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人類戦線編
第三十一話 撃墜
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『聞こえるか?こちら極東作戦本部だ。基地の方に何か異変が起こっているだろう?そのことに関して情報を共有しておきたい』
俺が例の部隊と協力し、島内に残る敵対勢力を粗方片付け終わった頃、ロシア軍極東作戦本部を名乗る者から連絡が入った
(流石にそろそろ気付かれたか)
院長が俺に施した教育のお蔭でロシア語の聞き取りはある程度出来る
だが、話すことは出来ないので俺一人でこの状況を抜け出すことは出来ない
(先程から協力している部隊の連中に代わりに答えさせて偽の説明をさせるという手もあるが……)
潜りも居るし、今仕掛けても問題は無いだろう
この連絡は無視で良いな
俺は未だに相手の声が聞こえている中距離通信用の機械を破壊し、先程から飛び交っている飛行機の場所を探ろうとする
「……近いな」
飛行機なのか、爆撃機なのかは分からないが
その機体は既にこの基地の船着き場に当たる場所の上空まで来ていた
(放置しておくと攻撃される可能性が高い。今の内に墜としておくか)
俺はそう決意したが、一足遅かった
俺が飛行機を撃墜するためのミサイルを選び始めるのとほぼ同時に相手の飛行機から何かが落とされた
(爆撃か?!)
対処するために、まずはそれが何なのかを突き止める
基地内に有るカメラから見たところ、落ちてきているのは人間だった
(どういうことだ……?)
人間を直接落として何をしようとしている……?
(もう少し様子を見たほうが良いだろうか……?)
俺はどうするのが最善か少し悩む
(様子を見よう)
まず、俺自身あれが何なのか把握できていない
少しでも情報を仕入れる為に様子を見たほうが良いだろう
暫く待っていると、落ちてきた人間が船着き場で爆発し、船着き場は暫くは使えそうに無いような状態へと変わった
(……相当威力が高いな)
あれはとても放置して置けるようなものでは無いようだ
今すぐにでも爆撃機の方を破壊しよう
俺はミサイルを操作して相手の爆撃機にぶつける
爆発する直前に、爆撃機から何人か人が飛び出てくるのが分かった
(これで分断には成功した)
後はここから一人ひとり潰していけば良いだけだ
「まずはこいつを……何?」
(どういうことだ?)
俺の視線の先にはパラシュートを開いて空を飛ぶ弘岡が居た
――――――――――――――――――――――――
「危なかった……他の人達は無事?」
私はパラシュートの展開に成功し、空からゆっくりと地上に向かっていた
機長によると、本部から指示が来たので基地の出入り口を破壊することになったみたい
でも、その直後に私達の乗っていた爆撃機が攻撃された
そして、今は空中を落っこちている
(緊急時用のパラシュートの使い方をちゃんと見ておいて良かった……)
まさか役に立つ時が来るとは思わなかったけど
「それよりも、海から離れないと……」
今のままでも風向きが変わらなければ着陸はできるだろうけど
少し風が強くなったら、それだけで海の上に落ちてしまいそう
「えっと……ここをこうして……」
いくらかパラシュートを弄ると軌道を変えることが出来た
この分なら撃ち落とされたりしない限りは海に落ちることは無いはず
「でも、周りとはぐれた……」
さっきから攻撃が二回も基地から攻撃されてる
しかもそのうち一回は作戦本部からの警告後に行われている
つまり、この基地とは完全に敵対している、されていると考えるべき
そんな所に一人で降りるなんて絶対にしてはならないことだ
飛行機に乗っていた他の人のところに近付きたいけど……
(さっき飛行機に乗っていた人の中で、寝転んで居た人は恐らく爆弾と同じ扱い)
その人達に近付くと勝手に爆発したときが怖いからダメだ
出来れば機長、それが出来なくても誰が傭兵のような人のところに……
(不味い……もう時間がない)
とにかく、着地に失敗しなさそうな所……出来れば広い平地のような場所に降りないと……
幸い、海沿いに軍の演習場のような場所がある
そこにどうにかして着陸すれば……
「……よし、これなら何とか演習場に着陸できそう」
上手い具合にパラシュートの向きを変え、丁度演習場の平地の中央辺りに着陸できるような軌道に乗せることが出来た
このパラシュートが初心者でも使いやすいタイプだったので、何とか命は助かりそうだ
暫くは着陸のためにパラシュートの操作に集中し、何とか無事地面に降り立つことが出来た
パラシュートを脱ぎ捨て、一番近くの木の影に入って休憩する
(さて、ここからどうするべきか……)
今後の方針を考えていたその時、自分の上に置いてあるスピーカーから見知った、そして、懐かしくもある声が聞こえきた
『弘岡か?俺だ。城崎聖だ。今から指示する場所に来い』
……城崎?
「どうして此処に……」
口から言葉が漏れるが、その言葉を聞く者は誰も居ない
(どうしよう……)
あの声は確かに城崎のもの……に聞こえた
ここ暫くまともに声も聞いていないから分からないけど
敵が誰なのかは分からないけど、もし敵が私の素性について知っていたら、それを利用して私を釣りだそうとしてくるかもしれない……
(多分偽物だと思うけど、一応……一応確認だけはしておこう)
淡い期待を抱きながら、私は指定された場所へと足を向けた
俺が例の部隊と協力し、島内に残る敵対勢力を粗方片付け終わった頃、ロシア軍極東作戦本部を名乗る者から連絡が入った
(流石にそろそろ気付かれたか)
院長が俺に施した教育のお蔭でロシア語の聞き取りはある程度出来る
だが、話すことは出来ないので俺一人でこの状況を抜け出すことは出来ない
(先程から協力している部隊の連中に代わりに答えさせて偽の説明をさせるという手もあるが……)
潜りも居るし、今仕掛けても問題は無いだろう
この連絡は無視で良いな
俺は未だに相手の声が聞こえている中距離通信用の機械を破壊し、先程から飛び交っている飛行機の場所を探ろうとする
「……近いな」
飛行機なのか、爆撃機なのかは分からないが
その機体は既にこの基地の船着き場に当たる場所の上空まで来ていた
(放置しておくと攻撃される可能性が高い。今の内に墜としておくか)
俺はそう決意したが、一足遅かった
俺が飛行機を撃墜するためのミサイルを選び始めるのとほぼ同時に相手の飛行機から何かが落とされた
(爆撃か?!)
対処するために、まずはそれが何なのかを突き止める
基地内に有るカメラから見たところ、落ちてきているのは人間だった
(どういうことだ……?)
人間を直接落として何をしようとしている……?
(もう少し様子を見たほうが良いだろうか……?)
俺はどうするのが最善か少し悩む
(様子を見よう)
まず、俺自身あれが何なのか把握できていない
少しでも情報を仕入れる為に様子を見たほうが良いだろう
暫く待っていると、落ちてきた人間が船着き場で爆発し、船着き場は暫くは使えそうに無いような状態へと変わった
(……相当威力が高いな)
あれはとても放置して置けるようなものでは無いようだ
今すぐにでも爆撃機の方を破壊しよう
俺はミサイルを操作して相手の爆撃機にぶつける
爆発する直前に、爆撃機から何人か人が飛び出てくるのが分かった
(これで分断には成功した)
後はここから一人ひとり潰していけば良いだけだ
「まずはこいつを……何?」
(どういうことだ?)
俺の視線の先にはパラシュートを開いて空を飛ぶ弘岡が居た
――――――――――――――――――――――――
「危なかった……他の人達は無事?」
私はパラシュートの展開に成功し、空からゆっくりと地上に向かっていた
機長によると、本部から指示が来たので基地の出入り口を破壊することになったみたい
でも、その直後に私達の乗っていた爆撃機が攻撃された
そして、今は空中を落っこちている
(緊急時用のパラシュートの使い方をちゃんと見ておいて良かった……)
まさか役に立つ時が来るとは思わなかったけど
「それよりも、海から離れないと……」
今のままでも風向きが変わらなければ着陸はできるだろうけど
少し風が強くなったら、それだけで海の上に落ちてしまいそう
「えっと……ここをこうして……」
いくらかパラシュートを弄ると軌道を変えることが出来た
この分なら撃ち落とされたりしない限りは海に落ちることは無いはず
「でも、周りとはぐれた……」
さっきから攻撃が二回も基地から攻撃されてる
しかもそのうち一回は作戦本部からの警告後に行われている
つまり、この基地とは完全に敵対している、されていると考えるべき
そんな所に一人で降りるなんて絶対にしてはならないことだ
飛行機に乗っていた他の人のところに近付きたいけど……
(さっき飛行機に乗っていた人の中で、寝転んで居た人は恐らく爆弾と同じ扱い)
その人達に近付くと勝手に爆発したときが怖いからダメだ
出来れば機長、それが出来なくても誰が傭兵のような人のところに……
(不味い……もう時間がない)
とにかく、着地に失敗しなさそうな所……出来れば広い平地のような場所に降りないと……
幸い、海沿いに軍の演習場のような場所がある
そこにどうにかして着陸すれば……
「……よし、これなら何とか演習場に着陸できそう」
上手い具合にパラシュートの向きを変え、丁度演習場の平地の中央辺りに着陸できるような軌道に乗せることが出来た
このパラシュートが初心者でも使いやすいタイプだったので、何とか命は助かりそうだ
暫くは着陸のためにパラシュートの操作に集中し、何とか無事地面に降り立つことが出来た
パラシュートを脱ぎ捨て、一番近くの木の影に入って休憩する
(さて、ここからどうするべきか……)
今後の方針を考えていたその時、自分の上に置いてあるスピーカーから見知った、そして、懐かしくもある声が聞こえきた
『弘岡か?俺だ。城崎聖だ。今から指示する場所に来い』
……城崎?
「どうして此処に……」
口から言葉が漏れるが、その言葉を聞く者は誰も居ない
(どうしよう……)
あの声は確かに城崎のもの……に聞こえた
ここ暫くまともに声も聞いていないから分からないけど
敵が誰なのかは分からないけど、もし敵が私の素性について知っていたら、それを利用して私を釣りだそうとしてくるかもしれない……
(多分偽物だと思うけど、一応……一応確認だけはしておこう)
淡い期待を抱きながら、私は指定された場所へと足を向けた
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