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東京事編
第五十一話 皆
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「ドコだぁ!出てこいやぁ!」
うわぁ……かなり怒ってるよ
城崎に救援要請を出したは良いものの、なかなかやって来ない
そう感じるのは時間を加速させているせいだと思って、加速状態を解いてみたが、やっぱり城崎は来なくて、代わりにさっきの敵が来た
どうしようかな……そうだ!
城崎が来るまで暇だし、倉庫の方に行ってみよう
あの中なら見るものも多いだろうからそんなに退屈しないだろうし、もしかしたら僕が使えるものもあるかも知れないし
よし、そっちに向かうことにしよう
「クソ……どこにいるのか分かりもしねぇ……」
ずっとここに居たら命の危険を感じてくる、っていうのも理由の一つとしてもちろんあるけどね
――――――――――――――――――――
よし、取り敢えず移動完了!
移動は出来たから後はここで探してみるだけだ
「えっと……まずはこの箱から試してみよう」
箱を開けると、中にはメガネが入っていた
メガネ……かぁ……もう既に片目が変なことになってるから使えるか分からないんだよなぁ
まあ、一応回収しておこう
メガネをかけて、他のものも探す
ん?これは……帽子……かな?
まあ、着けてみるとしよう
……サイズが合わないな
手に持って帰ろう。別に帽子だからって頭につけなきゃいけない訳でもないでしょ
しかし、こうしてみるとまるで泥棒みたいだな
いや、国の倉庫に勝手に忍び込んで物を集めてるから紛れもなく泥棒か
あ、そうだ。そろそろ時間切れかもしれないから一旦加速状態を解いてやり直そう
(解除)
解除した瞬間、サイレンが鳴り出す
「あれ?失敗しちゃった?」
サイレンってことはこの中は結構警備が厳重だったのかもしれないな
そうだ!誰かが来るまでにここを出ておかないと
じゃあもう一度抜刀して……っと
加速状態になるとすぐに外へ出た
あ、でももう少し人やヘイトを集めて他の場所をちょっと楽にした方が良いかな?
まあ、それはどっちでも良いか
さて、個人的に興味があることも確認し終えたし、城崎を探しに行くとしよう
僕がここに入ってきた道は裏道だったからそこを辿っても城崎は居ないだろう
じゃあ何処に居るのか、ってところだけど……
普通に入り口辺りに居るんじゃないかなぁ?
あんまり確信は出来ないけど、既に僕が入ってきていることもバレてるのにわざわざ隠し通路とか使って忍び込むのもバカらしい気がする
……よし、連絡してみよう
電話……は迷惑だろうからメッセージにしよう
「今何処?」っと
……う~ん、返信が無いなぁ……
今は忙しいのかも……
じゃあ、僕も自分の運動不足のこの足を頼りに探してみるしかないか……
えっと……出入り口は確かこっちだったよな……
あんまり道を覚えられないタイプなんだよな、僕って
何処へ行くにしても、慣れるまではいっつも城崎に任せっきりだったし……
これからはちょっとくらい自分で考えて行動しても良いかもしれないな
サイレンが鳴っているような緊急事態にも関わらず、僕はそんな呑気なことを考えていた
そして気付く
「あ、そういえば加速状態ではこういう情報伝達が上手くいかないんだったっけ?」
そうして、まずは城崎に今の状況を聞く方法を考えながらのんびりと歩いていった
――――――――――――――――――――
よし、相手の体力は大分削れたな
ここまで来たら俺を追ってこれるだけの体力は残っていないだろうから、もうこいつは無視で相手の中心人物を叩きに行った方が良いな
そう判断して、俺はまっすぐ敵の施設内に入っていった
相手が追いかけて来ようとするが、速さが十分に出ていない様子だ
これなら放っておいても大きな危険はないだろう
施設内に入ると、すぐに違和感に気付いた
(大分構造が変わっているな……)
俺は以前ここ、官邸に来たことが有るが、その時とは構造が随分と変わっている
改築したのか?少なくとも最近はそんな情報は出ていなかった筈だが……
まあいい。少しずつこの建物を『支配』していくか
壁に手を当てて、装備の力を使う準備をする
さっきの戦いの最中にこちらの方まである程度支配を伸ばしておいたのが効いたな
随分早く支配し終えられそうだ
まずは、今の時点で入口付近を完全に支配し終えた
追手が入らないようにここへの出入り口を全て封鎖しておくか
窓やドアを接合して入る以前に開かないようにする
これでゆっくり時間をかけて支配することができる
支配した先から来る感覚をもとに感じ取ってみると、不自然な程に周囲に人が居ないことに気付いた
「ハメられたか……」
これは誘い出されたと考える方が自然だな
まあ、向こうの思惑は俺を一旦隔離してその間に神柱や須斎に対処する、といったところか
ならば、一度ここの支配は捨てて須斎や神柱を探しに行く方が良いか
ある程度進めていた支配を切り捨て、他の場所に向かう
「さて、向こうの方はどうなっているか……」
――――――――――――――――――――
「ありがと。こっちなんだね。これで皆の敵が撃てそうだよ」
ここまで案内してくれたタンポポやシロツメグサの皆にそう言った
あの学校の皆は独りぼっちの私を理解してくれる数少ない友達だったのに
皆との楽園を壊した奴が、この先に居る
そう思うと、もう怒りが抑えられなくなった
うわぁ……かなり怒ってるよ
城崎に救援要請を出したは良いものの、なかなかやって来ない
そう感じるのは時間を加速させているせいだと思って、加速状態を解いてみたが、やっぱり城崎は来なくて、代わりにさっきの敵が来た
どうしようかな……そうだ!
城崎が来るまで暇だし、倉庫の方に行ってみよう
あの中なら見るものも多いだろうからそんなに退屈しないだろうし、もしかしたら僕が使えるものもあるかも知れないし
よし、そっちに向かうことにしよう
「クソ……どこにいるのか分かりもしねぇ……」
ずっとここに居たら命の危険を感じてくる、っていうのも理由の一つとしてもちろんあるけどね
――――――――――――――――――――
よし、取り敢えず移動完了!
移動は出来たから後はここで探してみるだけだ
「えっと……まずはこの箱から試してみよう」
箱を開けると、中にはメガネが入っていた
メガネ……かぁ……もう既に片目が変なことになってるから使えるか分からないんだよなぁ
まあ、一応回収しておこう
メガネをかけて、他のものも探す
ん?これは……帽子……かな?
まあ、着けてみるとしよう
……サイズが合わないな
手に持って帰ろう。別に帽子だからって頭につけなきゃいけない訳でもないでしょ
しかし、こうしてみるとまるで泥棒みたいだな
いや、国の倉庫に勝手に忍び込んで物を集めてるから紛れもなく泥棒か
あ、そうだ。そろそろ時間切れかもしれないから一旦加速状態を解いてやり直そう
(解除)
解除した瞬間、サイレンが鳴り出す
「あれ?失敗しちゃった?」
サイレンってことはこの中は結構警備が厳重だったのかもしれないな
そうだ!誰かが来るまでにここを出ておかないと
じゃあもう一度抜刀して……っと
加速状態になるとすぐに外へ出た
あ、でももう少し人やヘイトを集めて他の場所をちょっと楽にした方が良いかな?
まあ、それはどっちでも良いか
さて、個人的に興味があることも確認し終えたし、城崎を探しに行くとしよう
僕がここに入ってきた道は裏道だったからそこを辿っても城崎は居ないだろう
じゃあ何処に居るのか、ってところだけど……
普通に入り口辺りに居るんじゃないかなぁ?
あんまり確信は出来ないけど、既に僕が入ってきていることもバレてるのにわざわざ隠し通路とか使って忍び込むのもバカらしい気がする
……よし、連絡してみよう
電話……は迷惑だろうからメッセージにしよう
「今何処?」っと
……う~ん、返信が無いなぁ……
今は忙しいのかも……
じゃあ、僕も自分の運動不足のこの足を頼りに探してみるしかないか……
えっと……出入り口は確かこっちだったよな……
あんまり道を覚えられないタイプなんだよな、僕って
何処へ行くにしても、慣れるまではいっつも城崎に任せっきりだったし……
これからはちょっとくらい自分で考えて行動しても良いかもしれないな
サイレンが鳴っているような緊急事態にも関わらず、僕はそんな呑気なことを考えていた
そして気付く
「あ、そういえば加速状態ではこういう情報伝達が上手くいかないんだったっけ?」
そうして、まずは城崎に今の状況を聞く方法を考えながらのんびりと歩いていった
――――――――――――――――――――
よし、相手の体力は大分削れたな
ここまで来たら俺を追ってこれるだけの体力は残っていないだろうから、もうこいつは無視で相手の中心人物を叩きに行った方が良いな
そう判断して、俺はまっすぐ敵の施設内に入っていった
相手が追いかけて来ようとするが、速さが十分に出ていない様子だ
これなら放っておいても大きな危険はないだろう
施設内に入ると、すぐに違和感に気付いた
(大分構造が変わっているな……)
俺は以前ここ、官邸に来たことが有るが、その時とは構造が随分と変わっている
改築したのか?少なくとも最近はそんな情報は出ていなかった筈だが……
まあいい。少しずつこの建物を『支配』していくか
壁に手を当てて、装備の力を使う準備をする
さっきの戦いの最中にこちらの方まである程度支配を伸ばしておいたのが効いたな
随分早く支配し終えられそうだ
まずは、今の時点で入口付近を完全に支配し終えた
追手が入らないようにここへの出入り口を全て封鎖しておくか
窓やドアを接合して入る以前に開かないようにする
これでゆっくり時間をかけて支配することができる
支配した先から来る感覚をもとに感じ取ってみると、不自然な程に周囲に人が居ないことに気付いた
「ハメられたか……」
これは誘い出されたと考える方が自然だな
まあ、向こうの思惑は俺を一旦隔離してその間に神柱や須斎に対処する、といったところか
ならば、一度ここの支配は捨てて須斎や神柱を探しに行く方が良いか
ある程度進めていた支配を切り捨て、他の場所に向かう
「さて、向こうの方はどうなっているか……」
――――――――――――――――――――
「ありがと。こっちなんだね。これで皆の敵が撃てそうだよ」
ここまで案内してくれたタンポポやシロツメグサの皆にそう言った
あの学校の皆は独りぼっちの私を理解してくれる数少ない友達だったのに
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