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第四章 決戦に向けて
6 アデリーさんの決意
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1・
アデンに向けてクリスタを出発した宇宙軍の戦艦と数隻の護衛艦は、丸二日が経過しても何事もなく航行してくれている。
僕はその間、龍神として戦艦内部を歩き回り、僕をアデンに連れて行ってくれる兵士さんたちにありがとうと伝える仕事をした。
そして学校での勉強を休まずに、ホルンさんやオーランドさん、ウィルさんに色んな教科を教えてもらって頑張った。
それに加えて龍神が知っているべき難しい法律のことも勉強したんだけど、僕の読解力では暗号に見えたから、しばらく学校の勉強だけしようという形になった。
二日目の夜時間が訪れ、夕食のためにテーブルにつきはしたものの、僕は別のことで思い悩んだ。
一緒に食事をしてくれるウィル……さんが、気にしている感じで僕を見る。
「シャムルル様、どうされました?」
「あ、その、僕……アデリーさんのことが、気になるんです」
正直に言うと、ウィルさんは一度イツキやオーランドさんの顔を見た。
「それは正確に言うと、どのように気になるものですか?」
「それは……三日前の即位式の前に、アデリーさんを泣かせてしまったんです。その時に、面白半分に事情を聞き出したことを、反省しています。けれど僕が反省しても、引き続いてユールレムがあんな事に…‥なってしまって、余計に泣いて落ち込んでしまって……その、どうしたらいいか分からなくて」
「その事情は存じ上げませんが……デリケートな話なのでしょうか?」
と、ウィルさんは当人のイツキに聞いた。イツキは面倒だろうに、僕が変に燃えてしまった誤解について説明した。
ウィルさんは全てを知り、頷いた。
「もう既に謝罪しておられるならば、追加で謝罪しても、事を荒立てるだけでしょう。もうそれについては、触れない方が良いでしょうね」
「それは、僕もそう思います。けれどユールレムのことについては、どうにかして慰めてあげたい気持ちがあるのに、こわ……気後れ、してしまって、近付きたくないんです。気になるのに、近付いたら、また傷つけそうで、とても……受け入れがたいんです。だから、この二日間、会いに行けていません」
僕はションボリした。本気でアデリーさんを元気にしたい気持ちはあるのに、近付けない。心が苦しくなってしまう。
アデリーさんを好きなのに、だから近付けない。
もう傷つけたくないんだ。
そう強く思うごとに、心が苦しくなる。
そんな僕に、ウィルさんは言う。
「私自身も、女性との付き合いや扱いなどの経験が乏しいために、シャムルル様に良い助言を与えられそうもありません。しかしホルン様は、既婚者であられますし、何か教えていただけるかもしれません」
それもそうかと思い、今日の夕食のチーズオムレツを持ってきてくれたホルンさんの方を見た。
ホルンさんは、ニッコリ笑ってくれた。
「シャムルル様はお優しい故に、争い事が大嫌いでしょう? 自分が人を傷付けるのが、本当に嫌で仕方がないのですよ。そして争いの場にいる事すら、心が拒否します。それは神族の性質でもあるようですので、自分の性格が全て悪いなどと思われないで下さい」
「え……僕の、性質ですか?」
「はい。神族とは文字通り、この世を創造する光の神の素質を持つ者です。神は人よりも強い光を魂に宿せるので、闇に近い存在や場所の雰囲気に相容れず、無意識でも避けようとするのです。光の魂は、闇に属する行為にショックを受け、傷付きやすいんです」
昨日、ウィルさんに教えてもらった光と闇の性質と同じ事だろうと、思った。それは魂の性質そのものにも当てはまるらしい。
「……でも、僕は、アデリーさんを避けたくありません。どうにか、笑顔を取り戻していただきたいんです。あの素敵な笑顔が、もう一度見たいんです」
「笑顔は光です。シャムルル様は、そうして光を求め、大勢にそれを与え、維持させる活動を始めます。しかし個人相手の場合は、その個人が光を受け入れるかどうかは、向こうの自由です。闇に堕ちても、それもまた自由です」
「え! アデリーさんが──」
「いえいえ、たとえばの話ですよ。とりあえず、相手の意思も光を広げる活動には必要なのだと知っておいていただきたいのです。アデリー様の場合は、もう立ち直ろうとされています。ノア様の治療のおかげもありまして」
「えっ……そそ、そうなんですか。良かったです」
「はい。シャムルル様が置いていかれた漫画を読んで、楽しんでおられるようですしね」
「そ、それは、本当に……良かったです。では……」
僕は無理して話さなくても良いのかなと思い、気分が軽くなった。
ようやくチーズオムレツが美味しそうに見えてきたから、いただきますといって食べ始めた。
そして食べ終わる頃に、アデリーさんが訪ねてきた。
僕は驚いて慌てたけれど、歓迎して別のテーブルに招いた。
僕の慌てっぷりに微笑むアデリーさんは、確かに穏やかな様子になったように見える。それに、冷静に話し始めてくれた。
「家族のことがあり、しばらくは心が晴れずに落ち着いていられませんでした。けれどシャムルル様の心配りやノア様のお話、それに他の方々の励ましに、私は立ち直ることができました。ありがとうございます」
「本当に、良かった……。アデリーさんが悲しむ姿なんて、見ていたくなかったんだ。色々とあって、なかなか楽しいと思える瞬間がないかもしれないけれど、でもアデリーさんには、笑っていてもらいたい。だって、笑顔がとても素敵なんだから」
僕がそう言うと、アデリーさんは少し驚き、それから本当に嬉しそうに笑ってくれた。
「シャムルル様。私、決意した事があるのです。その許可をいただきたくて、会いに来たのです。聞いていただけますか?」
「うん。アデリーさんが望むことなら、僕はなんでも許可するよ」
「ありがとうございます。私、アデンに到着した後に、ノア様と共にミネットティオルに渡ります」
「え?」
思ってもいなかった意見なので、とても驚いた。アデリーさんは、恥ずかしげに続けた。
「ミネットティオルは永世中立国であり、宇宙海賊の方々も決して攻め入らない宇宙一の医療の星です。私、以前からこんな生まれの自分でもできることを考えておりましたが、ミネットティオルでなら安全に、そして他の人々と同じように学べて働けます。ノア様が、そう保障して下さったのです」
「それは……良いことだよね。本当に、素敵なことだ! じゃあアデリーさんは、お医者さんになるんだね?」
「はい。何もできない私が何かできることを、この手で証明してみせます。今は緊急避難の事情でミネットティオルに渡ろうと思いますが、後々には戻ってこられたお父様にちゃんと説明をして、許可をいただくつもりです。私……夢ができたんです!」
「僕は応援するよ! ……アデリーさんが遠くに行っちゃうなんて、ちょっと寂しい。でも立派なお医者さんになってもらいたい。だから、ミネットティオルで元気に頑張ってよ。何かあったら連絡してくれれば、力になる。だって僕らは友達だもの。遠慮しないでね!」
「シャムルル様……いえ、ショーン様、心から感謝いたします。私をこんなにも大事にして下さる貴方と友達になれて、本当に本当に嬉しいです。私はいま、とても幸せです。ありがとうございます!」
僕は涙ぐみ、僕を友達と思ってくれるアデリーさんに手を差し出した。アデリーさんも涙ぐみつつ、輝く笑顔で僕の手をしっかりと握り締めてくれた。
そうして明るい未来を手に入れたアデリーさんは、僕に何度も感謝しながら立ち去っていった。
二人きりで話をさせてくれる為に部屋を出ていたみんなが、入れ違いで戻ってきた。
僕は彼らを前に、考えてから質問をした。
「いま、ユールレムの事情はどうなっているのですか?」
「戦況の事でしたら、筆頭補佐官と第一王子の指揮で襲撃犯の追跡が行われています。今のところ偽者の犯行声明しか出ておらず、本物の犯人たちは潜伏して身を隠しているようです」
ウィルさんが教えてくれたので、頷いてみせた。次に僕は、ホルンさんを見た。
ホルンさんは僕の質問を察知して、答えてくれた。
「カルゼット国王様はさらわれたまま、行方不明です。フリッツベルクさんのところにおられるとは思います。現在、命に別状はないようですが……」
「そうですか。アデリーさんは、国王様が生きて戻ると信じています。僕もそう信じます。だからどうにか、救えないでしょうか? 僕の神族の力を利用して、ユールレムに帰還させることは出来ませんか?」
ホルンさんは、少し首を傾げて視線を僕から逸らした。
「見知らぬ場所にいる者の宇宙空間の移動は、さすがのシャムルル様の力でも危険すぎます。戦いをくぐり抜け生きて戻れる確率を上げるために、防御力向上を望んでさしあげれば良いかと」
「それで、国王様は生きて戻ってきて下さいますか? なら僕は、それを願います。けれど……人に対して神族の力を使うのは……慎重に、なるべきと思います。ですから、僕が口にすべき文章を、考えて下さいませんか。お願いします」
僕はみんなに頼んだ。
結果として主に考えてくれたのはウィルさんで、それにオーランドさんが助言をした。そして立場的にはこの中で一番弱いものの、能力が断トツに高いホルンさんが最終チェックをしてくれた。
イツキは僕らをただ見つめている。それでも、とても真剣に僕のことを見守ってくれている。
僕は遠く離れたカルゼット国王様の無事の帰還を願い、生まれたばかりの文章を力強く読み上げた。
2・
宇宙海賊クリフパレスの隠し港の一つで、髪を切り平民の衣装を着せられたユールレムのカルゼット国王は、フリッツベルクとその部下たちを前にしている。
自分がどうされるか分からない不安の中、それでも毅然と振る舞おうとするカルゼットは、フリッツベルク以外の者の憎しみの視線を受けても怯まない。
「ユールレムに攻めいって入手したのは国王と、この妖精族の宝石だ」
フリッツベルクは宝石を鞄から取り出し、机の上に置いた。
「分かっていると思うが、宝石は最終作戦に使用する。大事にしまっておくように」
フリッツベルクは腹心の部下の幾人かに、宝石を差し出した。
青い髪に赤い髪。鳥の翼や昆虫の羽根を背に持つ者たち。その彼らの身体的特徴を見て、カルゼットは呟いた。
「妖精族か。一部の者が自治州を抜けたと聞いていたが、ここにいたのか」
カルゼットが言うのを聞いた妖精族の若者たちは、彼を射殺す視線を向ける。
「よくも我らに話しかける事ができたな。己の所業を恥じていないのか」
「私は恥じるようなことは、何もしていない」
「なんだと? 我らを家畜として閉じ込め、繁殖させていることを恥とは思わないのか。大した王様だな!」
「自治州で自治を認めているではないか。申請すれば外部にだって出られる。少し不都合があるだけだろう」
「そんなこと、本気で言ってんのかよ」
「なに?」
怒る妖精族の若者を前に、カルゼットは戸惑った。自治州を維持するために、少しは締め付ける必要があると決めてはいる。それは、ユールレムに今現在の繁栄を維持させるための最終手段で、どうしても必要な事だとは思っているからだ。
しかし、殺意をみなぎらせて近付いてきた若者たちを前に、自分が知らない事実がそこにあるのだと気付いた。
「待て」
フリッツベルクの副官のイヴァロが制止する。
カルゼットは賊とはいえユールレム人かポドールイ人のような外見をしたイヴァロを見て、少し安堵した。
イヴァロは、フリッツベルクに冷たい視線を向ける。
「フリッツベルク様。我らの復讐を妨げますか?」
「ん~、まあ、一応はそれを謳い文句にお前らを仲間にしたもんな。それに国王たるもの、自分の国の不始末は自分で償うべきだ。ただ、大事な人質だっていう事は忘れるな」
不穏な空気に、カルゼットは言った。
「……お前はユールレム人かポドールイ人だろう? ユールレムの国王を害するのか?」
カルゼットは命乞いよりも、身に付いた思想からそう発言した。
それを聞いたイヴァロは、押さえていた激情を露わにして、カルゼットに掴みかかった。
「同じユールレム人やポドールイ人だからといって、お前達は海賊に優しくしたのか! 犯罪を犯していない子供らまで巻き込んでも、お前達は俺たちを襲撃しただろう! 罪を犯したとはいえ、こちらにだって生きる権利はあるんだぞ!」
「先に罪を償えば、その子供らを巻き添えにすることもなかった筈だ。しかし逃げて隠れ、出てこようとしない。それ故に、海賊の子供らは海賊にしかならない。アジトを破壊せねば──」
「ああ、それも分かる。真っ当な理由ではある。けれど海賊を容赦なく武力行使で討伐する奴らに、誰が大事な子供を差しだすっていうんだ。海賊の子を海賊にしかしないのは、お前らだ!」
「ならば仕方がない。我らは、罪なき子も巻き込むしかない」
ユールレムは何万年も同じ立場におり、今更変えられず、変える必要もない。
両者がそう思う心だけは同じ。
イヴァロは話し合いなど無用と理解し、殺さないために少しばかりの理性を維持しつつも、拳を叩きつけた。
妖精族の若者たちもカルゼットに攻撃を加え、様々な場面で犠牲になってきた者達の代弁者となった。
その様子を眺めるだけのフリッツベルクは、ある瞬間に小さく声を上げた。
カルゼットを暴行していた全員が、光の膜に弾き飛ばされて下がった。
カルゼットが魔法で抵抗したと思った妖精族の一人が、その防御魔法を破壊しようと炎を生み出し、叩きつけた。
炎は同じように弾き返され、部屋の天井と壁に当たってから消え去った。
「待て! 部屋を壊すな」
延焼する前に炎を瞬時に消し去ったフリッツベルクは、異空間から短剣を取り出してカルゼットに近付いた。
カルゼットは光の膜の中で起き上がり、痛む傷が全て綺麗に癒えたことに驚いた。
フリッツベルクはカルゼットの前で止まり、光が消えた彼に向けて本気で短剣を振り下ろした。
その攻撃も再び出現した光の膜に簡単に弾き返されたフリッツベルクは、楽しげに笑った。
「こりゃ凄い。カルゼット君は、とても家族に愛されているようだな。よくも遠距離でこれほど高レベルの防御壁が作れるもんだ。さすがのシャムルルちゃんだよなあ」
カルゼットはそれを聞いて、命拾いをしたのかと考えた。
フリッツベルクは、仲間たちにヒラヒラ手を振った。
「報復はもうこれで終わりだ。俺ですら、この壁を破壊するには本当の意味で骨が折れる。怪我しないうちに諦めてくれ」
フリッツベルクの仲間たちは悔しく思いつつ、今は仕方がないと身を引いた。そして宝石を持って、イヴァロ以外が部屋を出ていった。
フリッツベルクは、カルゼットの前にしゃがみ込んだ。
「いいか、カルゼット君はおとりだ。ユールレム宇宙軍や国連軍に、俺たちを追いかけさせるための餌だ。王様ぐらいでないと、彼らは本気を出してバンハムーバ勢力圏内に入ってくれないからな」
「バンハムーバだって? まさかお前達は、ユールレム宇宙軍をバンハムーバに侵略させるつもりなのか!」
「侵略というか、手を貸してもらいたいだけさ。これからバンハムーバのクリスタ周辺に、地獄からの闇の神が舞い戻ってくる。俺ですら一人じゃ太刀打ちできないから、本気でやる気十分のユールレム宇宙軍にも戦力を貸してもらいたい。そう願っているんだ」
「闇の神だと? 舞い戻るということは、この地域の神なのか? いや、それはそもそも真実なのか」
カルゼットが言うと、イヴァロが厳しい口調で言った。
「フリッツベルク様の懸念は、現実のものとなる。ポドールイの王も、バンハムーバの龍神たちもこのことを知っている。ただ自力で知れないお前らだけが、取り残されるところだったんだ」
フリッツベルクが重ねて言う。
「俺たちの言葉だけじゃ信じられないだろうから、これからラスベイに行くことにする。そこのポドールイ人たちが同じ事を言えば、信じてくれるだろう?」
「……私は、どのみち単独で逃げられるような力を持っていない。好きにしろ」
「好きにさせてもらうさ。だからカルゼット君は、俺たちの周辺でただ生きていてくれ。それで十分だからな」
フリッツベルクは立ち上がり、一度は行こうとしたがすぐ立ち止まった。
「あのさ、お前を護ったのは龍神シャムルル様だが、それは友人のために力を行使したんだ。君には勿体ない娘だ。それに息子もだ」
フリッツベルクはそれだけ言うと、部屋を出た。
残ったイヴァロはカルゼットを睨みつつも手出しせず、別の部屋に行くように指示を出した。
3・
ホルンはそそくさと、ロゼマインのいる客室に入っていった。
待ち構えていたロゼマインは、先にホルンに話しかけた。
「状況が変化しましたね」
「確かにそのようです。アデリー様がミネットティオルに渡られるとなると我らの不利になるかと思いましたが、シャムルル様の力のおかげで、より強い道が示されました。フリッツベルクさんは一週間後にラスベイに行き、そこにはもう一人の姫がおられます」
「ええ。その頃には彼女は、保護対象としてファルクスに滞在中でしょう。フリッツベルク様は彼女目当てに我らを襲う訳ではないものの、結果として同じ事になります。私たちは、間に合うように駆け付けなくては」
「はい。ファルクスに渡り次第、私も船を降りてそちらに同行いたします。それに……いえ。ではまた後で」
ホルンは素早く言い終えると、踵を返して部屋を出た。
話をただ聞いていたフィルモアは、自分たちが長らく望んできた未来が確実に訪れようとしていると感じて高揚し、喜びに震えた。
そしてホルンが先ほど何を言おうとしたか気付いて、自分たちとは違うと思って寂しげに微笑んだ。
アデンに向けてクリスタを出発した宇宙軍の戦艦と数隻の護衛艦は、丸二日が経過しても何事もなく航行してくれている。
僕はその間、龍神として戦艦内部を歩き回り、僕をアデンに連れて行ってくれる兵士さんたちにありがとうと伝える仕事をした。
そして学校での勉強を休まずに、ホルンさんやオーランドさん、ウィルさんに色んな教科を教えてもらって頑張った。
それに加えて龍神が知っているべき難しい法律のことも勉強したんだけど、僕の読解力では暗号に見えたから、しばらく学校の勉強だけしようという形になった。
二日目の夜時間が訪れ、夕食のためにテーブルにつきはしたものの、僕は別のことで思い悩んだ。
一緒に食事をしてくれるウィル……さんが、気にしている感じで僕を見る。
「シャムルル様、どうされました?」
「あ、その、僕……アデリーさんのことが、気になるんです」
正直に言うと、ウィルさんは一度イツキやオーランドさんの顔を見た。
「それは正確に言うと、どのように気になるものですか?」
「それは……三日前の即位式の前に、アデリーさんを泣かせてしまったんです。その時に、面白半分に事情を聞き出したことを、反省しています。けれど僕が反省しても、引き続いてユールレムがあんな事に…‥なってしまって、余計に泣いて落ち込んでしまって……その、どうしたらいいか分からなくて」
「その事情は存じ上げませんが……デリケートな話なのでしょうか?」
と、ウィルさんは当人のイツキに聞いた。イツキは面倒だろうに、僕が変に燃えてしまった誤解について説明した。
ウィルさんは全てを知り、頷いた。
「もう既に謝罪しておられるならば、追加で謝罪しても、事を荒立てるだけでしょう。もうそれについては、触れない方が良いでしょうね」
「それは、僕もそう思います。けれどユールレムのことについては、どうにかして慰めてあげたい気持ちがあるのに、こわ……気後れ、してしまって、近付きたくないんです。気になるのに、近付いたら、また傷つけそうで、とても……受け入れがたいんです。だから、この二日間、会いに行けていません」
僕はションボリした。本気でアデリーさんを元気にしたい気持ちはあるのに、近付けない。心が苦しくなってしまう。
アデリーさんを好きなのに、だから近付けない。
もう傷つけたくないんだ。
そう強く思うごとに、心が苦しくなる。
そんな僕に、ウィルさんは言う。
「私自身も、女性との付き合いや扱いなどの経験が乏しいために、シャムルル様に良い助言を与えられそうもありません。しかしホルン様は、既婚者であられますし、何か教えていただけるかもしれません」
それもそうかと思い、今日の夕食のチーズオムレツを持ってきてくれたホルンさんの方を見た。
ホルンさんは、ニッコリ笑ってくれた。
「シャムルル様はお優しい故に、争い事が大嫌いでしょう? 自分が人を傷付けるのが、本当に嫌で仕方がないのですよ。そして争いの場にいる事すら、心が拒否します。それは神族の性質でもあるようですので、自分の性格が全て悪いなどと思われないで下さい」
「え……僕の、性質ですか?」
「はい。神族とは文字通り、この世を創造する光の神の素質を持つ者です。神は人よりも強い光を魂に宿せるので、闇に近い存在や場所の雰囲気に相容れず、無意識でも避けようとするのです。光の魂は、闇に属する行為にショックを受け、傷付きやすいんです」
昨日、ウィルさんに教えてもらった光と闇の性質と同じ事だろうと、思った。それは魂の性質そのものにも当てはまるらしい。
「……でも、僕は、アデリーさんを避けたくありません。どうにか、笑顔を取り戻していただきたいんです。あの素敵な笑顔が、もう一度見たいんです」
「笑顔は光です。シャムルル様は、そうして光を求め、大勢にそれを与え、維持させる活動を始めます。しかし個人相手の場合は、その個人が光を受け入れるかどうかは、向こうの自由です。闇に堕ちても、それもまた自由です」
「え! アデリーさんが──」
「いえいえ、たとえばの話ですよ。とりあえず、相手の意思も光を広げる活動には必要なのだと知っておいていただきたいのです。アデリー様の場合は、もう立ち直ろうとされています。ノア様の治療のおかげもありまして」
「えっ……そそ、そうなんですか。良かったです」
「はい。シャムルル様が置いていかれた漫画を読んで、楽しんでおられるようですしね」
「そ、それは、本当に……良かったです。では……」
僕は無理して話さなくても良いのかなと思い、気分が軽くなった。
ようやくチーズオムレツが美味しそうに見えてきたから、いただきますといって食べ始めた。
そして食べ終わる頃に、アデリーさんが訪ねてきた。
僕は驚いて慌てたけれど、歓迎して別のテーブルに招いた。
僕の慌てっぷりに微笑むアデリーさんは、確かに穏やかな様子になったように見える。それに、冷静に話し始めてくれた。
「家族のことがあり、しばらくは心が晴れずに落ち着いていられませんでした。けれどシャムルル様の心配りやノア様のお話、それに他の方々の励ましに、私は立ち直ることができました。ありがとうございます」
「本当に、良かった……。アデリーさんが悲しむ姿なんて、見ていたくなかったんだ。色々とあって、なかなか楽しいと思える瞬間がないかもしれないけれど、でもアデリーさんには、笑っていてもらいたい。だって、笑顔がとても素敵なんだから」
僕がそう言うと、アデリーさんは少し驚き、それから本当に嬉しそうに笑ってくれた。
「シャムルル様。私、決意した事があるのです。その許可をいただきたくて、会いに来たのです。聞いていただけますか?」
「うん。アデリーさんが望むことなら、僕はなんでも許可するよ」
「ありがとうございます。私、アデンに到着した後に、ノア様と共にミネットティオルに渡ります」
「え?」
思ってもいなかった意見なので、とても驚いた。アデリーさんは、恥ずかしげに続けた。
「ミネットティオルは永世中立国であり、宇宙海賊の方々も決して攻め入らない宇宙一の医療の星です。私、以前からこんな生まれの自分でもできることを考えておりましたが、ミネットティオルでなら安全に、そして他の人々と同じように学べて働けます。ノア様が、そう保障して下さったのです」
「それは……良いことだよね。本当に、素敵なことだ! じゃあアデリーさんは、お医者さんになるんだね?」
「はい。何もできない私が何かできることを、この手で証明してみせます。今は緊急避難の事情でミネットティオルに渡ろうと思いますが、後々には戻ってこられたお父様にちゃんと説明をして、許可をいただくつもりです。私……夢ができたんです!」
「僕は応援するよ! ……アデリーさんが遠くに行っちゃうなんて、ちょっと寂しい。でも立派なお医者さんになってもらいたい。だから、ミネットティオルで元気に頑張ってよ。何かあったら連絡してくれれば、力になる。だって僕らは友達だもの。遠慮しないでね!」
「シャムルル様……いえ、ショーン様、心から感謝いたします。私をこんなにも大事にして下さる貴方と友達になれて、本当に本当に嬉しいです。私はいま、とても幸せです。ありがとうございます!」
僕は涙ぐみ、僕を友達と思ってくれるアデリーさんに手を差し出した。アデリーさんも涙ぐみつつ、輝く笑顔で僕の手をしっかりと握り締めてくれた。
そうして明るい未来を手に入れたアデリーさんは、僕に何度も感謝しながら立ち去っていった。
二人きりで話をさせてくれる為に部屋を出ていたみんなが、入れ違いで戻ってきた。
僕は彼らを前に、考えてから質問をした。
「いま、ユールレムの事情はどうなっているのですか?」
「戦況の事でしたら、筆頭補佐官と第一王子の指揮で襲撃犯の追跡が行われています。今のところ偽者の犯行声明しか出ておらず、本物の犯人たちは潜伏して身を隠しているようです」
ウィルさんが教えてくれたので、頷いてみせた。次に僕は、ホルンさんを見た。
ホルンさんは僕の質問を察知して、答えてくれた。
「カルゼット国王様はさらわれたまま、行方不明です。フリッツベルクさんのところにおられるとは思います。現在、命に別状はないようですが……」
「そうですか。アデリーさんは、国王様が生きて戻ると信じています。僕もそう信じます。だからどうにか、救えないでしょうか? 僕の神族の力を利用して、ユールレムに帰還させることは出来ませんか?」
ホルンさんは、少し首を傾げて視線を僕から逸らした。
「見知らぬ場所にいる者の宇宙空間の移動は、さすがのシャムルル様の力でも危険すぎます。戦いをくぐり抜け生きて戻れる確率を上げるために、防御力向上を望んでさしあげれば良いかと」
「それで、国王様は生きて戻ってきて下さいますか? なら僕は、それを願います。けれど……人に対して神族の力を使うのは……慎重に、なるべきと思います。ですから、僕が口にすべき文章を、考えて下さいませんか。お願いします」
僕はみんなに頼んだ。
結果として主に考えてくれたのはウィルさんで、それにオーランドさんが助言をした。そして立場的にはこの中で一番弱いものの、能力が断トツに高いホルンさんが最終チェックをしてくれた。
イツキは僕らをただ見つめている。それでも、とても真剣に僕のことを見守ってくれている。
僕は遠く離れたカルゼット国王様の無事の帰還を願い、生まれたばかりの文章を力強く読み上げた。
2・
宇宙海賊クリフパレスの隠し港の一つで、髪を切り平民の衣装を着せられたユールレムのカルゼット国王は、フリッツベルクとその部下たちを前にしている。
自分がどうされるか分からない不安の中、それでも毅然と振る舞おうとするカルゼットは、フリッツベルク以外の者の憎しみの視線を受けても怯まない。
「ユールレムに攻めいって入手したのは国王と、この妖精族の宝石だ」
フリッツベルクは宝石を鞄から取り出し、机の上に置いた。
「分かっていると思うが、宝石は最終作戦に使用する。大事にしまっておくように」
フリッツベルクは腹心の部下の幾人かに、宝石を差し出した。
青い髪に赤い髪。鳥の翼や昆虫の羽根を背に持つ者たち。その彼らの身体的特徴を見て、カルゼットは呟いた。
「妖精族か。一部の者が自治州を抜けたと聞いていたが、ここにいたのか」
カルゼットが言うのを聞いた妖精族の若者たちは、彼を射殺す視線を向ける。
「よくも我らに話しかける事ができたな。己の所業を恥じていないのか」
「私は恥じるようなことは、何もしていない」
「なんだと? 我らを家畜として閉じ込め、繁殖させていることを恥とは思わないのか。大した王様だな!」
「自治州で自治を認めているではないか。申請すれば外部にだって出られる。少し不都合があるだけだろう」
「そんなこと、本気で言ってんのかよ」
「なに?」
怒る妖精族の若者を前に、カルゼットは戸惑った。自治州を維持するために、少しは締め付ける必要があると決めてはいる。それは、ユールレムに今現在の繁栄を維持させるための最終手段で、どうしても必要な事だとは思っているからだ。
しかし、殺意をみなぎらせて近付いてきた若者たちを前に、自分が知らない事実がそこにあるのだと気付いた。
「待て」
フリッツベルクの副官のイヴァロが制止する。
カルゼットは賊とはいえユールレム人かポドールイ人のような外見をしたイヴァロを見て、少し安堵した。
イヴァロは、フリッツベルクに冷たい視線を向ける。
「フリッツベルク様。我らの復讐を妨げますか?」
「ん~、まあ、一応はそれを謳い文句にお前らを仲間にしたもんな。それに国王たるもの、自分の国の不始末は自分で償うべきだ。ただ、大事な人質だっていう事は忘れるな」
不穏な空気に、カルゼットは言った。
「……お前はユールレム人かポドールイ人だろう? ユールレムの国王を害するのか?」
カルゼットは命乞いよりも、身に付いた思想からそう発言した。
それを聞いたイヴァロは、押さえていた激情を露わにして、カルゼットに掴みかかった。
「同じユールレム人やポドールイ人だからといって、お前達は海賊に優しくしたのか! 犯罪を犯していない子供らまで巻き込んでも、お前達は俺たちを襲撃しただろう! 罪を犯したとはいえ、こちらにだって生きる権利はあるんだぞ!」
「先に罪を償えば、その子供らを巻き添えにすることもなかった筈だ。しかし逃げて隠れ、出てこようとしない。それ故に、海賊の子供らは海賊にしかならない。アジトを破壊せねば──」
「ああ、それも分かる。真っ当な理由ではある。けれど海賊を容赦なく武力行使で討伐する奴らに、誰が大事な子供を差しだすっていうんだ。海賊の子を海賊にしかしないのは、お前らだ!」
「ならば仕方がない。我らは、罪なき子も巻き込むしかない」
ユールレムは何万年も同じ立場におり、今更変えられず、変える必要もない。
両者がそう思う心だけは同じ。
イヴァロは話し合いなど無用と理解し、殺さないために少しばかりの理性を維持しつつも、拳を叩きつけた。
妖精族の若者たちもカルゼットに攻撃を加え、様々な場面で犠牲になってきた者達の代弁者となった。
その様子を眺めるだけのフリッツベルクは、ある瞬間に小さく声を上げた。
カルゼットを暴行していた全員が、光の膜に弾き飛ばされて下がった。
カルゼットが魔法で抵抗したと思った妖精族の一人が、その防御魔法を破壊しようと炎を生み出し、叩きつけた。
炎は同じように弾き返され、部屋の天井と壁に当たってから消え去った。
「待て! 部屋を壊すな」
延焼する前に炎を瞬時に消し去ったフリッツベルクは、異空間から短剣を取り出してカルゼットに近付いた。
カルゼットは光の膜の中で起き上がり、痛む傷が全て綺麗に癒えたことに驚いた。
フリッツベルクはカルゼットの前で止まり、光が消えた彼に向けて本気で短剣を振り下ろした。
その攻撃も再び出現した光の膜に簡単に弾き返されたフリッツベルクは、楽しげに笑った。
「こりゃ凄い。カルゼット君は、とても家族に愛されているようだな。よくも遠距離でこれほど高レベルの防御壁が作れるもんだ。さすがのシャムルルちゃんだよなあ」
カルゼットはそれを聞いて、命拾いをしたのかと考えた。
フリッツベルクは、仲間たちにヒラヒラ手を振った。
「報復はもうこれで終わりだ。俺ですら、この壁を破壊するには本当の意味で骨が折れる。怪我しないうちに諦めてくれ」
フリッツベルクの仲間たちは悔しく思いつつ、今は仕方がないと身を引いた。そして宝石を持って、イヴァロ以外が部屋を出ていった。
フリッツベルクは、カルゼットの前にしゃがみ込んだ。
「いいか、カルゼット君はおとりだ。ユールレム宇宙軍や国連軍に、俺たちを追いかけさせるための餌だ。王様ぐらいでないと、彼らは本気を出してバンハムーバ勢力圏内に入ってくれないからな」
「バンハムーバだって? まさかお前達は、ユールレム宇宙軍をバンハムーバに侵略させるつもりなのか!」
「侵略というか、手を貸してもらいたいだけさ。これからバンハムーバのクリスタ周辺に、地獄からの闇の神が舞い戻ってくる。俺ですら一人じゃ太刀打ちできないから、本気でやる気十分のユールレム宇宙軍にも戦力を貸してもらいたい。そう願っているんだ」
「闇の神だと? 舞い戻るということは、この地域の神なのか? いや、それはそもそも真実なのか」
カルゼットが言うと、イヴァロが厳しい口調で言った。
「フリッツベルク様の懸念は、現実のものとなる。ポドールイの王も、バンハムーバの龍神たちもこのことを知っている。ただ自力で知れないお前らだけが、取り残されるところだったんだ」
フリッツベルクが重ねて言う。
「俺たちの言葉だけじゃ信じられないだろうから、これからラスベイに行くことにする。そこのポドールイ人たちが同じ事を言えば、信じてくれるだろう?」
「……私は、どのみち単独で逃げられるような力を持っていない。好きにしろ」
「好きにさせてもらうさ。だからカルゼット君は、俺たちの周辺でただ生きていてくれ。それで十分だからな」
フリッツベルクは立ち上がり、一度は行こうとしたがすぐ立ち止まった。
「あのさ、お前を護ったのは龍神シャムルル様だが、それは友人のために力を行使したんだ。君には勿体ない娘だ。それに息子もだ」
フリッツベルクはそれだけ言うと、部屋を出た。
残ったイヴァロはカルゼットを睨みつつも手出しせず、別の部屋に行くように指示を出した。
3・
ホルンはそそくさと、ロゼマインのいる客室に入っていった。
待ち構えていたロゼマインは、先にホルンに話しかけた。
「状況が変化しましたね」
「確かにそのようです。アデリー様がミネットティオルに渡られるとなると我らの不利になるかと思いましたが、シャムルル様の力のおかげで、より強い道が示されました。フリッツベルクさんは一週間後にラスベイに行き、そこにはもう一人の姫がおられます」
「ええ。その頃には彼女は、保護対象としてファルクスに滞在中でしょう。フリッツベルク様は彼女目当てに我らを襲う訳ではないものの、結果として同じ事になります。私たちは、間に合うように駆け付けなくては」
「はい。ファルクスに渡り次第、私も船を降りてそちらに同行いたします。それに……いえ。ではまた後で」
ホルンは素早く言い終えると、踵を返して部屋を出た。
話をただ聞いていたフィルモアは、自分たちが長らく望んできた未来が確実に訪れようとしていると感じて高揚し、喜びに震えた。
そしてホルンが先ほど何を言おうとしたか気付いて、自分たちとは違うと思って寂しげに微笑んだ。
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