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怪奇編
第十六話 情報
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「よしっ!脱出出来た!」
「逃げるの大変だったね~。まあ、私は動いてないけど」
そうだよ。僕が運んだんだから大変だったのは僕だよ
ちゃんと感謝してよね
「それにしても……何であんなに敵がいたんだろう?施設の何処かに穴があってそこから入ってきたのかな?」
ちょっとそこが気になるけど、今は休憩が優先
城崎からの連絡を待ちながら、少し休む
「ねぇ。そういえば、城ちゃんは何か言ってた?」
何か……
「いや、結構焦ってたような気はするけど、特に僕には何も伝えてなかったな……」
すると、芳枝ちゃんが怪訝な顔をする
「ねぇ……それって、大丈夫なの?一応神やんって重要人物で、城ちゃんとの付き合いも長いんでしょ?それで全く情報を貰えないって……不味くない?」
ああ、そっか。僕と城崎の関係性をあんまり知らない人はそう思っちゃうことも有るのかな
「いや、大丈夫だよ。僕と城崎は昔からこんな感じだから。情報の処理とか作戦の立案とかは城崎に任せてある」
納得したのかしていないのか良くわからない表情で頷く
やっぱり、この感覚って分かりにくいのかな……?
「まあ、分からないなら分からないで良いと思うよ。こういうのって人によって違うとも思うし」
その辺りを無理に分からせようとするのは辞めたほうがいいだろう
そういうことが原因で仲が悪くなるのも避けたいし
「まあ、なら良いんだけど……いま情報が入ってこないのは困るなぁ……」
なるほど、そういうことか
「じゃあ、ちょっと城崎に話を聞いて見るよ」
電話をかけるが、中々出てくれない
何かあったのかな……?
そう思っていたが、杞憂だったようだ
『何だ?今忙しいんだが』
お、ちゃんと無事なんだね
「いや……さっき何が起こってたか、ちょっと知らない?」
『それなら小松の方が知っているだろ。というより、お前、小松から聞いていないのか?』
え?聞いていないって……何を?
「芳枝ちゃん、何か知ってる?」
電話のマイク部分を取り敢えず手で抑えてをこう聞いた
「え……私、何も聞いてないんだけど……」
じゃあ、ここからは芳枝ちゃんも交えて話したほうが良さそうだ
ということで、スピーカーをオンにした
『まずは、状況を整理するぞ。研究所内に敵が出現して、それに対処した。その原因について俺はお前に伝えた記憶があるが、お前は伝えられた記憶が無い』
「ちょっと待って……出現?どういうこと?入っきたんじゃないの?」
どういうこと?
それが、城崎が芳枝ちゃんに伝えたことに繋がっているの?
「うん……特に聞いてないけど……直接言ってないんなら、誰かが伝え忘れた、とかかな~?」
ああ……伝達ミスか……
「それならそれで、今伝えてくれる?状況が飲み込めないからさ」
『分かった。ただ、これを説明するには地図があった方が良い。一旦戻ってきてくれるか?』
戻るって……
「この研究所、どうするの?守る人が居なくなるんだけど……結構大事なんじゃないの?」
重要な場所だからわざわざ城崎も気にしてるんでしょ?
『いや、最悪データが残っているならどうにでもなる。それは研究員が持ち帰っているんだろ?』
「うん。そうだよ~。ちゃんと頼んでおいたからね~」
そうなのか……
「でも、色々設備とかを壊されたら大変なんじゃない?また建て直さなきゃいけないでしょ?」
『いや、設備は場所を変えればなんとかなる。それに修理することも出来るしな。』
そっか、そういう考え方か
「じゃあ、僕たちは今から帰ってしっかり話をするとしよう。って、どこに帰れば良いの?」
拠点の一つである研究所が潰されたんだった
暫くはあそこに泊まろうとまで思ってたから、今滞在する場所が無い
『……今地図を送った。そこで示されている場所に来い。俺が拾う』
スマホに通知が来て、それを開くと地図が表示された
「じゃあ、今から向かうね」
芳枝ちゃんを連れて歩いていった
――――――――――――――――――――
「よし、それでは、まずこの地図を見てくれ」
城崎が地図を広げて説明を始める
「この赤い点が怪異の発見が報告されている場所だ。見ればわかると思うが、研究所から一定の距離を保った位置に集中している」
本当だ
結構わかりやすいものだな
「じゃあ、何でこんなふうになってたの……って話になるよね?」
今はそこが重要だ
「原因は詳しくは分かっていないんだが、予想は出来ている」
そう言って、写真を取り出した
「これって……」
芳枝ちゃんも頷く
そこには、あの時見た変な植物が写っていた
「まあ、お前たちもあの騒ぎの中に居たんだ。これを見ていてもおかしくないだろう」
そう言って、説明を続ける
「こいつは恐らく、人の感情を増幅させる装備のようなものだ。これ自体に怪異を発生させる効果は無いようだがな」
感情の増幅……か
「ていうか、そもそも何で怪異が生まれてるんだろう?まあ、それを言ったら装備が降ってきたことも謎なんだけども……」
僕たちの装備はあの日、何の前触れもなく降ってきた
その原因を僕は知らないけど、怪異の発生原因を調べていけば分かるかもしれない
「まあ、その辺りについてはこの件が落ち着いてからだ。まずは解決方法について話し合うぞ」
「逃げるの大変だったね~。まあ、私は動いてないけど」
そうだよ。僕が運んだんだから大変だったのは僕だよ
ちゃんと感謝してよね
「それにしても……何であんなに敵がいたんだろう?施設の何処かに穴があってそこから入ってきたのかな?」
ちょっとそこが気になるけど、今は休憩が優先
城崎からの連絡を待ちながら、少し休む
「ねぇ。そういえば、城ちゃんは何か言ってた?」
何か……
「いや、結構焦ってたような気はするけど、特に僕には何も伝えてなかったな……」
すると、芳枝ちゃんが怪訝な顔をする
「ねぇ……それって、大丈夫なの?一応神やんって重要人物で、城ちゃんとの付き合いも長いんでしょ?それで全く情報を貰えないって……不味くない?」
ああ、そっか。僕と城崎の関係性をあんまり知らない人はそう思っちゃうことも有るのかな
「いや、大丈夫だよ。僕と城崎は昔からこんな感じだから。情報の処理とか作戦の立案とかは城崎に任せてある」
納得したのかしていないのか良くわからない表情で頷く
やっぱり、この感覚って分かりにくいのかな……?
「まあ、分からないなら分からないで良いと思うよ。こういうのって人によって違うとも思うし」
その辺りを無理に分からせようとするのは辞めたほうがいいだろう
そういうことが原因で仲が悪くなるのも避けたいし
「まあ、なら良いんだけど……いま情報が入ってこないのは困るなぁ……」
なるほど、そういうことか
「じゃあ、ちょっと城崎に話を聞いて見るよ」
電話をかけるが、中々出てくれない
何かあったのかな……?
そう思っていたが、杞憂だったようだ
『何だ?今忙しいんだが』
お、ちゃんと無事なんだね
「いや……さっき何が起こってたか、ちょっと知らない?」
『それなら小松の方が知っているだろ。というより、お前、小松から聞いていないのか?』
え?聞いていないって……何を?
「芳枝ちゃん、何か知ってる?」
電話のマイク部分を取り敢えず手で抑えてをこう聞いた
「え……私、何も聞いてないんだけど……」
じゃあ、ここからは芳枝ちゃんも交えて話したほうが良さそうだ
ということで、スピーカーをオンにした
『まずは、状況を整理するぞ。研究所内に敵が出現して、それに対処した。その原因について俺はお前に伝えた記憶があるが、お前は伝えられた記憶が無い』
「ちょっと待って……出現?どういうこと?入っきたんじゃないの?」
どういうこと?
それが、城崎が芳枝ちゃんに伝えたことに繋がっているの?
「うん……特に聞いてないけど……直接言ってないんなら、誰かが伝え忘れた、とかかな~?」
ああ……伝達ミスか……
「それならそれで、今伝えてくれる?状況が飲み込めないからさ」
『分かった。ただ、これを説明するには地図があった方が良い。一旦戻ってきてくれるか?』
戻るって……
「この研究所、どうするの?守る人が居なくなるんだけど……結構大事なんじゃないの?」
重要な場所だからわざわざ城崎も気にしてるんでしょ?
『いや、最悪データが残っているならどうにでもなる。それは研究員が持ち帰っているんだろ?』
「うん。そうだよ~。ちゃんと頼んでおいたからね~」
そうなのか……
「でも、色々設備とかを壊されたら大変なんじゃない?また建て直さなきゃいけないでしょ?」
『いや、設備は場所を変えればなんとかなる。それに修理することも出来るしな。』
そっか、そういう考え方か
「じゃあ、僕たちは今から帰ってしっかり話をするとしよう。って、どこに帰れば良いの?」
拠点の一つである研究所が潰されたんだった
暫くはあそこに泊まろうとまで思ってたから、今滞在する場所が無い
『……今地図を送った。そこで示されている場所に来い。俺が拾う』
スマホに通知が来て、それを開くと地図が表示された
「じゃあ、今から向かうね」
芳枝ちゃんを連れて歩いていった
――――――――――――――――――――
「よし、それでは、まずこの地図を見てくれ」
城崎が地図を広げて説明を始める
「この赤い点が怪異の発見が報告されている場所だ。見ればわかると思うが、研究所から一定の距離を保った位置に集中している」
本当だ
結構わかりやすいものだな
「じゃあ、何でこんなふうになってたの……って話になるよね?」
今はそこが重要だ
「原因は詳しくは分かっていないんだが、予想は出来ている」
そう言って、写真を取り出した
「これって……」
芳枝ちゃんも頷く
そこには、あの時見た変な植物が写っていた
「まあ、お前たちもあの騒ぎの中に居たんだ。これを見ていてもおかしくないだろう」
そう言って、説明を続ける
「こいつは恐らく、人の感情を増幅させる装備のようなものだ。これ自体に怪異を発生させる効果は無いようだがな」
感情の増幅……か
「ていうか、そもそも何で怪異が生まれてるんだろう?まあ、それを言ったら装備が降ってきたことも謎なんだけども……」
僕たちの装備はあの日、何の前触れもなく降ってきた
その原因を僕は知らないけど、怪異の発生原因を調べていけば分かるかもしれない
「まあ、その辺りについてはこの件が落ち着いてからだ。まずは解決方法について話し合うぞ」
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