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第37話 VSフリージア①
しおりを挟む「悪い、フリージア少し、席を外す」
「そうね…パーティの問題だから、良いわよ」
俺はレイラを連れて別室に移動した。
「レイラ、なんでいきなり、あんな事を言うんだ…可笑しいだろう」
「仕方ないじゃない? 話を聞いていたけど、あの分じゃ『しない限り』絶対に離れないわよ?」
「だけど、やったらやったで、それで離れるかどうか…」
「リヒトくん、考えすぎだよ! 話じゃあの子、随分沢山の経験をしたみたいじゃない? しかも、相手は理想の相手ばかりなんだから、案外ガッカリしてそれで終わるかも知れないよ?」
確かにその可能性はあるかも知れない。
だけど、フリージアは俺の予想から大きく外れている。
本当にそれで上手く行くのか解らない…
「確かにそうかも知れないけど…それでもし駄目だったらどうするんだ?」
「それで駄目だったら『沢山の男の中でリヒトくんが一番好きだった』ある意味、それは『純愛』だから受け入れて良いんじゃない? 私は1番ならそれで良いからね」
あれが純愛?
ただの性欲じゃないのか?
「あれが…『純愛』どう考えても性欲じゃないのか?」
「リヒトくんは『娼婦の純愛』という話は知らない?」
なんだ、それ…
俺は知らない話だ。
「それは知らないよ」
「こんな話があるの」
レイラの話は所謂娼婦の恋愛の話だった。
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沢山の大金持ちや貴族の身請けの話を断り…彼女の為に、娼館に通いながら、必死にお金を貯めた貧乏な少年を選んだ。
そんな話だった。
「それとフリージアとどんな関係があるんだ?」
「解らない? 私は男はリヒトくん1人しか知らないし、今後も他の男なんて要らない!だけど、沢山の男に抱かれながらも、リヒトくん1人が本当に好きだったらなら、それも『純愛』なんじゃないのかな?しかも、彼女、態々そんな言わなくても良い情報を態々リヒトくんに教えたんだよ?彼女なりの誠実な対応じゃないかな?普通なら『沢山の男性に抱かれた』そんなマイナスな事言わないよ? 私が逆の立場なら絶対に隠して付き合おうとすると思うよ…」
ロマンスクラブを俺が提案した事は知らない筈だ。
普通に考えれば『黙っていれば解らない』そう考える筈だ。
「確かに、そうかも知れないな」
「そうだよ…それにもし『やったうえ』でそれでもリヒトくんが好きなら、仲間に迎え入れた方が良いよ。少し嫉妬するけどね」
「なぜそうなる。俺はレイラ一人で充分…」
「少し黙って…私だってリヒトくんを独占したままが良いわ。だけど、彼女は『聖女』パーティで考えたら本来は必要な存在だわ。そう思わない? これからどんどん安全な場所に行くけど、このパーティには回復役が居ないわ。例え怪我はしなくてももしもの時に『最高のヒーラー』が居るのよ。安心感が違うのよ…」
勇者ならではの考えなのかも知れない。
「確かに…そうかも知れないけど」
「あはははっ、それに私だって大人の女だから、他の女を抱いた位で、リヒトくんへの気持ちは変わらないから、ちょっと話をしたら、私は出かけてくるから…その頑張って」
何故レイラが…こうもフリージアを抱かせようとするのか?
俺にはどうしても解らなかった。
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