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第20話 楽しい夜の冒険のしおり SIDEカイト

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リヒトが居ないから自分の持ち物の管理は自分でしなくてはならなくなった。

仕方なく自分の収納袋に久々に手を突っ込んだら、またしても小冊子が出てきた。

小冊子には『楽しい夜の冒険のしおり カイトへ』そう書かれていた。

内心、また仕事が増えたらと恐怖を覚えながら開いてみたら…俺にとっては天国みたいな話ばかりが書かれていた。

リヒトって何者なんだよ…出来すぎだろう。

書いてある内容は殆ど娯楽についてだったが、その中に、

『3.夜の生活、性的な事で困ったら』そういう項目があった。

注意:勇者の子供は、先々でトラブルになるから種付けは慎む事。
   娼婦、娼館はもっての他、そして仲間を妊娠させるのも大問題。

そんなのは解っている。

俺達4職は聖なる存在。

だから避妊紋も刻めないから『やれない』

万が一妊娠でもさせたら出産まで戦えなくなるからイチャつく位しか出来ない。

さすがのリヒトもこれは解決でき…なんだこれ。

『もし、女が抱きたくなったサロンにいく事』

なんだ、このサロンって言うのは…

説明文があった。

サロンとは…

王侯貴族等やセレブ専門の高級娼館で、口が堅く外に一切の醜聞が出ることは無い。お酒から性的な事迄全て扱っており、最高の女性が揃っている。
女性は避妊紋を刻み性病検査を行われているから安心。
※勇者の使用は認められているが、費用は王国が払うので行く回数は考えて使用する事。

と書いてあり、場所の住所まで書いてあった。

◆◆◆

そしてこの街にもサロンがあると解り俺は来たのだが…

「ようこそ!勇者カイト様、紳士の社交場サロンにようこそ!」

「此処は一体…」

「此処はVIPやセレブが楽しみ為の設備です。システムは…」

説明内容はリヒトの冊子に書いてある通りだった。

しかも、此処の支払いは勇者なので全てリンドール王国が支払ってくれるそうだ。

前にリヒトが『少しは慎んだらどうだ、大きな街についたら羽目外させてやるから』と言っていた。

てっきり俺が羨ましくて、小言で言っていたのかと思っていたが『これの事だったのか』

「すごいな」

まるで貴族の屋敷の様にゴージャスだ。

「此処は紳士の社交場、女性もそれなりのランクの者しかおりません。まずはお酒と会話をお楽しみください…その後は」

「その後は(ゴクリ)」

「勇者様の思いの通りでございます」

執事の様な男がニヤリと笑った。

俺は…言われるままに席についたのだが

エルフにダークエルフをはじめとする、普通では考えられない美女が俺の席についた。


「シャンパンでよいですか?」

「ああっ任せる」

どう見ても、高級なシャンパンというお酒に一流のシェフの作ったおつまみが出されていく。

「勇者様、かんぱぁ~い」

「勇者様ぁ、私と今夜は一緒に過ごしましょう!もう一晩中寝かせないからね」

「ひどぉーい! 勇者様は私の方が良いよね」

「こういう時には少し遠慮する物よ! もっと慎み深くしないと駄目よ…勇者様今夜の相手は私をご指名してくれませんか?」


こんな美味しいお酒も食べ物も食べたことは無い。

そして傍にいる『凄い美女達』

信じられないような夢の様な世界がそこにあった。

言いたくは無いが、此処の空間には『幼馴染』以下の容姿の者はいない。

『本物の美女』しかいない。

綺麗で美しく、良い匂いがする女ばかりだ。

そして、そんな女が皆で俺を取り合っている。

夢のような光景だ。

俺は高級なお酒とおつまみを楽しみながら美女との会話を楽しんだ。

「全員、凄い美人だ、綺麗すぎて俺には選べないよ」

そこからは何を話していたのかもわからない。

ただただ、気持ち良く、美女にお酒におつまみを楽しんだ。

◆◆◆

「もう朝か?」

気がつくと朝になっていった。

俺のベッドには二人の美女が裸で横たわっている。

一人はエルフで、もう一人はダークエルフだ。

二人を指名して夢の様な時間を過ごした記憶がある。

こんな最高の『初体験』を終える幸せな男はそうは居ないだろう。

これが『最高の女』なのだと言うのが良く解った。

もう、フリージア達三人に女を感じることは無い。

ただ『戦うだけの仲間』にしか思えないな。









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