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第一章 精霊王、冒険者になる
7 人生初の迷宮へ
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1・
和気あいあいとした馬車で二時間が経過して、乗り合い馬車はどんどんと、自然が廃れて荒れ地と植物が何も生えていないハゲ山しかない地帯に侵入していった。
最終的に到着したのは、城塞都市と違って雑多で簡易な造りの建物が建ち並ぶ町だ。
迷宮の入り口、門がある場所ということで、迷宮攻略のためにだけ存在するこういう町は門前町と呼ばれるようだ。ちなみにここは、オゼロ門前町という名になる。
乗り合い馬車駅らしい町の中央広場の片隅で降りると、目の前に冒険者たちの宿泊施設と飲み屋街に続く道と、商人らしい人々が行き交う市場があった。
そしてそれらの正面方向に鉄条網が高く長くびっしり張られた一帯があり、途中に二つの門があって、そのそれぞれの奥にある不毛の丘に迷宮の入り口らしき部分が二カ所見えた。
「一番手前がブロンズ迷宮の入り口で、その向こうが鉱山迷宮ですよ。シルバー迷宮は、丘を回り込んだ奥にあります」
「むー」
「トーマ様、もう許して下さいませ」
「むー」
困るタンジェリンに微妙な嫌がらせを続けていると、俺たちが乗って来たのとは別の乗り合い馬車がやって来た。
それから降りて来たのは、俺と同じぐらいの歳の外見の子供たちだ。
まだ使い古されていない武器類に、綺麗なままの防具や衣装。初心者らしく、緊張している。しかし楽しんで希望も抱いている様子が雰囲気からひしひしと伝わってくる。
俺と同じで初の迷宮入りかもしれない。これは……!
「俺は彼らと一緒に行く!」
「あ、はい、お気をつけて」
タンジェリンがあっさり引いたのは、俺の機嫌をこれ以上損ねたくないからだろうが、渡りに船だ。
俺は彼らに突撃していき、動揺させたところで立ち止まって笑ってみせた。
「こんにちは、初めまして! 俺、ブロンズカードの冒険者なんだけど、仲間が一人もいないんだ! だから、仲間に入れてくれないかなあ?」
「えっ、ああ?」
一番年かさだろう背の高い、鉄の胸当てと長剣を装備した黒髪の少年が反射的に答えてくれた。リーダーぽい。
「ブロンズ迷宮って、仲間がいないと入れないんだよな?」
続いて短剣を装備した茶髪で革鎧の少年が、他の子供たちに質問するようにそう言った。
「そうよ。ギルドで教えてもらったじゃない。私たちは最初からみんなで来ようって約束してたから、問題は無いんだけどね」
フード付きローブを身に付けた、同じく茶髪で三つ編みの綺麗な女の子が言った。
「そうかあ……一人じゃ、始めることもできないのか。それは気の毒だけど」
リーダーぽい少年は、言いながら仲間たちの顔を見た。
「いいんじゃないの? 見たところ半霊人だし、役立ってくれそうだし」
短弓を装備する短い金髪の女の子が、彼らの仲間の一人の方を見て言った。俺も見てみると、肌が白く紺色の髪の少年がいて、耳が少し犬っぽい感じになっている。
本物の半霊人だと感覚だけでも分かった。興味があるから、色々と話が聞きたい!
「お、俺は風の魔法が得意なんだ! 絶対に損はさせないから!」
「分かった。じゃあ、みんな良いかな? 彼を仲間に入れても」
「いいよ」
「良いと思うわ」
そうして全員が、良いと許可をくれた。
いきなり突撃して無謀かと思ったのに、心優しい少年たちは簡単に受け入れてくれた。
俺は本当はいい歳のおっさんなのに、心から喜びが溢れて目に涙がにじんできた。
「ありがとう……ありがとう! 俺、トーマっていうんだ! よろしく!」
「よろしく!」
彼らは笑顔で返してくれた。人生初のパーティー仲間だと感動したそこに。
背後から声が聞こえた。
「ご武運を、トーマ様」
振り向くと、少し離れたところからタンジェリンが控え目に話しかけてきていた。
「我らは遠くから見守っておりますね。あ、今一度、装備の確認などをして、お忘れ物の無きように」
引き続いて、子供らの方から戸惑う声が聞こえた。
「え……まさか、お貴族様なのか? それはちょっと……」
「えっ、いや違う。貴族とか、そんなんじゃない!」
王様だけど!
「じゃあ商家のご子息? あの、ごめんなさい。そういうの、私たちはダメなの」
「は? なんで?」
「悪いけど、話は無かったことにしてくれな」
リーダーは戸惑い気味に言うと、引いている他の子供たちと共に素早く立ち去って行った。
俺は……怒りをフツフツと煮えたぎらせながら、人間の貴族ぽい格好をしているタンジェリンを睨んだ。意識せずとも周辺で、強めの風がヒョロロロと吹きすさぶ。
「この、見てくれはイケメンのくせにオカン属性めっ! いちいち口挟むなっ!」
「も、申し訳ありません! ここは私が事情をとくと説明して彼らに戻っていただきますので、どうかご容赦を!」
「何もすんな! もういいから、放っておいてくれ!」
俺は半ギレしてどこかに立ち去ろうとしたのに、いきなり目の前に赤い馬車がやって来たからぶつかりそうになった。
俺を止めてくれたタロートのおかげで何もなかったが、その赤くて豪華で金ぴかな馬車は他の人も轢きそうになりつつ、中央広場の中央辺りで停止した。他の人からしたら、一番迷惑なところに。
馬車の背後部分のステップに立っていた従者ぽい格好の人が降りて、馬車の側面の扉を開き、小さな階段を馬車の下部から引き出して設置した。
そうして馬車から出現したのは、当然のように生まれの権利を主張したげな豪華な衣装と高価そうな鎧を身に付けた、良いとこのボンボン風の金髪の少年だ。
食糧事情が良いようで、好戦的な顔の割にぷっくり体型で、少しばかり愛きょうも感じる。
が、これまた豪華な装備の部下たちを引き連れて人々を蹴散らして歩く様は、いかにも傲慢だ。
「あれが元凶ですよ」
いつの間にか隣に立っていたタンジェリンが呟いたので、俺の怒りをそれとなくあいつらに向けさせようとする彼は普通に賢いな、と思った。それに最悪なことに、真実だろう。
「うーん、分かった。迷宮内部にも魔物以外の敵がいるんだな? じゃあ、二人に露払いを……頼みます」
一応頼れる大人たちなので、まだちょっと腹立たしいけれど敬語で頼んだ。タロートだけなら、別に良いんだけどさ……。
2・
そんなこんなで予定通りっぽく、三人でブロンズ迷宮の入り口に向かった。
地下へ続く迷宮の入り口には魔物が溢れ出る時用なのだろう、鉄でできた大門があった。機械仕掛けで開閉するんだろう重くて大きな鉄鎖を巻き取る為の機構が、受付で審査を受けている時に見物できた。
オゼロの城塞都市を歩いた時も感じたが、清潔な公衆トイレや都市全体に下水道が完備されていたり、こういう機械仕掛けでがあったりして、中世ファンタジー風の世界といっても、文明や文化は比較的発展している。
まだ宿には泊まってないが、この分だと変な虫が部屋の隅やベッドに住み着いていたりはしてなさそうで、その意味で安堵できた。
俺が変な想像をしている間に、俺のブロンズカードとタンジェリンとタロートのゴールドカードが不正品じゃないと確認された。そして無事に、門の衛兵さん達に見送られて、とうとう本格的な冒険が開始できた。
地下へ続く石造りの迷宮の入り口は、巨人も出入りが可能そうな大きさだ。
魔法で灯りの維持がされているのか、光源が見当たらないのに天井辺りがほの明るい。
何も生えていない石造りの天井や壁が続き、広々とした地下一階の通路のあちこちで、冒険者たちが歩いてたり立ち話をしたり、座り込んで休憩を取ったりしている。
地下一階は、休憩所や待ち合わせ場所になっているんだろう。
タンジェリンが馬車で言っていた通りなら、ここのブロンズ迷宮の魔物は全部弱っちい奴のはず。
他の冒険者たちもいるし、そう思って何も考えずに奥だろう方向に歩いて行くと、突然曲がり角から巨大な青いイナゴが一匹出てきた。中型犬ぐらいの大きさの。
そういえばギルド支部にあった狙い目の獲物を紹介する掲示板に、初心者御用達、羽と装甲はアイテム作りの素材に、ぷりぷりした身はメインディッシュに。足のフライは美味しいスナックって書いてあった。
って考えて動きを止めた三秒の間に、それを追っていたのか知らないが冒険者たちが追いついてきてイナゴを武器でボコって瞬殺し、やったー、喰おうぜ! とか言いつつ手に取り、どこかに消し去った。
俺は立ち止まって黙り込み、陽気な彼らを見送った。
「獲物を捕獲した後は、契約した精霊が空間収納などにしまい込み、持ち帰るのです」
迷宮に入って初めて、タンジェリンが喋った。
俺は振り向き、それが聞きたいことじゃないけどという笑顔を彼に見せた。
タンジェリンは許されたと思ったのか、続けた。
「ですので、迷宮に入る時は、仲間の一人に必ず精霊持ちの者を加えるんです。精霊の力を強く受け継いだ半霊人も、同じく荷物持ちとして重宝されます」
「う、うーん、なるほど。ところであの虫は、ポピュラーな食べ物だったりするんですか?」
「ええまあ。しかし主に門前町で冒険者たちが好むファストフードになりますね。人の多い城塞都市などでは、大型獣の肉が主に流通されているようです」
「良かった……」
まだこの世界でお肉を食べたことがないが、注意した方が良いようだ。
和気あいあいとした馬車で二時間が経過して、乗り合い馬車はどんどんと、自然が廃れて荒れ地と植物が何も生えていないハゲ山しかない地帯に侵入していった。
最終的に到着したのは、城塞都市と違って雑多で簡易な造りの建物が建ち並ぶ町だ。
迷宮の入り口、門がある場所ということで、迷宮攻略のためにだけ存在するこういう町は門前町と呼ばれるようだ。ちなみにここは、オゼロ門前町という名になる。
乗り合い馬車駅らしい町の中央広場の片隅で降りると、目の前に冒険者たちの宿泊施設と飲み屋街に続く道と、商人らしい人々が行き交う市場があった。
そしてそれらの正面方向に鉄条網が高く長くびっしり張られた一帯があり、途中に二つの門があって、そのそれぞれの奥にある不毛の丘に迷宮の入り口らしき部分が二カ所見えた。
「一番手前がブロンズ迷宮の入り口で、その向こうが鉱山迷宮ですよ。シルバー迷宮は、丘を回り込んだ奥にあります」
「むー」
「トーマ様、もう許して下さいませ」
「むー」
困るタンジェリンに微妙な嫌がらせを続けていると、俺たちが乗って来たのとは別の乗り合い馬車がやって来た。
それから降りて来たのは、俺と同じぐらいの歳の外見の子供たちだ。
まだ使い古されていない武器類に、綺麗なままの防具や衣装。初心者らしく、緊張している。しかし楽しんで希望も抱いている様子が雰囲気からひしひしと伝わってくる。
俺と同じで初の迷宮入りかもしれない。これは……!
「俺は彼らと一緒に行く!」
「あ、はい、お気をつけて」
タンジェリンがあっさり引いたのは、俺の機嫌をこれ以上損ねたくないからだろうが、渡りに船だ。
俺は彼らに突撃していき、動揺させたところで立ち止まって笑ってみせた。
「こんにちは、初めまして! 俺、ブロンズカードの冒険者なんだけど、仲間が一人もいないんだ! だから、仲間に入れてくれないかなあ?」
「えっ、ああ?」
一番年かさだろう背の高い、鉄の胸当てと長剣を装備した黒髪の少年が反射的に答えてくれた。リーダーぽい。
「ブロンズ迷宮って、仲間がいないと入れないんだよな?」
続いて短剣を装備した茶髪で革鎧の少年が、他の子供たちに質問するようにそう言った。
「そうよ。ギルドで教えてもらったじゃない。私たちは最初からみんなで来ようって約束してたから、問題は無いんだけどね」
フード付きローブを身に付けた、同じく茶髪で三つ編みの綺麗な女の子が言った。
「そうかあ……一人じゃ、始めることもできないのか。それは気の毒だけど」
リーダーぽい少年は、言いながら仲間たちの顔を見た。
「いいんじゃないの? 見たところ半霊人だし、役立ってくれそうだし」
短弓を装備する短い金髪の女の子が、彼らの仲間の一人の方を見て言った。俺も見てみると、肌が白く紺色の髪の少年がいて、耳が少し犬っぽい感じになっている。
本物の半霊人だと感覚だけでも分かった。興味があるから、色々と話が聞きたい!
「お、俺は風の魔法が得意なんだ! 絶対に損はさせないから!」
「分かった。じゃあ、みんな良いかな? 彼を仲間に入れても」
「いいよ」
「良いと思うわ」
そうして全員が、良いと許可をくれた。
いきなり突撃して無謀かと思ったのに、心優しい少年たちは簡単に受け入れてくれた。
俺は本当はいい歳のおっさんなのに、心から喜びが溢れて目に涙がにじんできた。
「ありがとう……ありがとう! 俺、トーマっていうんだ! よろしく!」
「よろしく!」
彼らは笑顔で返してくれた。人生初のパーティー仲間だと感動したそこに。
背後から声が聞こえた。
「ご武運を、トーマ様」
振り向くと、少し離れたところからタンジェリンが控え目に話しかけてきていた。
「我らは遠くから見守っておりますね。あ、今一度、装備の確認などをして、お忘れ物の無きように」
引き続いて、子供らの方から戸惑う声が聞こえた。
「え……まさか、お貴族様なのか? それはちょっと……」
「えっ、いや違う。貴族とか、そんなんじゃない!」
王様だけど!
「じゃあ商家のご子息? あの、ごめんなさい。そういうの、私たちはダメなの」
「は? なんで?」
「悪いけど、話は無かったことにしてくれな」
リーダーは戸惑い気味に言うと、引いている他の子供たちと共に素早く立ち去って行った。
俺は……怒りをフツフツと煮えたぎらせながら、人間の貴族ぽい格好をしているタンジェリンを睨んだ。意識せずとも周辺で、強めの風がヒョロロロと吹きすさぶ。
「この、見てくれはイケメンのくせにオカン属性めっ! いちいち口挟むなっ!」
「も、申し訳ありません! ここは私が事情をとくと説明して彼らに戻っていただきますので、どうかご容赦を!」
「何もすんな! もういいから、放っておいてくれ!」
俺は半ギレしてどこかに立ち去ろうとしたのに、いきなり目の前に赤い馬車がやって来たからぶつかりそうになった。
俺を止めてくれたタロートのおかげで何もなかったが、その赤くて豪華で金ぴかな馬車は他の人も轢きそうになりつつ、中央広場の中央辺りで停止した。他の人からしたら、一番迷惑なところに。
馬車の背後部分のステップに立っていた従者ぽい格好の人が降りて、馬車の側面の扉を開き、小さな階段を馬車の下部から引き出して設置した。
そうして馬車から出現したのは、当然のように生まれの権利を主張したげな豪華な衣装と高価そうな鎧を身に付けた、良いとこのボンボン風の金髪の少年だ。
食糧事情が良いようで、好戦的な顔の割にぷっくり体型で、少しばかり愛きょうも感じる。
が、これまた豪華な装備の部下たちを引き連れて人々を蹴散らして歩く様は、いかにも傲慢だ。
「あれが元凶ですよ」
いつの間にか隣に立っていたタンジェリンが呟いたので、俺の怒りをそれとなくあいつらに向けさせようとする彼は普通に賢いな、と思った。それに最悪なことに、真実だろう。
「うーん、分かった。迷宮内部にも魔物以外の敵がいるんだな? じゃあ、二人に露払いを……頼みます」
一応頼れる大人たちなので、まだちょっと腹立たしいけれど敬語で頼んだ。タロートだけなら、別に良いんだけどさ……。
2・
そんなこんなで予定通りっぽく、三人でブロンズ迷宮の入り口に向かった。
地下へ続く迷宮の入り口には魔物が溢れ出る時用なのだろう、鉄でできた大門があった。機械仕掛けで開閉するんだろう重くて大きな鉄鎖を巻き取る為の機構が、受付で審査を受けている時に見物できた。
オゼロの城塞都市を歩いた時も感じたが、清潔な公衆トイレや都市全体に下水道が完備されていたり、こういう機械仕掛けでがあったりして、中世ファンタジー風の世界といっても、文明や文化は比較的発展している。
まだ宿には泊まってないが、この分だと変な虫が部屋の隅やベッドに住み着いていたりはしてなさそうで、その意味で安堵できた。
俺が変な想像をしている間に、俺のブロンズカードとタンジェリンとタロートのゴールドカードが不正品じゃないと確認された。そして無事に、門の衛兵さん達に見送られて、とうとう本格的な冒険が開始できた。
地下へ続く石造りの迷宮の入り口は、巨人も出入りが可能そうな大きさだ。
魔法で灯りの維持がされているのか、光源が見当たらないのに天井辺りがほの明るい。
何も生えていない石造りの天井や壁が続き、広々とした地下一階の通路のあちこちで、冒険者たちが歩いてたり立ち話をしたり、座り込んで休憩を取ったりしている。
地下一階は、休憩所や待ち合わせ場所になっているんだろう。
タンジェリンが馬車で言っていた通りなら、ここのブロンズ迷宮の魔物は全部弱っちい奴のはず。
他の冒険者たちもいるし、そう思って何も考えずに奥だろう方向に歩いて行くと、突然曲がり角から巨大な青いイナゴが一匹出てきた。中型犬ぐらいの大きさの。
そういえばギルド支部にあった狙い目の獲物を紹介する掲示板に、初心者御用達、羽と装甲はアイテム作りの素材に、ぷりぷりした身はメインディッシュに。足のフライは美味しいスナックって書いてあった。
って考えて動きを止めた三秒の間に、それを追っていたのか知らないが冒険者たちが追いついてきてイナゴを武器でボコって瞬殺し、やったー、喰おうぜ! とか言いつつ手に取り、どこかに消し去った。
俺は立ち止まって黙り込み、陽気な彼らを見送った。
「獲物を捕獲した後は、契約した精霊が空間収納などにしまい込み、持ち帰るのです」
迷宮に入って初めて、タンジェリンが喋った。
俺は振り向き、それが聞きたいことじゃないけどという笑顔を彼に見せた。
タンジェリンは許されたと思ったのか、続けた。
「ですので、迷宮に入る時は、仲間の一人に必ず精霊持ちの者を加えるんです。精霊の力を強く受け継いだ半霊人も、同じく荷物持ちとして重宝されます」
「う、うーん、なるほど。ところであの虫は、ポピュラーな食べ物だったりするんですか?」
「ええまあ。しかし主に門前町で冒険者たちが好むファストフードになりますね。人の多い城塞都市などでは、大型獣の肉が主に流通されているようです」
「良かった……」
まだこの世界でお肉を食べたことがないが、注意した方が良いようだ。
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