【リクエスト作品】邪神のしもべ  異世界での守護神に邪神を選びました…だって俺には凄く気高く綺麗に見えたから!

石のやっさん

文字の大きさ
上 下
48 / 54

第48話 私は虫けら ドラキーナSIDE

しおりを挟む
時は少し遡る。


「ああっあれが邪神の力…」

「ドラキーナさん、無礼ですよ! 邪神様です! 尤も関係ないですかね? これからドラキーナさんは喧嘩を売ってぶっ飛ばすのですから、解りました…私が果たし状を代筆して差し上げましょう! 『生意気だから、あたしがお前をぶっ飛ばして部下に…』と」

「止めて…お願いだから止めてよ…」

あんな物見せられたら、信じるしかない。

目の前で屈強な帝国軍がなにもして居ないのに、体が解体されていく。

相手が1人でも凄い事なのに万単位の人間がバラバラになって死んでいく。

「ドラキーナさん? やらないんですか?」

「馬鹿言わないでよ! 英雄ランスロ―ドが一瞬でバラバラなのよ!彼奴に何回私達は煮え湯を飲まされてきたか…他にも英雄クラスが山程いて、聖騎士に重歩兵騎士までもが全部バラバラ…あれが魔族に通ずるなら、誰も勝てないわよ」

「ふっははははは、何を言っているんですか? 相手は『邪神様』神なのですよ! 我々なんて虫けらなんですよ! 相手が人間だから他の神の加護があるから少し時間が掛かったんですよ! 我々魔族が信仰するのは邪神様だから、加護が無効な分一瞬で塵に出来ますね…ドラキーナさん、ファイトです」

「戦わないわよ…それより、さっきから、なんで急に『さん』なのよ!」

「うふふふっ、私凄く解りやすいんです。尊敬する人には『様』親愛を感じている人には『呼びつけ』どうでもよい人には『さん』なんですよ! ドラキーナさんは…もうどうでも良い人なので『さん』です」

「あんた…ねえ、私の従者でしょうが!」

「何をいっているんでしょう? 私はメイドです…しかも本物の『冥途(メイド)』だから主を自分で選びます。貴方は主ではありません…本物の主が見つかるまでの代替品にすぎません」

「そんな私を裏切るの?」

「裏切るも何も元から主じゃありませんからね。それに私は熱心な『邪教徒』ですから邪神様第一主義です! 邪神様の命令があれば親だろうと兄だろうと喜んで殺しますよ? 勿論、虫けら魔王もそれ以下の四天王もです…私はメイドではありますが冥途でもありますから」

「冥途ってなに」

「主人の為なら喜んで人を殺す、スペシャルメイド…それが私…ドラキーナさん…邪神様に失礼があったら私が殺しちゃいますよ!」

怖い…邪神も怖いし、あの傍に居た2体の人形も恐ろしく禍々しい妖気を纏っていて怖い。

そして、その横の1体。

どう見ても、誰もがあたしより絶対に強いわ。

そして…

「ドラキーナさん、私がどうかしました」

横に居るメイドのエミリーが怖い。

何処にこの悍しさを隠していたの?

マジで邪神を馬鹿にしたら殺されそうな気がする。

そして手には…

「なんで…あんたはホワイトアッシュ(白木の杭)なんて持っているのよ!」

「うふふふっ、もしドラキーナさんが馬鹿やったら心臓にぶち込もうと思っていました(笑)」

「本気…」

「さぁ? 試しになにかしてみたらどうですか?」

「解ったわ…気を付ける」

「解れば良いのですよ…ドラキーナさん」

『齢600年を生きた吸血鬼、血みどろのドラキーナ』ここじゃ虫けらだわ…


しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

ただ貴方の傍にいたい〜醜いイケメン騎士と異世界の稀人

花野はる
恋愛
日本で暮らす相川花純は、成人の思い出として、振袖姿を残そうと写真館へやって来た。 そこで着飾り、いざ撮影室へ足を踏み入れたら異世界へ転移した。 森の中で困っていると、仮面の騎士が助けてくれた。その騎士は騎士団の団長様で、すごく素敵なのに醜くて仮面を被っていると言う。 孤独な騎士と異世界でひとりぼっちになった花純の一途な恋愛ストーリー。 初投稿です。よろしくお願いします。

星の勇者たち でも三十九番目だけ、なんかヘン!

月芝
ファンタジー
来たる災厄に対抗すべく異世界に召喚された勇者たち。 その数、三十九人。 そこは剣と魔法とスチームパンクの世界にて、 ファンタジー、きたーっ! と喜んだのも束の間、なんと勇者なのに魔法が使えないだと? でも安心して下さい。 代わりといってはなんですが、転移特典にて星のチカラが宿ってる。 他にも恩恵で言語能力やら、身体強化などもついている。 そのチカラで魔法みたいなことが可能にて、チートで俺ツエーも夢じゃない。 はずなのだが、三十九番目の主人公だけ、とんだポンコツだった。 授かったのは「なんじゃコレ?」という、がっかりスキル。 試しに使ってみれば、手の中にあらわれたのはカリカリ梅にて、えぇーっ! 本来であれば強化されているはずの体力面では、現地の子どもにも劣る虚弱体質。 ただの高校生の男子にて、学校での成績は中の下ぐらい。 特別な知識も技能もありゃしない。 おまけに言語翻訳機能もバグっているから、会話はこなせるけれども、 文字の読み書きがまるでダメときたもんだ。 そのせいで星クズ判定にて即戦力外通告をされ、島流しの憂き目に……。 異世界Q&A えっ、魔法の無詠唱? そんなの当たり前じゃん。 っていうか、そもそも星の勇者たちはスキル以外は使えないし、残念! えっ、唐揚げにポテトチップスにラーメンやカレーで食革命? いやいや、ふつうに揚げ物類は昔からあるから。スイーツ類も充実している。 異世界の食文化を舐めんなよ。あと米もあるから心配するな。 えっ、アイデアグッズで一攫千金? 知識チート? あー、それもちょっと厳しいかな。たいていの品は便利な魔道具があるから。 なにせギガラニカってば魔法とスチームパンクが融合した超高度文明だし。 えっ、ならばチートスキルで無双する? それは……出来なくはない。けど、いきなりはちょっと無理かなぁ。 神さまからもらったチカラも鍛えないと育たないし、実践ではまるで役に立たないもの。 ゲームやアニメとは違うから。 というか、ぶっちゃけ浮かれて調子に乗っていたら、わりとすぐに死ぬよ。マジで。 それから死に戻りとか、復活の呪文なんてないから。 一発退場なので、そこんところよろしく。 「異世界の片隅で引き篭りたい少女。」の正統系譜。 こんなスキルで異世界転移はイヤだ!シリーズの第二弾。 ないない尽くしの異世界転移。 環境問題にも一石を投じる……かもしれない、笑撃の問題作。 星クズの勇者の明日はどっちだ。

タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜

夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。 不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。 その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。 彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。 異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!? *小説家になろうでも公開しております。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

おじさんが異世界転移してしまった。

明かりの元
ファンタジー
ひょんな事からゲーム異世界に転移してしまったおじさん、はたして、無事に帰還できるのだろうか? モンスターが蔓延る異世界で、様々な出会いと別れを経験し、おじさんはまた一つ、歳を重ねる。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

社畜おっさんは巻き込まれて異世界!? とにかく生きねばなりません!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はユアサ マモル 14連勤を終えて家に帰ろうと思ったら少女とぶつかってしまった とても人柄のいい奥さんに謝っていると一瞬で周りの景色が変わり 奥さんも少女もいなくなっていた 若者の間で、はやっている話を聞いていた私はすぐに気持ちを切り替えて生きていくことにしました いや~自炊をしていてよかったです

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

処理中です...