勇者のハーレムパーティを追放された男が『実は別にヒロインが居るから気にしないで生活する』ような物語(仮)

石のやっさん

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第56話 逃亡勇者

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街に戻って来た俺はすぐに、ギルドに行きお金を降ろそうとしたが…

「カイト様、カイト様の口座には制限がかけられていまして1日金貨2枚(約20万円)までしか降ろせなくなっております」

可笑しい。

昨日まではそんなことは無かった。

「それは可笑しいだろう? 昨日までは普通に降ろせたはずだ」

「はい、ついさっき国からの通達がありました。通常はこう言った制限は冒険者には適応しないのですが、カイト様のお金は国から支払われるお金も含みますので今回は対応させて頂きました」

まさか、こんなに早く俺の失態がばれたのか?


まだ解らない。

「そうか、なら金貨2枚お願いする」

「はい、それでは準備させて頂きます」

待てよ…この街は通達が来ているが。

俺が失敗したのが『バレた』としてもついさっきだ。

他のギルドなら、まだばれて無いかも知れない。

「急いでくれ」

「解りました」

俺は金貨2枚を受け取り、馬を借りて…直ぐ次の街へ向かった。

◆◆◆

「勇者様、そんなに急いでどうなさったのですか?」

俺は隣町に着くと急いで冒険者ギルドに向かった。

「急にお金が必要になった、あるだけ全部降ろしたい」

「あるだけでございますか? ですが小さいギルドなので全額は難しい状態です。2~3日頂ければ都合をつけます」

「そうか…本当に急ぎ必要なのだ。聖杖が売りに出されていて確保したいんだ…急いでくれ」

「そう言う事なら可能な限りのご用意をさせて頂きます」

慌ただしく受付の男は奥に引っ込み指示をしている。

読みは当たったようだ。

此処にはまだ連絡が来ていない。

早く、早くしてくれ。

「勇者様、今日の他の買取や支払いを考えたら、ご用意出来るのが金貨250枚(約2千5百万円)が精一杯ですが、足りますでしょうか?」

「ああっ、それでも助かる。無理言ってすまない」

「解りました。すぐ用意致します」

俺はどうやら賭けに勝ったようだ。

情報が漏れたていたから『監視』がついていた可能性が高い。

此処に来るのに馬を使ったのは正解だった。

馬を借り周りを気にしながら移動したから、恐らくは見失ったのだろう。

しかし、これもリヒトのおかげだ。

『あのカジノ、負けたらその分の支払いは国がして、勝った分は持ち帰られる』

おかげで俺の口座には結構な金額があった。

尤も、今現在、このお金はどうしてか解らないが『国』が関わったお金として止められているが…『勝ち分』は俺が稼いだ物じゃないか?

「勇者様、お待たせしました」

「ありがとう」

俺は金貨を手にしてギルドを後にした。

◆◆◆

暫く、街道を進むと、今迄持っていた通信水晶を俺は森に放り捨てた。

北に進むと『魔王領』

南に進むと『王国』『聖教国』『帝国』

魔王領は無理だ。

王国や聖教国も今後は敵と考えた方が良いな。

そうすると向かうのは西か東か…まぁ良い。

どちらに進んでも同じだ。

取り敢えず西に向かうか…




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