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30話 親友ではなく恋人ではない。そんな幼馴染に俺が出来る事

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苦肉の策で考えた『サロン』に『ロマンスクラブ』は上手くいっているだろうか?

運営は俺がしている訳でないから良く解らない。

もし、幼馴染が本当の意味で『純潔』であれば、あんな物は考えなかった。

だが、全員が『不純』だった。

毎日の様にギシギシアンアンが聞こえて来ていたからな。

尤も勇者パーティだから、最後の一線は超えては居ないが、悪いが覗かせて貰ったよ。

まぁそれ以外は『全部やっていた』な。

複数を相手にするのはどうかと思うが、この世界15歳なら『やっていて当たり前』だ。

農村部なら15歳で成人結婚、嫌な話『三年子無きは去れ』なんて場所もあるから同世代の人間は『ヤリまくっている』そんな時期だ。

だから、ああなるのも無理もない。

だからこそ考えた施設だ。

ただ、あの施設には、国も気がついて無い、俺なりの思いが1つある。

それは『情に訴える』事だ。

もしカイトが妊娠させた女性が居て、子供が出産され、母親になったら『カイトに情が沸かないだろうか?』

幾ら短い間とはいえ、体を併せて子供が生まれたら、子供の父親を『犯罪者』にはしたくないだろう。

男だって同じだ、自分が抱いた『特別な女』に少しは情が沸くはずだ。

誰だって自分が努力の末抱いた女を犯罪者になんてしたくない筈だ。

殆どの勇者パーティはある意味清廉潔白でストイックだった。

レイラも同じで清廉潔白だった為、貴族や王族に彼女を庇う存在が無く、その上で貴族に縁がある仲間を死なせたから、重罪になった。

そこから考えたのがこの作戦だ。

『もし、勇者やその仲間が貴族にとって犯罪者にしたくない相手だったら』

多分、レイラの時の様な裁判にはならないだろう。

『勇者の子』を授かった娘やその家族は『その価値』を落としたくないから庇う筈だ。

自分が抱いた女が奴隷になるのはきっと忍びないから庇う筈だ。

正直この俺の読みが何処まで通用するか解らない。

だが、有力者と関りを持つことで、少しは不幸を遠ざける事が出来るような気がする。

『俺の頭ではどんなに考えても、魔王にカイト達が勝てる未来は見えなかった』

その中で俺が何を出来るのか?

そう考えた末俺は

1. 敗北迄極力楽しい思いをして貰う事。
前世でいう高級キャバクラにホストクラブ…そして風俗まで用意したんだ。楽しく無いわけ無いよな。

2. 敗北後、酷い目にあわない様にする事
サロンとロマンスクラブのもう一つの顔は身分のある者に『情を抱かせれる事』だ。自分が肌をあわせた相手には情が沸く、そこに賭けた。

この二つが俺の精一杯だった。

綺麗な美少女や美少年と酒を飲み、ヤレる生活。

まるでバブルの頃にキャバクラやホストクラブに自由に通って、その後の風俗まで経費で落とす。

そして、仕事で失敗しても役職者とのパイプがあるから酷い事にならない。

我ながら、そこそこ良い仕事はしたと思う。

あとは『死なないでくれ』と祈るだけだ。

こればかりは俺にはどうする事も出来ない。

親友でもなく恋人でもないから命までは掛けたくはない。

だが、幼馴染として出来る事は精一杯やった。

前世の俺はスーパーマンじゃなくてサラリーマンだ。

だから、悪いがこれが限界だ。

此処からは…自分で頑張ってくれ。

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