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第41話 VSフリージア④ SIDEレイラ
しおりを挟むリヒトくんの前に女が現れた。
見た瞬間、悪いけど真面な女の子に見えなかった。
白髪に病的な程青白い肌、目には隈が出来ていて、ガリガリに痩せていて
「リヒト、リヒト、リヒト、リヒト、リヒト、リヒト、リヒト、リヒト、リヒト、リヒト、リヒト、リヒト、リヒト、リヒト、リヒトォォォォー――ッ」
と叫んでいる。
まるでスラムの人間に見える程、病的だった。
ただ、病的ではあるが、よく見れば清潔ではあったから、考えればスラムの人間や乞食ではないようね。
リヒトくんに話を聞けば…聖女フリージアだそうだ。
可笑しい。
今の勇者パーティが負けたとは聞いて無い。
それなのに…なんで聖女がこの状態なのか解らなかった。
倒れてしまったから仕方が無い…そのままリヒトくんと一緒にそのまま宿に連れ帰った。
これでリヒトくんと同じ15歳…
肌があれ、髪はボサボサのせいか下手したら私より年上に見える。
だけど、言われてみれば…顔は若いわね。
そのまま、私達はフリージアにベッドを譲り床で眠っていると…
「リヒトォォォォー-愛しているよぉぉぉぉー-っ」
「フリージアー-っ!何やっているんだ!」
「リヒトくん!…何事?」
フリージアとリヒトくんの声で目を覚ました。
「なにやっているって…リヒト寂しかったんだよね…辛かったよね…だから、私が、私が癒してあげようとしてるの…大丈夫、すぐに気持ち良くしてあげるからね…うふふふっ」
フリージアがリヒトくんに跨って不気味な事を言っていたのよ。
「ちょっと!リヒトくんから離れて!」
そのまま羽交い絞めにして引き離したわ。
「なにするの!おばさん…私は傷ついたリヒトを慰めようとしていただけだわ! 邪魔しないで…リヒトリヒト…今私が癒してあげる…だからこのおばさんに私を放すようにいってよ…ねぇ…愛してあげるから…ううん、愛しているから…」
その目は狂気に溢れていた。
頭が可笑しい…そう思ったけど…この目。
狂気が宿ったこの目…世界が信じられなくなっていた時の私の目に似ていた。
その後、リヒトくんとフリージアは言い争いをし始めたの。
しかも、随分と男遊びをしていた癖にリヒトくんと付き合いたいようだ。
『虫が良すぎる』
随分とまぁSEXを連呼して…やはり頭が可笑しいのね。
「黙って…私はリヒトが良いのよ、うふふっ『身なんて引かなくて良いわ』沢山の男と寝たから解るけど…本当に他の男って薄っぺらいのよリヒトみたいに『ちゃんと愛してくれない』の…ゴミみたいな男ばかりだったわ…だからね、うふふっ『リヒトが真実の愛』を捧げてくれた…だから私、リヒトを愛することにしたのよ…嬉しいでしょう?多分、リヒトとならきっとSEXももっと楽しいと思うのよ…ねぇ一緒に気持ち良くなりましょう」
「確かに、リヒトとのアレは最高だけど…」
思わず、突っ込んじゃったわよ。
だけど、この子…元は随分なビッチだけど…
『リヒトくんが好きなのだけは解る』
この子は『聖女』
私達のパーティ…リヒトくんには必要な存在になる可能性は高い。
私は28歳…リヒトくんと私は親子程の歳の差がある。
ずうっと一緒に居たいけど…歳の差から考えて多分それは叶わない。
私の事が、こんなに好きなリヒトくん。
それが、私が死んだら、1人ボッチになってしまう…
だから、その後も一緒に居てくれる存在が欲しい。
そう思っていたの。
この子は、糞ビッチだけど…狂気をはらむ位リヒトくんが好きなのは解った。
だから…
「仕方ないな、リヒトくんを今日は貸してあげるから、試してみれば?」
これ程の狂気を放つ位リヒトくんが好きなんだから…多分この子はリヒトくんを裏切らない。
しかも、自分から自分が何をしたか告白する位だから…正直な人間、誠実さは良く解った。
これで良い…
そして二人はやり始め…ある程度終わった後に私は突入したのよ。
「本当に性女は冷たいね…これからは一緒のパーティになるんだからさぁ…混ざりに来たのよ…さぁ行くよ」
「ちょっとレイラ…」
「おばさん本気、ハァハァ冗談よね?」
「冗談じゃ無いよ?リヒトくん、私『こっち』を頑張るって言ったよね?ビッチ聖女、私達が仲が悪いとリヒトくんが困るのよ…聖女って立場なら少しは解るでしょう?」
「レイラ…あのな」
「良いから!」
「そうね…解ったわ」
この子はかなり可笑しいけど…頭も悪くないわ。
お互いにリヒトに必要な事が解っているのね。
その後は…3人で随分恥ずかしい事をしたわね。
◆◆◆
夜中に私は目を覚ましたの。
「お月さまが綺麗…」
こうして見ると…ハァ~結構お似合いね。
『二人目は絶対に許さないけど、彼女が居れば…将来私が亡くなった後もきっとリヒトくんは…寂しく無く生きられるわ』
まずは明日起きてから…どんな顔して生活すれば…まぁ良いや。
今は寝よう。
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