10 / 77
第一章 顔に傷がある女性を好きになりました
第9話 『頑張れ女の子』
しおりを挟む此処は異世界なのかも知れないが…思っていたのと全然違う。
少なくとも『男』であれば、争いと無縁で暮らせる。
なんだか凄い世界だな。
まぁ良いや。
凄く楽しいから。
しかし、何故か友達になってからミムに会わないんだけど?
どうしたのかな?
ミムを少し街で探してみたら…居た。
「お~い!ミム」
「あっ、お兄ちゃん…」
ミムは俺の顔を見ると走って逃げようとした。
「おい、ミムどうしたんだ」
まだミムは子供だ、俺が走れば追いつける。
追いついた俺はミムの手を掴んだ。
「お兄ちゃん…離して…うっうっグスッ…うわぁぁぁぁ~ん!」
ミムは周りも気にしないで大きな声で泣き始めた。
「おい…」
「なにアレ! 男に構って貰って泣いて、なに様のつもりなのかしら」
「あ~あ薄汚いガキが男の前で泣いて…死ねばよいのに」
「男を困らすなんて馬鹿じゃないの?」
可愛い子が泣いて居るのに辛辣な声しか聞こえて来ない。
「あの…なんで泣くんだよ…俺の事が嫌いにでもなったのか?」
「ううん…ヒクッグスグス…うっうっ…だって折角お兄ちゃんと友達になれたのに…お金が無いから会えないんだもん…ミム貧乏だからうわぁぁぁぁーーん」
暫くミムが泣き止む迄待って話がようやく聞けた。
ミムの話しでは、この世界では『女は男に貢いでなんぼ』そういう考えが強いそうだ。
デート代は全部女が払うのは当たり前。
しかも、デートして貰ったら謝礼金を払うのがマナーなんだそうだ。
まして『友達』にまでなったら大体銀貨3枚(約3万円)を1回のデートで払うのが相場らしい。
「そう? 俺はミムと話すのは楽しいから謝礼金は要らないよ!奢るのだってその辺の屋台で充分だよ」
お金には困ってない。
『デート代も俺が出す』それをいうとミムを傷つけそうだから、それは言わなかった。
「ほんとう? それならミムでも大丈夫かな? ミム頑張って銀貨1枚溜まったから…デートしてくれる?」
「喜んで」
お金を使わせるのも悪いし、俺が出すのも不味そうだったので…屋台の串焼きとジュースを買って貰い…その辺の広場でおしゃべりをした。
気がつくと夕方になっていた。
「バイバイお兄ちゃん」
「うん、バイバイ」
ただ、話をしていただけでミムは嬉しそうだ。
『頑張れ女の子』
頭の中にそんな言葉が浮かんだ。
この世界、男には天国だけど…女の子は辛いな。
11
お気に入りに追加
290
あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる