121 / 220
怪奇編
第二十八話 改造
しおりを挟む
「今日の検査は昨日のものとは少し違う。経過観察もするからそのつもりで頼むぞ」
「了解。具体的には何をやるんですか?」
その部分をまだ聞いて居なかったからね
「ああ。簡単だ。今日やることは主に二つ。まずは君の体にとある細菌を投与してその反応を見る。もう一つはその検査が終わってから伝える」
細菌投与?!
中々思い切ったことをするなぁ……人道的にアウトなんじゃない?
「それ、大丈夫なんですか?」
対応策は取ってあるとは思うけど、万が一その細菌が原因で僕が病気に罹ったらどうするつもりなんだろう?
「?あそこまで色々やっているならそのくらいの抵抗力は有るだろう?」
色々?
どういうことだろう……?
「あの……僕の体、何か変なんですか?」
「?知らないのか?君の体なんだが、装備が降ってくる前にある程度改造されていた形跡が有る」
改造……
「それって……どういうことですか?」
いまいち思い当たる節が無い
「……まさか、本人の許可を取らずに行っていたのか?それは流石に……」
所長は少し困惑したような雰囲気を出している
肉体改造……
何をされてたんだろう……?
そもそも、いつそんなことをされたんだ?
別に怪しい施設とかに行った覚えも無いんだけど
「まあ、あまり深くは聞かない。そういう訳で、恐らく君は今から投与する予定の細菌程度では死ぬことは無いだろう」
まあ……確かに今考えても仕方が無いな
「そうですね。じゃあ、早速お願いします」
その後、僕は所長の指示に従ってベッドに寝転んだ
腕に針が刺され、点滴のような形で細菌を投与される
「……あんまり変わらないんですね」
「まあ、すぐに影響が現れたら異常だからな。だが、君の肉体の変化を考えると数分もすれば症状が出てくると思うぞ」
症状……
一応、この実験の最中に僕に起こりうる体調変化については説明を受けてある
その変化、もしくは、予想されていない変化が現れだしたら僕がすぐにそのことを伝えなければいけないことも、だ
「一応出る症状についてもう一度確認しても良いですかね?」
「ああ、構わない」
暫く所長と話していると、それらしきものが出始めた
「あ……ちょっと首とか脇のあたりが痛くなってきました……それと、寒気も少しだけ……」
「なるほど……予想よりもリンパ節への影響は遅かったな。やはり遺伝子への変化が出来ているだけで細胞にはそこまでの大きな影響は出ていないのか……?」
しかし……という風に独り言を呟きながら記録を取っていく
一応、痛み止め等も薬局からは調達しているみたいだけど、代謝のペースが乱れるといけないから今回は使わない予定らしい
「……よし、他に何か異変は無いか?」
「いえ、特には……」
その後も症状が治るまで、十分置きに自分の状態を報告し続けた
「よし、恐らく治ったと思うが、一応確認のために採血を行う。腕に針を刺すぞ」
最後に採血を行って終了と言っていたから、そろそろ終わりが近いのか
しかし、針を刺されてもあんまり痛く無いな
「……よし、これで大丈夫だ。ゆっくりしておいてくれ」
血液は取れたみたいだ
僕はゆっくりとベットの上で気分を落ち着かせる
「ところで、今は何を調べているんですか?」
昨日から行われている検査、やり方や中身は伝えられているけど、その目的は未だに分からないまま何だよね
少しだけ沈黙した後に、所長はこう答えた
「申し訳ないが、今伝えるわけにはいかない。どこから情報が漏れるか分からないからね。ある程度発表の準備が整った時期なら伝えることも出来るんだが……」
成程、情報漏洩等を気にしているのかな?
「ああ……それもそうですね。まあ、でしたら仕方ありません」
「協力してもらっているのにすまないね。決して君のことを信用していない訳では無いんだが……」
それだけ言うと、再び論文を書き始める
情報の管理に気を使う割には、僕が見ている前で論文を書くんだな……
判断の基準が今一よくわからない……
その後、時間が経ってちゃんと体を元のように動かせるようになったら、鉄分補給用のドリンクを渡されて解散となった
「じゃあ研究の方、頑張って下さいね」
「ああ。成果が出たら発表するから、またその時にでも伝えるよ」
――――――――――――――――――――
さて、所長との話はこれで終わった訳だけど……
「やっぱり、気にしない訳にはいかないよなぁ……」
僕は、所長の言っていた【肉体改造】のことについて考える
でも、物心ついてからはそれらしき怪しい記憶が無いんだよな……
あんなことが有ってからは、そこまで外で遊んでいないから病院に行くことも少なくなっている
だから、そういう医療機関でなんからの処置を受けた可能性は無視するとして……
「じゃあ、もっと昔か……」
そうなると、僕がまだ三歳とか四歳だった頃になる
その頃受けた健康診断の結果、まだ残ってるかな……?
院長にちょっと聞いてみよう
「ああ……そういえば院長は研究所に泊まるって言った時、かなり焦ってたというか……」
何か僕の身体について知っているのかな?
聞きに行こう
それと、反対を無視して(殆ど)勝手に外泊したことも謝っておかないと
「じゃあ、孤児院の方に戻ろう」
僕は孤児院のある方角に向かって歩き出した
「了解。具体的には何をやるんですか?」
その部分をまだ聞いて居なかったからね
「ああ。簡単だ。今日やることは主に二つ。まずは君の体にとある細菌を投与してその反応を見る。もう一つはその検査が終わってから伝える」
細菌投与?!
中々思い切ったことをするなぁ……人道的にアウトなんじゃない?
「それ、大丈夫なんですか?」
対応策は取ってあるとは思うけど、万が一その細菌が原因で僕が病気に罹ったらどうするつもりなんだろう?
「?あそこまで色々やっているならそのくらいの抵抗力は有るだろう?」
色々?
どういうことだろう……?
「あの……僕の体、何か変なんですか?」
「?知らないのか?君の体なんだが、装備が降ってくる前にある程度改造されていた形跡が有る」
改造……
「それって……どういうことですか?」
いまいち思い当たる節が無い
「……まさか、本人の許可を取らずに行っていたのか?それは流石に……」
所長は少し困惑したような雰囲気を出している
肉体改造……
何をされてたんだろう……?
そもそも、いつそんなことをされたんだ?
別に怪しい施設とかに行った覚えも無いんだけど
「まあ、あまり深くは聞かない。そういう訳で、恐らく君は今から投与する予定の細菌程度では死ぬことは無いだろう」
まあ……確かに今考えても仕方が無いな
「そうですね。じゃあ、早速お願いします」
その後、僕は所長の指示に従ってベッドに寝転んだ
腕に針が刺され、点滴のような形で細菌を投与される
「……あんまり変わらないんですね」
「まあ、すぐに影響が現れたら異常だからな。だが、君の肉体の変化を考えると数分もすれば症状が出てくると思うぞ」
症状……
一応、この実験の最中に僕に起こりうる体調変化については説明を受けてある
その変化、もしくは、予想されていない変化が現れだしたら僕がすぐにそのことを伝えなければいけないことも、だ
「一応出る症状についてもう一度確認しても良いですかね?」
「ああ、構わない」
暫く所長と話していると、それらしきものが出始めた
「あ……ちょっと首とか脇のあたりが痛くなってきました……それと、寒気も少しだけ……」
「なるほど……予想よりもリンパ節への影響は遅かったな。やはり遺伝子への変化が出来ているだけで細胞にはそこまでの大きな影響は出ていないのか……?」
しかし……という風に独り言を呟きながら記録を取っていく
一応、痛み止め等も薬局からは調達しているみたいだけど、代謝のペースが乱れるといけないから今回は使わない予定らしい
「……よし、他に何か異変は無いか?」
「いえ、特には……」
その後も症状が治るまで、十分置きに自分の状態を報告し続けた
「よし、恐らく治ったと思うが、一応確認のために採血を行う。腕に針を刺すぞ」
最後に採血を行って終了と言っていたから、そろそろ終わりが近いのか
しかし、針を刺されてもあんまり痛く無いな
「……よし、これで大丈夫だ。ゆっくりしておいてくれ」
血液は取れたみたいだ
僕はゆっくりとベットの上で気分を落ち着かせる
「ところで、今は何を調べているんですか?」
昨日から行われている検査、やり方や中身は伝えられているけど、その目的は未だに分からないまま何だよね
少しだけ沈黙した後に、所長はこう答えた
「申し訳ないが、今伝えるわけにはいかない。どこから情報が漏れるか分からないからね。ある程度発表の準備が整った時期なら伝えることも出来るんだが……」
成程、情報漏洩等を気にしているのかな?
「ああ……それもそうですね。まあ、でしたら仕方ありません」
「協力してもらっているのにすまないね。決して君のことを信用していない訳では無いんだが……」
それだけ言うと、再び論文を書き始める
情報の管理に気を使う割には、僕が見ている前で論文を書くんだな……
判断の基準が今一よくわからない……
その後、時間が経ってちゃんと体を元のように動かせるようになったら、鉄分補給用のドリンクを渡されて解散となった
「じゃあ研究の方、頑張って下さいね」
「ああ。成果が出たら発表するから、またその時にでも伝えるよ」
――――――――――――――――――――
さて、所長との話はこれで終わった訳だけど……
「やっぱり、気にしない訳にはいかないよなぁ……」
僕は、所長の言っていた【肉体改造】のことについて考える
でも、物心ついてからはそれらしき怪しい記憶が無いんだよな……
あんなことが有ってからは、そこまで外で遊んでいないから病院に行くことも少なくなっている
だから、そういう医療機関でなんからの処置を受けた可能性は無視するとして……
「じゃあ、もっと昔か……」
そうなると、僕がまだ三歳とか四歳だった頃になる
その頃受けた健康診断の結果、まだ残ってるかな……?
院長にちょっと聞いてみよう
「ああ……そういえば院長は研究所に泊まるって言った時、かなり焦ってたというか……」
何か僕の身体について知っているのかな?
聞きに行こう
それと、反対を無視して(殆ど)勝手に外泊したことも謝っておかないと
「じゃあ、孤児院の方に戻ろう」
僕は孤児院のある方角に向かって歩き出した
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
レディース異世界満喫禄
日の丸
ファンタジー
〇城県のレディース輝夜の総長篠原連は18才で死んでしまう。
その死に方があまりな死に方だったので運命神の1人に異世界におくられることに。
その世界で出会う仲間と様々な体験をたのしむ!!
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
転生幼女は幸せを得る。
泡沫 ウィルベル
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−
【完結】人々に魔女と呼ばれていた私が実は聖女でした。聖女様治療して下さい?誰がんな事すっかバーカ!
隣のカキ
ファンタジー
私は魔法が使える。そのせいで故郷の村では魔女と迫害され、悲しい思いをたくさんした。でも、村を出てからは聖女となり活躍しています。私の唯一の味方であったお母さん。またすぐに会いに行きますからね。あと村人、テメぇらはブッ叩く。
※三章からバトル多めです。
異世界でスローライフを満喫
美鈴
ファンタジー
ホットランキング一位本当にありがとうございます!
【※毎日18時更新中】
タイトル通り異世界に行った主人公が異世界でスローライフを満喫…。出来たらいいなというお話です!
※カクヨム様にも投稿しております
※イラストはAIアートイラストを使用
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
悪役令嬢の無念はわたしが晴らします
カナリア55
ファンタジー
【完結】同棲中の彼の浮気現場を見てしまい、気が動転してアパートの階段から落ちた、こはる。目が覚めると、昔プレイした乙女ゲームの中で、しかも、王太子の婚約者、悪役令嬢のエリザベートになっていた。誰かに毒を盛られて一度心臓が止まった状態から生き返ったエリザベート。このままでは断罪され、破滅してしまう運命だ。『悪役にされて復讐する事も出来ずに死ぬのは悔しかったでしょう。わたしがあなたの無念を晴らすわ。絶対に幸せになってやる!』自分を裏切る事のない獣人の奴隷を買い、言いたい事は言い、王太子との婚約破棄を求め……破滅を回避する為の日々が始まる。
誤字脱字、気をつけているのですが、何度見直しても見落としがちです、申し訳ございません。12月11日から全体の見直し作業に入ります。大きな変更がある場合は近況ボードでお知らせします。
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる