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覚醒...むかつくガキは殺すに限る。

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《ふあはははははは..思い出した、思い出した..僕は前世ではこんな人間じゃ無かったよ!》
《何で、僕は善良な人間になろうと思ったんだ...そういう人間は全員負け犬になる運命だったじゃないか》
《優しさ? 愛? そんな物は踏みつけて壊す為にある...そうしてきたじゃないか》
《弱い者は騙され奪われ、死んで行き、強い者のみが幸せを手に入れられる..知っていた筈だ》

さぁ、ここからが僕の本当の物語の始まりだ。

最初に思い知らせてやるのはヘンドリックだ。

こいつは、僕がこの世界で手に入れた大切な物二つを台無しにした...やり返したって良いだろう。

お前が、だだの弱者だという事を思い知らせてやる。

まぁ、今の僕が殺せそうなのは此奴だけだからな。

僕は近くにある森の中を歩いている。

僕が勝手に出歩いても、誰も文句は言わない。

アベルもスジャーナも優秀な執事であるルドルを首にしたので、執務室に閉じこもって仕事をしている事が多い。

それと前の事件の気まずさがあるのか..基本無視だ。

ヘンドリックは相変わらず横暴だが...気にしない。

僕がこの家の子である以上はどんなに嫌いでも学園に通わせなければならない。

つまり、後約1年養ってから学園での4年間は最低線の面倒は見て貰える..なら何も一生懸命仕事などする事も無い。

ルドルが首になり、何か思う事もあるのだろう、そして僕に起きた事を知っているからメイド達は寧ろ同情的だ。

だから、僕は自由を満喫している...表向きは。

前世の記憶なのか人格なのか良く解らないが、それが蘇ってからは僕の全てが変わった。

こうして、森の中を歩いていても考え方が全然違う。

次から次へ、どうやったら人が殺せるか..そんな事が色々思いついてしまう。

既に何種類かヘンドリックの殺し方は思いついた。

後はどれにするか決めるだけだ。

「へーそんなに大きくて綺麗な花が咲いている場所があるんですか?」

「うん、凄く綺麗だった..アンに見せてあげたい位」

「セロ、お仕事は良いんですか...」

「どうせ、僕の事なんか誰も見ていないからね...頑張ったってだれも褒めてくれないからさぁ」

「そんな事はありませんよ...」

「そう? でもアン、ありがとう..じゃ」

これは布石だ。

あえて、近くにヘンドリックが居る時に話した。

性格の悪いヘンドリックの事だ、これで僕が出掛けた時に何かするだろう。

次の日、僕は森に出掛けた。

《しめしめ..ヘンドリックがついてきた》

僕はあえて、周りを見張るようにしてキョロキョロする。

《ヘンドリックはこっちを見ている》

そのまま、花が生えている場所に向かった。

ヘンドリックがついてきている。

「この花はいつ見ても綺麗だ、見ると心が癒されるな」

ワザと僕は聞こえるように言った。

そして暫く見た後、静かにその場を立ち去った。

そして、立ち去る振りをしてヘンリックの様子を見ていた。

《うん、やっぱり此奴はクズだったな...俺が大切にしてそうだ..そう思ったのだろう》

花をむしって、踏みつけていた。

僕は音を立てずにヘンドリックに近づいた。

後ろから石でヘンドリックを殴りつけた。

「うわわわわわわわわいてぇー、いてぇー」

ヘンドリックは頭を押さえて蹲っている。

僕は追撃の手を緩めない。

もう一度、蹲っているヘンドリックの頭を潰すように殴りつけた。

頭の皮がむけ、白い頭蓋骨がでてるが、それでも死なない。

「おおおお前はセロ..こんな事してただで済むと思うなよ..母上に」

《本当に此奴は煩いな》 がつっ、手で抱えている頭を手ごと上から殴りつけた。

グチャという音と共に手が潰れた音がした。

「うあわわわわわわわっわわわわ」

「残念だな、此処にはスジャーナもアベルもいないんだ..3歳のお前が9歳の僕に勝てるわけが無いだろう」

「セ、セロ..兄弟だよ僕たち」

「思ったことは無い..」

僕は石でヘンドリックを殴り倒した。殴って、殴って、殴った。

顔が陥没している..流石に死んだだろう。

暫くしたら、僕はヘンドリックの一部を切り取り、石に縛り沼に沈めた。

沼地一帯を蓮が覆っている...ここの沼は凄く深い、上手く沈めば浮かび上がって来ないし...もし、浮かび上がっても暫くは蓮で隠れるから見つからないだろう。

ヘンドリックは3歳とは思えない位..流暢に話をしていたな...思考もたったの3歳とは思えなかった。

そう思うと此奴はステータスが高かったのかも知れない。

だが、此奴はまだ子供だから知らなかったんだろうな...嫌われるという事は死ぬリスクが増えるって事を...僕を無視するだけで幸せに暮らせたのに...

いずれにしても、此奴は死んでしまった、もう未来は無い...

殺せるかどうか心配だったが杞憂だった..昔の様に全然抵抗ない..

僕の勝ちだ。


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