勇者のハーレムパーティを追放された男が『実は別にヒロインが居るから気にしないで生活する』ような物語(仮)

石のやっさん

文字の大きさ
上 下
38 / 67

第38話 VS フリージア② 

しおりを挟む


重苦しい空気の中部屋に戻ってきた。

「リヒト…おかえりなさい…」

まるで病人の様なフリージアが痛々しい。

「ちょっと良いかな?」

「おばさんがなんのよう!さっきリヒトを貸してくれるって言ったよね? まさか今更、嫌とは言わないよね?」

「私は『元』だけど勇者だったんだ。約束は守る…だが、糞ビッチ…条件はつけさせて貰うよ」

「糞ビッチ…おばさん、聖女に向かって、よく言うわね」

「そうじゃ無かったら性女かな?」

「まぁ、良いわ…時間が勿体ないから、おばさん、その条件を早く言って」

なんだか、今にでも戦いが始まるんじゃないか?

そう思える程に空気が冷え込んでいる気がする。

「簡単だよ…今回は性女、アンタは暫くの時間は受けになる。それだけだよ…自分から何かするんじゃなく、最初の暫くの時間はリヒトのする事を受け入れるだけ…そこから火がついたら後はもうどうでも良いけどね」

なんでこんな条件をレイラが言っているのか解らない。

「なんで、そんな条件を…まぁ良いわ。暫くの間は私が受けになっていれば良いのね…良いわ」

「そう、それじゃ、おばさんは暫く居なくなるから、リヒトくん頑張って」

「あっ」

幼馴染だぞ、そういう対象に見た事はないんだ。

どうして良いか解らない。

◆◆◆

「どうしたの?リヒトほら、しなさいよ…リヒトからする約束なんだから」

いや、幾らなんでも唐突すぎる。

幼馴染、しかも年下の姪っ子みたいな感覚で接していた奴を簡単に抱けるかよ。

「あの…フリージア、その緊張してそのな、ほら俺達幼馴染で、それにフリージアはその…」

「リヒト…気にしないで良いから…私リヒトが好きだから、それに私はリヒトが思っている程綺麗じゃない、経験も多いし…その前から多分結構『淫乱』の気があったのかも知れない…リヒトだって見た事あるよね…覗いていたでしょう?」

気がつかれていたか。

あれは報告用でそういうつもりじゃないんだけどな。

「あれは…」

「それに私はリヒトが好きだから、リヒトを思って自分でした事があるよ…もうずうっとリヒトだけ思って1人でしていたから…」

もう逃げられないな。

「解った…腹を括るよ…」

「リヒト」

「フリージア、愛しているよ…」

「嬉しいわ…リヒト」

◆◆◆

「ハァハァ…凄いわ…リヒト、やっぱり、リヒトは私の事愛してくれていたのね…私、こんな気持ちになったの初めて…ハァハァ、凄く満足したわ…これが私が欲しかったもの『愛あるSEX』だわ…リヒト、私、貴方の為ならなんでもする…だから一生傍に居てね…お願い」


可笑しいだろう…

沢山のイケメンとしてきたフリージアが俺で満足するわけが無い。

俺は普通にしていただけだ。

なのに…

こんな訳はない。

これは多分、ピロートークだよな。

「もし俺がカイトを殺せって言ったらどうする」

「うふふっ、焼きもち…嬉しいわ…殺すわよ…勿論…ハァハァ」

冗談だよな。

「それじゃ『女神を捨てろ』って言ったらどうする?」

フリージアは聖女だ。

冗談でもこれは言わない筈だ。

「リヒトって本当に焼きもち焼きなのね…ハァハァ、捨てるわよ…本当に女神にも焼きもち焼くなんて…愛しているわリヒト…」

不味い…のでは…

そう思った時ドアが開いた。

「はぁい! 二人とも元気にやっている?あらあら凄いわね」

「レイラ…」

「ハァハァ、おばさん、なにしに来たの!」

これは気恥ずかしい。

なんで此処にレイラが来るんだよ。

「本当に性女は冷たいね…これからは一緒のパーティになるんだからさぁ…混ざりに来たのよ…さぁ行くよ」

「ちょっとレイラ…」

「おばさん本気、ハァハァ冗談よね?」

「冗談じゃ無いよ?リヒトくん、私『こっち』を頑張るって言ったよね?ビッチ聖女、私達が仲が悪いとリヒトくんが困るのよ…聖女って立場なら少しは解るでしょう?」

「レイラ…あのな」

「良いから!」

「そうね…解ったわ」

マジか…

だが、此処迄きたら仕方が無い。

もう何がなんだか解らないが…やるしかないな。

「お手柔らかにお願い致します」

「「うん」」

勇者と聖女だからか…何故か息があっている気がする。

さっき迄仲が悪かったとは思えない位に息があっている。

だが俺にも意地がある。

『女の子を満足させなくちゃ男じゃない』

「むにゃむにゃ…リヒト最高…愛している」

「う~ん、リヒトくん…大好き」

本当に疲れた…俺は前世で30年位は生きた。

だから、前世をなぞって生きたと考えたら30歳。

プラスして考えたら45歳。

いい大人だと思っていたが…この程度じゃ女なんて語れないな。

今となっては顔も思い出せない、上司が『女の中身はいつになっても解らない』そう言っていた気がする。

この位の年齢で解った気になっていちゃいけない…起きてからがまた大変なんだろうな。

取り敢えず今は…このまま眠ってしまおう。

朝が憂鬱だ。





しおりを挟む
感想 44

あなたにおすすめの小説

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!

石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。 応援本当に有難うございました。 イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。 書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」 から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。 書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。 WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。 この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。 本当にありがとうございました。 【以下あらすじ】 パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった... ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから... 第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。 何と!『現在3巻まで書籍化されています』 そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。 応援、本当にありがとうございました!

俺の好きな人は勇者の母で俺の姉さん! パーティ追放から始まる新しい生活

石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが別に気にも留めていなかった。 ハーレムパーティ状態だったので元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、三人の幼馴染は確かに可愛いが、リヒトにとって恋愛対象にどうしても見られなかったからだ。 だから、ただ見せつけられても困るだけだった。 何故ならリヒトの好きなタイプの女性は…大人の女性だったから。 この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。 勿論ヒロインもチートはありません。 他のライトノベルや漫画じゃ主人公にはなれない、背景に居るような主人公やヒロインが、楽しく暮すような話です。 1~2話は何時もの使いまわし。 亀更新になるかも知れません。 他の作品を書く段階で、考えてついたヒロインをメインに純愛で書いていこうと思います。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

救助者ギルドから追放された俺は、ハズレだと思われていたスキル【思念収集】でやり返す

名無し
ファンタジー
 アセンドラの都で暮らす少年テッドは救助者ギルドに在籍しており、【思念収集】というスキルによって、ダンジョンで亡くなった冒険者の最期の思いを遺族に伝える仕事をしていた。  だが、ある日思わぬ冤罪をかけられ、幼馴染で親友だったはずのギルド長ライルによって除名を言い渡された挙句、最凶最悪と言われる異次元の監獄へと送り込まれてしまう。  それでも、幼馴染の少女シェリアとの面会をきっかけに、ハズレ認定されていた【思念収集】のスキルが本領を発揮する。喧嘩で最も強い者がここから出られることを知ったテッドは、最強の囚人王を目指すとともに、自分を陥れた者たちへの復讐を誓うのであった……。

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います

長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。 しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。 途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。 しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。 「ミストルティン。アブソープション!」 『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』 「やった! これでまた便利になるな」   これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。 ~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

道具屋のおっさんが勇者パーティーにリンチされた結果、一日を繰り返すようになった件。

名無し
ファンタジー
道具屋の店主モルネトは、ある日訪れてきた勇者パーティーから一方的に因縁をつけられた挙句、理不尽なリンチを受ける。さらに道具屋を燃やされ、何もかも失ったモルネトだったが、神様から同じ一日を無限に繰り返すカードを授かったことで開き直り、善人から悪人へと変貌を遂げる。最早怖い者知らずとなったモルネトは、どうしようもない人生を最高にハッピーなものに変えていく。綺麗事一切なしの底辺道具屋成り上がり物語。

処理中です...