勇者のハーレムパーティを追放された男が『実は別にヒロインが居るから気にしないで生活する』ような物語(仮)

石のやっさん

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第9話 眠れない

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「これ凄く恥ずかしいんだけど…」

「しかし、この義足は無いな、もう少し真面な物はないかな」

「これ凄くスカートが短いんだけど、おばさんには似合わないと思う!」

「義手も必要だよな?…義手と義足をどうにかしないとな? レイラ何処が似合わないんだよ! 凄く綺麗で可愛らしくて、似合っていると思うよ。それに、それは寝巻変わりだから、良いんじゃないかな?」

「ううっ…嘘はやめて、こんなの私みたいなおばさんに似合う訳ないわ」

確かに、年齢を指定しなかったせいもあるが、若い子が着るような短いスカートの服だ。


だけど、俺にはそれが凄く似合っている様に見える。

お風呂に入っただけで、特に何か手入れをしていないのに…

綺麗なシルバーブロンドのセミロングの髪は風が吹いたら靡くんじゃないかと思える位に綺麗だ。

少し赤みかかった瞳は神秘的だし、肌は本当に白い。

透き通るような白い肌とはこう言う肌を言うんだ。

これに比べたら色白の女優ですらくすんで見える。

そして手足が長くてしっかりとした凹凸のある体。

幼馴染のナインペタンや、ようやく大きくなりだしたような物とは違う。

お風呂に入るだけでこれだ。

やはり、凄い美人にしか俺には見えないな。

「良く似合っているよ! 凄く綺麗だ」

「何処が似合っているって言うのよ!」

「髪が凄く綺麗だし、手足はすらっととして綺麗、それにその瞳、凄く神秘的に赤く…」

「あ~あっ…もう良いわ!リヒトの女の趣味が悪いのは良く解ったから、おばさんの私にこんな格好させるなんて、変態だよ」

確かにこの世界の男にはそう見えるのかも知れないな。


だが、俺は違う!

28歳の脂の乗り切った最高の美女。

しかも現実離れした容姿の女性にしか見えない。

ミニスカートも凄くセクシーに見える。

「そんなこと無いって、凄く似合っているし綺麗だよ! 所で義手や義足って何処で売っているのかな?」

「私に聞いて解かると思う?」

「思わない」

勇者程、常識が養われない仕事は無い。

勇者のジョブを含み『四職』のジョブ持ちは、ひたすら魔王討伐だから『勉強したり、常識を身に着ける時間が少ない』聞くだけ野暮だな。

「所で義手や義足も買ってくれる気なの?」

「当たり前じゃないか? そのままじゃ生活しにくいだろう?」

「え~と、私は奴隷なんだけど?高価な物なのに良いの? 詳しくは知らないけど。義手や義足って高いんじゃないの?」

前世の記憶から考えても高そうだな。

その前に、こんな中世みたいな世界で真面な義手や義足があるのか?

そっちが疑問だな。

「解らないけど、買う位の余裕はあるから…任せておけ」

「そう、何だか悪いね! それでリヒトは私に何を望むのかな?」

「望むって…別に」

「そんな事無いんじゃない? 奴隷を買うという事は目的があって買うんだよね? 何も目的も無く買わないわ!」

「確かにそうだ」

「もしかして、マザコンのリヒトは…夜のお相手として私を買ったんだったりして? そうか…だからこんな若い子しか着ないような服を着せるのかな?」

「マザコンじゃない。だけど、レイコンではあるかもな」

「野菜の名前?」

「それは大根」

「死んでしまった人間の魂」

「それは霊魂…あっ読み方はあっているね」

「だったら、なに」

「レイラコンプレックス…だからレイコン」

「あははっ!レイラコンプレックスだからレイコンかぁ~。リヒトがいうとそれっぽく聞こえるから不思議だよね~」

少しは気が晴れたみたいだな。

多分、これが素なのだろう。

「もう気持ちは伝えた…あとはレイラがどう思うかだ」

「私? まぁ良いわ。もう勇者でも無いし、今はただの奴隷だからね。だけど、リヒト…私どう考えても私の歳は貴方のお母さん位だよ? リヒトが筋金入りの年上好きなのは解ったけど良いの?」

「もういいや、俺は本当に年上好きだよ」

「そう…それなら良いや。マザコンが治る迄付き合ってあげるよ…というか、その前に私、犯罪奴隷だからリヒトと離れられないけどね」

「そうだな」

「それで…今日はどうする? もう遅いからそろそろ寝るんでしょう?それじゃ一緒に寝ようか?」

「え~と」

「リヒト顔を赤くして、まぁ貴方が私の事、本当に好きなのは解るよ?だけど…そうじゃ無くてそのね」

「あっそうか」

義足は外したままだから、1人じゃトイレにも行けない。

だからか…

「ごめん」

「まぁ良いって、それじゃお休み」

「お休みなさい」

誰かの横で寝るなんて久しぶりだ。

しかし…これじゃ眠れないな。





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