6 / 67
第6話 俺の好み
しおりを挟む
取り敢えず、余り人が居ない小さな公園のベンチ迄きた。
もし、レイラの四肢が健康な状態なら、このまま公衆浴場に直行してお風呂に入って貰い、俺が下着や服を買ってくる。と言うのが理想だが、今のレイラにはそれすら難しい。
だから、もう少し話をしようと思った。
こんな状態のレイラを酒場やカフェに連れていく事は出来ないし、宿屋に直行も誤解されそうだ。
公園という選択は間違ってない気がする。
だが、いざ横に座ってみると、なにから話して良いか解らない。
ただ、目が合うだけで心臓のドキドキが止まらなくなる。
『やはり幼馴染とは違う』
あいつ等も巷では美少女と言われていたけど、どうしてもガキにしか思えなくて、こんな気持ちには成らなかった。
「そんなに見て、今買って損した。そう思っているんじゃないですか? オークション会場じゃ遠目だから、気がつかなかったかも知れないけど! 私、結構なおばさんでしょう?『綺麗』とか『理想』なんて言われる女じゃないよ。貴方より貴方のお母さんやお父さんの年齢に近いはずよ。それに顔には大きな傷があるし、手足なんて、これだからね」
そう言うとレイラは、木の棒にしか見えない義足をばたつかせて見せた。
顔の傷だが、前世、俺の生きた昭和という時代には『顔に傷がある美少女』は結構居た。
スケバンという女の不良がいる時代で、その中でも凶暴な奴はカミソリの刃を武器に使う。
良く『二枚刃の京子』とか『二枚刃の明美』とか『二枚刃』を自分の名前の前につけるスケバンは人差し指と中指、中指と薬指の間にカミソリの刃を挟んで2枚の刃で『人の顔を斬る』事を得意としていた。
こうすると、片方を縫っても片方の口が開くから醜い傷跡が残るんだ。
だから、不良の女の子で顔に傷がある女の子も多かったし、『可愛い』『綺麗』な女の子は、やっかみからスケバンに『顔を斬られる子』も結構な数居た。
だから…そこ迄気にならない。
実際に俺の子供の頃のヒーロやヒロインには顔に傷があるキャラも多かったしな。
「レイラは顔の傷や、手足を気にしているかも知れないけど、俺はそこ迄気にならない。勇者だったから解らないかも知れないけど、普通に冒険者をしていれば、怪我する事もあるし命すら落とす事だってある…そう珍しい事じゃない」
これで良い筈だ。
これなら普通に納得してくれるだろう。
「確かにそうかも知れないわ。だけど私は奴隷ですよ?わざわざ顔に傷があって手足が不自由な人間選ぶわけ無いじゃないですよ? しかも、貴方みたいな若い子が…こんなおばさん…なんで買うんですか? お話しましたが、お世話が必要なのは…私です…片手片足だから、生活するのに人の手を借りないと生きていけないんです! 見た感じ、特に女性に不自由するように見えませんが、なにかあるんですか」
これは幾ら話しても押し問答にしかならないな。
今は、なにを話しても駄目かも知れないな。
「信じて貰えないかも知れないけど、俺にとってレイラは好みの女性だ。それは、これからの生活で知って貰うよ」
「強情ですね! こんなゴミみたいなおばさんに、まだ言うんですか? もう良いですよ、犯罪奴隷ですから、私は貴方から離れることは出来ませんし1人じゃ生きられませんから、若い子がなんで私を買ったか知りません。貴方の人生を汚したくなかったのに…もう知りませんから」
「もう、その話は今は止めようか? それでレイラはお風呂は1人で入れるの?」
「ごめんなさい…」
普通に考えてそうだよな。
「それじゃ…あのその…なんだ、宿屋に行こうか?」
「はい」
別に下心は無いけど、凄く緊張するな。
◆◆◆
宿屋についた。
最初、宿屋の主人はレイラをみた瞬間嫌な顔をしたが、俺が黙らせた。
まだ、冒険者証を更新していないから、俺の冒険者証は『勇者パーティ』のままだ。
これを見せれば大体の事は問題ない。
「お金には余裕がある。お風呂がついた良い部屋でベッドが二つある部屋を頼むよ」
「畏まりました。お風呂付の部屋だと1日当たり銀貨1枚になりますが宜しいでしょうか?」
現金な物だ。
高い部屋を頼むと急に笑顔になるんだからな。
「ああっそれで頼むよ」
レイラの事を考えたら、風呂付は譲れないからな。
◆◆◆
「それじゃレイラ悪いけど、服を脱いで、毛布に…くるまってくれるかな?」
「まぁ良いわ! 多分見てもがっかりするだけだよ…おばさんだから」
見てがっかりすることは無い。
「そんな事ないけど、今回は違うよ!必要な着替えや下着を買いに行ってくるから、その寸法が解るように、今着ている服が必要なだけだから」
「あはははっ!そりゃそうだよね…態々おばさんの裸は見ないよね…解ったわ」
見たいか見たくないかと言えば見たい。
だが『今は違う』
尤も、後で体を洗う介助はしないといけないから、見る事にはなると思う。
俺はレイラからボロ布のようになった服を受け取ると、そのまま部屋を後にした。
◆◆◆
速攻で古着屋に向かった。
この世界じゃ、服はオーダーメイドか古着しかない。
「おばさん、悪いんだけど、この服や下着と同じサイズの物を3着下さい」
俺が手渡すと…
「うぷっ、なんだいこのゴミ、臭いったらありゃしないよ!」
まぁ奴隷として着たっきりだったんだろうからな。
臭くて当たり前だ。
「すみません」
「まぁ商売だからね、女性にしちゃ大柄だね。今探してあげるから待ってな」
「お願いします」
レイラは勇者だけあって女にしてはかなり大柄だ。
そうは言っても前世で言うならグラビアアイドルみたいな感じだ。
俺の生きた時代は『背の高い女性』というのもモテる女の条件だった。
『ワンレンボディコン』が流行っていた。
ロン毛で足が長くてスラっとした感じだ。
だから、こそ凄く良いんだ。
「サイズ的に選り好みは出来ないけど、こんな感じでどうだい?」
「ありがとう」
俺はお礼を言ってから、古着3セットと新品の下着を受け取った。
「これはどうする?」
「捨てて置いて下さい」
まずはこんな物か?
他に必要な物は、後日で良いだろう。
宿に戻って来た。
部屋には毛布で体を包んだレイラがいる。
これから『お風呂』に入れないといけない。
それには、どうしても見ないといけない。
そう、思い緊張しながら部屋のドアを開けた。
やけに静かだな。
「助けて…」
レイラはどうやら寝てしまったようだ。
「助けて…嫌だ…嫌だ、あっああああっ仲間を殺さないで…」
「助けて、助けて下さい…私の腕がぁぁぁぁー-嫌ぁぁぁぁぁー――っ」
「足…私の足―――っ返して、私の足を返してー――っ」
これは恐らくは魔族との戦いの記憶だ。
これが勇者の実態だ。
確かに魔族と戦っている間は誰もがチヤホヤする。
だが、魔王迄辿り着けて勝利出来る勇者は少ない。
そして戦いに負けたら『死ぬ』
万が一助かっても、五体満足で済むはずはない。
そして命からがら帰ってきた後は悲惨極まりない。
使えないと解ると『用済み』とばかりに全てを押し付けられ責任を取らされる。
これなら、借金まみれで鉄骨を渡らされたり、地下収容所で働かされる方がまだましだ。
魔族も最低だが、この世界の人間も最低だ。
散々助けて貰ったのに…負けたら石を投げつける様な奴ばかりだ。
「レイラ…レイラ」
俺はレイラを起こそうとしたが疲れているのかなかなか起きない。
無理もない。
恐らくは奴隷として檻の中で生活していたんだろうし、まして『犯罪奴隷』だからきっと待遇は悪かったに違いない。
綺麗な筈の髪からはフケが出ているし、体も垢だらけで体臭も臭い。
どんな美女でも、水浴びも満足に出来ないならこうなるよな。
「助けて…」
今もレイラは悪夢にうなされているみたいだ。
寝返りを打った瞬間に毛布がズレた。
見た瞬間思わず目を覆いたくなった。
左手は肘から下が無くなっていた。
これは解る。
魔族との交戦中に斬られたのだろう。
だが、そこが下手糞に縫合されたのだろう、傷跡が凄かった。
ちゃんとしたポーションを使えば、元からそこに腕が無かったみたいに見える位綺麗な筈だ。
だがレイラには傷後があった。
これはポーションすら使われなかった証拠だ。
失った右足の膝から先に代わりに義足が…これを義足と言って良いのか?木の棒2本で太腿を挟み込みボロ布で固定しただけだ。
これだったら、多分歩くのも辛い筈だ。
ボロ布からは血が滲んでいて、恐らくは長い事交換もされて居なかったのだろう、血の一部は乾いていた。
『本当に酷いな』
俺がそう思って見ていたら、目を覚ましたレイラと目が合った。
「なにしているの?」
さてどうしようかな?
もし、レイラの四肢が健康な状態なら、このまま公衆浴場に直行してお風呂に入って貰い、俺が下着や服を買ってくる。と言うのが理想だが、今のレイラにはそれすら難しい。
だから、もう少し話をしようと思った。
こんな状態のレイラを酒場やカフェに連れていく事は出来ないし、宿屋に直行も誤解されそうだ。
公園という選択は間違ってない気がする。
だが、いざ横に座ってみると、なにから話して良いか解らない。
ただ、目が合うだけで心臓のドキドキが止まらなくなる。
『やはり幼馴染とは違う』
あいつ等も巷では美少女と言われていたけど、どうしてもガキにしか思えなくて、こんな気持ちには成らなかった。
「そんなに見て、今買って損した。そう思っているんじゃないですか? オークション会場じゃ遠目だから、気がつかなかったかも知れないけど! 私、結構なおばさんでしょう?『綺麗』とか『理想』なんて言われる女じゃないよ。貴方より貴方のお母さんやお父さんの年齢に近いはずよ。それに顔には大きな傷があるし、手足なんて、これだからね」
そう言うとレイラは、木の棒にしか見えない義足をばたつかせて見せた。
顔の傷だが、前世、俺の生きた昭和という時代には『顔に傷がある美少女』は結構居た。
スケバンという女の不良がいる時代で、その中でも凶暴な奴はカミソリの刃を武器に使う。
良く『二枚刃の京子』とか『二枚刃の明美』とか『二枚刃』を自分の名前の前につけるスケバンは人差し指と中指、中指と薬指の間にカミソリの刃を挟んで2枚の刃で『人の顔を斬る』事を得意としていた。
こうすると、片方を縫っても片方の口が開くから醜い傷跡が残るんだ。
だから、不良の女の子で顔に傷がある女の子も多かったし、『可愛い』『綺麗』な女の子は、やっかみからスケバンに『顔を斬られる子』も結構な数居た。
だから…そこ迄気にならない。
実際に俺の子供の頃のヒーロやヒロインには顔に傷があるキャラも多かったしな。
「レイラは顔の傷や、手足を気にしているかも知れないけど、俺はそこ迄気にならない。勇者だったから解らないかも知れないけど、普通に冒険者をしていれば、怪我する事もあるし命すら落とす事だってある…そう珍しい事じゃない」
これで良い筈だ。
これなら普通に納得してくれるだろう。
「確かにそうかも知れないわ。だけど私は奴隷ですよ?わざわざ顔に傷があって手足が不自由な人間選ぶわけ無いじゃないですよ? しかも、貴方みたいな若い子が…こんなおばさん…なんで買うんですか? お話しましたが、お世話が必要なのは…私です…片手片足だから、生活するのに人の手を借りないと生きていけないんです! 見た感じ、特に女性に不自由するように見えませんが、なにかあるんですか」
これは幾ら話しても押し問答にしかならないな。
今は、なにを話しても駄目かも知れないな。
「信じて貰えないかも知れないけど、俺にとってレイラは好みの女性だ。それは、これからの生活で知って貰うよ」
「強情ですね! こんなゴミみたいなおばさんに、まだ言うんですか? もう良いですよ、犯罪奴隷ですから、私は貴方から離れることは出来ませんし1人じゃ生きられませんから、若い子がなんで私を買ったか知りません。貴方の人生を汚したくなかったのに…もう知りませんから」
「もう、その話は今は止めようか? それでレイラはお風呂は1人で入れるの?」
「ごめんなさい…」
普通に考えてそうだよな。
「それじゃ…あのその…なんだ、宿屋に行こうか?」
「はい」
別に下心は無いけど、凄く緊張するな。
◆◆◆
宿屋についた。
最初、宿屋の主人はレイラをみた瞬間嫌な顔をしたが、俺が黙らせた。
まだ、冒険者証を更新していないから、俺の冒険者証は『勇者パーティ』のままだ。
これを見せれば大体の事は問題ない。
「お金には余裕がある。お風呂がついた良い部屋でベッドが二つある部屋を頼むよ」
「畏まりました。お風呂付の部屋だと1日当たり銀貨1枚になりますが宜しいでしょうか?」
現金な物だ。
高い部屋を頼むと急に笑顔になるんだからな。
「ああっそれで頼むよ」
レイラの事を考えたら、風呂付は譲れないからな。
◆◆◆
「それじゃレイラ悪いけど、服を脱いで、毛布に…くるまってくれるかな?」
「まぁ良いわ! 多分見てもがっかりするだけだよ…おばさんだから」
見てがっかりすることは無い。
「そんな事ないけど、今回は違うよ!必要な着替えや下着を買いに行ってくるから、その寸法が解るように、今着ている服が必要なだけだから」
「あはははっ!そりゃそうだよね…態々おばさんの裸は見ないよね…解ったわ」
見たいか見たくないかと言えば見たい。
だが『今は違う』
尤も、後で体を洗う介助はしないといけないから、見る事にはなると思う。
俺はレイラからボロ布のようになった服を受け取ると、そのまま部屋を後にした。
◆◆◆
速攻で古着屋に向かった。
この世界じゃ、服はオーダーメイドか古着しかない。
「おばさん、悪いんだけど、この服や下着と同じサイズの物を3着下さい」
俺が手渡すと…
「うぷっ、なんだいこのゴミ、臭いったらありゃしないよ!」
まぁ奴隷として着たっきりだったんだろうからな。
臭くて当たり前だ。
「すみません」
「まぁ商売だからね、女性にしちゃ大柄だね。今探してあげるから待ってな」
「お願いします」
レイラは勇者だけあって女にしてはかなり大柄だ。
そうは言っても前世で言うならグラビアアイドルみたいな感じだ。
俺の生きた時代は『背の高い女性』というのもモテる女の条件だった。
『ワンレンボディコン』が流行っていた。
ロン毛で足が長くてスラっとした感じだ。
だから、こそ凄く良いんだ。
「サイズ的に選り好みは出来ないけど、こんな感じでどうだい?」
「ありがとう」
俺はお礼を言ってから、古着3セットと新品の下着を受け取った。
「これはどうする?」
「捨てて置いて下さい」
まずはこんな物か?
他に必要な物は、後日で良いだろう。
宿に戻って来た。
部屋には毛布で体を包んだレイラがいる。
これから『お風呂』に入れないといけない。
それには、どうしても見ないといけない。
そう、思い緊張しながら部屋のドアを開けた。
やけに静かだな。
「助けて…」
レイラはどうやら寝てしまったようだ。
「助けて…嫌だ…嫌だ、あっああああっ仲間を殺さないで…」
「助けて、助けて下さい…私の腕がぁぁぁぁー-嫌ぁぁぁぁぁー――っ」
「足…私の足―――っ返して、私の足を返してー――っ」
これは恐らくは魔族との戦いの記憶だ。
これが勇者の実態だ。
確かに魔族と戦っている間は誰もがチヤホヤする。
だが、魔王迄辿り着けて勝利出来る勇者は少ない。
そして戦いに負けたら『死ぬ』
万が一助かっても、五体満足で済むはずはない。
そして命からがら帰ってきた後は悲惨極まりない。
使えないと解ると『用済み』とばかりに全てを押し付けられ責任を取らされる。
これなら、借金まみれで鉄骨を渡らされたり、地下収容所で働かされる方がまだましだ。
魔族も最低だが、この世界の人間も最低だ。
散々助けて貰ったのに…負けたら石を投げつける様な奴ばかりだ。
「レイラ…レイラ」
俺はレイラを起こそうとしたが疲れているのかなかなか起きない。
無理もない。
恐らくは奴隷として檻の中で生活していたんだろうし、まして『犯罪奴隷』だからきっと待遇は悪かったに違いない。
綺麗な筈の髪からはフケが出ているし、体も垢だらけで体臭も臭い。
どんな美女でも、水浴びも満足に出来ないならこうなるよな。
「助けて…」
今もレイラは悪夢にうなされているみたいだ。
寝返りを打った瞬間に毛布がズレた。
見た瞬間思わず目を覆いたくなった。
左手は肘から下が無くなっていた。
これは解る。
魔族との交戦中に斬られたのだろう。
だが、そこが下手糞に縫合されたのだろう、傷跡が凄かった。
ちゃんとしたポーションを使えば、元からそこに腕が無かったみたいに見える位綺麗な筈だ。
だがレイラには傷後があった。
これはポーションすら使われなかった証拠だ。
失った右足の膝から先に代わりに義足が…これを義足と言って良いのか?木の棒2本で太腿を挟み込みボロ布で固定しただけだ。
これだったら、多分歩くのも辛い筈だ。
ボロ布からは血が滲んでいて、恐らくは長い事交換もされて居なかったのだろう、血の一部は乾いていた。
『本当に酷いな』
俺がそう思って見ていたら、目を覚ましたレイラと目が合った。
「なにしているの?」
さてどうしようかな?
51
お気に入りに追加
854
あなたにおすすめの小説

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。
応援本当に有難うございました。
イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。
書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」
から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。
書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。
WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。
この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。
本当にありがとうございました。
【以下あらすじ】
パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった...
ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから...
第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。
何と!『現在3巻まで書籍化されています』
そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。
応援、本当にありがとうございました!

俺の好きな人は勇者の母で俺の姉さん! パーティ追放から始まる新しい生活
石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが別に気にも留めていなかった。
ハーレムパーティ状態だったので元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、三人の幼馴染は確かに可愛いが、リヒトにとって恋愛対象にどうしても見られなかったからだ。
だから、ただ見せつけられても困るだけだった。
何故ならリヒトの好きなタイプの女性は…大人の女性だったから。
この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。
勿論ヒロインもチートはありません。
他のライトノベルや漫画じゃ主人公にはなれない、背景に居るような主人公やヒロインが、楽しく暮すような話です。
1~2話は何時もの使いまわし。
亀更新になるかも知れません。
他の作品を書く段階で、考えてついたヒロインをメインに純愛で書いていこうと思います。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

救助者ギルドから追放された俺は、ハズレだと思われていたスキル【思念収集】でやり返す
名無し
ファンタジー
アセンドラの都で暮らす少年テッドは救助者ギルドに在籍しており、【思念収集】というスキルによって、ダンジョンで亡くなった冒険者の最期の思いを遺族に伝える仕事をしていた。
だが、ある日思わぬ冤罪をかけられ、幼馴染で親友だったはずのギルド長ライルによって除名を言い渡された挙句、最凶最悪と言われる異次元の監獄へと送り込まれてしまう。
それでも、幼馴染の少女シェリアとの面会をきっかけに、ハズレ認定されていた【思念収集】のスキルが本領を発揮する。喧嘩で最も強い者がここから出られることを知ったテッドは、最強の囚人王を目指すとともに、自分を陥れた者たちへの復讐を誓うのであった……。

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います
長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。
しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。
途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。
しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。
「ミストルティン。アブソープション!」
『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』
「やった! これでまた便利になるな」
これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。
~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

道具屋のおっさんが勇者パーティーにリンチされた結果、一日を繰り返すようになった件。
名無し
ファンタジー
道具屋の店主モルネトは、ある日訪れてきた勇者パーティーから一方的に因縁をつけられた挙句、理不尽なリンチを受ける。さらに道具屋を燃やされ、何もかも失ったモルネトだったが、神様から同じ一日を無限に繰り返すカードを授かったことで開き直り、善人から悪人へと変貌を遂げる。最早怖い者知らずとなったモルネトは、どうしようもない人生を最高にハッピーなものに変えていく。綺麗事一切なしの底辺道具屋成り上がり物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる