伝説の悪党は今の虐めは甘すぎると笑う。

石のやっさん

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石川 猫 化け物

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終わった。
あの日連れていかれてから親父もお袋も帰ってこない。

手紙だけが届き、親父は、慣れない漁船に乗って蟹を採っているそうだ。
手紙には『俺は大丈夫だ』そう書かれていた。

だが、その手紙は海水で汚れていてどう考えても大丈夫ではない事は解った…お金の殆どは…しても居ない借金に取られて僅かなお金しか貰えないらしい…その中から4万円が手紙と一緒に送られてきた。

この4万円がどれ程苦労して手に入れたお金なのだろう…それ位は解る。

お袋からも手紙が来ていた『お母さん頑張るから…』そう書かれていたが…この手紙は海水じゃなく涙で滲んでいた。

流石の俺でも『泡』の意味位解る…風俗だ。

親父と幼馴染で、親父しか知らないお袋が、そんな所で働くなんてきっと地獄に違いない。

だが、そんな中でもお袋は親父と同じに4万円送ってくれた。

このお金だけが、今の生命線…

しかも6か月後には、この家も無くなる。

電気代は幾らか?

水道代は?

それよりこれからは洗濯も飯も自分でやらなくちゃ…

『これじゃ駄目だ』 

彼奴に復讐するんだ!

良治の怖さは…何しでかすか解からねー事だ。

顔を焼く奴。

平気で人を刺せる奴。

そんな奴は周りに居なかった。

多分この金から3万も出せば…3年の先輩がボコってはくれる。

だが、その後はどうだ?

彼奴を殺さなければ…必ず復讐される。

しかも…不良なんて比べ物にならないやり方でやられる。

確かに哲也や俺は彼奴を虐めていた。

金も取り上げたし、暴力も振るった。

その結果が…これだ。

今考えれば解る『毎日5万持ってこい』

持ってこれるわけが無い。

持ってこなければ『リンチ』

確かに理不尽だ。

だからこそ、彼奴は俺たちを『人と思わなくなった』のだろう。

彼奴を俺たちが『人と思わない』それと同じ、いやそれ以上だ。

俺たちになら『何をしても良い』そういう化け物になっちまった。

仕返しする『免罪符』があいつにはある。

『やられたからやり返す』当たり前だ。

だがよー…俺はそこ迄してねーよ。

哲也や久保田は知らねーけど。

俺が殴って取り上げた金は、せいぜいが数千円だ。

菓子買って、漫画買っておしまいの小銭だ。

可哀そうだから、殴る時には手加減だってしてたんだぜ。

その結果が…これかよ。

腹がたったなら『俺をぶちのめして、毎日金持ってこい』それで良いじゃねーか…

なぁ、なぁ…家を取り上げて…親は重労働に風俗嬢に…そんな事するなよ…俺が憎いなら『俺を殺せば良かったんだよ』

絶対に許さねーかんな。

俺もお前と同じ化け物になってやる。

そして….

◆◆◆

「にゃぁ~にゃぁ~」

ごめんよ…お前たちは悪くないんだ。

俺は沢山の猫を拾ってきた。

一軒家だから誰も文句は言わない。

一匹の猫をゴミ袋に入れた。

『ごめんなさい』

此奴は悪くない。

「にゃぁ~にゃぁ~にゃ…ふぎゃぁぁぁぁー―――っ」

思いっきり殴る。

「にゃがやぁぁぁぁぁぁぁl―――ふぅー-っにゃがぁぁぁー―――っ」

暫く殴り続けると…猫は死んだ。

『ごめ』 謝っちゃ駄目だ。

田向ならどうだ?

絶対に謝らねー…笑いながらこれが出来るから、彼奴は強いんだ。

出刃包丁を持ってきた。

猫を押さえつけて…

「ふぎゃぁぁぁー――」

何をされるのか解ったのか暴れて俺を引っかいた。

それで良い…俺はお前を殺すんだからな。

押さえつけたまま、首を切り落としに掛かった。

包丁が業物だったせいか猫の首は簡単に斬り落とせた。

「ハァハァ…逃げちゃ駄目だ…俺は笑いながらこれが出来る人間になるんだ」

その後…猫の腹を捌いたり…押さえつけて皮を剥いたり…非道を尽くした。

もう何匹殺したか解らないが…ゴミ袋一杯分は殺した。

もう猫は必要ない。

残りの猫はドアを開けると一目散に逃げた。

『あははははっ、何だ簡単じゃないか? こういう事は田向みたいな奴じゃ無いと出来ないと思ったが…簡単だ』

両親に会う事はもう無いだろう。

家も6か月後には住めなくなる。

なら、お前を殺してやるよ。

お前を殺してもどうせ中学生 少年院か少年刑務所に入るだけだ。

前科もつかねーし…な。

今度はこっちの番だ。
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