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第二章 甘い生活
第51話 麗華SIDE 取り返しに行こう
しおりを挟む「全然楽しくないわ」
「本当に面白くないよね…」
クラスの皆で遊んでいても面白くもなんともないわ。
男が本当に周りに居ないし、居てもこちらを見ると逃げていく。
こんな世界だって言うのなら来ませんでしたわ。
こんな世界、滅んでしまえば良い。
最近では、本当にそう思います。
「あら、貴方何を見ていますの? お見せなさい!」
「え~とはい」
これは理人の似顔絵ですね…しかも、随分と…
そう言えばそうでしたね…理人はこの世界に来る時に美形になった。
そうでした。
そう言えば、彼はどうなったのかな。
あれだけ美形になっても精神が女嫌いになるんじゃ、意味はないですね。
「貴方はなんで理人の似顔絵を持っているのですか?」
「この方のお名前は理人様というのですか? 王都に偶に現れる、心優しい美少年の似顔絵です…噂ではコンサートでアイドルと握手会をしたり、普通に街をあるいて居るそうです…最初は嘘だと思っていたのですが、本当みたいですね…最近凄く人気があって似顔絵やグッズが売られて居るんですよ」
「それ本当なの?」
「あくまで噂ですが…」
どう言う事?
理人は大樹みたいに女を嫌いになって無いと言うの?
他のクラスの男子は全員例外なく女を嫌いになった。
大樹もそうだし、バカップルとまで言われた宮田さんも振られた。
しかも、ただ振られただけじゃなく、罵り、汚い物を見るような目で例外なく見られた。
それが、なんで理人には起きないの。
もう、大樹も他のクラスメイトもきっと正常には戻らない。
私も、他の皆も『男のいない生活』はもう耐えられない。
「皆、集合して…」
「「「「「どうかしたの麗華」」」」」
「いま知ったんだけど? 理人は正常な状態みたいだよ」
「理人くんが…そう言えば凄いイケメンになって居たんだよね」
「うん、凄くカッコ良かったな」
「あの理人が、正常なの?」
「理人が…そうなんだ」
「理人くんって凄く性格も良かったよね」
この世界で真面な男が理人しか居ないのかも知れない。
もし、理人が正常な普通の男だとしたら、私達の世界から一緒に来たんだから『私達のものだわ』
「ねぇ、皆、理人は私達のクラスの仲間だよね! この世界の人間じゃないわ…良い様にされてたまりますか、皆で取り返しに行かない?」
「そうね…そうだわ」
「ふふふっ、敵に回るなら、魔王と戦う力でねじ伏せれば良いわね」
「此処まで酷い事されたんだもん黙っていられないわ」
「そうね…取り返すのが当たり前だわ」
「そうと決まれば、敵は魔王じゃないわ…王都に戻って理人を取り返しましょう!」
「賛成」
「私も賛成」
「それじゃ、神官達が居ない今の隙に、王城へ向かいましょう」
「「「「「はい」」」」」
こうして私達は理人を奪還する為に、この旅をやめて王都へ向かった。
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