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第四章 自由な生活
第72話 アイドル② 顔見知り
しおりを挟む久々に一人で外出してみた。
どうしようか…
この世界じゃ基本的にナンパは成立しない…
声さえ掛ければほぼ100パーセント近く付き合えるからだ。
しかし、男性保護法ってすごいな。
この状態でも女性に襲われることはない。
男女を入れ替えて前の世界で考えたら…凄い数の男に囲まれて身動き取れない状態になっていると思う。
この世界は、他は兎も角男女に関しては凄く治安が良いのかも知れない。
周りからは…
『男が1人で歩いているよ』
『凄い美少年…』
相変わらず、そんな声が聞こえてくる。
しかし、本当に凄い世界だな。
男性を射止める為に進化したのか、はっきり言ってブスという女の子は1人も居ない。
今迄この世界で出会った、一番可愛くない子でも、元の世界じゃクラスの真ん中位の美貌がある。
前の世界のアイドルや女優位のルックスの女の子が、その辺に普通に居る。
しかも、パンチラならぬパンモロ状態。
履いている下着は…紐パン。
凄いよな…本当に。
流石に今はもう驚かないけどね。
水玉、イチゴに縞々、スケスケ、全部見放題。
そして俺は今日もまた『歌姫オンステージ』に来ている。
ちなみに、この間来た場所じゃない場所に来た。
こう言う場所は全国に数か所あり、この間の場所はバインダーファイルを貰ったので、その気になればどの女の子も呼び出せる。
幾らでも選べると言うのも贅沢かも知れないが、これで凄く悩む。
ちなみに最近になって知った事だが、この世界のアイドルの意味は『愛$』が元らしい。
意味は愛をお金で買う。
そう言う意味だそうだ。
絶対に昔の転生者か転移者に外国人が居たよな…
「ご予約ありがとうございます! 理人様で間違いありませんか?」
「はい!」
「1人で歩く男性は他には居ませんので、あくまで確認でございます! それで、本当に金貨3枚は要らないのですか?」
「予約で伝えた通り要らない…あと握手会はしないけどサプライズを考えてきたんだ、これもお金は要らないからね」
「握手会が無いのは残念ですが、女性に対して無料?!流石は理人様です…こうして足を運ぶだけでも奇跡なのに…ありがとうございます」
ちなみに、俺が貰うお金やサービスに掛かるお金はアイドル達が払う。
流石に前回の事で罪悪感がある、俺は『無料』にして貰った。
◆◆◆
凄いな…
相変わらずの豪華ソファに取り放題のブッフェにドリンクバー。
しかもブッフェは高級料理満載。
そしてお客は前と同じで俺1人。
こちらが、食事を持ってきてソファに座るとステージが始まった。
「今日は来てくれてありがとう! 理人様、私達のファーストステージ思いっきり楽しんで下さいね!」
ステージ衣装は…凄く過激に見える。
ほぼ際どい水着に見えるのは目の錯覚じゃないのだろう。
俺は前の世界ではコンサート等行った事が無い。
まぁ良いや…前と同じように拍手をした。
「えっ、男性が拍手?」
「まさかの脈あり?」
「あんた達、此処はステージなの!男性の前なんだよ!集中して行くよ」
前にも増して凄く、心に響く歌だ…
だって、この歌は俺の居た世界の歌だ。
この前のコンサートで感動した俺は『異世界人が好む歌』をリクエストした。
所々歌詞が違ったり曲調は違う場所はあるが、やはり、心を持っていかれる。
もう二度とは帰らない故郷を思い出し感傷に浸るのには凄くよい。
CDもDVDも無いけど歌はある。
だから…もし、彼女達の歌が聞きたいなら。
彼女を貰うしかない。
◆◆◆
「以上で終わります」
アンコールをお願いしてまたもや、10回…よく対応してくれたもんだ。
「それで、このあとサプライズをしてくれると聞いたのですが?どんな事して頂けるのでしょうか…握手会は駄目なんですよね?」
「それじゃ、あっ、はい! 並んで下さい…マネージャーさんは、このストップウオッチで20秒計って下さい」
「あの、何を…なぜ両手を広げているのですか?」
「フリーハグって知っています?」
「なんでしょうか?」
「皆、並んで、並んでーーっ」
「え~と何してくれるのかな?」
「握手できないんだよね?」
「フリーハグってなんだろう?」
「いいじゃん、いいじゃん…握手出来ないのは残念だけど、男の子が何かしてくれるんだ並ぼうぜ…並んだけど…なに…えっえーーーーっ嘘、嘘…なにこれ…なんであたしを抱きしめるわけ」
「フリーハグだから、彼女は最初だから30秒…次からは20秒で計って下さい」
「嘘嘘…私、男の子に抱きしめられているハァハァ凄く幸せ…」
「フリーハグって抱きしめてくれる事なの? 握手より凄いじゃん2番目は私だ」
「ちょっと、割り込まないでよ!」
「これ凄いよ…」
「そろそろ時間だね、今日は良い物を見せてくれてありがとう…」
「そんな、こちらこそ、ありがとうございます!」
「あと、もう一つ…はい」
「え~とはいって…頬っぺた出されてますが、え~と触って良いんですか?」
「嘘、抱きしめてくれて、ほっぺツンツンして良いの?」
「あの子は…天使…人間じゃない…」
「違うよ!嫌いじゃなければ、ほっぺにキスして良いよ」
そう言えば大昔にアイドルのほっぺにキスして貰うのを掛けた過酷なゲームがあった様な気がしたな…
頑張って歌ってくれたんだからこれ位良いよな。
前の世界だったら沢山のアイドルに抱き着いた挙句、その全員からほっぺにキス…絶対に無理だな
「本当に良いの? そのありがとう…チュッ…あはははっ初めてキスしちゃったよ」
凄いなスキップしながら喜んじゃっているよ。
「「「「「「「「「「「キスっ?!」」」」」」」」」」
「あの…私も抱きしめて貰えて、その後キスしても良いの?」
「はい」
「「「「「「「「「「男神だ!」」」」」」」」」」
「あの…凄く素敵です…カッコ良いです…」
「そう、君も凄く可愛いよ」
「そんな私なんて…」
「時間です」
「ありがとうございます!チュッ」
凄いなこれ、50人近いアイドルを抱きしめてほっぺにキスして貰えて、しかもアイドル側が喜んでいる。
最高だよな…
◆◆◆
「それじゃぁね…あと、何回か通ってこの中から嫌いじゃ無ければ『顔見知り』を選ぶつもりだけど良いかな?!」
「「「「「「「「「「きゃーーーーっ」」」」」」」」」」
「本当なのですか? この中から『顔見知り』を選ぶんですか?」
「はい、そのつもりです」
『友達』だと色々義務が生じるし『持ち物』だと奴隷以下で酷い扱いになるのでシャルナに頼んで中間位の扱いの状態を作って貰った。
友達との大きな違いは男性をSEXに誘えない事…尤も男性側から誘われて応じるのはOKだ。
前の世界だと最低だが、この世界だと、王女ですら『持ち物』でもなりたいと言うんだから、多分良い待遇な筈だ。
なにより、女の子の憧れ『男性保護施設』に入れるし住める。
「ああっ、凄い快挙です」
この際だから、前の歌姫オンステージと併せて数人選ぼう。
そうすれば、男性保護施設の中で…これが見れるし。
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