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引退を勧めるぜ
しおりを挟む「ああっ…」
「ああっじゃねーよ…お前、歯を食いしばれ」
「やっ、やめろぉー――っ」
「うるせーっ」
俺は金森をぶん殴った。
俺はこの学校で番をはりたい訳じゃねーし、目立ちたい訳じゃねー。
「いきなりひでーな…」
しれっとしてやがる。
此奴、殴られる覚悟はしていたな。
「ひでーのはお前だろうが…お前のせいでもう6件絡まれているんだぜ…殴られた位で許されると思うな…どうしてくれるんだ? 俺は女と面白く可笑しく」
「それはもう大丈夫だ!」
収まるとは思えねー。
「何が大丈夫なんだ!」
「そりゃもう手を出さねーよ…順子の乳首切断に、勝の指切断に亮の顔焼き。これでもう雑魚は怖くて手を出さないだろう。俺も言っておいたぜ、番格になるんだから『女なら負けたら犯される、刻まれるは当たり前』『男は指の一本や二本で泣き言言うな』ってな。」
「ほぉう…お前、俺は不良で目立ちたい訳じゃねー。もしそうしたいなら大隅の所でナンバー2にでも収まるさぁ。こんな学校になんて居ねーよ。ふざけんじゃねー」
こんなちんけな中学でてっぺんとっても意味がねーよ。
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「ああっ…なら『極悪少年愚連隊』のナンバー2から始めたら良いじゃないですか?」
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「ああっ、俺は誰の下にもつく気はねーよ。昔、下について馬鹿見たからな」
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どうせ此奴じゃ出来ねー。
「俺には無理だ」
「だろうな…なぁ、お前じゃ『本物』には成れねー『引退』を勧めるぜ…」
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精々がチンピラで使い潰されるだけだ。
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「それが良いな」
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「さぁな…だがここ迄話が進んじまったら、神成はどうにかしないとならねーな…まぁどうするかは…これから決めるさぁ」
「そうか」
「ああっ、それで金森、お前はもう不良を辞める…間違いねーな」
「ああっ」
「それじゃ、もう俺と関わることはねぇー それじゃもう行くぜ。じゃぁなパンピー」
「ああっ」
本当に面倒くせー…神成かぁ…今更ガキ一人ぶっ倒してもなんも得にならねーのに。
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