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第二章 甘い生活

第42話 持ち物王女

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う~ん、流石に疲れたな…

幾ら俺が、女の子が好きだと言っても、流石に連チャンは疲れる。

よくよく考えたら全然レベルを上げてなかった。

レベルをあげればHPも上がるし、スキルのレベルも上がるから恐らく疲れなくなるかも知れないな。

しかし…3人とも満足してぐっすり眠っているし…

こんな美人や可愛い子が俺を愛してくれる。

それだけでも、この世界に来て良かった…そう思う。

それはそうと…

トイレ、トイレ…と。

う~漏れちゃう。

男性保護施設は最高だけど、流石に前世と全部同じとは行かないな。

トイレは少し遠いんだよな。

「お久しぶりですね…理人さん」

「お久しぶ…一体何をしているんですか! こんな所で!」

マリン王女が裸でトイレの中に居た。

しかも、正座している・

「何しているも何も、私、理人さんの『持ち物』ですから」

「どう言う事ですか?」

「あの、お母さまの書類にサインして晴れて『持ち物』になった筈ですが…違うんですか?」

持ち物? 持ち物ってなんだ?

「あの、その前に『持ち物』って何ですか?」

「『持ち物』っていうのはですね…」

持ち物って言うのは簡単に言うと奴隷に近い者だが、更に厳しい縛りがある。

大きく違うのは『人権が奴隷以上に低い』

性処理奴隷を更に厳しくしたもので、まず所有者の許可なく服を着る権利が無い。

また、所有者による暴力行為や恥辱行為も容認されるらしい。

つまり、身体の保証が無い『殺さなければ何をしても良い』そういう存在みたいだ。

「あの…なんで、そんな惨い制度があるんですか?」

「まだ、男性が女性を意識している時代にSMとか言うのがありましてSの男性は女性に暴力や恥辱を与える事で勃って性交が可能になる男性がかなりの数居たらしいのです…そんな男性に人口増加を期待して『そう言う事を容認する女性』を与えた事が始まりらしいです」

「そうですか…」

俺は女性に暴力を振るう性癖は無いし、ドSじゃない。

うん、持ち物は要らないな。

「あの理人さん…良かったら」

「すみません、マリン様、すぐに、その『持ち物』って言うのを解除しますからご安心して下さい! 服もすぐにお持ちします!」

「止めて下さい! 折角『持ち物』に成れたのですから…解除なんて酷いです」

「どう考えても奴隷以下じゃないですか? そんな物にマリン王女はなりたいんですか?」

「なりたいに決まっているじゃないですか…正常な男性の傍に入れてSEXのチャンスもあるかも知れないじゃないですか? それに理人さんは酷い事しないでしょう?」

「それはそうですが…」

「お願いです…お願いですから…解除しないで下さい」

取り敢えず、シャルナにでも相談してみるか…

俺は狂ったように『解除しないで』そう叫ぶマリン王女を置いてトイレを後にした。

◆◆◆

「うん、これは本当に理人の『持ち物』になっているわ、ほらお尻に刺青がしてあるでしょう」

シャルナの言う通りマリン王女を見るとお尻に刺青があった。

「だが、『持ち物』とは言え理人の許可なくしてなれない筈だよな」

この場に居るのは俺、シャルナ、カセリア、マリン王女だ。
ミムはぐっすり眠ったままだ。

「あの、お母さまがしっかり手続きをしたみたいです」

お母さま、マリアーヌが?

そう言えば、俺がサインした書類は2枚だった。

「そうか…うん、そうだ!」

「どうしたの?理人!」

「いやマリアーヌから渡された書類が2枚だったから…1枚がもしかしたら『持ち物』の書類だったのかも知れない…」

「女王陛下ならさらっとやりそうだわね」

「確かに…それで、理人はどうしたい? 騙されたみたいだな、だが、男性側からなら簡単にキャンセル出来るから、要らないならキャンセルすれば良いだけだ!男性保護施設の責任者に頼んで解除契約…それが良いんじゃないか?」

「うそ…お願いです…お願いですから…ううっ…何でもしますから此処に置いて下さい…お願い致します…ううっグスッ」

困ったな…

「カセリア…悪いけど男性保護施設の職員呼んできて」

「すぐ呼んで来る」

「…そうですよね…私なんて要らないですよね! 嫌われて当然ですもんね…理人さん追い出したんだし…要らないよね…『持ち物』でも男の物になれた…少し嬉しかったです…ううっグスッうわぁぁぁぁん」

カセリアが男性保護施設の職員を呼んできてくれた。

「何事ですか? ああっ『持ち物』の廃棄ですか? 可笑しいと思ったんです…理人様を城から追い出したマリン王女を『持ち物』にするなんて…ほら立て、此処を出るまでは王女でも特別扱いしないぞ」

「はい…グスッ…ごめんなさい」

ハァ~仕方ないな。

「違います! 裸で傍に居られても困るし、王女を奴隷扱いにしたくないので『持ち物』から『友達』への変更は出来ますか」

「それは出来ますが、宜しいのですか?」

「友達? 本当に…」

「はい…不本意ですが、お願い致します」

何だかこうなるのを見越してマリアンヌがやったんだろうな…

悔しいけど…流石に王女を奴隷以下にして傍に置けるほどの肝っ玉は無い。

4人相手でも大変なのに…これで5人。

レベルアップしないと…そのうち倒れるんじゃないかな。

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