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逃げ得は許せねー
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「ただいま~母さん」
「良治ちゃん、お帰りなさい、嘘、怪我しているじゃない。また母さん学校に抗議しにいくわ」
親が抗議して終わるなら虐めなんて発生しない。
「大丈夫だよ!母さん、俺だって虐められっぱなしじゃない、これからはやり返すから安心して」
ああっ、歯が浮く…やり返すってよりは『おもちゃ』だな。
今迄搾り取られた分は、何百倍にして返して貰う…それだけだ。
「本当に、大丈夫? その顔は…凄く怪我しているじゃない」
「そりゃ、男の子だからね…ほら母さん」
俺は、サイフとシューマイ弁当を差し出した。
「良治…これ?」
「ああっ、やり返したら、奪われた分の一部のお金を返してくれたんだ、それで買った。サイフはプレゼントだ。シューマイ弁当も買ってきたから、食べよう」
「良治ちゃん、頑張ったんだね。お母さん嬉しいわ」
いきなり抱き着かれた。
凄くうざい。
だが、これは愛情表現なのは解かる。
だから、目くじら立てる必要はないだろう。
「母さん苦しい」
「そんな事言わないの、母さん良治がしっかりしてくれて嬉しいんだから」
仕方ない。
この母親、郁美は良い母親だこれ位は我慢だな。
◆◆◆
「おはよう萌子」
「良治…流石に森崎先輩は無理だったかぁ~まぁ仕方ないよね」
そう言いながら腕を絡めてきた。
俺が負けてもあっけらかんとしていて、それでいて離れていこうとしない。
俺みたいな悪党には『良い女』だ。
「いや、ちょっと苦戦したけど、森崎はスクラップだ、勝ちか負けかなら俺の勝ちだ」
「森崎先輩に勝った…すごいじゃん」
「まぁな…だが、これだけ怪我しちまった」
「それで森崎は?」
もう『先輩』もつけねーのな、なかなか良い根性している。
「もう、真面に歩けねーし、物も満足に持てねーかな…まぁ人生真っ暗だな」
「凄いじゃん!勝ったって事だよね!流石に大袈裟だけど…」
本当にスクラップなんだが…それを誇張して言う意味はねーな。
「そんな訳で戦利品もあるし、別に金も入ってくる予定もある。今日はカラオケでも何でも萌子のいきたい所連れていってやるよ」
「やった~今日はカラオケは良いや、何か惜しい物食べに連れていってくれない」
「ああっ良いよ、連れていってやるよ」
そのまま学校に行くと、クラスの人間の様子は一変していた。
「おはよう」
「おはようございます…田向さん…失礼します」
「おはよう田向くん、それじゃ」
俺が挨拶する度に目を伏せて直ぐに目の前から立ち去ろうとする。
俺が怖いのか…うわはははっ怖ぇよな。
『森崎』ってあれでもこの辺りじゃ有名な不良だったんだぜ。
それがもうスクラップなんだからな。
もしかして噂を聞いたのか?
まぁ良い…
「よっ石川…ちゃんと持ってきたか?」
「…はい…10万円…あの、森崎さんが学校に来てなくて、その噂を」
「ああっ、森崎ならスクラップだ…人生終了だ」
なんだ此奴青い顔して…おおよその事は知っていただろうが。
「なぁ、田向…その森崎先輩、入院して手術するって聞いたんだ…学校中その噂で持ち切りなんだ…何したんだよ」
馬鹿か此奴、それを聞いてどうするんだ。
「ああっ、不良をしてれば怪我したり、死ぬのはあたり前だ…不良なんだからな…そんな気が無いなら不良なんて辞めちまえよ」
「おい…そんな物騒な事は…」
此奴は馬鹿か。
「あるんだよ、そういう世界だ」
「凄いね良治、本当に森崎先輩潰しちゃったんだ…流石」
「萌子、疑っていたのか? 俺は嘘は言わねーよ」
「そんな事ないよ…ちゃんと信じていたよ」
「なら、良いわ」
「あの…それじゃ俺行くから…」
「明日からちゃんと金持ってこいよ」
「解かった..」
石川はとりあえず、これで良い。
「久保田~」
「解っている..ほら1万円はいっている、これで許してくれ」
「まぁ良いよ…哲也は?」
「俺は知らねー…今日も学校に来てねーよ…」
もしかしてもう彼奴、転校手続きが終わる迄…来ないのか。
「そういえば、哲也の親父って家に余り居ないのか」
「そう言っていたよ」
萌子とのデートが終わったら行ってみるか…逃げ得はさせねーよ。
「良治ちゃん、お帰りなさい、嘘、怪我しているじゃない。また母さん学校に抗議しにいくわ」
親が抗議して終わるなら虐めなんて発生しない。
「大丈夫だよ!母さん、俺だって虐められっぱなしじゃない、これからはやり返すから安心して」
ああっ、歯が浮く…やり返すってよりは『おもちゃ』だな。
今迄搾り取られた分は、何百倍にして返して貰う…それだけだ。
「本当に、大丈夫? その顔は…凄く怪我しているじゃない」
「そりゃ、男の子だからね…ほら母さん」
俺は、サイフとシューマイ弁当を差し出した。
「良治…これ?」
「ああっ、やり返したら、奪われた分の一部のお金を返してくれたんだ、それで買った。サイフはプレゼントだ。シューマイ弁当も買ってきたから、食べよう」
「良治ちゃん、頑張ったんだね。お母さん嬉しいわ」
いきなり抱き着かれた。
凄くうざい。
だが、これは愛情表現なのは解かる。
だから、目くじら立てる必要はないだろう。
「母さん苦しい」
「そんな事言わないの、母さん良治がしっかりしてくれて嬉しいんだから」
仕方ない。
この母親、郁美は良い母親だこれ位は我慢だな。
◆◆◆
「おはよう萌子」
「良治…流石に森崎先輩は無理だったかぁ~まぁ仕方ないよね」
そう言いながら腕を絡めてきた。
俺が負けてもあっけらかんとしていて、それでいて離れていこうとしない。
俺みたいな悪党には『良い女』だ。
「いや、ちょっと苦戦したけど、森崎はスクラップだ、勝ちか負けかなら俺の勝ちだ」
「森崎先輩に勝った…すごいじゃん」
「まぁな…だが、これだけ怪我しちまった」
「それで森崎は?」
もう『先輩』もつけねーのな、なかなか良い根性している。
「もう、真面に歩けねーし、物も満足に持てねーかな…まぁ人生真っ暗だな」
「凄いじゃん!勝ったって事だよね!流石に大袈裟だけど…」
本当にスクラップなんだが…それを誇張して言う意味はねーな。
「そんな訳で戦利品もあるし、別に金も入ってくる予定もある。今日はカラオケでも何でも萌子のいきたい所連れていってやるよ」
「やった~今日はカラオケは良いや、何か惜しい物食べに連れていってくれない」
「ああっ良いよ、連れていってやるよ」
そのまま学校に行くと、クラスの人間の様子は一変していた。
「おはよう」
「おはようございます…田向さん…失礼します」
「おはよう田向くん、それじゃ」
俺が挨拶する度に目を伏せて直ぐに目の前から立ち去ろうとする。
俺が怖いのか…うわはははっ怖ぇよな。
『森崎』ってあれでもこの辺りじゃ有名な不良だったんだぜ。
それがもうスクラップなんだからな。
もしかして噂を聞いたのか?
まぁ良い…
「よっ石川…ちゃんと持ってきたか?」
「…はい…10万円…あの、森崎さんが学校に来てなくて、その噂を」
「ああっ、森崎ならスクラップだ…人生終了だ」
なんだ此奴青い顔して…おおよその事は知っていただろうが。
「なぁ、田向…その森崎先輩、入院して手術するって聞いたんだ…学校中その噂で持ち切りなんだ…何したんだよ」
馬鹿か此奴、それを聞いてどうするんだ。
「ああっ、不良をしてれば怪我したり、死ぬのはあたり前だ…不良なんだからな…そんな気が無いなら不良なんて辞めちまえよ」
「おい…そんな物騒な事は…」
此奴は馬鹿か。
「あるんだよ、そういう世界だ」
「凄いね良治、本当に森崎先輩潰しちゃったんだ…流石」
「萌子、疑っていたのか? 俺は嘘は言わねーよ」
「そんな事ないよ…ちゃんと信じていたよ」
「なら、良いわ」
「あの…それじゃ俺行くから…」
「明日からちゃんと金持ってこいよ」
「解かった..」
石川はとりあえず、これで良い。
「久保田~」
「解っている..ほら1万円はいっている、これで許してくれ」
「まぁ良いよ…哲也は?」
「俺は知らねー…今日も学校に来てねーよ…」
もしかしてもう彼奴、転校手続きが終わる迄…来ないのか。
「そういえば、哲也の親父って家に余り居ないのか」
「そう言っていたよ」
萌子とのデートが終わったら行ってみるか…逃げ得はさせねーよ。
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