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人類戦線編
第八話 聖地の意味
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「ふぅ、何とか間に合った……」
あの後、予想以上に時間が掛かったから加速して走ってもギリギリになってしまった
本当はもうちょっと時間にゆとりを持って行動したかったんけど……
まあ、終わっちゃったものは仕方無い
切り替えて次やることに臨もう
「えっと……ここで良いんだよね?」
目の前にある大きな扉を恐る恐る叩く
あ、事前連絡入れといた方が良かったかな?
まあ、今更どうしようも無いけど……
次からは気を付けるようにしよう
まずはノックをしてみる
「すみませ~ん……誰かいませんか?」
すると、中から人が出てきた
「الاسم هو」
?
なんて言ってるんだ?
取り敢えず身分証明を出せば良いのかな?
えっと……飛行機に乗る時に使ったパスポートは……
これか
それを見せると、相手は手を差し出してきた
だから僕はその手を取ったが相手は少し不思議そうな顔をした
……あ、渡せってことか
相手の意図に気が付いて僕はパスポートを渡した
すると、暫くそれを見つめてからドアを開ける
手招きをしているから、入っても良いってことなんだろう
まあ、一応警戒はしておくけど……
そういう理由で恐る恐る中に入っていく
撃たれたりは……しないか
相手の人はある部屋の前で立ち止まった
ここに入れ、ってことで良いのかな?
ゆっくりと扉をノックした
……あ、そういえば、文化によって手招きの意味が違ったりするみたいだけど僕は付いてきて大丈夫だったんだろうか?
あの手招きが僕を呼ぶ意味だったら別に良いんだけど、もしも拒絶する意味とかが込められてたら、後々揉めるかもな
……ま、まぁ、大丈夫でしょ
銃とか向けられたらどうしよう……
この装備が有れば撃たれてからでもギリギリ躱せる……かな?
取り敢えず、この心配が杞憂になるように頑張って事を荒立てずに終わらせないと……
「失礼します」
日本語が通じることを祈って部屋に入る
「アア、ハジメマシテ。アーサー・ビアーマンデス。ヨロシク」
少し発音が変だけど、日本語で返してくれた
「日本語……喋れるんですね……」
ここ、日本から随分離れてるけど、日本語話者いたんだ
こんなマイナー言語、日本以外じゃ使われてないと思うんだけど……
「祖父ガナチスニ追ワレテ日本ニ逃ゲタノデネ。ソノ時ニ日本語オボエテ帰ッテキタラシイ」
成程、第二次世界大戦のときの話ね
杉浦千畝って人が大量にビザを発行してナチスから亡命したユダヤ人を国内に連れてきたんだっけ?
その時に日本に居たのに、戦後ここイスラエルまでやって来たんだ……
やっぱり、そういう人達にとっては聖地って凄く大事な場所なのかな?
僕にはそういう場所が無いから今一分からないけど……
「成程……大変だったんですね……ところで、今日僕が来た理由は知っていますか?」
敬語を入れるような複雑な日本語は分からないかもしれないから出来るだけシンプルな言葉で聞く
「知ッテイル。オ前ノ上司ラシキ者カラ連絡ヲ受ケタ。聖地ニ入リタイソウダナ」
唾を飲み込んで少し待つ
……どういうことを言ってくるんだろう
「構ワナイゾ。幾ツカノ規約サエ守ルノナラ私ハ特ニ反対シナイ」
あれ?……思っていたよりもすんなり認めたな……
「その……良いんですか?大切な場所なんですよね?」
そんな場所なんだから、正直そんなに簡単に許可が降りるとは思ってなかったんだけど……
「アア。大切ナ場所ダカラダ」
だから?どういうことなんだろう……?
「ソンナ場所ダカラコソ、他人ニモ知ッテイテ欲シイ」
う~ん……
よく分からないけど、僕の立ち入りを許可してくれてるみたいだし構わないか
「じゃあ、明後日辺りに向かいたいんですが、構わないですか?僕以外にも何人か来るはずです」
「聞イテイル。オ前ノ所ハ随分ト大所帯デ来ルラシイナ。マァ、仕方無イダロウ」
なんというか、この人的には僕達に聖地のことをよく知って欲しいみたいだけど……
僕達がやるのは実地調査だからこの人がやって欲しいこととは多分違うことなんだよな
騙しているみたいでちょっと罪悪感が湧いてきちゃうな
まあ、その辺りの責任は事前に交渉をしていたであろう城崎に投げるか
こういう時、自分が責任者じゃないから他人に投げれるのはやっぱり強いよな
これからもこんなスタンスで生きていこうと僕は決心した
「じゃあ、今日のうちにできる限り準備をしておきますね」
それが終わったら変えることにしよう
「好キ二シロ。タダ、余リ長居ハスルナヨ」
そう伝えられたので、僕は出来るだけ短い時間で聖地についてのパンフレット等を沢山持って帰ることにした
――――――――――――――――――――――――
自室に帰って、部屋で羽を伸ばす
軍事演習までは結構時間があるから暫く休めるのは有り難いね
と、同時に明日の会談までにやらなければいけないことを頭の中でリストアップする
まず確実に分かっていることは、今日の夕方に軍事演習の見学会に行かなければならないということだ
とは言っても、何か情報を探ってこいとかいうことは言われてないから、付き合いで見学するくらいしかやる必要は無いだろうけど……
「付き合いだとしても、僕にそんなコミュ力有るのかな……?」
不安に思いながら、夕方の見学に向けての準備を始めた
あの後、予想以上に時間が掛かったから加速して走ってもギリギリになってしまった
本当はもうちょっと時間にゆとりを持って行動したかったんけど……
まあ、終わっちゃったものは仕方無い
切り替えて次やることに臨もう
「えっと……ここで良いんだよね?」
目の前にある大きな扉を恐る恐る叩く
あ、事前連絡入れといた方が良かったかな?
まあ、今更どうしようも無いけど……
次からは気を付けるようにしよう
まずはノックをしてみる
「すみませ~ん……誰かいませんか?」
すると、中から人が出てきた
「الاسم هو」
?
なんて言ってるんだ?
取り敢えず身分証明を出せば良いのかな?
えっと……飛行機に乗る時に使ったパスポートは……
これか
それを見せると、相手は手を差し出してきた
だから僕はその手を取ったが相手は少し不思議そうな顔をした
……あ、渡せってことか
相手の意図に気が付いて僕はパスポートを渡した
すると、暫くそれを見つめてからドアを開ける
手招きをしているから、入っても良いってことなんだろう
まあ、一応警戒はしておくけど……
そういう理由で恐る恐る中に入っていく
撃たれたりは……しないか
相手の人はある部屋の前で立ち止まった
ここに入れ、ってことで良いのかな?
ゆっくりと扉をノックした
……あ、そういえば、文化によって手招きの意味が違ったりするみたいだけど僕は付いてきて大丈夫だったんだろうか?
あの手招きが僕を呼ぶ意味だったら別に良いんだけど、もしも拒絶する意味とかが込められてたら、後々揉めるかもな
……ま、まぁ、大丈夫でしょ
銃とか向けられたらどうしよう……
この装備が有れば撃たれてからでもギリギリ躱せる……かな?
取り敢えず、この心配が杞憂になるように頑張って事を荒立てずに終わらせないと……
「失礼します」
日本語が通じることを祈って部屋に入る
「アア、ハジメマシテ。アーサー・ビアーマンデス。ヨロシク」
少し発音が変だけど、日本語で返してくれた
「日本語……喋れるんですね……」
ここ、日本から随分離れてるけど、日本語話者いたんだ
こんなマイナー言語、日本以外じゃ使われてないと思うんだけど……
「祖父ガナチスニ追ワレテ日本ニ逃ゲタノデネ。ソノ時ニ日本語オボエテ帰ッテキタラシイ」
成程、第二次世界大戦のときの話ね
杉浦千畝って人が大量にビザを発行してナチスから亡命したユダヤ人を国内に連れてきたんだっけ?
その時に日本に居たのに、戦後ここイスラエルまでやって来たんだ……
やっぱり、そういう人達にとっては聖地って凄く大事な場所なのかな?
僕にはそういう場所が無いから今一分からないけど……
「成程……大変だったんですね……ところで、今日僕が来た理由は知っていますか?」
敬語を入れるような複雑な日本語は分からないかもしれないから出来るだけシンプルな言葉で聞く
「知ッテイル。オ前ノ上司ラシキ者カラ連絡ヲ受ケタ。聖地ニ入リタイソウダナ」
唾を飲み込んで少し待つ
……どういうことを言ってくるんだろう
「構ワナイゾ。幾ツカノ規約サエ守ルノナラ私ハ特ニ反対シナイ」
あれ?……思っていたよりもすんなり認めたな……
「その……良いんですか?大切な場所なんですよね?」
そんな場所なんだから、正直そんなに簡単に許可が降りるとは思ってなかったんだけど……
「アア。大切ナ場所ダカラダ」
だから?どういうことなんだろう……?
「ソンナ場所ダカラコソ、他人ニモ知ッテイテ欲シイ」
う~ん……
よく分からないけど、僕の立ち入りを許可してくれてるみたいだし構わないか
「じゃあ、明後日辺りに向かいたいんですが、構わないですか?僕以外にも何人か来るはずです」
「聞イテイル。オ前ノ所ハ随分ト大所帯デ来ルラシイナ。マァ、仕方無イダロウ」
なんというか、この人的には僕達に聖地のことをよく知って欲しいみたいだけど……
僕達がやるのは実地調査だからこの人がやって欲しいこととは多分違うことなんだよな
騙しているみたいでちょっと罪悪感が湧いてきちゃうな
まあ、その辺りの責任は事前に交渉をしていたであろう城崎に投げるか
こういう時、自分が責任者じゃないから他人に投げれるのはやっぱり強いよな
これからもこんなスタンスで生きていこうと僕は決心した
「じゃあ、今日のうちにできる限り準備をしておきますね」
それが終わったら変えることにしよう
「好キ二シロ。タダ、余リ長居ハスルナヨ」
そう伝えられたので、僕は出来るだけ短い時間で聖地についてのパンフレット等を沢山持って帰ることにした
――――――――――――――――――――――――
自室に帰って、部屋で羽を伸ばす
軍事演習までは結構時間があるから暫く休めるのは有り難いね
と、同時に明日の会談までにやらなければいけないことを頭の中でリストアップする
まず確実に分かっていることは、今日の夕方に軍事演習の見学会に行かなければならないということだ
とは言っても、何か情報を探ってこいとかいうことは言われてないから、付き合いで見学するくらいしかやる必要は無いだろうけど……
「付き合いだとしても、僕にそんなコミュ力有るのかな……?」
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