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第46話 実はハリボテ
しおりを挟むどうにか上手く切り抜けた。
俺達が戦いに加わっても『ただ死ぬ』だけだって。
確かに、このパーティは人類で2番目かも知れないけど…中身はハリボテだよ。
俺ことリヒト…勇者パーティの落ちこぼれ。特別な力に目覚めていないし…今後も絶対に無い。四職と一対一で戦ったら30分位粘って恐らく死ぬ。
『元勇者パーティで1番弱い男』それが俺だ。
レイラ…勇者の時は強かったが、今や戦いに敗れたせいか『ジョブ』が無くなった。 その結果…俺より若干強い程度。
『元勇者だけど能力を大幅に失った女』それがレイラだ。
そして恥ずかしい話、我がパーティ最強、聖女フリージア。
『だが勇者パーティでは回復役、戦闘力は四職で最弱』それがフリージアだ。
ご覧の通り『肩書』は凄いが実際は役に立たないハリボテ。
それが俺達だ。
だから『絶対に戦いなんて無理』
こんな人間に世界なんて救えない。
馬鹿なの?
滅びたいの?
良く考えて交渉して欲しい…教皇に国王。
それでも…確かに人類の中ではナンバー2なのかも知れんけど。
無駄死にするだけだよ。
だって
魔王>>>>四天王>>>幹部>>上級魔族>全盛期のレイラ>>>>カイト達>>>中級魔族>>>俺達。
これ位は差があると思う。(※あくまでリヒトの考えです)
レイラに詳しく敗北した時の話を聞いたところ…
レイラが負けた魔族は『幹部』を名乗っていなかったそうだ。
つまり…本当は幹部ですら無かった可能性すらある。
下手したら上級魔族だったのかも知れない。
最早この世界には絶望しかない。
カイト達は可哀そうだが、恐らくは敗北する。
その次に強い俺達は、確かにナンバー2かも知れないが…全然戦力にはならない。
だから…『戦ったら負け』
だったら魔族とは無縁な南に向かい。
中級冒険者が余裕で暮らせる位安全な場所で、楽しく暮した方が良い。
そう思っている。
この分だと『聖教国リキスタン』には寄らずグンダール帝国を目指した方が良いかも知れない。
◆◆◆
「リヒトくん、どうしたの?」
「リヒト顔色が悪いよ」
「いや、此処暫く教皇に国王から『戦え』と言われたんだけど…」
「リヒトくん、駄目だって戦ったら死ぬしかないよ」
「今迄私は凄く馬鹿だったわ…レイラが負けたのに私達が勝てる訳ないもの…それでリヒトどう答えたの? リヒトの為なら命位賭けても良いわ」
「どうしてもというのなら私も戦うよ…リヒトくん」
「大丈夫! 安全な場所で怠惰な人生を送るって言いきったから、問題は無いよ」
「そうかぁ~それなら安心だよ」
「流石、リヒト…交渉は凄く上手ね」
「大した事無いよ、ただ上手く逃げているだけだから」
「そうかな? どう見ても15歳に思えない」
「言えているわね、商人のおじさんも、良く言っていたわ」
「そんな事無いよ」
30歳のおじさんからしたら当たり前だ。
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