伝説の悪党は今の虐めは甘すぎると笑う。

石のやっさん

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クズでもクズなりの恩義はある。

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確か『今の母親』はシュウマイが好きだった筈だ。

今の俺は良治だが、竜二の記憶の方が強い。

だが、良治の記憶もしっかりと残っていて記憶している。

俺の今の母親 郁美は竜二だった時の母親と全然違い良い人だ。

貧乏ではあるが、沢山働いて金を稼いで俺を育ててくれていた。

俺は自他ともに認めるクズだが『養ってくれた親』に恩義を感じない程のクズじゃない。

前の親がクズ過ぎて、今の親とは比べ物にならない…

だが、今の母親が『良治』を愛している…その位は解かる。

俺は善人には絶対になれねー。

俺は俺のやり方で恩義は返すつもりだ。

まぁ、ガキの状態じゃ…大した事は出来ないがな。

確か、今の母親詩織が好きなのは横浜中華のシュウマイ弁当だった筈だ。

これは新宿駅でも駅弁として売っていたから買いだ。

それと服とかは流石にサイズは解らねーし、指輪のサイズも解んねーな。

見た感じだとサイフがかなりくたびれていたから、買ってやるか?

余り高いのを買うと怪しまれるかんな。

コーチャー位のブランドで良いだろう…予算は2万位だ。

これ位なら、虐めっこに立ち向かって『金をかえして貰った』それで済む筈だ。
しかし…哲也にしても久保田にしても石川にしても本当にクズだな。

なんで俺みたいな貧乏人から奪うんだ?

良治もクズだ…母子家庭で金がねーのに、母親が一生懸命働いた金を財布から抜いて渡していたんだからな...そんな事する位なら、死ぬ気で喧嘩しろって言うんだよ。

更に、死ぬなら遺書でも書いて…全員の名前を乗せてからせめて死ねよ。

まぁ良いか?

良治が虐められていたせいで、幾らでも『復讐』のネタはある。

これから更に好き放題出来るから…そこだけは感謝だな。

石川はもう終わりだろう…土地や家の権利証に印鑑証明や実印は普段は使わないから無くなった事にはそう簡単に気がつかない。

彼奴らが行動を起こす時にはもう名義は変わっている。

多分『何も知らないで買い取った、善意の第三者に化ける』だろうから、もう石川家に家も土地も戻らない。

どうしても欲しいなら買い戻すしかねーが、あの雰囲気なら買い戻せねーだろうな。

石川は明日10万持ってきて、後は搾れるだけ搾ったら…もう終わりだな。

家なき子になるし、哲也と違って、家族全員で引っ越すはめになるんじゃねーかな。

次は哲也だ…自分一人で逃げようとした結果何が起こるか…思い知らせてやる。


◆◆◆

「お姉さん、シュウマイ弁当の量が多い方二個と18個入り一つくれ」

「はい畏まりました」

これで弁当は手に入った…あぶねーあぶねー、最後の三個だった。

案外この弁当人気があるんだな。


次はと…

「お姉さん、予算2万円位で30代後半の女性が使う様なサイフで良さげなの頼むわ」

「そうですね、こんなの如何ですか?」

コーチャー独特の模様の入った生地に茶色の皮…こんな所か。

「良いね、これ買いますから包んで下さい」

「はい、お買い上げ有難うございます」

流石、デパートの店員中坊相手にこのスマイル。

プロだな。

さて用事もすんだし、買う物買ったから…帰るか。









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