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第六章 世界と仲間を救うために
4 勇者と手合わせ
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1・
リルミガ高原に行くには、俺たちが飛空艇に砲撃されたあの場所まで瞬間移動して戻り、そこから荒野を横切って南西に向かう道を取るのが良さそうだった。
旅の方法をどうするか考え、一度全員でクリムゾンレッドの岩山に瞬間移動で戻った。
今後も旅を手伝いたいというクフラン達には、故郷で新たに入手した武器と防具の多くを渡して、まず聖地を守ろうと言っておいた。
彼らも実力はまだまだだけれど、修行してもらえることでレベルアップはするだろう。そうしたら、新たにエルフの国が生まれる時のいしずえになれるに違いない。
それを期待して、俺は一人で前に砲撃された地点に瞬間移動した。そこから地図を確認してリルミガ高原と思われる台地まで鳥の姿で飛んでいき、偵察をした。
トレシス王国の旗が掲げられた軍隊の大きめのテントがいくつか張られていて、高地トレーニングをしている勇者たち四人も発見できた。
彼らは台地をウロつく手強そうな魔物相手に討伐作業をしていて、魔石を回収してはテントに持ち帰っていた。
彼らと共に行動する軍の兵士たちとの仲は、いいようにも悪いようにも見えない。奴隷化してもいないし、崇めてもいない様子だ。勇者たちの実力が上がってきたから、兵士たちが距離を置いたのだろうか。
もしくは、道具として利用するだけと割り切っているのか。
その様子を確認してから、岩山に戻った。
翌朝。今度は咲夜も連れて、リルミガ高原へ向かった。
変わった動植物のいる岩場の続く台地は標高が高いようだから、咲夜が高山病にならないかと気になった。
「咲夜、普通に歩いてみて息苦しくはないか? そうだったら言ってくれ」
「うーん? 全然平気よ。息苦しさの感覚からしたら海抜二千メートルぐらいだと思うんだけど、それぐらいならこの春……数カ月前に先に経験してるもの」
「え?」
「中学の卒業旅行で、友達とそのご両親と一緒に富士山に行ったのよ。もちろん冬山登山になるから、一合目からバスターミナルのある五合目までの往復で遠慮したけどね。本当は夏休みに、その続きを登って頂上まで行く計画立ててたの。こうして異世界に来ちゃって、行けなくなって残念よ~っ!」
「ヘー……」
華奢に見える普通の女子高生にしては体力があるなあと薄々感じていたものの、まさか趣味が登山だったとは。さすがあの兄貴の娘。
心配事も消えたから、早速勇者たちに近付いて行った。
適当な場所で待ち伏せしていると、彼らは気付いて身構えつつ近付いてきた。
「何をしに来た。お前たちは、世界を滅ぼす亜人どもの手下になったんだろう?」
咲夜が勇者だと教えてくれたなかなか美形の赤木君が、長剣の切っ先を俺たちに向けてきた。
「あ、そういう設定になってるんだ」
「へー」
今度は咲夜がその反応を見せて、俺に向けて笑った。俺も笑った。
その笑顔を誤解した、咲夜を追い払ったあの女子の鈴掛さんが、今度は嫌そうな表情で言った。
「馬鹿にしに来たの? でも私たちは、あの時よりもレベルアップしたわよ。レベルアップできない、どこかの出来損ないと違ってね」
「咲夜もレベルアップしたぞ?」
俺が言うと、勇者一行とそのお付きの兵士たちはザワついた。
まさかと言いつつ、彼らはお得意の鑑定魔法を使ったようだった。
もちろん咲夜のレベルは一だ。しかし俺と契約して得た能力補正値の素晴らしいこと。
彼らは咲夜が雑魚じゃないと気付いたと同時に、俺のことを鑑定できないのか焦りだした。
あまりに目上は鑑定できないのか、もしくは異世界の精霊だからできないのか。分からないが、ちょっと清々した。
「悪いが、争うつもりはない。かといって、味方になるつもりもない。そっちがこっちを嫌っているのは分かってるからな。だけど、お互いの訓練相手としては良いと思わないか? どうせ魔物も狩り尽くして暇だろう? 手合わせしてくれ」
「ふざけるな。その隙に俺たちを倒すつもりだろう?」
竜騎士という職業だが周囲に竜はいない黒羽君が、両手用の槍を格好良く振り回しながら言った。
「皆さん、本気でいきましょう。今のうちに、邪魔者は消すべきです」
最後に、賢者らしい眼鏡男子の三森君が凄んで言った。
「咲夜、彼らのレベルは別れた時からいくら上がってる?」
「えっと、二十から四十ぐらいに上がってる」
「そうか。じゃあ本気でかかられたら怪我するな。咲夜は自分に防御魔法をかけ続けるように。俺はいいよ」
俺がそこまで言うと、不意打ちで四人が攻撃を仕掛けてきた。
攻撃役の勇者と竜騎士に、聖女と賢者が強化魔法をかける。
咲夜が狙われたがあまりに見え見えなので最初の一回だけ彼女に最高位防御魔法をかけて、後は俺が立ち塞がって短剣の連続攻撃でさばいた。
一生懸命頑張って修行した彼らは、今やゴールド迷宮に立ち入れるぐらいの実力はありそうだけれど、圧倒的に戦いそのものの経験値と素早さが足りない。
強化された攻撃でも当たらないと意味はない。賢者が放つ大きな火球の魔法も、遅すぎて蹴って跳ね返せるぐらいだ。
連携技を使ってきても、まだ慣れていない動きがぎこちない。
地面を穿つ程なので威力はある。もうちょっとレベルアップしたら魔王戦に出られそうなんだが、とにかく俺にとっては動きが遅い!
「もっとキビキビ動け!」
思わず叫んで、勇者の懐に飛び込んでアッパーカット食らわした。
少したじろいだ竜騎士を背後からの回転蹴りで倒し、前衛が倒されて動揺した聖女と賢者も優しい感じて蹴り倒した。
「ちょっと、叔父さん、ストーップ!」
咲夜が叫んで手を振っている。
「弱い者いじめは駄目よ!」
それの方が言ったら駄目だと思ったが、咲夜はもう言ってしまった。
「咲夜、訓練だから大丈夫だ。回復してあげてくれ」
「はーい」
素直な咲夜は俺譲りの回復魔法を、四人共に同時にかけた。
それで回復しただろう四人は、がばっと飛び起きた。
俺が短剣を手にして黙って見つめると、向こうも黙って気まずそうにした。
「もうちょっとレベルアップしてくれよ。それでないと、俺が困る」
「は? 何故お前が困るんだ?」
めげない勇者が言う。
「実はここから東の方の草原でウロついている、巨大な化け物がいてな。俺たちだけじゃ倒せないから、手を貸してもらいたいんだ。魔石が欲しいんじゃなくて、俺のレベルアップの経験値にしたいんだ」
「そんなの、知るか。その化け物に、倒されればいい」
勇者は相変わらず、俺たちを敵としか考えていない。
「あのさあ、トレシス王国で教えてもらった予言の他に、地上に流れる予言があるのは知っているか?」
「ああ。お前らが悪行を隠す為に流した嘘の予言だろう? 世界大戦を引き起こした悪の皇帝が守護神であり滅びたアルスノバだったなんて、よく考えた嘘だ」
「それは誰に教えてもらった?」
「言う必要があるか?」
「じゃあ、他の質問をさせてくれ。これを答えてくれたら帰るから」
「……分かった」
「魔石の源を体内に持つ魔物を研究室で生み出して地上に放牧して、適度に育って大きくなったところで狩るのが、トレシス王国の魔石回収のやり方だろう?」
アグネスに知っておいた方がいいと言われて憶えた情報の一つを、ここで質問した。
「ああ」
「魔石を体内に発生させる技術は都市国家同盟にしかなく、エルフや他の亜人のような地上に生きる者の技術じゃないと、召喚された君らは教えられただろう?」
「そうだ。科学技術の結集である魔石は、無学なお前らには使えないとも聞いた。質素な文化しか持たないお前たちは、力ある人間たちに導かれるべきだ。大人しく大地を明け渡せ。そうでなけりゃ、この世が滅びるんだぞ」
勇者は、エルフ達を哀れんでいるのだろうか。
俺は魔石を一つ空間収納から取り出して、勇者の前に置いた。
「戦ってくれたお礼だ。俺には、どうしたって使えない」
きっぱり言うと、聖女と竜騎士が馬鹿にしたように笑った。
俺は背を向けて、咲夜の元に戻った。
兵士たちが矢を射かけてくるが、防御魔法で防いで気にせず歩いて立ち去った。
少し離れたところで、誰のか分からない男の悲鳴が聞こえた。心からの悲痛な叫びだ。
「彼らもサンドラを憶えていたようだ」
「えっ?」
俺は咲夜の手を引いて、岩山に帰還した。
リルミガ高原に行くには、俺たちが飛空艇に砲撃されたあの場所まで瞬間移動して戻り、そこから荒野を横切って南西に向かう道を取るのが良さそうだった。
旅の方法をどうするか考え、一度全員でクリムゾンレッドの岩山に瞬間移動で戻った。
今後も旅を手伝いたいというクフラン達には、故郷で新たに入手した武器と防具の多くを渡して、まず聖地を守ろうと言っておいた。
彼らも実力はまだまだだけれど、修行してもらえることでレベルアップはするだろう。そうしたら、新たにエルフの国が生まれる時のいしずえになれるに違いない。
それを期待して、俺は一人で前に砲撃された地点に瞬間移動した。そこから地図を確認してリルミガ高原と思われる台地まで鳥の姿で飛んでいき、偵察をした。
トレシス王国の旗が掲げられた軍隊の大きめのテントがいくつか張られていて、高地トレーニングをしている勇者たち四人も発見できた。
彼らは台地をウロつく手強そうな魔物相手に討伐作業をしていて、魔石を回収してはテントに持ち帰っていた。
彼らと共に行動する軍の兵士たちとの仲は、いいようにも悪いようにも見えない。奴隷化してもいないし、崇めてもいない様子だ。勇者たちの実力が上がってきたから、兵士たちが距離を置いたのだろうか。
もしくは、道具として利用するだけと割り切っているのか。
その様子を確認してから、岩山に戻った。
翌朝。今度は咲夜も連れて、リルミガ高原へ向かった。
変わった動植物のいる岩場の続く台地は標高が高いようだから、咲夜が高山病にならないかと気になった。
「咲夜、普通に歩いてみて息苦しくはないか? そうだったら言ってくれ」
「うーん? 全然平気よ。息苦しさの感覚からしたら海抜二千メートルぐらいだと思うんだけど、それぐらいならこの春……数カ月前に先に経験してるもの」
「え?」
「中学の卒業旅行で、友達とそのご両親と一緒に富士山に行ったのよ。もちろん冬山登山になるから、一合目からバスターミナルのある五合目までの往復で遠慮したけどね。本当は夏休みに、その続きを登って頂上まで行く計画立ててたの。こうして異世界に来ちゃって、行けなくなって残念よ~っ!」
「ヘー……」
華奢に見える普通の女子高生にしては体力があるなあと薄々感じていたものの、まさか趣味が登山だったとは。さすがあの兄貴の娘。
心配事も消えたから、早速勇者たちに近付いて行った。
適当な場所で待ち伏せしていると、彼らは気付いて身構えつつ近付いてきた。
「何をしに来た。お前たちは、世界を滅ぼす亜人どもの手下になったんだろう?」
咲夜が勇者だと教えてくれたなかなか美形の赤木君が、長剣の切っ先を俺たちに向けてきた。
「あ、そういう設定になってるんだ」
「へー」
今度は咲夜がその反応を見せて、俺に向けて笑った。俺も笑った。
その笑顔を誤解した、咲夜を追い払ったあの女子の鈴掛さんが、今度は嫌そうな表情で言った。
「馬鹿にしに来たの? でも私たちは、あの時よりもレベルアップしたわよ。レベルアップできない、どこかの出来損ないと違ってね」
「咲夜もレベルアップしたぞ?」
俺が言うと、勇者一行とそのお付きの兵士たちはザワついた。
まさかと言いつつ、彼らはお得意の鑑定魔法を使ったようだった。
もちろん咲夜のレベルは一だ。しかし俺と契約して得た能力補正値の素晴らしいこと。
彼らは咲夜が雑魚じゃないと気付いたと同時に、俺のことを鑑定できないのか焦りだした。
あまりに目上は鑑定できないのか、もしくは異世界の精霊だからできないのか。分からないが、ちょっと清々した。
「悪いが、争うつもりはない。かといって、味方になるつもりもない。そっちがこっちを嫌っているのは分かってるからな。だけど、お互いの訓練相手としては良いと思わないか? どうせ魔物も狩り尽くして暇だろう? 手合わせしてくれ」
「ふざけるな。その隙に俺たちを倒すつもりだろう?」
竜騎士という職業だが周囲に竜はいない黒羽君が、両手用の槍を格好良く振り回しながら言った。
「皆さん、本気でいきましょう。今のうちに、邪魔者は消すべきです」
最後に、賢者らしい眼鏡男子の三森君が凄んで言った。
「咲夜、彼らのレベルは別れた時からいくら上がってる?」
「えっと、二十から四十ぐらいに上がってる」
「そうか。じゃあ本気でかかられたら怪我するな。咲夜は自分に防御魔法をかけ続けるように。俺はいいよ」
俺がそこまで言うと、不意打ちで四人が攻撃を仕掛けてきた。
攻撃役の勇者と竜騎士に、聖女と賢者が強化魔法をかける。
咲夜が狙われたがあまりに見え見えなので最初の一回だけ彼女に最高位防御魔法をかけて、後は俺が立ち塞がって短剣の連続攻撃でさばいた。
一生懸命頑張って修行した彼らは、今やゴールド迷宮に立ち入れるぐらいの実力はありそうだけれど、圧倒的に戦いそのものの経験値と素早さが足りない。
強化された攻撃でも当たらないと意味はない。賢者が放つ大きな火球の魔法も、遅すぎて蹴って跳ね返せるぐらいだ。
連携技を使ってきても、まだ慣れていない動きがぎこちない。
地面を穿つ程なので威力はある。もうちょっとレベルアップしたら魔王戦に出られそうなんだが、とにかく俺にとっては動きが遅い!
「もっとキビキビ動け!」
思わず叫んで、勇者の懐に飛び込んでアッパーカット食らわした。
少したじろいだ竜騎士を背後からの回転蹴りで倒し、前衛が倒されて動揺した聖女と賢者も優しい感じて蹴り倒した。
「ちょっと、叔父さん、ストーップ!」
咲夜が叫んで手を振っている。
「弱い者いじめは駄目よ!」
それの方が言ったら駄目だと思ったが、咲夜はもう言ってしまった。
「咲夜、訓練だから大丈夫だ。回復してあげてくれ」
「はーい」
素直な咲夜は俺譲りの回復魔法を、四人共に同時にかけた。
それで回復しただろう四人は、がばっと飛び起きた。
俺が短剣を手にして黙って見つめると、向こうも黙って気まずそうにした。
「もうちょっとレベルアップしてくれよ。それでないと、俺が困る」
「は? 何故お前が困るんだ?」
めげない勇者が言う。
「実はここから東の方の草原でウロついている、巨大な化け物がいてな。俺たちだけじゃ倒せないから、手を貸してもらいたいんだ。魔石が欲しいんじゃなくて、俺のレベルアップの経験値にしたいんだ」
「そんなの、知るか。その化け物に、倒されればいい」
勇者は相変わらず、俺たちを敵としか考えていない。
「あのさあ、トレシス王国で教えてもらった予言の他に、地上に流れる予言があるのは知っているか?」
「ああ。お前らが悪行を隠す為に流した嘘の予言だろう? 世界大戦を引き起こした悪の皇帝が守護神であり滅びたアルスノバだったなんて、よく考えた嘘だ」
「それは誰に教えてもらった?」
「言う必要があるか?」
「じゃあ、他の質問をさせてくれ。これを答えてくれたら帰るから」
「……分かった」
「魔石の源を体内に持つ魔物を研究室で生み出して地上に放牧して、適度に育って大きくなったところで狩るのが、トレシス王国の魔石回収のやり方だろう?」
アグネスに知っておいた方がいいと言われて憶えた情報の一つを、ここで質問した。
「ああ」
「魔石を体内に発生させる技術は都市国家同盟にしかなく、エルフや他の亜人のような地上に生きる者の技術じゃないと、召喚された君らは教えられただろう?」
「そうだ。科学技術の結集である魔石は、無学なお前らには使えないとも聞いた。質素な文化しか持たないお前たちは、力ある人間たちに導かれるべきだ。大人しく大地を明け渡せ。そうでなけりゃ、この世が滅びるんだぞ」
勇者は、エルフ達を哀れんでいるのだろうか。
俺は魔石を一つ空間収納から取り出して、勇者の前に置いた。
「戦ってくれたお礼だ。俺には、どうしたって使えない」
きっぱり言うと、聖女と竜騎士が馬鹿にしたように笑った。
俺は背を向けて、咲夜の元に戻った。
兵士たちが矢を射かけてくるが、防御魔法で防いで気にせず歩いて立ち去った。
少し離れたところで、誰のか分からない男の悲鳴が聞こえた。心からの悲痛な叫びだ。
「彼らもサンドラを憶えていたようだ」
「えっ?」
俺は咲夜の手を引いて、岩山に帰還した。
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