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第48話 俗物勇者 勇者SIDE
しおりを挟む俺達は今、4つ先の街まで来ている。
此処迄進んできた理由は次の『サロン』のある街を目指しているからだ。
此処での滞在を短くして、次の街へ行けば…また『サロン』がある。
勿論、二人が行く『ロマンスクラブ』もある。
あの後、ミルカ、リダと話した所あいつ等も『ロマンスクラブ』という似た施設を利用している事が解った。
多分この施設を自由に使えるのは『勇者パーティ』の特権なのかも知れない。
「ロザリーそれじゃ行こうか?」
「はい、勇者様」
俺にロザリー、彼奴らにアランが加わった日からもう殆ど一緒に戦ってはいない。
移動の時仕方なく一緒に移動しているだけだ。
連携を取るなら、もう少し魔族領に近づいてからで良いだろう。
俺はもうミルカとリダには一切『女を感じなく』なっている。
容姿は只の村娘。
村では綺麗だったかも知れないが街で見ればこの二人より綺麗な女は山程居る。
それに話を聞けば『ロマンスクラブ』という俺が使っている『サロン』みたいな所に行っているのなら、絶対にヤリまくっている…そう言う事だ。
散々他の男に抱かれた中古女等、俺は気持ち悪くて抱く気にもなれないし、将来側室にする気になんてなれない。
しかも、リヒトがいないせいか…なんだかどんどん可愛くなくなる。
「どうかされました? 勇者様」
「いや、何でもないんだ。今日はどんな獲物を狩ろうか考えていたんだ」
「そうですね…この辺りはサラマンダーが生息しているみたいですから、その辺りになると思います」
サラマンダーか…今の俺一人で狩るにはなかなかの強敵だ。
だが、あいつ等と話してノルマを決めたからには狩らない訳には行かない。
「サラマンダーか、なかなかの大物だな」
「大丈夫ですよ! 勇者様は強いんですから、余裕で狩れますよ」
「そうかな?」
「はい! それに私勇者様のカッコ良い所みたいです!沢山狩ってカッコ良い所見せて下さい!そうしたら今日もまた燃えるような熱い夜を過ごしましょう」
「そうだな…俄然ヤル気がでた…俺のカッコ良い所見せてやるよ」
「頑張って下さい! 勇者様」
「ああっ!」
旅の間やサロンが無い街でも『女』には困らなくなった。
夜の相手をロザリーがしてくれるからな。
外見で言うなら、あの二人とは月とスッポン。
勿論、ロザリーが月だ。
ロザリーの初めての相手は俺だった。
あの二人みたいに沢山の男と交わった中古女とは全然違う。
可愛らしくてあか抜けていて、気遣いが出来る。
サロンの女に引けを取らない『本物の美少女』だ。
それに比べたらあの二人は『ビッチな田舎女』
もう戦闘以外…使い道のないゴミ女だ。
ロザリーの言われるままにサラマンダーを狩った。
「ふぅ、どうにか3体狩れたな」
「お疲れ様です、勇者様、これをどうぞ」
「ありがとう」
俺が疲れているのを見て、用意していたレモン水を渡してくれる。
『女子力が高い』
流石にリヒトには及ばないが、二人とは比べられない程、よく気がつく。
サロンがある街はサロンで…無い場所ではロザリーが相手してくれるから『女』に困らない。
次の街にはサロンだけじゃなく『カジノ』もある。
ロザリーを連れてギャンブルをするのも悪くないかもな。
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