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人類戦線編
第四十八話 開戦
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「……もうすぐだね。城崎」
『お前も早く配置に付いておけ。神柱』
僕たちが日本に帰ってきた次の日の深夜二時頃に須斎と弘岡は飛行機で羽田空港に着いた
本来ならこの時間は羽田空港は動いていないはずなんだけど、今この状況下なので周辺の住民に無理を言って動かしてもらったらしい
その後、城崎が画面を見ながら自衛隊の人達を配置
今回は自衛隊の人たちには主に海上をの警備を頼んでいるらしい
あの巨人のサイズを考えると人間サイズの武器はまるで効かないだろうからミサイルか何かを使うんだろうけど、どんな感じになるんだろう?
日本には核は無いはずだけど、下手したら高さが数キロにも及びそうなあの巨体を核無しでどうにかすることはできるんだろうか?
城崎に聞きに行ったけど、機密事項に当たるみたいで教えてくれなかった
そして、僕たち装備使用者や警察官、後は陸上自衛隊の歩兵みたいな人達はおそらく出てくるであろうと予想される【妨害キャラ】の処理やそれによって荒れる治安の維持を任された
妨害キャラなんて本当に出てくるのかどうが分からないけど、僕は言われたことをちゃんとやる、っていうことに集中しよう
そして配置に付いてから一時間ほど経って今に至る
(そろそろかな……?)
ライアンがゲーム開始時刻と宣言した午前五時が近付いていた
相手がゲーム開始と同時に仕掛けてくるのかは分からないけど、城崎はその前提で準備しておけって言ってたな
さて、城崎の予想は当たってるのかな?
『さて皆さん。準備はできましたか?』
じっと待っていると街にあるスピーカーからそんな声が聞こえてきた
「電波ジャックでもされたのかな?」
今声が聞こえてきているのは街のスピーカーのはずだ
つまり、公的機関のものが相手に使われてるわけだけど……
結構マズイよね?それ
僕の不安を他所にライアンの声は続きを話す
『この日の為に準備をしてきた人、突然巻き込まれたような人、そして、この日が来ると知っていながら望んでいなかった人、様々な人が居ると思います』
『ですが、このゲームが終わった頃にはきっと皆さん口を揃えて「楽しかった」と言ってくださるでしょう』
『そんなゲームにしたつもりです。ぜひお楽しみ下さい』
『それではカウントダウンを始めましょう。3』
周りへの警戒を強める
『2』
気持ちも十分整えてある
『1』
ほぼ万全の状態の中、【ゲーム】の開始が宣言される
『人類戦線、開始です』
(……やっぱりいきなりは何も起こらないか)
暫く待っているけど特に変化はない
今この瞬間だけでは判断出来ないけど、長期戦になるのかな?
そう思って待っていると、耳につけたインカムから城崎の声が聞こえてきた
『相模湾に巨人の足が現れた。こちらで対処するつもりだが、足しか見えないのが気がかりだ。何か巨人の体の他の部分が見えたり巨人以外の脅威を見つけた場合はその都度報告してくれ』
ちなみに僕が付けているインカムシステムは2つある
一つは今回の作戦参加者全員に送られた真っ黒なものだ
基本的には指示などはこちらを使って行うらしい
指示の他にも作戦全体の状況に関する情報を共有したり等にも使うらしい
後はその人が所属している部隊の部隊長や他の隊員との連絡に浮かうこともあるんだって
まあ僕は個人で動かされるから大して関係ないみたいだけど
そしてもう一つ、僕を含む一部の人間には青いインカムが渡されている
これは城崎が直接指示を送るときに使うもので、使用者から城崎に質問することもできる
まあ、基本的にはこの青インカムを使うことは無い予定らしい
これは本当の緊急時に城崎が何処にも許可を求めずに動かせる人材だけに配っているみたいだ
僕みたいに城崎の指示で動いているけど正式には城崎の部下じゃ無いから許可を得る対象がいない人とか、まあ他にも色々居るらしい
これは組織が大きければ大きいほど当てはまりやすいんだろうけど、組織のトップが直接動かせる範囲っていうのは思っているよりもずっと狭い
城崎は官邸という大きな組織の頭に就いているらしいけど城崎が直接指示を出して良い相手はあまり居ないみたいだ
リーダーが暴走する可能性も考えたらそういう制度にしておかないと危険だから、そういう仕組みにする理由も分からなくは無いけど……
「相模湾か……」
僕は巨人が出たという地名を呟いた
(何でそんなところをわざわざ攻撃したんだろう?)
僕には相模湾を狙う理由が分からない
まあ勿論、何となくそう決めた、っていうのかもしれないし、ライアンならそうした可能性は否定できないけど……
流石に理由がそれだけってことは無いと思うんだよね……
「どうなんだろう……?」
僕はやることが無く暇なまま思考を巡らせていた
――――――――――――――――――――――――
「……分かった。他の場所からの情報も合わせて判断する」
俺は作戦本部に来ていた報告を受けてそう返した
通信機からの報告が一旦止まって、一息つく
「何かあったんですか?」
同じ場所で仕事をしている事務員の一人がそう聞いてきた
「ああ、少し面倒なことになっている」
俺は報告された内容をそのまま伝える
「足はあるがその上が見つからないらしい。だから本体に対する攻撃ができないそうだ」
『お前も早く配置に付いておけ。神柱』
僕たちが日本に帰ってきた次の日の深夜二時頃に須斎と弘岡は飛行機で羽田空港に着いた
本来ならこの時間は羽田空港は動いていないはずなんだけど、今この状況下なので周辺の住民に無理を言って動かしてもらったらしい
その後、城崎が画面を見ながら自衛隊の人達を配置
今回は自衛隊の人たちには主に海上をの警備を頼んでいるらしい
あの巨人のサイズを考えると人間サイズの武器はまるで効かないだろうからミサイルか何かを使うんだろうけど、どんな感じになるんだろう?
日本には核は無いはずだけど、下手したら高さが数キロにも及びそうなあの巨体を核無しでどうにかすることはできるんだろうか?
城崎に聞きに行ったけど、機密事項に当たるみたいで教えてくれなかった
そして、僕たち装備使用者や警察官、後は陸上自衛隊の歩兵みたいな人達はおそらく出てくるであろうと予想される【妨害キャラ】の処理やそれによって荒れる治安の維持を任された
妨害キャラなんて本当に出てくるのかどうが分からないけど、僕は言われたことをちゃんとやる、っていうことに集中しよう
そして配置に付いてから一時間ほど経って今に至る
(そろそろかな……?)
ライアンがゲーム開始時刻と宣言した午前五時が近付いていた
相手がゲーム開始と同時に仕掛けてくるのかは分からないけど、城崎はその前提で準備しておけって言ってたな
さて、城崎の予想は当たってるのかな?
『さて皆さん。準備はできましたか?』
じっと待っていると街にあるスピーカーからそんな声が聞こえてきた
「電波ジャックでもされたのかな?」
今声が聞こえてきているのは街のスピーカーのはずだ
つまり、公的機関のものが相手に使われてるわけだけど……
結構マズイよね?それ
僕の不安を他所にライアンの声は続きを話す
『この日の為に準備をしてきた人、突然巻き込まれたような人、そして、この日が来ると知っていながら望んでいなかった人、様々な人が居ると思います』
『ですが、このゲームが終わった頃にはきっと皆さん口を揃えて「楽しかった」と言ってくださるでしょう』
『そんなゲームにしたつもりです。ぜひお楽しみ下さい』
『それではカウントダウンを始めましょう。3』
周りへの警戒を強める
『2』
気持ちも十分整えてある
『1』
ほぼ万全の状態の中、【ゲーム】の開始が宣言される
『人類戦線、開始です』
(……やっぱりいきなりは何も起こらないか)
暫く待っているけど特に変化はない
今この瞬間だけでは判断出来ないけど、長期戦になるのかな?
そう思って待っていると、耳につけたインカムから城崎の声が聞こえてきた
『相模湾に巨人の足が現れた。こちらで対処するつもりだが、足しか見えないのが気がかりだ。何か巨人の体の他の部分が見えたり巨人以外の脅威を見つけた場合はその都度報告してくれ』
ちなみに僕が付けているインカムシステムは2つある
一つは今回の作戦参加者全員に送られた真っ黒なものだ
基本的には指示などはこちらを使って行うらしい
指示の他にも作戦全体の状況に関する情報を共有したり等にも使うらしい
後はその人が所属している部隊の部隊長や他の隊員との連絡に浮かうこともあるんだって
まあ僕は個人で動かされるから大して関係ないみたいだけど
そしてもう一つ、僕を含む一部の人間には青いインカムが渡されている
これは城崎が直接指示を送るときに使うもので、使用者から城崎に質問することもできる
まあ、基本的にはこの青インカムを使うことは無い予定らしい
これは本当の緊急時に城崎が何処にも許可を求めずに動かせる人材だけに配っているみたいだ
僕みたいに城崎の指示で動いているけど正式には城崎の部下じゃ無いから許可を得る対象がいない人とか、まあ他にも色々居るらしい
これは組織が大きければ大きいほど当てはまりやすいんだろうけど、組織のトップが直接動かせる範囲っていうのは思っているよりもずっと狭い
城崎は官邸という大きな組織の頭に就いているらしいけど城崎が直接指示を出して良い相手はあまり居ないみたいだ
リーダーが暴走する可能性も考えたらそういう制度にしておかないと危険だから、そういう仕組みにする理由も分からなくは無いけど……
「相模湾か……」
僕は巨人が出たという地名を呟いた
(何でそんなところをわざわざ攻撃したんだろう?)
僕には相模湾を狙う理由が分からない
まあ勿論、何となくそう決めた、っていうのかもしれないし、ライアンならそうした可能性は否定できないけど……
流石に理由がそれだけってことは無いと思うんだよね……
「どうなんだろう……?」
僕はやることが無く暇なまま思考を巡らせていた
――――――――――――――――――――――――
「……分かった。他の場所からの情報も合わせて判断する」
俺は作戦本部に来ていた報告を受けてそう返した
通信機からの報告が一旦止まって、一息つく
「何かあったんですか?」
同じ場所で仕事をしている事務員の一人がそう聞いてきた
「ああ、少し面倒なことになっている」
俺は報告された内容をそのまま伝える
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