくれることになった。
馬車は、彼らが返してくれる事になった。
涼しいそよ風の吹く森林の道を歩いて行き、一件の古びた屋敷に到着した。
シェリクさんの別荘というからには、しっかりした建築物で真新しく維持されているんじゃないかと思っていたのに。実際の屋敷はいつ崩れてもおかしくない、すすけて古びた屋敷だった。
管理人さんが玄関扉を開けてくれて、中に入った。
玄関ホールの真正面の奥に、動いていない柱時計が一個ある。
すり切れた玄関マットや色あせたカーテンなどを見て、屋敷の全てが麒麟の彼の遺品なのだと気付いた。とすると、ここを所持するシェリクさんは……。
管理人さんに案内され、一階の広間に向かった。やはり古びた家具や調度品しかないものの、古き良き雰囲気と柔らかな自然の香りがして、ここにいることがとても心地よく思え始めた。
後でシェリクさんが来るとのことで、僕らは取りあえず適当なソファーや椅子に座り、待つことにした。
もう傍にはいてくれず遠くにいるソヨンさんを、一度だけ見た。でもそれからは、視線を送らなかった。
出してもらえたお茶が冷めた頃、予告なく広間の扉が開いた。
セシリア王女が小走りで飛び込んで来て、彼女の名を呼んだルナさんに抱きついていき泣き始めた。
婚約者の筈の陸君のことは、全く気にしていない。
遅れてシェリクさんもやって来て、全員が部屋にいるのを確認すると言った。
「これが最初で最後となる、全員での作戦会議になる。話すべきことは話し、決定すべき事は必ず決定してくれ」
僕は頷いて言った。
「しかし、ここでの話は父に知られませんか?」
「影を全て置いて来たが、どう隠したところで、いくらかは知られることになると覚悟してもらいたい。けれどセスは、こちらが卑怯な真似をしなければ、ある程度の作戦ならば知らぬ振りをするだろう。ただ、フラウのことのみは、絶対に触れさせようとしない。先に彼女の事を話し合おう」
「フラウとは、父の婚約者の名前でしたか?」
「ああ。今年でまだ八歳の人間の少女だ。セシリア王女が来てくれたとはいえ、セスは彼女を手放そうとしない。いくらか話を聞いてみたものの、セシリア王女と結婚しても、フラウを人間の世界に戻すつもりはないようだ」
シェリクさんがそう言うと、セシリア王女が涙を拭きつつ言った。
「フラウは、いつどこの世界からやって来たのですか? 彼女を帰すのに、どこの門を使用すれば良いのですか?」
「君たちと同じ門を通過してきたと思われる。時代も国も、同じだろう」
僕は、その方がやりやすいかと思った。
「とすると、日本人なのでしょう。僕らが連れて帰れば、親御さんを探せると思います。しかしそうするには、父から同意を得なくてはいけません。僕が何とか……決闘を申し込んで勝ちますから、それで助けましょう」
「だが……ノア君。君はセスに勝てないと思う。彼は実質的に、魔界一の魔術師だからね」
シェリクさんが言いにくそうにした。僕も自覚があることだが。
「その、分かってはいます。今の僕では、父に勝てません。経験不足が身に染みています。だけど、それ以外に方法はありますか?」
「うん、まあ……無いこともない」
シェリクさんは、何故か遠い目をした。
「それは何ですか?」
「……私は、先代の大魔王が引退する時に、セスと決闘して勝った。それで、お前が大魔王になれと命令した」
「……おじさん、何故大魔王にならなかったのですか?」
「戦えるが、戦いたくない性分だから」
開き直ったシェリクおじさんの気持ちが、痛いほどよく分かった。
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
『購入無双』 復讐を誓う底辺冒険者は、やがてこの世界の邪悪なる王になる
チョーカ-
ファンタジー
底辺冒険者であるジェル・クロウは、ダンジョンの奥地で仲間たちに置き去りにされた。
暗闇の中、意識も薄れていく最中に声が聞こえた。
『力が欲しいか? 欲しいなら供物を捧げよ』
ジェルは最後の力を振り絞り、懐から財布を投げ込みと
『ご利用ありがとうございます。商品をお選びください』
それは、いにしえの魔道具『自動販売機』
推すめされる商品は、伝説の武器やチート能力だった。
力を得た少年は復讐……そして、さらなる闇へ堕ちていく
※本作は一部 Midjourneyにより制作したイラストを挿絵として使用しています。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
創造主のオレが主人公だとチート過ぎて物語が成り立たないので、脇役(デウスエクスマキナ)に徹することにした。
鏑木ディオス
ファンタジー
オレの名は春埼隆人(はるさきりゅうと)。 どこにでもいるような高校二年生だ。 ある日、本屋からの帰り道、トラックに轢かれそうになったオレは、間一髪のところで異世界の女神たちの手によって「異世界アルファザード」に強制転移させられた。 なんでも、オレにはとてつもない潜在能力が眠ってるようなので、トラックから命を救ってあげた代わりに一緒にこの世界の魔王軍と戦って欲しい…ってことらしい。 で、本格的にオレの潜在能力を調べようとした女神たちだったのだが…。
※この作品は「小説家になろう」さん「カクヨム」さん「ノベルアップ+」さんにも掲載しています。
あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活
mio
ファンタジー
なんやかんや、無理矢理あいつに異世界へと連れていかれました。
こうなったら仕方ない。とにかく、平和に楽しく暮らしていこう。
なぜ、少女は異世界へと連れてこられたのか。
自分の中に眠る力とは何なのか。
その答えを知った時少女は、ある決断をする。
長い間更新をさぼってしまってすいませんでした!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる