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第8話 『平凡な幸せ』で良い
しおりを挟む小さい頃から思っていた事がある。
この世界での『人間の命は軽い』
普通に生活しているだけでも前世に比べて凄くリスクがある。
魔物に襲われて死ぬ。
盗賊に襲われて死ぬ。
貴族の機嫌を損ねて死ぬ。
死ぬ理由が沢山ありすぎる。
子供の頃に両親を亡くした俺は、残りの人生はこの『リスク』が遠ざける生活を常に考えていた。
尤も親が亡くなった後、世話になったジミナ村長に頼まれて仕方なく勇者パーティに着いていく事になったけどな。
折角だからと『レベリング』をしていた。
勇者達が戦っている傍に居れば原理は解らないけど『おこぼれの経験値』が貰えレベルが上がる。
これで充分。
俺は魔王はおろか魔族とも戦うつもりは無い。
カイト達勇者パーティが北に進み魔王城に向かうなら、俺は南に進み魔王とは無縁の地を目指す。
魔王城を拠点として一番近いのはリンドール王国 ついで聖教国リキスタン、グンダール帝国と大国が3つある。
絡め手で回り込みでもすれば別だが、グンダール帝国に来るにはリンドール王国、そして聖教国リキスタンを倒してからじゃ無いと来れない。
ならば、俺は南に進み、此処からリキスタンを超えグンダールを目指す。
そしてグンダール帝国でも危ないと判断したらさらに南に進む。
それだけで幸せに成れる。
それに北の魔王が住む地から離れれば離れる程魔物や魔族は弱くなる。
つまり、南の地に住む魔物は『弱い』
だから、勇者パーティでレベリングをし北で戦っていた俺なら、南の地で戦うなら、余裕だ。
大体にしてこの世界は歪なんだ。
今は魔族と人類で戦争中なんだ、かなりの人が普通に幸せに暮らしている。
俺の前世では『戦争は国が真剣』にやっていた。
沢山の軍隊、それこそ万単位の兵隊を送り込んでいた。
特に俺が住んでいた国では『1億全員火の玉だ』と国民全員で戦争に参加した歴史もあったらしい。
参加しない者は非国民扱いだったと聞く。
この世界の可笑しさが解るだろう?
だって、基本的には大きな街は大きな被害が無い。
騎士団を率いて戦うのではなくたったの4人の勇者パーティ+αで魔王城に攻め入って戦うって…
前世から考えれば…只の馬鹿だ。
『アホらしい』
魔王だ魔族だ…騒ぐだけ騒いで、戦っているのは『勇者パーティ』と一部の人間だけだ。
恐らく全人口の1/10も戦っていれば良い方だ。
だから、俺は『魔王や魔族に関わらない』9/10になる。
そして…関わらないで済む、南の地へ向かうの事を常に考えている。
◆◆◆
それに加え俺には野望が無い。
貴族、領地…要らないな。
名誉…なにそれ美味しいの?
車…この世界には無い。
家…小さい家で充分というか異世界は貧乏でも家がでかい。
そんな俺が唯一欲しいと思うもの…それは『愛』だ。
綺麗な妻を娶る…それ以外は要らない。
これは『前世からの人生で完成された考えだ』
他の人間はどう考えるか解らないが『お金』『権力』『美貌』もそこそこしか興味が無い。
生活が普通に出来れば問題は無いな。
綺麗な嫁さんが居たら…他は並みで良い。
『平凡な人生、平凡な幸せ』それが一番だ。
俺は…そう思う。
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