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{ 皇太子編 }
51. 雑木林の少女 ※
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アレは、何も持たず、何も知らない……憐れで惨めな存在のはずだった……。
だが、皇帝に呼び出され、謁見の間に姿を現したアレは、その姿勢、歩く姿一つとっても周囲を圧倒し、誰よりも尊い身分であるかのような、存在感を放っていた。
父から、その身を竜の国に送ると告げられても、どこか他人事のように佇んでいた。
”皇城のウジ虫”と呼ばれる女の、余りの代わりざまに、皆が驚いた。
無知ゆえの不遜な態度……初めはそう思った。
だがアレは、礼儀や、教養を身に付けるため課せられた、過密な授業を難なくこなし、どの分野も目を見張る速さで習得していった。
次第に、腫れ物を扱うように接していた教師達でさえ、アレを褒め称えるようになった。
残飯を与えられ、姫としての扱いなど露ほども受けずに育てられた、虫ケラが……。
まるで初めから何もかも備わっていたかのように……精人族の姫として完璧に優雅に振る舞う様子に、苛立ちを感じた。
何度かすれ違いざまに、声をかけても、碌な感情も示さず、ただ礼儀正しく挨拶を返してきただけだった。
怯える様子もなく、達観した空虚な表情……
人を遥か上空から見下ろすような、その瞳……
そこには、その1年前、最後に目にしたあの小屋の裏で、取り乱し、叫び、涙を流したあの女の惨めな姿は、片鱗もなかった。
日々募る苛立ちは、心の底に泥のように沈澱していった。
アレは、生を受けた時から、咎人と定められていた。
その神性力の高さから、実兄を押し除けて……次期皇帝と目されていた叔父上が……人族と交わった結果、産まれた子。
精人族が、他種族と交わり出来た子の神性力は、親より遥かに劣ると伝えられてきた。
その為、古来より、他種族との交わりを固く禁じ、血統を重んじてきた。
皇族においては、神性力の強き近親者との婚姻を重ねた結果……圧倒的な神性力を持つようになった。
また皇族の男子は、語り継がれる神に最も近い姿……銀髪に紺碧の瞳を、子に引き継ぐ。
だがアレは……その姿を、薄めたような白髪に、薄い青の瞳。
皇族のあるべき姿を損なって、神の血を穢した罰とばかりのその姿……。
本来であれば、子を孕んだ時点で、父母共に処刑であるはずが、当時皇帝であった祖父はそうしなかった。
それが情けでない事は推測できる。
アレは6人目の皇孫だった……だが、我が二人の兄は幼い頃に亡くなって、弟も産まれてすぐに亡くなった。
皇族の血筋は、極端に身体の弱き者も産む。残った皇孫は僅かに3人……。
アレが生かされたのは、万が一にも皇族の血筋を絶やさぬ為の『予備』だ。
やがて、祖父が死に、皇帝の座についた父は、アレの処遇が議題に上がった時、「捨て置くように……」そう一言発しただけだった。
弟に、よほどの恨みでもあったのだろうか。
その時から、更に劣悪な扱いとなっただろうことは想像に難くない。
その名前を口にすることまで禁じられた、哀れな従妹。
そう、そして……アレに初めて出会った、あの日。
あの日は……全てが好調だった。
幼少期より皇帝となるべく定められ、あらゆる学問を習得し、常に限界を超えるほどの修練を課されてきた……だが、その日は、全ての課題を難なく終えて、久しぶりの狩りに出た。
獲物も上々だった。
付き従う者たちは、皆一様にその目に畏敬の念を抱く。
次代の皇帝として、最も神に近い存在として……誰からも尊ばれ、畏れ敬われる、そうあるべき理想の姿を、自らの才と努力で築き上げたのだ。
万能感に満たされていた……。
その日……狩りを終えて戻る途中、ふとソレの存在を思い出した。
神性も持たず、精人族でも人族でもない、不浄の存在……。
”皇城のウジ虫”と呼ばれ、罪人のように扱われ、皇城の隅で生きていると、いつか召使達の噂話で耳にした。
狩場から皇城へ続く道の、召使の宿舎のそば、物品の保管倉庫で生活しているはずだ。
好奇心とも言えない、次の予定までの暇潰しで……従者を下がらせ、ひとり足を運んだ。
整備された狩場とも、皇城の庭園ともまるで様相の違う、鬱蒼とした雑木林の脇道を進む。
放置されるがまま、伸び切った枝が絡まり合う、木々の間の薄暗がりに……異質なものを目が捉えた。
はるか先の、その白く小さな固まりが僅かに動いた時、それが目的の少女だと認識した。
歳は、11、12才頃のはずだが……その背中ははるかに小さく、そこから伸びる手足は、その髪と同じ、異様な白さを放っていた。
”ウジ虫”その呼び名の理由に気づき……失笑した。
近づくにつれ、微かに水音が聞こえた。
それは、暗澹たる空間に、澄んだ音を響かせた。
その少女は、地面にしゃがみ込み、腰まで伸びた真っ白な髪を揺らしながら……楽しそうに、動物たちと戯れていた。
薄汚れた服で、痩せこけた手を伸ばして、小さな生き物を、慈しむように撫でながら……今まで目にしたことのない笑顔で、幸せそうに笑っていた。
それは水音ではなく、笑い声だった……。
哀れなはずの従妹が……
誰よりも幸せそうに……
満ち足りた、笑顔を浮かべていた……。
そして、その顔が、こちらを向いた。
まるで、澄み切った空のような……青く、濁りのない瞳……。
唐突に湧き上がったその衝動を、抑えようとは思わなかった。
ゆっくりと、矢をつがえ、弓を引き……その顔に向けた。
瞬間、笑顔が消え、戸惑うような表情を見せた後……ソレは恐怖を浮かべて悲痛に叫んだ……!
「逃げて!」
矢は空を裂き、その動物の急所を貫いた。
こうなることは十分に予測出来たが、どこか人ごとだった。
だが自分の行動と結果が、次第に我が事として現実味を帯びるにつれ……愕然とした。
両手を血で赤く染め、その動物に覆い被さり、泣き叫ぶ少女……そしてその目が、非難するようにこちらを見据えた瞬間、身体が震えた。
動揺を見せてはいけない、感情を晒してはいけない……必死に冷静を保ち、その場を後にした……。
その後部屋に戻ってからも、大粒の涙を流しながら瞳を見開き、頬を真っ赤に上気させて泣く少女の顔を、何度も何度も思い出した。
あんな風に、人が無様に泣き叫ぶ姿を見たのは初めてだった。
思い出すたび鼓動が早くなり、それは異様な興奮を生んだ……。
産まれて初めて味わうその感情は……決して不快なものでは無かった。
その後、狩場から戻る際には、あえて雑木林を通る道を選んだ。
いつも、アレがこちらに気づく前に、こちらがアレを見つけていた。
ある時は小動物と戯れ、ある時は、スカートの裾いっぱいに木の実を集め……ふわふわとどこか頼りなげな動きで、しゃがんだり歩いたりを繰り返す。
しばらく様子を眺めていると、やっとこちらに気づく。
一瞬固まった後に、恐怖に慄き、一目散に逃げていく。
今まで、自分に向けられた眼差しは、”羨望” “尊敬”といった、一様に好意を示すものだった。
僅かでも繋がりを持つために、すり寄る輩も多くいた。
だが、アレだけは、自分を目にするなり、その瞳に恐怖を浮かべ、逃げる。
馬を駆り、先回りして行く手を阻めば、無様に震え、後退りする。
狩った獲物を目の前に転がせば、動転して悲鳴をあげる。
それは果てしなく無様な姿だった……。人はこうも醜態を晒すことができるのかと驚いた。
時折、馬から降りて、自分の手でこの少女を捕まえてみたいと思うこともあった……だが、わざわざ行動にうつす気にはなれなかった。
初めのうちは、必死に逃げる様子が愉快だったが、いつも同じ表情を浮かべ、逃げ惑う少女の様子に…………当初得られた興奮も薄れ、次第に肩透かしのように感じるようになった。
やがて、秋が終わり、木々の葉が散った頃……その戯れにもすっかり飽きて、雑木林に足を運ぶことも無くなった……。
だが、皇帝に呼び出され、謁見の間に姿を現したアレは、その姿勢、歩く姿一つとっても周囲を圧倒し、誰よりも尊い身分であるかのような、存在感を放っていた。
父から、その身を竜の国に送ると告げられても、どこか他人事のように佇んでいた。
”皇城のウジ虫”と呼ばれる女の、余りの代わりざまに、皆が驚いた。
無知ゆえの不遜な態度……初めはそう思った。
だがアレは、礼儀や、教養を身に付けるため課せられた、過密な授業を難なくこなし、どの分野も目を見張る速さで習得していった。
次第に、腫れ物を扱うように接していた教師達でさえ、アレを褒め称えるようになった。
残飯を与えられ、姫としての扱いなど露ほども受けずに育てられた、虫ケラが……。
まるで初めから何もかも備わっていたかのように……精人族の姫として完璧に優雅に振る舞う様子に、苛立ちを感じた。
何度かすれ違いざまに、声をかけても、碌な感情も示さず、ただ礼儀正しく挨拶を返してきただけだった。
怯える様子もなく、達観した空虚な表情……
人を遥か上空から見下ろすような、その瞳……
そこには、その1年前、最後に目にしたあの小屋の裏で、取り乱し、叫び、涙を流したあの女の惨めな姿は、片鱗もなかった。
日々募る苛立ちは、心の底に泥のように沈澱していった。
アレは、生を受けた時から、咎人と定められていた。
その神性力の高さから、実兄を押し除けて……次期皇帝と目されていた叔父上が……人族と交わった結果、産まれた子。
精人族が、他種族と交わり出来た子の神性力は、親より遥かに劣ると伝えられてきた。
その為、古来より、他種族との交わりを固く禁じ、血統を重んじてきた。
皇族においては、神性力の強き近親者との婚姻を重ねた結果……圧倒的な神性力を持つようになった。
また皇族の男子は、語り継がれる神に最も近い姿……銀髪に紺碧の瞳を、子に引き継ぐ。
だがアレは……その姿を、薄めたような白髪に、薄い青の瞳。
皇族のあるべき姿を損なって、神の血を穢した罰とばかりのその姿……。
本来であれば、子を孕んだ時点で、父母共に処刑であるはずが、当時皇帝であった祖父はそうしなかった。
それが情けでない事は推測できる。
アレは6人目の皇孫だった……だが、我が二人の兄は幼い頃に亡くなって、弟も産まれてすぐに亡くなった。
皇族の血筋は、極端に身体の弱き者も産む。残った皇孫は僅かに3人……。
アレが生かされたのは、万が一にも皇族の血筋を絶やさぬ為の『予備』だ。
やがて、祖父が死に、皇帝の座についた父は、アレの処遇が議題に上がった時、「捨て置くように……」そう一言発しただけだった。
弟に、よほどの恨みでもあったのだろうか。
その時から、更に劣悪な扱いとなっただろうことは想像に難くない。
その名前を口にすることまで禁じられた、哀れな従妹。
そう、そして……アレに初めて出会った、あの日。
あの日は……全てが好調だった。
幼少期より皇帝となるべく定められ、あらゆる学問を習得し、常に限界を超えるほどの修練を課されてきた……だが、その日は、全ての課題を難なく終えて、久しぶりの狩りに出た。
獲物も上々だった。
付き従う者たちは、皆一様にその目に畏敬の念を抱く。
次代の皇帝として、最も神に近い存在として……誰からも尊ばれ、畏れ敬われる、そうあるべき理想の姿を、自らの才と努力で築き上げたのだ。
万能感に満たされていた……。
その日……狩りを終えて戻る途中、ふとソレの存在を思い出した。
神性も持たず、精人族でも人族でもない、不浄の存在……。
”皇城のウジ虫”と呼ばれ、罪人のように扱われ、皇城の隅で生きていると、いつか召使達の噂話で耳にした。
狩場から皇城へ続く道の、召使の宿舎のそば、物品の保管倉庫で生活しているはずだ。
好奇心とも言えない、次の予定までの暇潰しで……従者を下がらせ、ひとり足を運んだ。
整備された狩場とも、皇城の庭園ともまるで様相の違う、鬱蒼とした雑木林の脇道を進む。
放置されるがまま、伸び切った枝が絡まり合う、木々の間の薄暗がりに……異質なものを目が捉えた。
はるか先の、その白く小さな固まりが僅かに動いた時、それが目的の少女だと認識した。
歳は、11、12才頃のはずだが……その背中ははるかに小さく、そこから伸びる手足は、その髪と同じ、異様な白さを放っていた。
”ウジ虫”その呼び名の理由に気づき……失笑した。
近づくにつれ、微かに水音が聞こえた。
それは、暗澹たる空間に、澄んだ音を響かせた。
その少女は、地面にしゃがみ込み、腰まで伸びた真っ白な髪を揺らしながら……楽しそうに、動物たちと戯れていた。
薄汚れた服で、痩せこけた手を伸ばして、小さな生き物を、慈しむように撫でながら……今まで目にしたことのない笑顔で、幸せそうに笑っていた。
それは水音ではなく、笑い声だった……。
哀れなはずの従妹が……
誰よりも幸せそうに……
満ち足りた、笑顔を浮かべていた……。
そして、その顔が、こちらを向いた。
まるで、澄み切った空のような……青く、濁りのない瞳……。
唐突に湧き上がったその衝動を、抑えようとは思わなかった。
ゆっくりと、矢をつがえ、弓を引き……その顔に向けた。
瞬間、笑顔が消え、戸惑うような表情を見せた後……ソレは恐怖を浮かべて悲痛に叫んだ……!
「逃げて!」
矢は空を裂き、その動物の急所を貫いた。
こうなることは十分に予測出来たが、どこか人ごとだった。
だが自分の行動と結果が、次第に我が事として現実味を帯びるにつれ……愕然とした。
両手を血で赤く染め、その動物に覆い被さり、泣き叫ぶ少女……そしてその目が、非難するようにこちらを見据えた瞬間、身体が震えた。
動揺を見せてはいけない、感情を晒してはいけない……必死に冷静を保ち、その場を後にした……。
その後部屋に戻ってからも、大粒の涙を流しながら瞳を見開き、頬を真っ赤に上気させて泣く少女の顔を、何度も何度も思い出した。
あんな風に、人が無様に泣き叫ぶ姿を見たのは初めてだった。
思い出すたび鼓動が早くなり、それは異様な興奮を生んだ……。
産まれて初めて味わうその感情は……決して不快なものでは無かった。
その後、狩場から戻る際には、あえて雑木林を通る道を選んだ。
いつも、アレがこちらに気づく前に、こちらがアレを見つけていた。
ある時は小動物と戯れ、ある時は、スカートの裾いっぱいに木の実を集め……ふわふわとどこか頼りなげな動きで、しゃがんだり歩いたりを繰り返す。
しばらく様子を眺めていると、やっとこちらに気づく。
一瞬固まった後に、恐怖に慄き、一目散に逃げていく。
今まで、自分に向けられた眼差しは、”羨望” “尊敬”といった、一様に好意を示すものだった。
僅かでも繋がりを持つために、すり寄る輩も多くいた。
だが、アレだけは、自分を目にするなり、その瞳に恐怖を浮かべ、逃げる。
馬を駆り、先回りして行く手を阻めば、無様に震え、後退りする。
狩った獲物を目の前に転がせば、動転して悲鳴をあげる。
それは果てしなく無様な姿だった……。人はこうも醜態を晒すことができるのかと驚いた。
時折、馬から降りて、自分の手でこの少女を捕まえてみたいと思うこともあった……だが、わざわざ行動にうつす気にはなれなかった。
初めのうちは、必死に逃げる様子が愉快だったが、いつも同じ表情を浮かべ、逃げ惑う少女の様子に…………当初得られた興奮も薄れ、次第に肩透かしのように感じるようになった。
やがて、秋が終わり、木々の葉が散った頃……その戯れにもすっかり飽きて、雑木林に足を運ぶことも無くなった……。
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