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第二章 甘い生活

第52話 魔王動く!

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「ああん、これ、これ、これよ…これこそがプラチナザーメン、最高の精子だわ…搾りたてで無いカップなのに…ハァ~病みつきになるわ、それでこれを送って来たのは誰なの?」

最高のワインですら及ばないこの豊潤さ…サキュバスクィーンの私にはどんな宝に勝るわ。

「はい、それが人族の公爵、シャルナからの献上品です」

「ほう、人族の! これと引き換えに人族の王でも滅ぼせって話しか?」

これ程芳醇な味わいの精子。

これと引き換えなら街の一つ位なら滅ぼしても構わない。

「それが…この精子の持ち主との性交の権利を与えるから、和平の席に着いて欲しいとの事です」

「なぬ、性交権? 此処迄の男がこの世界に現存しているのか? 昔に滅んだ男の冷凍精子とかではないのか?」

「そのようです」

このカップ精子だけで解る。

この精子は極上品だった。

今迄、沢山の男を誘拐させて愛そうとしてきた。

だが、どの様な美女の姿になっても、どの様な性技を尽くそうが受け入れて貰える事はなかった。

これが魔王と呼ばれサキュバスの最高峰サキュバスクィーンの私の実態だ。

もし、サキュバスである、私を愛し、受け入れる存在がいるなら、私の全てを捧げても良い。

そう思っている。

まぁ、数百年の間、そんな存在は現れなかった。

男を攫わせて、なにをしても自分の物にならない男達。

だが、この精子の男は違う。

口にした瞬間から、違いが解る。

「それでは、人族のこの男を味わいに行こうじゃないか?」

「魔王様、本当に行かれるのですか?」

「もしかしたら、我が本当に欲しかった物が手に入るかも知れぬしな! それに、この男が我の思うような存在なら、魔国にとっての救世主になる可能性も高い、数百年の和平位の対価は払っても良いかもな」

「そうですか? まぁその気持ちも解りますが…それなら私も護衛を兼ねてお伴させて頂きます」

「伴など要らぬ、なぁに、この場所なら、その気になれば半日で行って来られる…もし、何かの策略なら、皆殺しにして帰ってくるまで」

「いえ、そういう訳には行きません!側近の私がサキュバ様の傍を離れる訳にはいきません」

「ほぅ、キリネ、我が置いたカップをペロペロしている姿にからは説得力は無いぞ」


「良いじゃないですか? 減るものじゃないし少し位おすそ分けくれても良いじゃ無いですか?大体、この国に沢山のサキュバスが居るのに、その大半は処女なんですよ!」

「それは解っている、私だって数人しか経験が無いんだ!それもサキュバスなのにほぼ強姦、なかには行為中に『純潔を失う位なら死にます』って自殺された事もあるんだ…トラウマなんだよ」

「それでも魔王様だから、経験があるだけ羨ましいですよ!最初に魔王様が味見して、そこで殆どの男が自殺するか、再起不能になるから、皆に回らないんですよ…私なんて、私なんて…グスッ」

「煩い、解った連れて行くから泣くな…その代り、皆の者には内緒じゃぞ」

「解りました」

「全く、良い根性しておるのう」

「それで、魔王様何時立たれます?」

「こんな良い男の噂を聞いて我がすぐに動かぬと思うのか? 今すぐじゃ」

「魔王様」

「報告はお前がしろ…来たければ後から飛んでくるが良い、じゃあな!」

「魔王様、ズルいです…もう」

極上の男の話を聞いて我が飛んで行かぬ訳が無かろうが…

我はサキュバスの女王、サキュバスクィーンなのだから…


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