7 / 67
第7話 お風呂
しおりを挟む「かなり、うなされていたから起こそうとしていたんだ」
「そう、ありがとう…私、今でも目を瞑ると仲間が殺されていく姿や自分が無力で真面に戦えずに手足が斬り落とされ、動けなかった私を見てあざ笑う魔族を思い出すのよ」
普通に生きていて、これ程の恐怖はまず味わない。
トラウマになるのも当たり前だ。
「怖い思いをすれば、忘れられないのは当たり前の事だよ」
「だけど、そのせいで、今でも、体が恐怖で動かなくなるのよ…多分、手足があったとしても…恐らくは戦えない」
目の前で仲間が殺されて、それを助けられず、自分は手足を失う。
体が戦いたくないと拒絶するのも当たり前だ。
だが、それで、何故生き残れたのか解らない。
レイラ以外が皆殺しにあい、レイラは無力化されている。
その状態で…何故生きて帰ってこられたんだ?
「…あの」
一瞬目を逸らしてレイラがポツリとつぶやいた。
俺が何を言いたいのか解ったのか、レイラが話し始めた。
「…見せしめだって…全員殺すより…ううっ…惨めな私を晒す事で…だから私…」
レイラはそう言うと、泣きそうな顔で毛布をとり背中を見せた。
背中にも沢山の傷があった。
「片足、片手になって戦えない私を…」
◆◆◆
「ふはははっ、逃げろ、逃げろ、逃げろー――っ」
「ううっ…」
仲間を殺され、片手片足になり、戦意喪失したレイラはひたすら逃げた。
だが、その魔族はレイラを追い回し、捕まえると背中を斬りつけた。
「きゃぁぁぁぁー――っ」
「はら、逃げろよ…逃げきれたら助けてやるから」
「ハァハァ…助けて」
「ほらチャンスはやっただろう? 頑張って逃げるんだな」
「嫌ぁぁぁぁー――っ」
背中に傷が無数についた時…ようやくレイラは解放された。
「何が勇者だ…ダダのゴミだな…もう殺す気にもならねー頑張って生きるんだな」
そう言い残すと…魔族の幹部は去ったそうだ。
◆◆◆
「何故、魔族の幹部はそんな事を…」
「解らないの?」
そうか…そう言う事か?
仲間が殺され、背中に無数の傷がある。
その傷なら誰もが考える。
『仲間を見捨てて逃亡した』と。
「逃亡したように見せかける為か?」
「本当の理由は解らないけど、私もそう思うわ!」
そして…その魔族の考えは正しく、レイラは『逃亡勇者』として地獄の様な日々を過ごし犯罪奴隷になった。
「俺達が思っている以上に狡猾な魔族が居るんだな」
「でもね、あの魔族の策は見事だわ…まぁこの歳だし、手足が欠けて顔に傷があるから、凌辱みたいな事はされ無かったけど、扱いは家畜みたいな物だったわ…投獄されて、食べ物も碌に与えて貰えず、最後にはあのオークションよ…恐らくあそこで落札されなければ『廃棄』されて処分されていたわ」
壮絶過ぎて何も言えないな。
「そうだな…」
「そうよ…皆の為に頑張っていたのに最後はこれよ! もしかしたらあそこで落札されないで『廃棄奴隷になって死んでいく』そこまで仕組まれていたかもしれないわね。うふふふっ笑えるでしょう?魔族だけじゃなく、たった1回の失敗で人間からも嫌われちゃったんだよっ!わたし」
この位の事は想像がつく。
これが人生最大のギャンブル『魔王討伐』に失敗した姿だ。
勝利すれば『爵位が手に入り、王女との婚姻が舞い込む』そして負ければ『居場所さえも全部失う』嫌な言い方だがそういうギャンブルだよ『魔王討伐』なんてな。
しかも、このギャンブルは勝手に指名されて逃げられない。
「レイラが辛かったのは、俺でも解る。だが、もう終わった事だしもう良いんじゃないか? 取り敢えず今は、風呂にでも入ってさっぱりしようか? その後で幾らでも話は聞くから」
「そうね、分かつたわ」
そう言うとレイラは毛布を取った。
「…それじゃ、まずは義足を外そうか?」
「そうね…それじゃ頼むわ」
右足の膝から下が無いから布切れで固定された義足を外さないといけないのだが…今のレイラは全裸だ。
目のやり場に困ってしまう。
ドキドキ感を押さえて、固定しているボロ布を解いて外しに掛る。
「バッチこーい」
どうやら、心はおじさんでも体や精神の一部はこの体に引っ張られるようだ。
「どうしたのかな? 私が1人じゃこう言う事出来ないのはちゃんと伝えたよ」
「それは解っているから、簡単な介護は出来る」
「それなら、どうしたのかな?」
好みの女性が全裸の状態でいれば誰だって緊張位するだろう。
「…何でもない…こう言うのは両親で少しは経験がある」
頭の中で前世で聞いた、お経を唱えながら義足とも言えない足についている棒を外した。
そして、そのままレイラをお姫様抱っこして風呂場へ運んだ。
「まさか抱っこして貰えるとは思わなかったわ!どう、おばさん重く無いかな?」
重くないと言えば嘘だ。
手足が1本ずつ無いとは言え鍛えぬいた体は重い。
だが、そんな事をいう必要は無い。
「そんなに重くないよ…」
それより、色々と密着していて、そちらの方が気になる。
精神はおじさんでも体は10代。
反応が出ていて、それが怖い。
「それなら良いけど? 無理しないで良かったのに。肩を貸して貰えれば歩けるから」
「そう? だけど、もう着いたから」
そのまま、あらかじめ、ぬるめに沸かして置いたお湯の中にレイラを優しく降ろした。
傷の治療は終わっている。
だが、見て解る位にレイラは汚れているから、ふやかした方が良い。
そう思ったからだ。
「少し沁みるけど、お湯は気持ち良いな。久々に浸かったから余計そう感じるのかな」
「そう?それなら良かった。それじゃ洗っていこうか?」
思った以上に体が汚れているから、湯舟の中でそのまま洗う事にした。
「本当に悪いね? しかし良く、こんな奴隷買ったもんだよ。こんなに手間暇が掛かるのに…」
「それは解っていて買ったから、気にしないで良いから。それじゃ頭から行くよ。どこか痒い所は無い?」
「へぇ~随分と手慣れたもんだね。凄く上手いじゃない。あっその辺、そうそう、そこが凄く気持ち良いわ」
「少しは経験があるからね。気にいって貰ったなら良かった。それじゃ流すから」
しかし1度流した位じゃ綺麗にならないな。
「そう? へぇ~慣れたもんだね? それでなんで私を買ったのかな?」
レイラが納得しそうな理由。
あるにはある。
「もう10年くらい前かな、レイラの事が好きで『結婚したい』そんな事言っていたガキが居た…そんな記憶は無いかな?」
レイラは勇者だ。
普通にモテる筈だから、多分俺以外にも沢山そういう事いう子供は居た筈だ。
だから誰かなんて解らないだろうな?
「ふぅ~気持ち良い、あんがとね。そう言えば居たね。なかなか可愛い子だったけど鼻水垂らしながら『好きです。大きくなったら結婚して』だったかな?記憶にあるけど? それがどうかしたの?」
「その鼻水垂れが俺だからな。風邪で熱があったけど、勇者が来ると聞いてフラフラしながら見に行ったんだよ。しかし勇者のレイラが良く覚えていたな」
「覚えているよ!10年前と言えば私も18歳、そろそろ行き遅れに指が掛っていたからね。もし、あの時に貴方が15歳だったら『だったら魔王討伐が終わるまで待ってて』となったかもね?」
※この世界の寿命はお約束の50歳~60歳の設定です。
「まぁ5歳のガキだから、無理なのは解っていたよ。詳しい事情は話したくないけど…その時からファンなのは確かだよ」
「へぇ~貴方、もしかしてマザコンだったりするのかな?5歳の時に18歳、普通に母親の年齢だよね? 解った。貴方は、え~と」
「リヒト」
「そうそう、リヒトはもしかして母親代わりが欲しくて私を買ったのかな? まぁ子供は産んだ事も無いし、その前の経験も無いけど?それで良いなら、なってあげても、あははっ奴隷だから当たり前かな」
「ほら、髪は終わったから、次は背中だね、少し間開けて。俺は言っておくけどマザコンじゃない。まぁ年上好きは認めるけどね」
「へぇ~若いのに変わっているね。だけど、女の趣味悪すぎだろう?私の場合は、物凄く年上で背が高くて傷者。もし若かったとしても『ゴリラ女』とか馬鹿にされている位だったよ? 勇者じゃ無ければ男なんて寄って来ない位酷い体だよ」
随分、打ち解けて来たのか話し方が変わって気がした。
案外、これが素なのかな。
だけど…頬に大きな傷はあるが、シルバーブロンドの綺麗な髪と赤み掛かった美しい瞳は神秘的で凄く綺麗に見える。
肌はまるで陶磁器の様に綺麗な白だ。
確かに背は高いけど『ゴリラ』は無いな。
というか、異世界にもゴリラいたのか?
「そう?俺には色白で背が高い綺麗なおねーさんにしか見えなかったけど?」
「リヒトが可笑しいんだよ! 背が高い女だけで嫌う男が多いのに…まぁ良いや。リヒトが女の趣味が悪いのは解ったよ」
違うと言いたいけど、確かこの世界。
背が高い女性はモテない。
それは聞いたことがある。
「兎に角レイラは俺の好きなタイプの女性だと言うのは本当だから」
「そう、あんがとね…まぁ、解るよ…それ見れば…」
俺はレイラの指先を見ると顔が赤くなった。
「これは生理現象だから…ゴメン」
俺はすぐに水を三杯浴びて鎮めてから、レイラの体をどうにか洗い終えた。
55
お気に入りに追加
854
あなたにおすすめの小説

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。
応援本当に有難うございました。
イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。
書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」
から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。
書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。
WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。
この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。
本当にありがとうございました。
【以下あらすじ】
パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった...
ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから...
第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。
何と!『現在3巻まで書籍化されています』
そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。
応援、本当にありがとうございました!

俺の好きな人は勇者の母で俺の姉さん! パーティ追放から始まる新しい生活
石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが別に気にも留めていなかった。
ハーレムパーティ状態だったので元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、三人の幼馴染は確かに可愛いが、リヒトにとって恋愛対象にどうしても見られなかったからだ。
だから、ただ見せつけられても困るだけだった。
何故ならリヒトの好きなタイプの女性は…大人の女性だったから。
この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。
勿論ヒロインもチートはありません。
他のライトノベルや漫画じゃ主人公にはなれない、背景に居るような主人公やヒロインが、楽しく暮すような話です。
1~2話は何時もの使いまわし。
亀更新になるかも知れません。
他の作品を書く段階で、考えてついたヒロインをメインに純愛で書いていこうと思います。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

救助者ギルドから追放された俺は、ハズレだと思われていたスキル【思念収集】でやり返す
名無し
ファンタジー
アセンドラの都で暮らす少年テッドは救助者ギルドに在籍しており、【思念収集】というスキルによって、ダンジョンで亡くなった冒険者の最期の思いを遺族に伝える仕事をしていた。
だが、ある日思わぬ冤罪をかけられ、幼馴染で親友だったはずのギルド長ライルによって除名を言い渡された挙句、最凶最悪と言われる異次元の監獄へと送り込まれてしまう。
それでも、幼馴染の少女シェリアとの面会をきっかけに、ハズレ認定されていた【思念収集】のスキルが本領を発揮する。喧嘩で最も強い者がここから出られることを知ったテッドは、最強の囚人王を目指すとともに、自分を陥れた者たちへの復讐を誓うのであった……。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

道具屋のおっさんが勇者パーティーにリンチされた結果、一日を繰り返すようになった件。
名無し
ファンタジー
道具屋の店主モルネトは、ある日訪れてきた勇者パーティーから一方的に因縁をつけられた挙句、理不尽なリンチを受ける。さらに道具屋を燃やされ、何もかも失ったモルネトだったが、神様から同じ一日を無限に繰り返すカードを授かったことで開き直り、善人から悪人へと変貌を遂げる。最早怖い者知らずとなったモルネトは、どうしようもない人生を最高にハッピーなものに変えていく。綺麗事一切なしの底辺道具屋成り上がり物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる