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勇者に恋人を寝取られ追放されたが、別に良い!何て言えない 俺が考えた最大の復讐!
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パーティーリーダーであり勇者のジョブを持つリヒトが告げる。
「悪いが今日でクビだ」
「そうか、まぁ良いや」
リヒトとは幼なじみだ。
「今迄ずっと仲間で支え合いながらやっとここまで来た」俺がそう思っていると思っているのか?
そんな風に思っているのは、お前だけだぜ。
剣聖のケイト
聖女のソニア
魔法使いのリタ
五人揃ってSランクパーティー『ブラックウイング』そう呼ばれていた。
やや中二病な名前だがまぁリヒトは勇者だから可笑しくないな..俺は嫌いだけどね。
確かに最近の俺は取り残されていた。
ジョブの差で成長した四人に能力が追いついていないのは事実だな仕方ない。
だから、別にクビになっても良いと思っていた。
だってそうだろう? 腐ってもSランクパーティーのメンバーなんだぜ、俺も。
此処を出れば、幾らでも次がある。
こいつ等が凄いだけで他のSランクパーティーならまだ通用するし、Aランクまで落とせば恐らく女のパーティーなら体を使っても取りに来るぜ。
その位の価値はあるんだよ。
良く、仲間から追い出されて泣きそうな奴見るけど...自分の価値をちゃんと見ろよ。
高ランクなら...他に行けば良いだけだなんだぜ...
この間もAランクパーティー追放された盾使い見かけて...トボトボ歩いていたからDランクの女パーティー紹介してやったんだわ。
まぁ地味な女が多くて俺の好みじゃ無いからな...
1週間後には「ハーレムをありがとう」ってスゲー感謝されたぞ。
そりゃそうだろう...ゴブリン狩ってようやく生活している女たちが...彼奴が入った事でオーガが狩れるんだぜ。
日給4人で2万の貧乏人が日給5人で80万に早変わり...(解りやすく日本円にしています)
必死で繋ぎ止める...当たり前なんじゃないかな?
「ついて来れないのは分かっているだろケイン」
「そうだな、勇者として大きな舞台に立つんだろう...俺も一度で良い、そこに連れていって貰えないか?」
まぁ形上は辞めたくない振りをするけどな...
此奴の狙いは解っている、リタが欲しいんだろう? だから俺を追放したいんだろう? はっきり言えよ! 女々しいな!
「勇者とし大きく飛躍するには大きな手柄が必要なんだ。残念ながらお前とじゃ無理なんだ。なぁ分かってくれよ、パーティーを抜けてもお前が親友なのは変わりないからな。」
確かにお前は親友だった。
だが、「ある時」から親友と思ってない。
そして、他の女も信用していない。
俺は恋人であるリタの目を見た。
彼女ももう昔の優しい目をして居ない。
知っていたさぁ...もう俺のリタじゃない。
「私もリヒトの意見に賛成だわ!貴方はもうこのパーティーについていけないじゃない。きっと近いうちに死ぬか大怪我をするわ..さっさと辞めた方が良い...これは貴方の事を思って言っているのよ」
「リタ...そうか...そうだな」
そう言うと思っていたよ!
俺と目を合わせないんだからな...だが実際に聴くと本当に堪えるな。
心の準備をしていてもな。
ふと、リタの左手に目が行く。
薬指には見覚えのない指輪があった、これは多分リヒトが買い与えた物だろう。
俺の指輪はもうしていない...解っていても悲しい気持ちになる..
他の三人も同じ指輪をはめていた。
まぁそう言う事だ...
俺は親友に彼女を寝取られていた、そう言う事だ。
そんな事は...もうとっくに気が付いていたさ...
「大人しく村に帰って田舎冒険者にでもなるか、別の弱いパーティーでも探すんだな」
「そこ迄は言われたくない....まぁ他のパーティにでも行くさ...」
こいつは俺とリタが婚約していると知っていて寝取ったんだな。
知っていたよ...
親友だと思っていたのにな..
リヒトは勝ち誇った顔で俺を見ている。
思いっきり、俺をあざ笑っているんだな。
何をしても優秀で、顔も良くて、強くて、おまけに勇者に選ばれた。
そんなお前が、おれは自慢だったんだ。
そんな、俺にそんな目を向けるんだな。
リタは俺の女だったんだ..他の2人だって俺は好きだったんだ...
だって心から親友と呼べる仲間だと思っていたんだぜ...
命より大切そう思ってる位にな。
「さようなら、ケイン」
「情けない男だケイン!」
「貴方より!リヒトの方が素敵だわ」
三人の幼なじみが一斉に罵倒してくる...結構堪えるなこれ..
あのリタまでもが俺を睨み付けていた。
「こんな指輪いらない! もう立ち去ってよ!」
そうか...
「解ったよ...」
「余り酷い事言うなよ リタ、ケインだって俺の親友なんだからな」
「そうね。私も言い過ぎたわ。ごめんねケイン」
言葉が出ない。どの顔して親友っていうんだよ...
まあ良いや、どうでも。
「世話になったな。四人とも幸せに暮らせよ!」
「それじゃ、パーティから抜けてくれるんだな!」
「ああ、お前達は世界を救えばいいんじゃない?(救えないよ)」
「とっとと行け」
さようなら俺の仲間たち...そして地獄で待っているよ。
【裏】
随分前から知っていた...
リタに魅了のスキルが掛けられていた事も...
このスキルに掛かると、目が僅かながら曇るんだ。
リヒトじゃない...そう信じたかった。
だが、直ぐに気が付いてしまった...
リタは被害者だ...他の2人も被害者だリヒトだけが悪い。
だが、三人の心は可笑しくなり...性格も破たんしていった。
優しかったリタは居ない...
誰にでも優しかった彼女は、性欲の塊になり...平気で人を傷つける。
この間も子供がリヒトにぶつかっただけで攻撃魔法を放った。
「勇者の体は世界で一番大切なの..貴方の命よりもね」
もう、見ているのも嫌だった。
三人はまだ、俺を好きだという気持ちが無くなっていないが...消え去るのは時間の問題だ。
まさか俺が「勇者殺し」をしなくてはならない..そんな事になるなんて思わなかったよ...
「セレス」の様な事をしなくちゃいけないなんて夢にも思っていなかった。
俺は奴隷商に顔を出した。
「ケイン様! 奴隷が欲しいのですか?」
勇者パーティーだから顔を知られている。
普通に奴隷を購入するなら王都の大通りにある場所で買えば良い。良質な奴隷が購入できる。
だが、俺に必要なのは口の堅い信頼できる奴隷商人だ。
だからこそ、此処に来た。
「えぇ口が堅いと聞いたんだ」
「例え死んでもここであった事は話しません。奴隷商は信頼が命です。安心して下さい」
「実は金貨1枚で見目麗しい女性奴隷を譲って欲しいのです」
「金貨1枚ではまともな奴隷なんて買えませんよ、男ならともかく女なら。幾ら訳ありの当店でも足元を見すぎです。」
「違う、俺が欲しいのは見目麗しい廃棄奴隷が欲しいのだ」
「廃棄奴隷ですか?あんなゴミを金貨を出してまで買うのですか?すぐに死んでしまうし、女なら全員が性病持ちですよ。」
「但し、条件はつけさせて貰う。頭がしっかりしていて精神に支障をきたしてなく、しかも見目麗しい女性。そして重度の性病持ちが好ましい」
「銅貨の価値もない廃棄奴隷を金貨で購入してくれるのですから願ったりですが、何人程必要ですか」
「4人程、病気の種類が違う女が欲しい」
「性病の種類の特定ですか?、うちだけじゃ難しいですね。ただ伝手はあるのですぐにご用意致します。一刻ほどお待ち頂けますか?」
「ああ宜しく頼む」
「ではお部屋に案内しますから今暫くお待ちください」
「ご用意出来ました」
手入れされた綺麗な部屋にボロ布を纏った女が4人いた。
不潔で汚く浮浪者にしか見えない。体からはお風呂に入れて貰ってないのか糞尿の匂いがした。
食事事情も良くないのか皆痩せていた。
だが、よく見るとその顔立ちは一人として整ってない者は居なかった。
こうなる前は恐らく全員が美女、美少女だったのだろう。
彼女達をみた瞬間涙が止まらなくなった。
俺の人生は彼女達に比べたらまだ幸せだったに違いない。
恐らく彼女達はもう長くは生きられない。
奴隷商人は僕が泣き止むのを待っていた。
「一見問題なさそうですが、皆んなトリプルの性病持ちです。万が一でも抱いてしまったら、同じように死を待つ運命が待ってます。お気をつけ下さい。まぁやることやらなければ移る事はありません。ただ魔法薬でも治療ができないので本当に注意下さい」
「魔法薬でも治らない性病?」
(そういうものなのか?)
「治るなら治療して仕事させるでしょう。皆器量は良いんですから。治らないレベルの病気持ちならではの廃棄奴隷です。どんな秘薬でも、どれだけお金を掛けても絶対に治りません。ご存知の通り女神様は処女神、こういう病は嫌います、賭けても良いですよ、教会だろうが教皇だろうが聖女だろうが治せません」
「解った、全員貰っていく、、これで良いか?」
「金貨が3枚ほど多いですが」
「口止め料とこれで風呂に入れて綺麗な服に着替えさせてくれ」
「畏まりました。ですがそれでも多いと思われますが」
「後は謝礼だ、綺麗になった者から馬車に乗せるように頼む」
「畏まりました」
金は沢山ある。あいつ等が苦しんでくれるなら幾ら使っても構わない。
僕は奴隷たちをあらかじめ購入しておいた家に連れ帰った。
あんな所に閉じ込められいて更に馬車に乗ったのだ。
疲れているはずだ。
だからとりあえず一人一人に部屋を与えて休ませた。
俺はあいつらと違い金を使わない。
リタと結婚する為に沢山の金を貯めていた...問題無い。
とりあえず、落ち着かせるために、
「まず、食事をしようか?」
だが、彼女たちは座りもしなかった。
「とりあえず座ってよ」
ここまで話してようやく座ってくれた。
「さぁ、食事にしよう」
「あの、この食事は誰の物なのでしょうか?私たちの食事が見当たらないのですが?」
1人の少女が床を見てた。
「目の前にあるのが君たちの食事だよ」
「これを食べたら後でお叱りを受けるのでは無いですか?」
「いいから、目の前の食事は君たちのだ、何も言わずに平らげる事」
ようやく彼女達は手を付け始めた。
だが、彼女達は食事中に少し落ち着いたのポツリポツリと話し始めた。
「このスープとってもあったかい」
「あそこから出て来れるなんて思わなかった」
「こんな暖かい食事が死ぬ前に食べれるなんて思わなかったな」
「どうして、こんな優しくしてくれるのかな、、どうして」
聞いていて心が痛かった。
彼女たちは悪人じゃない。
彼女達は辛い思いをした人達だ。
弱い立場で犠牲になった人達。
俺が本来利用して良い人達じゃない。
お金で買ったなんて思わない。
だけど、彼女達の協力がどうしても復讐に必要なんだ。
だから、僕は謝った。
彼女たちは意味も解らずこちらを見つめていた。
俺は自分に起きた事、復讐する事を包み欠かさず話した。
「いいよ。多分これから死んでもただ終わるだけ、だれも悲しんでくれない。最初は体を売らされ娼婦になり、性処理奴隷として売られた、そして最後は廃棄奴隷、、ゴミ扱い、人生で一度も楽しい事なんて無かったし、多分誰からも愛されたりしなかった、だけど、心は壊されなかった..良いよ、手を貸すよ」
俺は何も言えなくなってしまった。少なくとも俺やリタには幸せな人生があった。糞勇者に壊されるまでは、、、だが彼女達にはそれすら無かったのだから。
「優しいねご主人様は」
「僕は優しくない、死にかけている君達に性処理をさせようとしているんだから」
「優しくない人は泣かないよ」
「そんなこと無い」
「でもさぁ、病気を移す為だけに抱く女にこんな綺麗な服をくれてあんな豪華な食事をくれた人なんて居ないよ」
俺は涙が止まらなくなった。
「もう泣かないで良いよ」
「私達で良いなら自由にして良いよ」
沢山慰められるた。彼女たちはもうじき死んでしまうのに、僕なんか比べ物にならない地獄を味わってきたのに。
俺泣きやむと彼女達に約束した。
「貴方達の貴重な時間を少しだけ僕に下さい。多分それは地獄の時間だと思う。だけど、それが過ぎたら残りの人生は貴方達が楽しく生きれるように、笑って生きれるようにする。だから、だから」
「それ以上言わなくて良いよ、、何を言っているんだいもう買っちゃって身も心もご主人様の物だろう」
「ねぁそれってプロポーズみたい、まぁ違うのは解っているんだけどね」
「私ってさぁ病気になる前は娼館のナンバー2だったんだから、性処理位なんでもないよ」
「そうそう、そこのナンバー1は私だけどね」
「泣きながら言うからさぁ、すぐに死ぬような事だと思ったよ。でもね、女としてそれでも良いかなって思っちゃった。それがご主人様に抱かれるだけ?拍子抜けだよ」
「そうそう、ここにいるのは皆んな元は商売女なんだ。気にしないの」
彼女たちは健気に笑う。僕は余計に涙が止まらなくなった。
「辛気臭いのはもう終わり、、、でご主人様は私達にそれを望むの? 自分も死ぬのに」
「泣き虫なご主人様、泣いてないでお姉さんに任せなさい、何でもしてあげるからさ」
俺は女神という者が解らなくなった。何故、リヒトが勇者なのか、何故あんなスキルが存在するのか?少なくともここにいる彼女たちの方が優しく心は綺麗だ。「良い事をしていれば幸せになれる」そんなの総て嘘だ。これが終わったら彼女達には幸せな余生が送れるように、死ぬ時まで何があっても面倒を見る。そう固く誓った。
それからは彼女達と毎日貪るように体を重ねた。
リタは魅了のせいでリヒトと居る事が増えてきたから丁度良い。
「何を悲しい顔をしているの、私たちが何人の男に抱かれていると思っているんだい」
「ごめん...」
「あのさぁアンタはしっかりと人間として扱ってくれた。むしろこっちがありがとうだ。謝るのは筋違いさ」
「そうそう、殴られ蹴られ、ご飯も貰えず、床で寝かされ、毎日何人も相手にしていた生活に比べたら天国だよ...病気じゃ無かったら結婚したい位だよ」
「ほら、また泣く。気にしないで本当に...ご主人様は大事にしてくれるし..これは凄く幸せな行為だよ」
「最後の最後で幸せな気分になれたよ? ..これは別物..うん」
「エッチな事して幸せになれるなんて思わなかったわ..今迄は辛い事ばかりだったのに」
残り少ないい日々を僕の為に使ってくれた彼女達には感謝しかない、謝るのは間違いだ。そう思った。彼女達には感謝を言うべきなのだ。
「みんな、本当にありがとう」
「どうやら吹っ切れたね」
「これからは今までの人生で不幸だった分を僕が埋める。君たちが笑って逝ける様に頑張るからね」
「ご主人様、それプロポーズと勘違いされますよ」
「別に良いさ、俺が死ぬまでならそう思ってくれても構わない...まぁ死んだら会えないけどな」
「ははは、何それ」
俺は君達と違い地獄に行くからな。
リタの心はもう俺から離れていっている、体の関係は続けているが...もう気持ちはリヒトの方に変わっている。
リタは悪く無い「魅了」からは逃げられない...仲の良い夫婦であっても掛けられたら終わりだ。
本来は使えば死刑が確定する...だがリヒトは勇者だから許される可能性が高い。
傀儡になって生きていくリタを見たくない。
なら殺せば良い...だがそれじゃリヒトは同じような事を続けるだろう...
だから、「ごめん」
俺たちだけで犠牲が終わる様に...俺と死んでくれ..
病状が出て顔が崩れてきた者や髪が抜け落ちてきた者も居たが気にせず俺は抱き続けた。
残りの人生を幸せにする。そう約束したからな。
そして一人一人と死にだした。
ケインはその度涙を流したが、彼女達は苦しいにも関わらず崩れた顔でも笑顔で死んでいった
。
結局、最後の一人が亡くなるまでには一か月もかからなかった。
皆んなが死ぬ時にはケインに礼を言って死んでいった。
「ねぇご主人様、私幸せだよ。だってこんな綺麗な場所で死んでいけるんだもん。」
「こんな夢みたいな生活初めて、、、死ぬ間際に初めて幸せが来たんだね」
「病気になる前に会いたかったな、そうしたらケイン様の愛人位になれたのかな」
苦しいはずなのに、怖いはずなのに皆んなが笑顔で死んでいった。
そして最後の一人は
「ねぇご主人様聞いて?皆んなで決めていたんだけどさぁ、最後の一人がご主人様に伝えると決めていた言葉があるの。それはね、返しきれない程幸せにして貰ったから、私達全員で天国で待っているわ。だからその後も愛してね」
「ありがとう...本当にありがとう」
なんだよ...復讐なんて考えなくても他に目を向ければ良かったのか?
「ほら、泣かないの、全部終わって天国にくるの待っているからね」
「うん」
最後の一人を看取って丘の上埋めてあげた。花屋にあるだけ全部の百合の花を集めて捧げた。
(でもね、俺は天国には行けなんだよ。勇者と聖女を実質殺したんだからな。だけど地獄に行っても君たちの事は忘れない。ありがとう)
最近はリタの口臭が酷くなってきた。
下の方もおり物が多い。
これで、復讐は終わった。
これから君は俺の事なんて忘れていく..
そして、全てがリヒトの物に変わっていく..
それが辛い...だから壊す事にした。
何時も皆で居るから気が付かないんだろうな。
ケイトもソニアもリタもリヒトも物凄く息が臭い。
体臭だって臭いし..体も崩れ始めているよ...
多分、他の男なら警戒して抱かないな..
「世話になったな。四人とも幸せに暮らせよ!」
この後地獄が待っているんだからな...
俺は最後のお金で 丘に小屋を建てた。
彼女達のお墓を守りながら...死を待っている。
病気で倒れ...死の間際に思い出したのは、廃棄奴隷の4人だった。
何だよ...あははは、そうかあの子達への想いの方がケイトやソニアやリタよりも強いや....そんな物だったんだな
復讐心も薄れてしまった。
だけど、「復讐しよう」そう思わなければ...彼女達には会えなかった..
苦痛で朦朧としながらケインは息を引き取った。
この物語の結末は...ケインの復讐を上回っていた。
性病に蝕まれたリヒトは勇者の力を徐々に失っていった。
この世界の女神は処女神...だから性病の治療技術は進んでいない。
更に、女神が嫌うからかリヒトの勇者能力も失われてきた。
そして遂に...魅了のスキルが奪われた。
ケイトやソニアやリタはこの時になって自分の現状をみた。
性病になり心まで欺かれていた、彼女達は、心からリヒトを憎み、拷問を施し殺した。
だが、この殺害は罪に問われなかった。
心を操作する魔法はつかったら殺して良い...そういう法律があったからだ。
本当はケインが移した性病だったが...ケインとは誰も思わなかった。
本当は違うが...自分だけを愛していたケインと浮気ばかりしていたリヒトなら誰でもケインとは思わないだろう。
奴隷商人は口が堅く、「廃棄奴隷」の事は誰にも語らなかった。
そして、その後を残りの財産を貰う事で引き受けていた。
4人の奴隷の埋葬場所に、そのまま埋めた。
そして、その場所には沢山の百合を散りばめた。
死因は孤独死として届けた..
旦那、俺は約束は守ったぜ..しかしこれだけで金貨20枚は貰い過ぎだ。
まぁ俺が死ぬまで墓の管理してやるよ、1年に一度は百合を持って墓参りするさ。
そしてリタたちは
「ケインごめんね...心も体も汚されちゃったよ..もう愛してなんて貰えないけど...謝るから、傍にだけは居させて」
そう言うと、首にナイフを当てて切り裂いた。
ケインのお墓の前で..
ケイトやソニアは無言で..同じ様に死んだ。
死体を見つけた村人は彼女達を哀れに思い、ケインのお墓の横に埋めた。
こうしてこの物語は終わる...
全てが勘違いでありながら....
【FIN】
「悪いが今日でクビだ」
「そうか、まぁ良いや」
リヒトとは幼なじみだ。
「今迄ずっと仲間で支え合いながらやっとここまで来た」俺がそう思っていると思っているのか?
そんな風に思っているのは、お前だけだぜ。
剣聖のケイト
聖女のソニア
魔法使いのリタ
五人揃ってSランクパーティー『ブラックウイング』そう呼ばれていた。
やや中二病な名前だがまぁリヒトは勇者だから可笑しくないな..俺は嫌いだけどね。
確かに最近の俺は取り残されていた。
ジョブの差で成長した四人に能力が追いついていないのは事実だな仕方ない。
だから、別にクビになっても良いと思っていた。
だってそうだろう? 腐ってもSランクパーティーのメンバーなんだぜ、俺も。
此処を出れば、幾らでも次がある。
こいつ等が凄いだけで他のSランクパーティーならまだ通用するし、Aランクまで落とせば恐らく女のパーティーなら体を使っても取りに来るぜ。
その位の価値はあるんだよ。
良く、仲間から追い出されて泣きそうな奴見るけど...自分の価値をちゃんと見ろよ。
高ランクなら...他に行けば良いだけだなんだぜ...
この間もAランクパーティー追放された盾使い見かけて...トボトボ歩いていたからDランクの女パーティー紹介してやったんだわ。
まぁ地味な女が多くて俺の好みじゃ無いからな...
1週間後には「ハーレムをありがとう」ってスゲー感謝されたぞ。
そりゃそうだろう...ゴブリン狩ってようやく生活している女たちが...彼奴が入った事でオーガが狩れるんだぜ。
日給4人で2万の貧乏人が日給5人で80万に早変わり...(解りやすく日本円にしています)
必死で繋ぎ止める...当たり前なんじゃないかな?
「ついて来れないのは分かっているだろケイン」
「そうだな、勇者として大きな舞台に立つんだろう...俺も一度で良い、そこに連れていって貰えないか?」
まぁ形上は辞めたくない振りをするけどな...
此奴の狙いは解っている、リタが欲しいんだろう? だから俺を追放したいんだろう? はっきり言えよ! 女々しいな!
「勇者とし大きく飛躍するには大きな手柄が必要なんだ。残念ながらお前とじゃ無理なんだ。なぁ分かってくれよ、パーティーを抜けてもお前が親友なのは変わりないからな。」
確かにお前は親友だった。
だが、「ある時」から親友と思ってない。
そして、他の女も信用していない。
俺は恋人であるリタの目を見た。
彼女ももう昔の優しい目をして居ない。
知っていたさぁ...もう俺のリタじゃない。
「私もリヒトの意見に賛成だわ!貴方はもうこのパーティーについていけないじゃない。きっと近いうちに死ぬか大怪我をするわ..さっさと辞めた方が良い...これは貴方の事を思って言っているのよ」
「リタ...そうか...そうだな」
そう言うと思っていたよ!
俺と目を合わせないんだからな...だが実際に聴くと本当に堪えるな。
心の準備をしていてもな。
ふと、リタの左手に目が行く。
薬指には見覚えのない指輪があった、これは多分リヒトが買い与えた物だろう。
俺の指輪はもうしていない...解っていても悲しい気持ちになる..
他の三人も同じ指輪をはめていた。
まぁそう言う事だ...
俺は親友に彼女を寝取られていた、そう言う事だ。
そんな事は...もうとっくに気が付いていたさ...
「大人しく村に帰って田舎冒険者にでもなるか、別の弱いパーティーでも探すんだな」
「そこ迄は言われたくない....まぁ他のパーティにでも行くさ...」
こいつは俺とリタが婚約していると知っていて寝取ったんだな。
知っていたよ...
親友だと思っていたのにな..
リヒトは勝ち誇った顔で俺を見ている。
思いっきり、俺をあざ笑っているんだな。
何をしても優秀で、顔も良くて、強くて、おまけに勇者に選ばれた。
そんなお前が、おれは自慢だったんだ。
そんな、俺にそんな目を向けるんだな。
リタは俺の女だったんだ..他の2人だって俺は好きだったんだ...
だって心から親友と呼べる仲間だと思っていたんだぜ...
命より大切そう思ってる位にな。
「さようなら、ケイン」
「情けない男だケイン!」
「貴方より!リヒトの方が素敵だわ」
三人の幼なじみが一斉に罵倒してくる...結構堪えるなこれ..
あのリタまでもが俺を睨み付けていた。
「こんな指輪いらない! もう立ち去ってよ!」
そうか...
「解ったよ...」
「余り酷い事言うなよ リタ、ケインだって俺の親友なんだからな」
「そうね。私も言い過ぎたわ。ごめんねケイン」
言葉が出ない。どの顔して親友っていうんだよ...
まあ良いや、どうでも。
「世話になったな。四人とも幸せに暮らせよ!」
「それじゃ、パーティから抜けてくれるんだな!」
「ああ、お前達は世界を救えばいいんじゃない?(救えないよ)」
「とっとと行け」
さようなら俺の仲間たち...そして地獄で待っているよ。
【裏】
随分前から知っていた...
リタに魅了のスキルが掛けられていた事も...
このスキルに掛かると、目が僅かながら曇るんだ。
リヒトじゃない...そう信じたかった。
だが、直ぐに気が付いてしまった...
リタは被害者だ...他の2人も被害者だリヒトだけが悪い。
だが、三人の心は可笑しくなり...性格も破たんしていった。
優しかったリタは居ない...
誰にでも優しかった彼女は、性欲の塊になり...平気で人を傷つける。
この間も子供がリヒトにぶつかっただけで攻撃魔法を放った。
「勇者の体は世界で一番大切なの..貴方の命よりもね」
もう、見ているのも嫌だった。
三人はまだ、俺を好きだという気持ちが無くなっていないが...消え去るのは時間の問題だ。
まさか俺が「勇者殺し」をしなくてはならない..そんな事になるなんて思わなかったよ...
「セレス」の様な事をしなくちゃいけないなんて夢にも思っていなかった。
俺は奴隷商に顔を出した。
「ケイン様! 奴隷が欲しいのですか?」
勇者パーティーだから顔を知られている。
普通に奴隷を購入するなら王都の大通りにある場所で買えば良い。良質な奴隷が購入できる。
だが、俺に必要なのは口の堅い信頼できる奴隷商人だ。
だからこそ、此処に来た。
「えぇ口が堅いと聞いたんだ」
「例え死んでもここであった事は話しません。奴隷商は信頼が命です。安心して下さい」
「実は金貨1枚で見目麗しい女性奴隷を譲って欲しいのです」
「金貨1枚ではまともな奴隷なんて買えませんよ、男ならともかく女なら。幾ら訳ありの当店でも足元を見すぎです。」
「違う、俺が欲しいのは見目麗しい廃棄奴隷が欲しいのだ」
「廃棄奴隷ですか?あんなゴミを金貨を出してまで買うのですか?すぐに死んでしまうし、女なら全員が性病持ちですよ。」
「但し、条件はつけさせて貰う。頭がしっかりしていて精神に支障をきたしてなく、しかも見目麗しい女性。そして重度の性病持ちが好ましい」
「銅貨の価値もない廃棄奴隷を金貨で購入してくれるのですから願ったりですが、何人程必要ですか」
「4人程、病気の種類が違う女が欲しい」
「性病の種類の特定ですか?、うちだけじゃ難しいですね。ただ伝手はあるのですぐにご用意致します。一刻ほどお待ち頂けますか?」
「ああ宜しく頼む」
「ではお部屋に案内しますから今暫くお待ちください」
「ご用意出来ました」
手入れされた綺麗な部屋にボロ布を纏った女が4人いた。
不潔で汚く浮浪者にしか見えない。体からはお風呂に入れて貰ってないのか糞尿の匂いがした。
食事事情も良くないのか皆痩せていた。
だが、よく見るとその顔立ちは一人として整ってない者は居なかった。
こうなる前は恐らく全員が美女、美少女だったのだろう。
彼女達をみた瞬間涙が止まらなくなった。
俺の人生は彼女達に比べたらまだ幸せだったに違いない。
恐らく彼女達はもう長くは生きられない。
奴隷商人は僕が泣き止むのを待っていた。
「一見問題なさそうですが、皆んなトリプルの性病持ちです。万が一でも抱いてしまったら、同じように死を待つ運命が待ってます。お気をつけ下さい。まぁやることやらなければ移る事はありません。ただ魔法薬でも治療ができないので本当に注意下さい」
「魔法薬でも治らない性病?」
(そういうものなのか?)
「治るなら治療して仕事させるでしょう。皆器量は良いんですから。治らないレベルの病気持ちならではの廃棄奴隷です。どんな秘薬でも、どれだけお金を掛けても絶対に治りません。ご存知の通り女神様は処女神、こういう病は嫌います、賭けても良いですよ、教会だろうが教皇だろうが聖女だろうが治せません」
「解った、全員貰っていく、、これで良いか?」
「金貨が3枚ほど多いですが」
「口止め料とこれで風呂に入れて綺麗な服に着替えさせてくれ」
「畏まりました。ですがそれでも多いと思われますが」
「後は謝礼だ、綺麗になった者から馬車に乗せるように頼む」
「畏まりました」
金は沢山ある。あいつ等が苦しんでくれるなら幾ら使っても構わない。
僕は奴隷たちをあらかじめ購入しておいた家に連れ帰った。
あんな所に閉じ込められいて更に馬車に乗ったのだ。
疲れているはずだ。
だからとりあえず一人一人に部屋を与えて休ませた。
俺はあいつらと違い金を使わない。
リタと結婚する為に沢山の金を貯めていた...問題無い。
とりあえず、落ち着かせるために、
「まず、食事をしようか?」
だが、彼女たちは座りもしなかった。
「とりあえず座ってよ」
ここまで話してようやく座ってくれた。
「さぁ、食事にしよう」
「あの、この食事は誰の物なのでしょうか?私たちの食事が見当たらないのですが?」
1人の少女が床を見てた。
「目の前にあるのが君たちの食事だよ」
「これを食べたら後でお叱りを受けるのでは無いですか?」
「いいから、目の前の食事は君たちのだ、何も言わずに平らげる事」
ようやく彼女達は手を付け始めた。
だが、彼女達は食事中に少し落ち着いたのポツリポツリと話し始めた。
「このスープとってもあったかい」
「あそこから出て来れるなんて思わなかった」
「こんな暖かい食事が死ぬ前に食べれるなんて思わなかったな」
「どうして、こんな優しくしてくれるのかな、、どうして」
聞いていて心が痛かった。
彼女たちは悪人じゃない。
彼女達は辛い思いをした人達だ。
弱い立場で犠牲になった人達。
俺が本来利用して良い人達じゃない。
お金で買ったなんて思わない。
だけど、彼女達の協力がどうしても復讐に必要なんだ。
だから、僕は謝った。
彼女たちは意味も解らずこちらを見つめていた。
俺は自分に起きた事、復讐する事を包み欠かさず話した。
「いいよ。多分これから死んでもただ終わるだけ、だれも悲しんでくれない。最初は体を売らされ娼婦になり、性処理奴隷として売られた、そして最後は廃棄奴隷、、ゴミ扱い、人生で一度も楽しい事なんて無かったし、多分誰からも愛されたりしなかった、だけど、心は壊されなかった..良いよ、手を貸すよ」
俺は何も言えなくなってしまった。少なくとも俺やリタには幸せな人生があった。糞勇者に壊されるまでは、、、だが彼女達にはそれすら無かったのだから。
「優しいねご主人様は」
「僕は優しくない、死にかけている君達に性処理をさせようとしているんだから」
「優しくない人は泣かないよ」
「そんなこと無い」
「でもさぁ、病気を移す為だけに抱く女にこんな綺麗な服をくれてあんな豪華な食事をくれた人なんて居ないよ」
俺は涙が止まらなくなった。
「もう泣かないで良いよ」
「私達で良いなら自由にして良いよ」
沢山慰められるた。彼女たちはもうじき死んでしまうのに、僕なんか比べ物にならない地獄を味わってきたのに。
俺泣きやむと彼女達に約束した。
「貴方達の貴重な時間を少しだけ僕に下さい。多分それは地獄の時間だと思う。だけど、それが過ぎたら残りの人生は貴方達が楽しく生きれるように、笑って生きれるようにする。だから、だから」
「それ以上言わなくて良いよ、、何を言っているんだいもう買っちゃって身も心もご主人様の物だろう」
「ねぁそれってプロポーズみたい、まぁ違うのは解っているんだけどね」
「私ってさぁ病気になる前は娼館のナンバー2だったんだから、性処理位なんでもないよ」
「そうそう、そこのナンバー1は私だけどね」
「泣きながら言うからさぁ、すぐに死ぬような事だと思ったよ。でもね、女としてそれでも良いかなって思っちゃった。それがご主人様に抱かれるだけ?拍子抜けだよ」
「そうそう、ここにいるのは皆んな元は商売女なんだ。気にしないの」
彼女たちは健気に笑う。僕は余計に涙が止まらなくなった。
「辛気臭いのはもう終わり、、、でご主人様は私達にそれを望むの? 自分も死ぬのに」
「泣き虫なご主人様、泣いてないでお姉さんに任せなさい、何でもしてあげるからさ」
俺は女神という者が解らなくなった。何故、リヒトが勇者なのか、何故あんなスキルが存在するのか?少なくともここにいる彼女たちの方が優しく心は綺麗だ。「良い事をしていれば幸せになれる」そんなの総て嘘だ。これが終わったら彼女達には幸せな余生が送れるように、死ぬ時まで何があっても面倒を見る。そう固く誓った。
それからは彼女達と毎日貪るように体を重ねた。
リタは魅了のせいでリヒトと居る事が増えてきたから丁度良い。
「何を悲しい顔をしているの、私たちが何人の男に抱かれていると思っているんだい」
「ごめん...」
「あのさぁアンタはしっかりと人間として扱ってくれた。むしろこっちがありがとうだ。謝るのは筋違いさ」
「そうそう、殴られ蹴られ、ご飯も貰えず、床で寝かされ、毎日何人も相手にしていた生活に比べたら天国だよ...病気じゃ無かったら結婚したい位だよ」
「ほら、また泣く。気にしないで本当に...ご主人様は大事にしてくれるし..これは凄く幸せな行為だよ」
「最後の最後で幸せな気分になれたよ? ..これは別物..うん」
「エッチな事して幸せになれるなんて思わなかったわ..今迄は辛い事ばかりだったのに」
残り少ないい日々を僕の為に使ってくれた彼女達には感謝しかない、謝るのは間違いだ。そう思った。彼女達には感謝を言うべきなのだ。
「みんな、本当にありがとう」
「どうやら吹っ切れたね」
「これからは今までの人生で不幸だった分を僕が埋める。君たちが笑って逝ける様に頑張るからね」
「ご主人様、それプロポーズと勘違いされますよ」
「別に良いさ、俺が死ぬまでならそう思ってくれても構わない...まぁ死んだら会えないけどな」
「ははは、何それ」
俺は君達と違い地獄に行くからな。
リタの心はもう俺から離れていっている、体の関係は続けているが...もう気持ちはリヒトの方に変わっている。
リタは悪く無い「魅了」からは逃げられない...仲の良い夫婦であっても掛けられたら終わりだ。
本来は使えば死刑が確定する...だがリヒトは勇者だから許される可能性が高い。
傀儡になって生きていくリタを見たくない。
なら殺せば良い...だがそれじゃリヒトは同じような事を続けるだろう...
だから、「ごめん」
俺たちだけで犠牲が終わる様に...俺と死んでくれ..
病状が出て顔が崩れてきた者や髪が抜け落ちてきた者も居たが気にせず俺は抱き続けた。
残りの人生を幸せにする。そう約束したからな。
そして一人一人と死にだした。
ケインはその度涙を流したが、彼女達は苦しいにも関わらず崩れた顔でも笑顔で死んでいった
。
結局、最後の一人が亡くなるまでには一か月もかからなかった。
皆んなが死ぬ時にはケインに礼を言って死んでいった。
「ねぇご主人様、私幸せだよ。だってこんな綺麗な場所で死んでいけるんだもん。」
「こんな夢みたいな生活初めて、、、死ぬ間際に初めて幸せが来たんだね」
「病気になる前に会いたかったな、そうしたらケイン様の愛人位になれたのかな」
苦しいはずなのに、怖いはずなのに皆んなが笑顔で死んでいった。
そして最後の一人は
「ねぇご主人様聞いて?皆んなで決めていたんだけどさぁ、最後の一人がご主人様に伝えると決めていた言葉があるの。それはね、返しきれない程幸せにして貰ったから、私達全員で天国で待っているわ。だからその後も愛してね」
「ありがとう...本当にありがとう」
なんだよ...復讐なんて考えなくても他に目を向ければ良かったのか?
「ほら、泣かないの、全部終わって天国にくるの待っているからね」
「うん」
最後の一人を看取って丘の上埋めてあげた。花屋にあるだけ全部の百合の花を集めて捧げた。
(でもね、俺は天国には行けなんだよ。勇者と聖女を実質殺したんだからな。だけど地獄に行っても君たちの事は忘れない。ありがとう)
最近はリタの口臭が酷くなってきた。
下の方もおり物が多い。
これで、復讐は終わった。
これから君は俺の事なんて忘れていく..
そして、全てがリヒトの物に変わっていく..
それが辛い...だから壊す事にした。
何時も皆で居るから気が付かないんだろうな。
ケイトもソニアもリタもリヒトも物凄く息が臭い。
体臭だって臭いし..体も崩れ始めているよ...
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「世話になったな。四人とも幸せに暮らせよ!」
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俺は最後のお金で 丘に小屋を建てた。
彼女達のお墓を守りながら...死を待っている。
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何だよ...あははは、そうかあの子達への想いの方がケイトやソニアやリタよりも強いや....そんな物だったんだな
復讐心も薄れてしまった。
だけど、「復讐しよう」そう思わなければ...彼女達には会えなかった..
苦痛で朦朧としながらケインは息を引き取った。
この物語の結末は...ケインの復讐を上回っていた。
性病に蝕まれたリヒトは勇者の力を徐々に失っていった。
この世界の女神は処女神...だから性病の治療技術は進んでいない。
更に、女神が嫌うからかリヒトの勇者能力も失われてきた。
そして遂に...魅了のスキルが奪われた。
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性病になり心まで欺かれていた、彼女達は、心からリヒトを憎み、拷問を施し殺した。
だが、この殺害は罪に問われなかった。
心を操作する魔法はつかったら殺して良い...そういう法律があったからだ。
本当はケインが移した性病だったが...ケインとは誰も思わなかった。
本当は違うが...自分だけを愛していたケインと浮気ばかりしていたリヒトなら誰でもケインとは思わないだろう。
奴隷商人は口が堅く、「廃棄奴隷」の事は誰にも語らなかった。
そして、その後を残りの財産を貰う事で引き受けていた。
4人の奴隷の埋葬場所に、そのまま埋めた。
そして、その場所には沢山の百合を散りばめた。
死因は孤独死として届けた..
旦那、俺は約束は守ったぜ..しかしこれだけで金貨20枚は貰い過ぎだ。
まぁ俺が死ぬまで墓の管理してやるよ、1年に一度は百合を持って墓参りするさ。
そしてリタたちは
「ケインごめんね...心も体も汚されちゃったよ..もう愛してなんて貰えないけど...謝るから、傍にだけは居させて」
そう言うと、首にナイフを当てて切り裂いた。
ケインのお墓の前で..
ケイトやソニアは無言で..同じ様に死んだ。
死体を見つけた村人は彼女達を哀れに思い、ケインのお墓の横に埋めた。
こうしてこの物語は終わる...
全てが勘違いでありながら....
【FIN】
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