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第35話 新しいパートナー 勇者SIDE
しおりを挟む可笑しい…
なんのお咎めも無かった。
流石に、聖女を失った事は報告をしない訳にはいかない。
だから、連絡をとったのだが…
『失った者は仕方ありません。今後に期待します! 回復役が居ないと不便でしょうから、2名厳選して派遣しますのでご安心ください。すぐに派遣しますので今暫くその街でお待ちください』
『ありがとうございます』
拍子抜けする程に簡単に終わってしまった。
しかしあいつ等、リーダーだからと全部俺に押し付けやがって、本当にふざけるなよ。
まぁ良い、これで問題は無くなった。
ヒーラーも派遣して貰えるし、何も問題が無いな。
◆◆◆
「多少怒っていたが、何も問題は無くなった。俺が頼んでヒーラー2名も派遣して貰える事になった。感謝しろよ!ヒーラー到着まではこの街に暫く滞在だ」
少し位盛って置いた方が良いだろう。
「なにもお咎めが無かったんだ良かった」
「良かった~」
「それで、今後の事なんだが。暫くお互いバラで行動しないか? 具体的には、俺とお前達2人に別れ、週2回ずつ討伐を行う。そして連携の為に1日行動。その他は自由。それでどうだ?宿も互いに別の宿にした方が良く無いか?」
「それじゃ私達メンバー全員が揃って討伐をするのが1日、その他2日間、私とミルカで討伐に行けば良いって事?」
「そう言う事だ」
「まぁそれが妥当だかな、解ったよ」
「ヒーラーが来たらまた考えるつもりだが、当座はこれで行こう…それじゃぁな」
「解った」
「うん」
これで、此奴らと顔を合わせるのは週1回になった。
本格的に魔族領に入るまではこれで良いだろう。
リヒトの作った『楽しい夜の冒険のしおり』には他にも娯楽や情報があった。
それを楽しむのに、此奴らは邪魔だ。
さて、今日もサロンに行くか。
そういえば、別にリヒトの書いたしおりには『VIP専用カジノ』とかもあったから、今度行ってみるか。
◆◆◆
それから暫くしてヒーラー2名が俺達の所に派遣されてきた。
「アランと申します。宜しくお願い致します」
ミルカとリダの顔が完全にメスの顔に変わったのが解る。
多分『そういう意味』も含んでいる様な気がする。
「凄く美形だな…カッコ良い」
「うんうん、凄く凛々しい」
「一応、聖白銀騎士団に所属していました。尤も回復役で後衛だったので剣の腕はそこ迄では無いですが、一応は自分の身は守れます。宜しくお願い致します。剣聖様、賢者様」
「ほほほ、本物の聖騎士…あっでも剣はそこ迄じゃないんだ。大丈夫私が守ってあげるから」
「うんうん、私も攻撃呪文で守ってあげるよ」
なんだか、薄気味悪い位に雌顔になっている。
此奴らもう、何処にも恥じらいが無いな。
リダなんて今、舌なめずりしたぞ。
「私の名前はロザリーと申します。修道院育ちなので教会から余り出たことはありません。これからはお世話も頑張りますので宜しくです」
可愛い…金髪でたれ目で可愛らしい、俺好みの女だ。
このヒーラー、絶対に『サロン』と同じ様な意味があるような気がする。
結局はフリージアが居なくなって良かったじゃないか。
「それじゃ、アランはリダとミルカの方、ロザリーは俺の方に…それで良いか?」
「勿論! それじゃアラン、私達と行こう」
「そうだね、うんアラン行こう」
「はい」
これで完全に戦闘以外は暫くは別行動だな。
「それじゃロザリー行こうか? 今日はゆっくりして明日は俺の討伐の日なんだ、つきあってくれ」
「はい」
結局、全て丸く収まっている。
もし、アランやロザリーが役に立つなら…もうリヒトの事も考える必要は無い。
少し上手くいきすぎている気もするが…まぁ気のせいだよな。
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