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第38話 俺が助けるのは...
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「そろそろ、何処かで捨てた方が良いんじゃないかな?」
「ゴブリンとオークが住む地域はすぎたから大丈夫だろう」
あのあと雄オークのぽっちゃりボーイズに会おうと思ったら、既に王国に旅立った後だった。
雌オークのグラビア軍団に惜しまれつつも俺は次の魔物の集落に向けて歩き始めたのだが…いきなり京子がこんな事を言い出した。
「いや、普通にこれからも狙われると思うよ」
「そうですわね…狙われますわね」
「瞳…雌に狙われるのが…嫌なら黒牡丹がかたづける…」
「それが良いですわね、瞳様に色目使う雌は皆殺し…それが良いですわ」
いきなり、黒薔薇と黒牡丹が『世界』から飛び出してきて話に加わった。
「そんな事しなくて良いからな…それに俺がそんなモテる訳無いよ、邪神だから面白がっているだけだよ」
「「…」」
「甘い! 甘いよ瞳…よく考えて! そうだなぁ~ 女性にモテない陰キャが居たとするよ…凄い陰キャで誰からも相手にされないレベル。そんな陰キャの前に女神が現れて『凄いイケメンだね』『カッコ良いよ』と言い出してその言葉に嘘は無い…どうかな? しかもその女神様はなんだか、凄い熱いまなざしで目を見て話してくれる? 男なら惚れないかな?」
「確かに惚れると思うけど、それがどうかしたの?」
「瞳様、無自覚なのですわね」
「…瞳は凄く鈍感」
「いや…それ…男女入れ替えると瞳の事だから…」
「まさか…」
「他にもあるよ? 魔王や魔族に苦しまされて仲間が片端から殺される絶望の世界。王や側近はいるけど、消極的で対処してくれない…そして神にどれだけ祈ろうが『勇者』は現れなかった…そんな地獄のような時代を長い事過ごしてきた…そんな暗黒の時代にとうとう希望の勇者が現れ…さくっと、暗黒勇者やその仲間を倒し…魔王城を壊滅させた…しかもそんな勇者様が、自分を可愛い、綺麗だと言ってくれて明らかに好意を持っている。惚れない?」
それがどうしたって言うんだ。
「それも一体どうしたっていうんだい?」
「これも、魔族側、人間側は逆転しているけど、瞳の事だよ? いいかい…まだ魔物や魔族には広まって無いけどさぁ…今の瞳って人間側になおすなら『魔王討伐後の勇者』状態なんだよ? しかも、その時に力をつけて神様状態。この状態で何故、自分がモテないなんて思うのかな?あたいは何時でもバッチコイ状態だし…なんなら黒薔薇や黒牡丹も同じだよ? 」
そう言われると、確かにそうだが実感が無い。
「確かにそうかも知れないな」
今はその話は先送りで良いんじゃないかな。
多分、情報では次に出会う可能性が高いのはコボルドかオーガだ。
京子情報ではどちらも雄雌仲が良いみたいだから…これまでとは違うだろう。
「まぁ、此処からは苗床をつくる様な種族じゃ無く、ちゃんと雄雌で仲が良い種族だから違うだろう」
「そうかな? まぁ瞳は色々経験した方が良いよ」
「瞳様…甘いですわ」
「甘いと思う」
俺はそんなにモテない筈だ。
「俺は、そんなにモテないよ」
「それ本気で言っているの? あたいはキマイラだから幾つもの魔物の複合体だから解る…今の瞳は魔物に凄くモテているよ」
「瞳様は無自覚すぎますわ…私はもうメロメロですわよ?」
「人形だから子供は産めないけど…幾らでも夜の相手もする」
「ほらね? この2人もこんな状態なんだよ? もう少し自覚を持った方が良いよ」
「はははっ実感が無いけど…気をつける」
「全く」
此処からは雄雌の仲が良い種族が多くなる。
問題無いよな。
◆◆◆
黒薔薇と黒牡丹、京子は再び『世界』に引っ込んでいった。
2人は目立つから普段は『世界』に居る事が多い。
京子はまぁ『霧崎京子』に擬態しているから普通に一緒に居たり、居なかったりだ。
今日は世界に引っ込んでいて、まぁ俺1人で歩いている。
街道を歩いていると悲鳴が聞こえてきた。
『きゃぁぁぁーー助けて』
悲鳴の方に駆けつけていくと…
「助けに来てもらったが、もう終わる」
「良かったな!俺達が通りかかって」
「ありがとうございます…本当に助かりました」
「冒険者様達が通りかかってくれなければ…終わりでした、ありがとう」
人間の親子3人が6名の冒険者にお礼を言っていた。
そして、その横には死に掛けの雌オークが3人蹲っていた。
まだ死んでいない。
しかし、凄く美人だな。
『助けて下さい…妹が妹が...死んじゃう』
『娘を娘を助けて下さい』
『ううっ…』
どうやら雌オークの3人は母親と姉妹のようだ。
今の俺は普通の服に普通の剣…まぁ冒険者みたいな格好をしている。
『今すぐに助けるから』
そう雌オークの耳元で囁いた。
『『『ありがとう…』』』
その言葉を聞き俺は冒険者と雌オークの間に入った。
「なんだ、お前等…俺達が手負いにしたのに横取りか?ああん?」
「良くないぞ、それは」
馬鹿だな…俺は彼女達を狩るんじゃない。
助ける立場だ。
「何を考えているのか知らないが…死ね」
俺は剣を抜き冒険者たちに斬りかかった。
◆◆◆
『大丈夫だった? 災難だったね』
『うっうっありがとうございます…邪神様ぁぁぁぁ~』
俺はあの後、冒険者6名を斬り殺し、3人の雌オークに持っていたポーションを振りかけた。
しかし…雌オークは美人ばかりだな。
3人の見た目は…
綺麗な20代後半の未亡人に綺麗な美人大学生姉妹みたいな感じだ。
30歳に満たない女性にこんな若い子供が居ないから…美魔女だな。
『ありがとうございます…本当に邪神様が来なければ、今頃は娘共々殺されていました…本当に、本当にありがとう』
ついポーションを使ってしまったが…いま思えば魔法を使うチャンスだったな。
しかし…エロい。
いや、別に邪な考えでいるわけじゃ無いが…彼女達は雌オークなんだよ…つまりトップレスで腰布一枚…巨乳が丸出しなんだよ。
おっぱいパブの女の子がそのまま外を歩いているんだ…男なら誰だってガン見したくなるだろう。
『ありがとうございました…邪神様』
『いや…はははっ当たり前の事をしただけだから…』
ヤバいつい顔が赤くなる。
ハァ~我ながら本当に女の子に耐性が無いよな。
「た助けて…お願いします…息子、息子だけは」
「アンタ…人間だよな…なんでオークの仲間に…今からでも遅くない俺達を助けて…冒険者殺した事は言わない、約束するからな…」
「うわぁぁぁぁ~ん! 怖いよ、お父さ~ん! お母さんーーっ」
折角、話しているのに煩いな。
『この世界に来たばかり疎いのですが、皆さんは人間の肉を食べるのですか?』
『うふふっお恥ずかしいですが…私達は食べるのが趣味で、娘2人は凄く大食いですね…人間に限らず…お肉は大好物ですよ』
『だったら、さっきの冒険者6名の肉をあげるよ…あとこの3人はどうする?欲しいなら、これもあげるよ』
『ありがとうございます…どうしようかしら?』
『お母さん、そろそろお昼だよ、私お腹すいた』
『私も、お腹すいちゃった』
確かに今はお昼時だ…
「何をするの…嫌、いやだぁぁぁーー来ないで下さい。息子に触らないでーーーっ」
「助けて、頼むから…俺はどうなっても良いから妻と息子を助けてくれ」
「お父さん、お母さん…助けて、助けてよーーー」
「大丈夫だよ!ちゃんと美味しく食べて貰ってあげるから…安らかに死んでくれ…大丈夫、楽に殺してあげるから」
俺は剣を取り出し、人間の親子の首を跳ねた。
約束通り…弄んだりしないで一瞬で殺してあげた訳だ。
前から考えていたのだが、この後どうするかだ。
仲間も雌オークも雌ゴブリンも食事の絵面が汚い。
如何に美女、美少女でも人間をそのまま食べる姿は...余り見たくない。
どうにか出来ないか?
よく考えた結果、スキルによる解体が出来ないか真剣に考えてみた。
解体して整形された状態ならステーキを食べているのと一緒だ。
結果、あっさり出来てしまった。
全知全能は何でも出来る究極の力だが、何をどうしたいかを自分で考えなくてはならない。
スキルを使った解体...それが思いつかないと効率の良い解体方法が頭に浮かぶだけだ。
『解体』
冒険者と親子の肉が見事に解体されていく。
凄いなこのスキル。
ただ、スキルを使っただけなのに…勝手に『肉』『内臓』『血液』『骨』等にしっかりわかれていく。
これなら…もう肉屋の肉となんら変わりない。
『勝手に解体しちゃったけど…何処かに移動してバーベキューでもしない?』
『えっ…宜しいんですか?』
『邪神様、ありがとうございます』
『お肉だ。わ~い』
しかし、本当に雌オークって綺麗だな。
若く見える美魔女のシングルマザーに美人な大学生姉妹。
さて、何処に行こうか?
考えていると 突然下に影の様な穴が空いて…俺と雌オークの3人はそのまま穴に落ちた。
『『『きゃぁぁぁぁーーーっ』』』
落ちた先には…
「それなら、此処で楽しめば良いのですわ」
「お肉は、私も大好物…」
「あはははっバーベキューなんて久しぶりだよ」
もう一生分の食料を超える程『世界』にはある。
だから、肉にありつくのじゃ無くて、一緒に食事を楽しみたいのだろう。
『あの…この人達は?』
『俺の仲間だよ。 黒薔薇に黒牡丹、そして京子だ』
「初めてお目に掛かりますわ…拷問ドールの黒薔薇ですわ」
「…黒牡丹」
「霧崎京子です」
『ご丁寧にありがとうございます』
『『宜しくお願いします』』
黒薔薇は解体で容器にわけた血液をシェークみたいに飲んでいる。
他の5人は俺が焼いた肉にかぶりついている。
正に肉食系女子だな。
『そういえば、なんで3人はあんな所に居たんですか?』
『私達が住んでいた村が人間に襲われて…彷徨っていた所を襲われたんです…』
『もう住むべき村はありません』
『家が無いの…』
未亡人とか言っていたが…良く考えたらオークは雄雌別で暮らして…そう考えたらこの未亡人風オークは他の種族の雄を犯して…この二人が…ゴクリ。
考えるのはよそう。
『それなら、この先に俺がエルフの村を滅ぼして、雌オークに与えた村があるから、そこを頼っていくと良いよ…その先に王国もあるけど、そこは滅ぼしたから人間は居ないし多分魔物の街になっているから、取り敢えず安心だと思うよ…』
『邪神様本当ですか? 行ってみます』
『雌オークの村があるのですね』
『もう旅しなくて良いんですね…ありがとう』
『ああっ、俺の名前出して良いから…行くと良いよ』
『『『ありがとう(ございます)』』』
バーベキューパーティも終わり…3人の雌オークと別れた。
調理して食べて貰えば、美人や美少女が人間にかぶり付く姿を見ないで済む。
まだ、俺は流石に人間は食べていない。
王都で手に入れた肉屋の肉で充分だからそれを食べている。
だが、他の仲間が、人間を食べているのを見て、前ほど禁忌感が無い。
今日なんて率先して焼いていたしな…
この目になった日から…もしかしたらこうなる運命が決まっていたのかも知れないな。
「ゴブリンとオークが住む地域はすぎたから大丈夫だろう」
あのあと雄オークのぽっちゃりボーイズに会おうと思ったら、既に王国に旅立った後だった。
雌オークのグラビア軍団に惜しまれつつも俺は次の魔物の集落に向けて歩き始めたのだが…いきなり京子がこんな事を言い出した。
「いや、普通にこれからも狙われると思うよ」
「そうですわね…狙われますわね」
「瞳…雌に狙われるのが…嫌なら黒牡丹がかたづける…」
「それが良いですわね、瞳様に色目使う雌は皆殺し…それが良いですわ」
いきなり、黒薔薇と黒牡丹が『世界』から飛び出してきて話に加わった。
「そんな事しなくて良いからな…それに俺がそんなモテる訳無いよ、邪神だから面白がっているだけだよ」
「「…」」
「甘い! 甘いよ瞳…よく考えて! そうだなぁ~ 女性にモテない陰キャが居たとするよ…凄い陰キャで誰からも相手にされないレベル。そんな陰キャの前に女神が現れて『凄いイケメンだね』『カッコ良いよ』と言い出してその言葉に嘘は無い…どうかな? しかもその女神様はなんだか、凄い熱いまなざしで目を見て話してくれる? 男なら惚れないかな?」
「確かに惚れると思うけど、それがどうかしたの?」
「瞳様、無自覚なのですわね」
「…瞳は凄く鈍感」
「いや…それ…男女入れ替えると瞳の事だから…」
「まさか…」
「他にもあるよ? 魔王や魔族に苦しまされて仲間が片端から殺される絶望の世界。王や側近はいるけど、消極的で対処してくれない…そして神にどれだけ祈ろうが『勇者』は現れなかった…そんな地獄のような時代を長い事過ごしてきた…そんな暗黒の時代にとうとう希望の勇者が現れ…さくっと、暗黒勇者やその仲間を倒し…魔王城を壊滅させた…しかもそんな勇者様が、自分を可愛い、綺麗だと言ってくれて明らかに好意を持っている。惚れない?」
それがどうしたって言うんだ。
「それも一体どうしたっていうんだい?」
「これも、魔族側、人間側は逆転しているけど、瞳の事だよ? いいかい…まだ魔物や魔族には広まって無いけどさぁ…今の瞳って人間側になおすなら『魔王討伐後の勇者』状態なんだよ? しかも、その時に力をつけて神様状態。この状態で何故、自分がモテないなんて思うのかな?あたいは何時でもバッチコイ状態だし…なんなら黒薔薇や黒牡丹も同じだよ? 」
そう言われると、確かにそうだが実感が無い。
「確かにそうかも知れないな」
今はその話は先送りで良いんじゃないかな。
多分、情報では次に出会う可能性が高いのはコボルドかオーガだ。
京子情報ではどちらも雄雌仲が良いみたいだから…これまでとは違うだろう。
「まぁ、此処からは苗床をつくる様な種族じゃ無く、ちゃんと雄雌で仲が良い種族だから違うだろう」
「そうかな? まぁ瞳は色々経験した方が良いよ」
「瞳様…甘いですわ」
「甘いと思う」
俺はそんなにモテない筈だ。
「俺は、そんなにモテないよ」
「それ本気で言っているの? あたいはキマイラだから幾つもの魔物の複合体だから解る…今の瞳は魔物に凄くモテているよ」
「瞳様は無自覚すぎますわ…私はもうメロメロですわよ?」
「人形だから子供は産めないけど…幾らでも夜の相手もする」
「ほらね? この2人もこんな状態なんだよ? もう少し自覚を持った方が良いよ」
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「全く」
此処からは雄雌の仲が良い種族が多くなる。
問題無いよな。
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2人は目立つから普段は『世界』に居る事が多い。
京子はまぁ『霧崎京子』に擬態しているから普通に一緒に居たり、居なかったりだ。
今日は世界に引っ込んでいて、まぁ俺1人で歩いている。
街道を歩いていると悲鳴が聞こえてきた。
『きゃぁぁぁーー助けて』
悲鳴の方に駆けつけていくと…
「助けに来てもらったが、もう終わる」
「良かったな!俺達が通りかかって」
「ありがとうございます…本当に助かりました」
「冒険者様達が通りかかってくれなければ…終わりでした、ありがとう」
人間の親子3人が6名の冒険者にお礼を言っていた。
そして、その横には死に掛けの雌オークが3人蹲っていた。
まだ死んでいない。
しかし、凄く美人だな。
『助けて下さい…妹が妹が...死んじゃう』
『娘を娘を助けて下さい』
『ううっ…』
どうやら雌オークの3人は母親と姉妹のようだ。
今の俺は普通の服に普通の剣…まぁ冒険者みたいな格好をしている。
『今すぐに助けるから』
そう雌オークの耳元で囁いた。
『『『ありがとう…』』』
その言葉を聞き俺は冒険者と雌オークの間に入った。
「なんだ、お前等…俺達が手負いにしたのに横取りか?ああん?」
「良くないぞ、それは」
馬鹿だな…俺は彼女達を狩るんじゃない。
助ける立場だ。
「何を考えているのか知らないが…死ね」
俺は剣を抜き冒険者たちに斬りかかった。
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『大丈夫だった? 災難だったね』
『うっうっありがとうございます…邪神様ぁぁぁぁ~』
俺はあの後、冒険者6名を斬り殺し、3人の雌オークに持っていたポーションを振りかけた。
しかし…雌オークは美人ばかりだな。
3人の見た目は…
綺麗な20代後半の未亡人に綺麗な美人大学生姉妹みたいな感じだ。
30歳に満たない女性にこんな若い子供が居ないから…美魔女だな。
『ありがとうございます…本当に邪神様が来なければ、今頃は娘共々殺されていました…本当に、本当にありがとう』
ついポーションを使ってしまったが…いま思えば魔法を使うチャンスだったな。
しかし…エロい。
いや、別に邪な考えでいるわけじゃ無いが…彼女達は雌オークなんだよ…つまりトップレスで腰布一枚…巨乳が丸出しなんだよ。
おっぱいパブの女の子がそのまま外を歩いているんだ…男なら誰だってガン見したくなるだろう。
『ありがとうございました…邪神様』
『いや…はははっ当たり前の事をしただけだから…』
ヤバいつい顔が赤くなる。
ハァ~我ながら本当に女の子に耐性が無いよな。
「た助けて…お願いします…息子、息子だけは」
「アンタ…人間だよな…なんでオークの仲間に…今からでも遅くない俺達を助けて…冒険者殺した事は言わない、約束するからな…」
「うわぁぁぁぁ~ん! 怖いよ、お父さ~ん! お母さんーーっ」
折角、話しているのに煩いな。
『この世界に来たばかり疎いのですが、皆さんは人間の肉を食べるのですか?』
『うふふっお恥ずかしいですが…私達は食べるのが趣味で、娘2人は凄く大食いですね…人間に限らず…お肉は大好物ですよ』
『だったら、さっきの冒険者6名の肉をあげるよ…あとこの3人はどうする?欲しいなら、これもあげるよ』
『ありがとうございます…どうしようかしら?』
『お母さん、そろそろお昼だよ、私お腹すいた』
『私も、お腹すいちゃった』
確かに今はお昼時だ…
「何をするの…嫌、いやだぁぁぁーー来ないで下さい。息子に触らないでーーーっ」
「助けて、頼むから…俺はどうなっても良いから妻と息子を助けてくれ」
「お父さん、お母さん…助けて、助けてよーーー」
「大丈夫だよ!ちゃんと美味しく食べて貰ってあげるから…安らかに死んでくれ…大丈夫、楽に殺してあげるから」
俺は剣を取り出し、人間の親子の首を跳ねた。
約束通り…弄んだりしないで一瞬で殺してあげた訳だ。
前から考えていたのだが、この後どうするかだ。
仲間も雌オークも雌ゴブリンも食事の絵面が汚い。
如何に美女、美少女でも人間をそのまま食べる姿は...余り見たくない。
どうにか出来ないか?
よく考えた結果、スキルによる解体が出来ないか真剣に考えてみた。
解体して整形された状態ならステーキを食べているのと一緒だ。
結果、あっさり出来てしまった。
全知全能は何でも出来る究極の力だが、何をどうしたいかを自分で考えなくてはならない。
スキルを使った解体...それが思いつかないと効率の良い解体方法が頭に浮かぶだけだ。
『解体』
冒険者と親子の肉が見事に解体されていく。
凄いなこのスキル。
ただ、スキルを使っただけなのに…勝手に『肉』『内臓』『血液』『骨』等にしっかりわかれていく。
これなら…もう肉屋の肉となんら変わりない。
『勝手に解体しちゃったけど…何処かに移動してバーベキューでもしない?』
『えっ…宜しいんですか?』
『邪神様、ありがとうございます』
『お肉だ。わ~い』
しかし、本当に雌オークって綺麗だな。
若く見える美魔女のシングルマザーに美人な大学生姉妹。
さて、何処に行こうか?
考えていると 突然下に影の様な穴が空いて…俺と雌オークの3人はそのまま穴に落ちた。
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落ちた先には…
「それなら、此処で楽しめば良いのですわ」
「お肉は、私も大好物…」
「あはははっバーベキューなんて久しぶりだよ」
もう一生分の食料を超える程『世界』にはある。
だから、肉にありつくのじゃ無くて、一緒に食事を楽しみたいのだろう。
『あの…この人達は?』
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「…黒牡丹」
「霧崎京子です」
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『『宜しくお願いします』』
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正に肉食系女子だな。
『そういえば、なんで3人はあんな所に居たんですか?』
『私達が住んでいた村が人間に襲われて…彷徨っていた所を襲われたんです…』
『もう住むべき村はありません』
『家が無いの…』
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考えるのはよそう。
『それなら、この先に俺がエルフの村を滅ぼして、雌オークに与えた村があるから、そこを頼っていくと良いよ…その先に王国もあるけど、そこは滅ぼしたから人間は居ないし多分魔物の街になっているから、取り敢えず安心だと思うよ…』
『邪神様本当ですか? 行ってみます』
『雌オークの村があるのですね』
『もう旅しなくて良いんですね…ありがとう』
『ああっ、俺の名前出して良いから…行くと良いよ』
『『『ありがとう(ございます)』』』
バーベキューパーティも終わり…3人の雌オークと別れた。
調理して食べて貰えば、美人や美少女が人間にかぶり付く姿を見ないで済む。
まだ、俺は流石に人間は食べていない。
王都で手に入れた肉屋の肉で充分だからそれを食べている。
だが、他の仲間が、人間を食べているのを見て、前ほど禁忌感が無い。
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名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
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