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東京事編
第四十九話 様子見
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何だあれ?
足に変なものが刺さって急にピンチになったと思ったら、床がめくれ上がって守ってくれた
床を使うとなると、僕の知り合いでは城崎くらいかな?
いや~何をしていたか分からなかったから後で問い詰めようと思ってたけど、助けてくれたみたいだし、そこは許しちゃおうか
あれ?僕ってチョロいのかな?
ま、今はそれよりもスナイパーを見つけなきゃね
僕に向かって撃ってきた奴を探し出さないと
でも、その前に足の止血をしておかないと
さっき刺さったもののせいでかなり血が出ている
「うわ……まだ刺さったままじゃん……何なんだろうこれ?」
足の裏を見てみると、さっきのものがまだ刺さっていた
見た目は……撒菱?あの、忍者が撒いてたとか言われるアレ?
物騒なもの使うなぁ……
あんまり傷口が広がらないように気を付けつつ、この撒菱を取って……っと
そうだ!城崎にも連絡を入れておこう
あいつが協力してくれたお陰で窮地を逃れることが出来たんだから
加速状態を切り、スマホを取り出して城先に向かって電話をかける
「……繫がらないな……」
何か仕事でもしていて忙しいんだろうか……
――――――――――――――――――――
くそ……流石にこの距離から操作するのは疲れるな
俺の装備であるこの手袋は、物体を『支配』して操ることが出来る
一度支配したものはどれだけ離れていても操れるんだが、知覚の部分が問題だ
俺は、支配したものを通して遠くの景色を知覚することが出来るが、決して負担がないという訳ではない
まあ、距離はあまり関係なくて、自分の知覚のうちどれくらいの割合を支配したものから得ているか、というのが重要だ
俺たち人間の脳は自分の目から取り入れた情報を処理することには慣れているが、その他の情報の処理能力はどうしても足りていない
だから、無意識で処理しきれなかった分はいちいち意識下で情報を処理する必要が有る
そんな訳で自力で画像処理をやっているからかなり疲れる
相手はこちらを警戒しているのか、今は動きを止めてくれているが、今度大きな動きを見せたらこちらもまた対応しなくてはならない
神柱が今撤退しているところだが、それが終われば俺も出た方が良いかもしれない
片手では出来ることは限られるだろうが、近く、少なくとも、相手を直接視認できるところからならやれることも増えるだろう
まずは移動を始めるか
地面を動かして高速で移動を開始する
今までずっと見てきたから建物内部の人や物の配置はだいたい分かる
そこで、入りやすい場所や、人気の少ない場所を予め確認しておいた
そのおかけで、今はかなり楽に侵入できる
「よし……取り敢えずここまで来たか」
数秒後には俺は官邸の前にまで来ていた
ここから問題となっていくのは伏兵だ
官邸の中に入るとまだまだ俺の知らない場所も増えていく
一旦ここで様子を見ながら内部をじっくり探った方が良いな
地面に手をつき、『支配』していく
もう少し時間がかかるとは思うが、それが終われば建物内を完全に操作できる
「……これは……誰か来たな」
俺の行動を知ってなのか、相手も誰か送ってきたようだ
本当は支配に集中したいんだが、早めに対処しておかないとな
「……それで、お前は誰なんだ?」
もうかなり近くに来ていた誰かに向かってそう尋ねる
「……」
相手は何も答えていない
相手が動き出す直前までは支配を進めるつもりだが、すぐにでも対応できるように心積もりだけはしておく
「そちらが何も答えないなら、こちらも好きにさせてもらうが、良いのか?」
相手は答えない
俺は、警戒のレベルを一段階引き上げた
すると、相手もそれを感じたのか、ゆっくりと、しかし確実にこちらに向かって近付いて来た
なるほど、ここで止めておくのか
だとしたらこちらも対抗策を取らないとな
相手が動くより先に、相手の両側の地面を持ち上げて相手を挟む
すぐさま後ろに跳んだようだが、その間も支配を進める
着地した相手がこちらに向かって走ってくる
それに対応しようと、地面を動かすが、相手の移動速度が予想以上に速く、対応しきれない
(まずいな……ここに来たのは失敗だったか?)
相手の対応が予想以上に早かったから少し焦ってしまったかもしれない
悪手かもしれないが、一旦後ろに下がる
それと同時に、相手が距離を詰めてくる
俺はあまり近接戦闘が得意では無いから、出来れば離れたいんだが、許してはくれなさそうだな
なら、仕方ない
自分のスマホを『操作』し、待機中の二人に俺のサポートに来るように命じる
今からは、耐えることに集中したほうが良いな
後は、こいつの装備がどういうものかを調べるのも今のうちにしておこう
幾つか探りたいことが有ったので、周囲の物を相手に飛ばしながら揺さぶりをかけていく
今はただ避けているだけだが、少しずつ飛ばす物の量を増やしながら様子を見ていく
すると、あるところで敵の動きが変わり始めた
少しずつだが、ジャンプの高さが低くなり始めている
何か制限があるのか、それとも、単に体力が尽きてきただけなのか
体力が尽きかけているのなら、これからも更に動かして相手の体力を削り切るべきか?
戦略を練りながらゆっくりと相手の様子を観察していく
足に変なものが刺さって急にピンチになったと思ったら、床がめくれ上がって守ってくれた
床を使うとなると、僕の知り合いでは城崎くらいかな?
いや~何をしていたか分からなかったから後で問い詰めようと思ってたけど、助けてくれたみたいだし、そこは許しちゃおうか
あれ?僕ってチョロいのかな?
ま、今はそれよりもスナイパーを見つけなきゃね
僕に向かって撃ってきた奴を探し出さないと
でも、その前に足の止血をしておかないと
さっき刺さったもののせいでかなり血が出ている
「うわ……まだ刺さったままじゃん……何なんだろうこれ?」
足の裏を見てみると、さっきのものがまだ刺さっていた
見た目は……撒菱?あの、忍者が撒いてたとか言われるアレ?
物騒なもの使うなぁ……
あんまり傷口が広がらないように気を付けつつ、この撒菱を取って……っと
そうだ!城崎にも連絡を入れておこう
あいつが協力してくれたお陰で窮地を逃れることが出来たんだから
加速状態を切り、スマホを取り出して城先に向かって電話をかける
「……繫がらないな……」
何か仕事でもしていて忙しいんだろうか……
――――――――――――――――――――
くそ……流石にこの距離から操作するのは疲れるな
俺の装備であるこの手袋は、物体を『支配』して操ることが出来る
一度支配したものはどれだけ離れていても操れるんだが、知覚の部分が問題だ
俺は、支配したものを通して遠くの景色を知覚することが出来るが、決して負担がないという訳ではない
まあ、距離はあまり関係なくて、自分の知覚のうちどれくらいの割合を支配したものから得ているか、というのが重要だ
俺たち人間の脳は自分の目から取り入れた情報を処理することには慣れているが、その他の情報の処理能力はどうしても足りていない
だから、無意識で処理しきれなかった分はいちいち意識下で情報を処理する必要が有る
そんな訳で自力で画像処理をやっているからかなり疲れる
相手はこちらを警戒しているのか、今は動きを止めてくれているが、今度大きな動きを見せたらこちらもまた対応しなくてはならない
神柱が今撤退しているところだが、それが終われば俺も出た方が良いかもしれない
片手では出来ることは限られるだろうが、近く、少なくとも、相手を直接視認できるところからならやれることも増えるだろう
まずは移動を始めるか
地面を動かして高速で移動を開始する
今までずっと見てきたから建物内部の人や物の配置はだいたい分かる
そこで、入りやすい場所や、人気の少ない場所を予め確認しておいた
そのおかけで、今はかなり楽に侵入できる
「よし……取り敢えずここまで来たか」
数秒後には俺は官邸の前にまで来ていた
ここから問題となっていくのは伏兵だ
官邸の中に入るとまだまだ俺の知らない場所も増えていく
一旦ここで様子を見ながら内部をじっくり探った方が良いな
地面に手をつき、『支配』していく
もう少し時間がかかるとは思うが、それが終われば建物内を完全に操作できる
「……これは……誰か来たな」
俺の行動を知ってなのか、相手も誰か送ってきたようだ
本当は支配に集中したいんだが、早めに対処しておかないとな
「……それで、お前は誰なんだ?」
もうかなり近くに来ていた誰かに向かってそう尋ねる
「……」
相手は何も答えていない
相手が動き出す直前までは支配を進めるつもりだが、すぐにでも対応できるように心積もりだけはしておく
「そちらが何も答えないなら、こちらも好きにさせてもらうが、良いのか?」
相手は答えない
俺は、警戒のレベルを一段階引き上げた
すると、相手もそれを感じたのか、ゆっくりと、しかし確実にこちらに向かって近付いて来た
なるほど、ここで止めておくのか
だとしたらこちらも対抗策を取らないとな
相手が動くより先に、相手の両側の地面を持ち上げて相手を挟む
すぐさま後ろに跳んだようだが、その間も支配を進める
着地した相手がこちらに向かって走ってくる
それに対応しようと、地面を動かすが、相手の移動速度が予想以上に速く、対応しきれない
(まずいな……ここに来たのは失敗だったか?)
相手の対応が予想以上に早かったから少し焦ってしまったかもしれない
悪手かもしれないが、一旦後ろに下がる
それと同時に、相手が距離を詰めてくる
俺はあまり近接戦闘が得意では無いから、出来れば離れたいんだが、許してはくれなさそうだな
なら、仕方ない
自分のスマホを『操作』し、待機中の二人に俺のサポートに来るように命じる
今からは、耐えることに集中したほうが良いな
後は、こいつの装備がどういうものかを調べるのも今のうちにしておこう
幾つか探りたいことが有ったので、周囲の物を相手に飛ばしながら揺さぶりをかけていく
今はただ避けているだけだが、少しずつ飛ばす物の量を増やしながら様子を見ていく
すると、あるところで敵の動きが変わり始めた
少しずつだが、ジャンプの高さが低くなり始めている
何か制限があるのか、それとも、単に体力が尽きてきただけなのか
体力が尽きかけているのなら、これからも更に動かして相手の体力を削り切るべきか?
戦略を練りながらゆっくりと相手の様子を観察していく
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