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第4話 拷問ドール
しおりを挟む「しかし、うい奴じゃ。我が美しいなど生まれて初めて言われたぞ!お主には我がどの様に見えるのじゃ」
邪神とはいえ、女神様に不敬かも知れないが、どう見ても俺には金髪の後ろ三つ編みの美少女にしか見えない。
まるで王女か貴族の娘みたいに凛として見える。
「不敬かも知れませんが、王女か貴族の子女、凄い美少女に見えます」
「なぬ、美少女とな! 生まれてから初めて言われたぞ…そうか、そうか我は美少女か。そう言えばお主の名前を聞いていなかったのう」
「はい、黒木瞳(くろきひとみ)と申します」
「黒木くんね。それで私は、そのどんな風に見えるのかな?」
「大人の優しい美人のお姉さんに見えます」
おっとり系の豊満な美女…本当に女神そのものにしか見えないな。
「びびびび、美人、その響き、数百年ぶりだわ、うふふっ、考えられない位沢山の祝福をあげるわね」
「我もじゃ…だが、その前にまずは約束の人形に息吹を吹き込んでくれようぞ、だが最後に一応確認をする。この人形は一旦息吹を吹き込んだら一切返品はきかぬ。更に難儀な事に愛情を示さねば、それなりの報いを受ける事になるが良いな」
話を聞くと少し怖いが、こんな美しい少女が貰えるチャンス見逃したくない。
「はい」
「本当に大丈夫? その子達は拷問人形(拷問ドール)よ? 黒木くんには可愛く見えるかもかもしれないけど、その禍々しさから、魔王に護衛として下賜したのに返された物なのよ。本当に大丈夫?」
「大丈夫とはどう言う意味でしょう?」
「うむ、洋服を着ている一体は名を『黒薔薇』という。血を吸う吸血人形(ドール)でもう一体の着物を着ている方が『黒牡丹』と言い、肉を吸う肉吸人形じゃ。折角我が作った最高傑作なのに、醜い、禍々しいと魔王や魔族の奴ら拒みおって、この2体の心を傷つけ怒らせおったのじゃ…その結果、魔族の幹部数人が殺され、魔王は瀕死の重傷を負い暫し生死の境を彷徨った。難儀と言ったじゃろう?どうじゃ?怖くなったのなら止めても良いのじゃぞ?」
今迄の俺は悍しく、醜い者に囲まれてきた。
恐らくは異世界に行っても人の中で暮すのならそれは変わらない。
こんな綺麗な2人が傍に居てくれたら、そんな思いはしないで済む。
黒薔薇は白髪に赤い目、貴族風の髪型の透き通る様な肌の美少女に見える。ゴシックロリータに身を包み、俺から見た感じはまるで物語から出来た様な実際には存在しない位美しい美少女だ。
黒牡丹は黒髪に黒目、おかっぱ頭で肌は白く日本のお嬢様の様な美少女。何故か黒地に牡丹をあしらった着物を着ている。まるで、昔の日本の物語から出てきた美少女にしか見えない。
「やめたりしません。是非お願い致します」
「うむ…良い覚悟じゃな、それでは行くぞ」
「大丈夫かなぁ」
例えどんな事になっても今よりは絶対に良くなるはずだ。
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