1 / 54
第1話 俺の世界
しおりを挟む
教室の左端、常に下を見て、周りの人間とは極力話さない。
それが俺の日常だ。
「黒木君、このプリントを後ろに回して…」
「ああっ」
目を併せずにプリントだけ受け取り後ろに回した。
学校の時間は本当に苦痛だ。
否応無しに『見なくてはならない』
黒板を見ていても端々に目に入る。
最近はもう慣れた。
それでも気分が良い物じゃない。
俺の目には、同級生も通行人も…凄く醜く見える。
あの時から俺はこの世界が辛くて仕方が無い。
そう…あの時からだ。
◆◆◆
俺が小学生5年生の時だ。
両親とドライブをして事故にあった。
山を車で走っている時に反対車線を走るトラックが車線を大きくはみ出してきて、正面衝突…その結果両親は死んで、俺は生死の境を彷徨いながら、3か月入院した。
その際に両目を負傷して目が見えないままの時を過ごしたのだが、治った時にはもう世界が変わっていた。
今迄、普通に見えていた『人』が悍しく醜い存在に見える様になった。
何処を見ても化け物、化け物…普通に見える人間なんて殆ど居ない。
化け物の中で、思いっきり悍しく醜い存在と、少し悍しい位の存在が居る。
どっちみち…悍しく気持ち悪い存在にしか見えない。
この目になってから、真面な人間に見えた存在は…僅か数名。
1人はニュースで見た『連続殺人犯の高校生』彼女は普通の存在に見えた。
その他は…『トイレに入っていったおかっぱに赤いスカートの少女』『田舎で会った身長が2メートルを超える女』『私綺麗?そう聞いてきたマスクの女性』その3人だけがこの目になってから『綺麗に見えた存在』だった。
まさか…こんな事なら、話しかけて友達になって貰うべきだったな。
事故に遭ってからは最悪だ。
アイドルなんて…まるで化け物みたいにしか見えない。
小さい頃は、医者に通って相談したけど…もう諦めた。
頭が可笑しい…そう思われたくないから、隠す事に決めたんだ。
多分、俺は今後も…化け物にしか皆が見えない世界で生きていくしかない…諦めが肝心だ。
◆◆◆
俺は周りを見たくないから休み時間はうつ伏せに寝たふりをしている事が多い。
こうして、休み時間が終わるのを待つか、トイレに駆け込み個室で過ごすか…閉鎖された屋上の階段で過ごす…それが俺の日常だ。
今日も何時ものように、ただうつ伏せになり、時間が過ぎ去るのを待っていた。
『ただ今日は何時もと違っていた』
可笑しい…机にうつ伏せになっている、俺が眩しく感じる。
この状態で眩しく感じるわけが無い。
まるで太陽を直視している様な程眩しく、目を瞑っているのに太陽を直視したみたいだ。
「うわぁぁぁーーこの光はなんだ」
「なにも見えないわぁぁぁーー」
「これはなんだ、何処かに落ちていくのかぁぁーーっ」
周りはパニックになっている。
流石に見ない訳にはいかない。
周りを見ると大きな光に包まれ、眩しく何も見えない。
近くに同級生が居る筈なのに声は聞こえるが、まるで光の霧に包まれたように見えない。
そして気のせいか、どんどん下に落ちている? いや上に上がっているのか?
何とも言えない感覚に襲われた。
そして急に頭痛がし、俺は意識を手放した。
一体、何が起きて…いるんだ。
それが俺の日常だ。
「黒木君、このプリントを後ろに回して…」
「ああっ」
目を併せずにプリントだけ受け取り後ろに回した。
学校の時間は本当に苦痛だ。
否応無しに『見なくてはならない』
黒板を見ていても端々に目に入る。
最近はもう慣れた。
それでも気分が良い物じゃない。
俺の目には、同級生も通行人も…凄く醜く見える。
あの時から俺はこの世界が辛くて仕方が無い。
そう…あの時からだ。
◆◆◆
俺が小学生5年生の時だ。
両親とドライブをして事故にあった。
山を車で走っている時に反対車線を走るトラックが車線を大きくはみ出してきて、正面衝突…その結果両親は死んで、俺は生死の境を彷徨いながら、3か月入院した。
その際に両目を負傷して目が見えないままの時を過ごしたのだが、治った時にはもう世界が変わっていた。
今迄、普通に見えていた『人』が悍しく醜い存在に見える様になった。
何処を見ても化け物、化け物…普通に見える人間なんて殆ど居ない。
化け物の中で、思いっきり悍しく醜い存在と、少し悍しい位の存在が居る。
どっちみち…悍しく気持ち悪い存在にしか見えない。
この目になってから、真面な人間に見えた存在は…僅か数名。
1人はニュースで見た『連続殺人犯の高校生』彼女は普通の存在に見えた。
その他は…『トイレに入っていったおかっぱに赤いスカートの少女』『田舎で会った身長が2メートルを超える女』『私綺麗?そう聞いてきたマスクの女性』その3人だけがこの目になってから『綺麗に見えた存在』だった。
まさか…こんな事なら、話しかけて友達になって貰うべきだったな。
事故に遭ってからは最悪だ。
アイドルなんて…まるで化け物みたいにしか見えない。
小さい頃は、医者に通って相談したけど…もう諦めた。
頭が可笑しい…そう思われたくないから、隠す事に決めたんだ。
多分、俺は今後も…化け物にしか皆が見えない世界で生きていくしかない…諦めが肝心だ。
◆◆◆
俺は周りを見たくないから休み時間はうつ伏せに寝たふりをしている事が多い。
こうして、休み時間が終わるのを待つか、トイレに駆け込み個室で過ごすか…閉鎖された屋上の階段で過ごす…それが俺の日常だ。
今日も何時ものように、ただうつ伏せになり、時間が過ぎ去るのを待っていた。
『ただ今日は何時もと違っていた』
可笑しい…机にうつ伏せになっている、俺が眩しく感じる。
この状態で眩しく感じるわけが無い。
まるで太陽を直視している様な程眩しく、目を瞑っているのに太陽を直視したみたいだ。
「うわぁぁぁーーこの光はなんだ」
「なにも見えないわぁぁぁーー」
「これはなんだ、何処かに落ちていくのかぁぁーーっ」
周りはパニックになっている。
流石に見ない訳にはいかない。
周りを見ると大きな光に包まれ、眩しく何も見えない。
近くに同級生が居る筈なのに声は聞こえるが、まるで光の霧に包まれたように見えない。
そして気のせいか、どんどん下に落ちている? いや上に上がっているのか?
何とも言えない感覚に襲われた。
そして急に頭痛がし、俺は意識を手放した。
一体、何が起きて…いるんだ。
12
お気に入りに追加
413
あなたにおすすめの小説

ただ貴方の傍にいたい〜醜いイケメン騎士と異世界の稀人
花野はる
恋愛
日本で暮らす相川花純は、成人の思い出として、振袖姿を残そうと写真館へやって来た。
そこで着飾り、いざ撮影室へ足を踏み入れたら異世界へ転移した。
森の中で困っていると、仮面の騎士が助けてくれた。その騎士は騎士団の団長様で、すごく素敵なのに醜くて仮面を被っていると言う。
孤独な騎士と異世界でひとりぼっちになった花純の一途な恋愛ストーリー。
初投稿です。よろしくお願いします。

星の勇者たち でも三十九番目だけ、なんかヘン!
月芝
ファンタジー
来たる災厄に対抗すべく異世界に召喚された勇者たち。
その数、三十九人。
そこは剣と魔法とスチームパンクの世界にて、
ファンタジー、きたーっ!
と喜んだのも束の間、なんと勇者なのに魔法が使えないだと?
でも安心して下さい。
代わりといってはなんですが、転移特典にて星のチカラが宿ってる。
他にも恩恵で言語能力やら、身体強化などもついている。
そのチカラで魔法みたいなことが可能にて、チートで俺ツエーも夢じゃない。
はずなのだが、三十九番目の主人公だけ、とんだポンコツだった。
授かったのは「なんじゃコレ?」という、がっかりスキル。
試しに使ってみれば、手の中にあらわれたのはカリカリ梅にて、えぇーっ!
本来であれば強化されているはずの体力面では、現地の子どもにも劣る虚弱体質。
ただの高校生の男子にて、学校での成績は中の下ぐらい。
特別な知識も技能もありゃしない。
おまけに言語翻訳機能もバグっているから、会話はこなせるけれども、
文字の読み書きがまるでダメときたもんだ。
そのせいで星クズ判定にて即戦力外通告をされ、島流しの憂き目に……。
異世界Q&A
えっ、魔法の無詠唱?
そんなの当たり前じゃん。
っていうか、そもそも星の勇者たちはスキル以外は使えないし、残念!
えっ、唐揚げにポテトチップスにラーメンやカレーで食革命?
いやいや、ふつうに揚げ物類は昔からあるから。スイーツ類も充実している。
異世界の食文化を舐めんなよ。あと米もあるから心配するな。
えっ、アイデアグッズで一攫千金? 知識チート?
あー、それもちょっと厳しいかな。たいていの品は便利な魔道具があるから。
なにせギガラニカってば魔法とスチームパンクが融合した超高度文明だし。
えっ、ならばチートスキルで無双する?
それは……出来なくはない。けど、いきなりはちょっと無理かなぁ。
神さまからもらったチカラも鍛えないと育たないし、実践ではまるで役に立たないもの。
ゲームやアニメとは違うから。
というか、ぶっちゃけ浮かれて調子に乗っていたら、わりとすぐに死ぬよ。マジで。
それから死に戻りとか、復活の呪文なんてないから。
一発退場なので、そこんところよろしく。
「異世界の片隅で引き篭りたい少女。」の正統系譜。
こんなスキルで異世界転移はイヤだ!シリーズの第二弾。
ないない尽くしの異世界転移。
環境問題にも一石を投じる……かもしれない、笑撃の問題作。
星クズの勇者の明日はどっちだ。

タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜
夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。
不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。
その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。
彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。
異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!?
*小説家になろうでも公開しております。

おじさんが異世界転移してしまった。
明かりの元
ファンタジー
ひょんな事からゲーム異世界に転移してしまったおじさん、はたして、無事に帰還できるのだろうか?
モンスターが蔓延る異世界で、様々な出会いと別れを経験し、おじさんはまた一つ、歳を重ねる。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

社畜おっさんは巻き込まれて異世界!? とにかく生きねばなりません!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はユアサ マモル
14連勤を終えて家に帰ろうと思ったら少女とぶつかってしまった
とても人柄のいい奥さんに謝っていると一瞬で周りの景色が変わり
奥さんも少女もいなくなっていた
若者の間で、はやっている話を聞いていた私はすぐに気持ちを切り替えて生きていくことにしました
いや~自炊をしていてよかったです

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる