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東京事編
第四十五話 クライミング
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見た瞬間に猛スピードでドアを閉める
いやいやいやいやいや、あれは無理
幸いにも銃弾はまだ発射されてなかったみたいだけど、撃たれたら加速状態でも躱せない可能性が高い
それにしても、こんなふうに待ち伏せている人が居るならある程度集めてからまとめて突破するか、集めたらもうそこを避けて動くかってところかな
僕の目的は須斎が行動しやすいように場を整えることだから、人を集めるだけ集めてそこを避けて通る方が良いのかな?
じゃあ別の出入り口に向ってからこっちに人を連れてくるとしようか
えっと……ここの他の出入り口は……
あった。向こう側にドアが一つかな?
よし、まずはあの中にいる人をこっちに連れてこよう
まあ、実際に人が中に居るかどうかは分からないけど、こんな裏口みたいな所にも居たんだ、多分居るでしょ
居なかったら居なかったで、そっちから忍び込めばいい話だし
「でも、加速状態の時間制限も気になるから一旦解除してからの方が良いかな?」
何秒だったかはもう数えてない
そもそも、僕が今どのくらい加速出来るのかも調べてないんだけど
まあ、取り敢えず一旦解除しておこう
(解除)
誰かが僕が居ることに気付くよりも早くもう一度加速し直す
よし!多分誰にもバレてないな
じゃあ向こう側のドアも見ておこう
「……もしかして、誰もいないんじゃない?」
見たところ、扉の内側に人は居ない
「えぇ……これ、そのまま進んじゃうの……?」
本当に廊下しかないから進んで良いのか不安になる
取り敢えず、進むことにしよう
――――――――――――――――――――
さっき進むと決めてから約数十メートル
未だに景色に変化が無いことが僕の焦燥感を強める
(窓も一切無いとか流石におかしいでしょ……)
どんな廊下でも換気をしないと火事の時とかに大変なことになる
だから窓くらいはどこにでもあるものなんだけど……
何でないんだ?煙の逃げ道を塞いじゃうじゃないか
逃げ道を塞ぐ…………あれ?今、僕は攻撃されたら一切逃げ道が無いんじゃないか?
どうしよう……ここから一旦逃げたほうが良いかな?わざわざ入ったんだけど
面倒だな……どうしようか
やっぱりこのまま進もう。今更戻っても時間を無駄にするだけだ
ただ、ちょっとだけ急ぐとしよう
流石にこんな逃げ場のない場所に長時間居られるほど肝は座っていない
そんな考えから、僕は奥の方へ向って走り出した
しかし、タイマーが無いと加速時間があとどれだけ残っているのか分からないから不便だな
でも、タイマーって加速状態でも動くのかな?
その辺りの事もまたいずれ確認しておきたいな
お!前になんか見えてきた!
嬉しく思って近付いてそれをよく見る
「エレベーター……」
どうしよう……よりよって移動手段がエレベーターとは……
加速状態じゃあ動かないんだけど……
……いや、エレベーターがあるってことは近くに非常階段か何かがあるってことだ!
それを探して使うしかない
えっと……階段階段……
「無い……」
非常階段が無い……
一つそれらしきモノはあるけど、コンクリートか何かで埋められている
外の階段を探すしか無いのか?
最悪の場合、壁を登ることになるかもしれない
「加速状態ではダメージはむしろ普段より大きんだよな……」
切ったり削ったりはそこまででも無いんだけど、打撃系は何故かやたらと効く
速度が関係するからなのかな?
だから壁を登ってる最中に落ちたりしたら相当痛いと思うけど……
覚悟を決めるしかないか
僕は今まで来た道を引き返し始めた
――――――――――――――――――――
「本当に登れそうなところが無いな……」
官邸っていうものは独特な造りをしている
壁がやたらとのっぺりしているのだ
そのせいで随分と登りにくくなっている
壁登りとかやったこと無いんだけど……
近くの物を使って足場でも組もうかな……
上手く組めるかな?
まあ、多少構造がぐちゃぐちゃでも落ちるのがゆっくりだから大丈夫か
……いや、僕がドアを開けたり出来るんだから僕の触れている部分は加速が解除されているのか?
じゃあ落ちているときに僕の触れたところだけ落下するから結局痛いのか
それでもやるしかない。時間はたっぷり有るんだから慎重に組めば大丈夫でしょ
資材というよりは、元々壁だったものを切り取って僕は少しずつ足場を組み上げていった
昔、『院』の修理を手伝わされていたいたのが功を奏し、足場を簡単に組むことができた
「これ、登れるのかな……」
見てるだけでは登れる気がせず、不安になってきた
まあ、やってみるしか無いでしょ
ゆっくりと足場の下の部分から上に向かって足を進めた
――――――――――――――――――――
「ヤベ……ここから上に登れるかな……?」
ある程度登ったら、組んでいた足場の頂点に辿り着いた
ここから上に行くにはそれこそジャンプしたりしないと無理だ
高い場所からジャンプするの嫌だな……
壁に刀を刺したらやりやすいかな?
そういう意図で壁に刀を突き立てたが、スルッと入って引っかかる感触が無い
どういうことだ?コレ?
まあ、出来ないことは仕方がない
どの道、ここから降りるのは無理だからもう飛びつくしかない
覚悟を決めた僕は膝を曲げて思いっきり前に跳んだ
いやいやいやいやいや、あれは無理
幸いにも銃弾はまだ発射されてなかったみたいだけど、撃たれたら加速状態でも躱せない可能性が高い
それにしても、こんなふうに待ち伏せている人が居るならある程度集めてからまとめて突破するか、集めたらもうそこを避けて動くかってところかな
僕の目的は須斎が行動しやすいように場を整えることだから、人を集めるだけ集めてそこを避けて通る方が良いのかな?
じゃあ別の出入り口に向ってからこっちに人を連れてくるとしようか
えっと……ここの他の出入り口は……
あった。向こう側にドアが一つかな?
よし、まずはあの中にいる人をこっちに連れてこよう
まあ、実際に人が中に居るかどうかは分からないけど、こんな裏口みたいな所にも居たんだ、多分居るでしょ
居なかったら居なかったで、そっちから忍び込めばいい話だし
「でも、加速状態の時間制限も気になるから一旦解除してからの方が良いかな?」
何秒だったかはもう数えてない
そもそも、僕が今どのくらい加速出来るのかも調べてないんだけど
まあ、取り敢えず一旦解除しておこう
(解除)
誰かが僕が居ることに気付くよりも早くもう一度加速し直す
よし!多分誰にもバレてないな
じゃあ向こう側のドアも見ておこう
「……もしかして、誰もいないんじゃない?」
見たところ、扉の内側に人は居ない
「えぇ……これ、そのまま進んじゃうの……?」
本当に廊下しかないから進んで良いのか不安になる
取り敢えず、進むことにしよう
――――――――――――――――――――
さっき進むと決めてから約数十メートル
未だに景色に変化が無いことが僕の焦燥感を強める
(窓も一切無いとか流石におかしいでしょ……)
どんな廊下でも換気をしないと火事の時とかに大変なことになる
だから窓くらいはどこにでもあるものなんだけど……
何でないんだ?煙の逃げ道を塞いじゃうじゃないか
逃げ道を塞ぐ…………あれ?今、僕は攻撃されたら一切逃げ道が無いんじゃないか?
どうしよう……ここから一旦逃げたほうが良いかな?わざわざ入ったんだけど
面倒だな……どうしようか
やっぱりこのまま進もう。今更戻っても時間を無駄にするだけだ
ただ、ちょっとだけ急ぐとしよう
流石にこんな逃げ場のない場所に長時間居られるほど肝は座っていない
そんな考えから、僕は奥の方へ向って走り出した
しかし、タイマーが無いと加速時間があとどれだけ残っているのか分からないから不便だな
でも、タイマーって加速状態でも動くのかな?
その辺りの事もまたいずれ確認しておきたいな
お!前になんか見えてきた!
嬉しく思って近付いてそれをよく見る
「エレベーター……」
どうしよう……よりよって移動手段がエレベーターとは……
加速状態じゃあ動かないんだけど……
……いや、エレベーターがあるってことは近くに非常階段か何かがあるってことだ!
それを探して使うしかない
えっと……階段階段……
「無い……」
非常階段が無い……
一つそれらしきモノはあるけど、コンクリートか何かで埋められている
外の階段を探すしか無いのか?
最悪の場合、壁を登ることになるかもしれない
「加速状態ではダメージはむしろ普段より大きんだよな……」
切ったり削ったりはそこまででも無いんだけど、打撃系は何故かやたらと効く
速度が関係するからなのかな?
だから壁を登ってる最中に落ちたりしたら相当痛いと思うけど……
覚悟を決めるしかないか
僕は今まで来た道を引き返し始めた
――――――――――――――――――――
「本当に登れそうなところが無いな……」
官邸っていうものは独特な造りをしている
壁がやたらとのっぺりしているのだ
そのせいで随分と登りにくくなっている
壁登りとかやったこと無いんだけど……
近くの物を使って足場でも組もうかな……
上手く組めるかな?
まあ、多少構造がぐちゃぐちゃでも落ちるのがゆっくりだから大丈夫か
……いや、僕がドアを開けたり出来るんだから僕の触れている部分は加速が解除されているのか?
じゃあ落ちているときに僕の触れたところだけ落下するから結局痛いのか
それでもやるしかない。時間はたっぷり有るんだから慎重に組めば大丈夫でしょ
資材というよりは、元々壁だったものを切り取って僕は少しずつ足場を組み上げていった
昔、『院』の修理を手伝わされていたいたのが功を奏し、足場を簡単に組むことができた
「これ、登れるのかな……」
見てるだけでは登れる気がせず、不安になってきた
まあ、やってみるしか無いでしょ
ゆっくりと足場の下の部分から上に向かって足を進めた
――――――――――――――――――――
「ヤベ……ここから上に登れるかな……?」
ある程度登ったら、組んでいた足場の頂点に辿り着いた
ここから上に行くにはそれこそジャンプしたりしないと無理だ
高い場所からジャンプするの嫌だな……
壁に刀を刺したらやりやすいかな?
そういう意図で壁に刀を突き立てたが、スルッと入って引っかかる感触が無い
どういうことだ?コレ?
まあ、出来ないことは仕方がない
どの道、ここから降りるのは無理だからもう飛びつくしかない
覚悟を決めた僕は膝を曲げて思いっきり前に跳んだ
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